side チュチュ
あーしは実習後のグリグリの機体を見に行った。
「そういや、モニターが真っ暗ってどういうこと?」
「暗くて何も見えなくなったのだ。ほら、この通り。」
そう言って、グリグリは
「確かに真っ黒だな。」
「機械の故障は恐らく無さそうなのだが………」
「だったら何が………」
目の前の不可解な現象に頭を悩ませながら、ふらっと機体の外に出ると………あーしは機体前面の違和感に気づいた。
「おい、なんか外に塗られてね?」
「外に………う〜む、我は何も塗った覚えは………」
「遅効性遮蔽スプレー‼︎」
「なんとっ⁉︎」
モニターが真っ暗になった原因は、機体前面に黒いスプレーがかけられてたからだった。
「全裸でプレイしてると思ったら、いつの間にかボディペイントになってた感じか‼︎」
「違えよどんな発想だよ⁉︎」
グリグリの猥談はさておき、メカニック担当のニカ姉がこんなことをするはずが無い。となると、実習中に外部から誰かが塗布したとしか思えない。遠隔操作でスプレーを吹っかけるくらい、簡単なラジコンで出来るだろう。
「くそっ、悪戯か……っ‼︎」
「悪戯は性的なものだけにしてほしいな。」
「それも嫌だろ‼︎」
グリグリはまたしてもさておき、思いつく犯人は1組。この前食堂であーしらに喧嘩ふっかけてきたクソアマスペーシアンだ。となると、あーしにも仕掛けてくるのは明白。
「あーしがこれやられたらどうすんだよ……っ‼︎」
「とりあえず、我みたいに地雷を猥褻物とみればよいのでは?」
「あーしはエロ探知スキルなんかねぇよ‼︎」
もちろんグリグリみたいに出来るはずもないし出来たくもない。となると、どうすればいいのか………
「ならば、ローション・愛液等剥離剤を部屋から持ってくるか………」
すると、グリグリが頓珍漢なものを言ってきた。
「なんだよそれ………」
「プレイ時はローションや愛液など様々な液体が部屋中に付着することになる。それを落とすのは地味に大変だ。」
「知らんがな。」
「そこで開発されたのが、我が天王星から持ってきた剥離剤。これを用いてプレイ後の片付けを円滑に行うのだが………」
コイツら本当に技術の使い道間違ってない?もっとちゃんとした目的で使ったら、それこそ宇宙一になれるポテンシャルあるのに。
「それを事前にチュチュのMSにかけておこう。」
「理屈は知りたくなかったけど、役には立ちそうだな。とりあえず使ってみるか。」
「承知した。それでは早速部屋から持ってこよう。」
「ありがとな!」
それはさておき、とりあえずあーしはグリグリの道具に頼ることにした。彼女は嫌な顔一つせず、素直にあーしに協力してる。こういう姿勢が、彼女の変態性を差し引いても一緒に居たいと思えてしまう要素である。
その後はグリグリの剥離剤のおかげか、
「すげえ、全然黒くならねえ‼︎」
「おお、それは良かった‼︎」
遮蔽スプレーの被害を受けることなく、あーしは無事実習をクリアした。
side アーシアン差別女2人
くそっ、あのアーシアンまでクリアさせちまった‼︎マジでムカつく‼︎なんなのよ、天王星の変態技術は………っ‼︎たくっ、次のターゲットは田舎者の水星女だ‼︎あたしらのストレスを発散させてくれよ‼︎
side チュチュ
実習を終えてあーしらが寮に帰ると、
「どどどど〜も〜、すすす、スレッタ・マーキュリー、です!」
「リリッケ・カドカ・リパディだよ〜!」
「寮長のマルタンだ。」
なんと………そこにはいるはずのない水星女が居た。
「おい!なんでここにスペーシアンがいんだよ⁉︎」
「「「チュチュ⁉︎」」」
「我も居るのだが………」
「た、確かに………」
一瞬頭にきて手が上がりそうになったものの、そういやグリグリもスペーシアンだったことを思い出して冷静になれた。いつの間にか彼女のことをアーシアンの皆と同等に扱ってたことに、ようやく気づいたのだ。
そうなると、特に悪意の無さそうなこの女を無碍に扱う理由もないだろう。一応確認はしておくが………
「おいお前、あーしらアーシアンを下に見たりしねぇよなぁ?」
「もももも、もちろんですぅ!」
「ならいいよ。」
「「「「「「おお‼︎」」」」」
まあ、大丈夫だろう。あーしがすんなりスペーシアンを認めた様子に、周りの仲間たちは大きく驚いていた。
「我はパイロット科1年のエバーグリーン・ウラヌス。早速なのだが、君はふたなりか?」
ただ1人、グリグリだけは平常運転だったが。
「早速じゃねえよ‼︎なんて質問してんだ、この変態女‼︎」
「だって、花婿の魔女だぞ?ついてるか否か気になるではないか。」
「つつつつ、ついてるって何をです⁉︎」
「ナニだ。」
「だからそれって…………」
どうやら水星女ことスレッタは下ネタを全く知らない様子。まあ見た感じの予想通りだ。
「気にすんなスレッタ、コイツは後であーしがシメとくから。」
「えええっ、えっと!シメるのはよろしくないかと‼︎」
「いや、真面目かお前も‼︎」
「拘束プレイ………だと⁉︎それは我が地雷ぞ……っ‼︎」
「お前地雷あんのかよ⁉︎」
グリグリのみえない地雷を踏みつつも、新たなスペーシアンを歓迎することができた。スペーシアンだからと一括りにせず、ちゃんとその人柄を見て付き合うか判断する。それがあーしには大切なんだと、変態の親友に気付かされたのだった。まあ、差別する奴らは今まで通りゴミ扱いするけどな‼︎
そんなことを考えてると、
「スレッタ、ここに居たのね。」
入り口からノコノコと白髪女がやってきた。彼女は確か、ミオリネ・レンブラン。ベネリットグループの総統である理事長の娘だ。正直この立場の人間がアーシアンを差別しないわけないけれど………我慢だ、我慢。
「君は確か………ミオリネ・モンブラン。」
「レンブランよ。」
「花婿であるスレッタとの卑猥な行為を、教えていただきたい。」
「はぁ⁉︎」
お前はもう少し我慢しろ。
「んなことするわけないでしょ⁉︎馬鹿じゃないの⁉︎」
「なにっ、花婿と花嫁が性行為をしない………だとっ⁉︎」
「ミオリネさん、どういうことですか⁉︎」
「コイツの猥談は聞かなくていいから、スレッタ!」
「では我が………やらしい雰囲気にしてやるぞ‼︎」
「しなくていいから‼︎」
ただ、これで分かった。彼女は優秀なツッコミ役になり得る。あーしだけじゃ持たなかった胃と喉を、彼女にも負担してもらおうじゃね〜の‼︎
「ミオリネ……だっけか。後は任せた!」
「アンタ、コイツの相方じゃないの⁉︎ちゃんと世話しなさいよ‼︎」
「無理なもんは無理‼︎」
「チュチュが相方………か。良き……
彼女らが地球寮に入ったわけじゃねえけど、なんだが仲間が増えて賑やかになった。そんな気がした日だった。
side 4号
階段下でスレッタ・マーキュリーと接触。どうやら地球寮に行ってたらしい。
そういえば地球寮には、変態の