side チュチュ
どうやらエランはスレッタのエアリアルが欲しいらしい。
「エランは機械姦……なのかっ‼︎実に変態だ‼︎」
「お前がな‼︎」
そして、グリグリはアホらしい。
「誕生日……聞いたのがいけなかったのでしょうか………」
そんなグリグリをよそに、当のスレッタは落ち込んでいた。スレッタはアリヤの占いで必要な誕生日を聞いて、エランとの運命を知りたかったらしい。が、それを聞いた途端エランが怒ったんだとさ。
「鬱陶しい………か。氷の君はなかなか酷いことを言うな。」
「なんか感じ悪いですよ〜。」
「自分から誘ったんじゃね〜のかよ‼︎」
「なにっ、エランは誘い受けではないだと⁉︎由々しき事態だ‼︎」
「お前の頭がな‼︎」
本当に意味が分からない。急に嫌になって断ったのか?まるでマッチングアプリで実際に会ったものの、思ってたのと違って断ったみたいに。もしそうだとしたら、更に腹が立つ。
そんなことを思っていると、
「それにしても、誕生日を聞かれるのが嫌………か。彼は己の出自を好んでないのかもな。」
「出自………ですか………」
「誕生日とは己の生まれた日……つまり出自が嫌だから、誕生日も嫌いになるのかと………」
グリグリが久々にまともな事を言った。まあ友人思いな一面はあるので、いざという時にちゃんとするのは意外でもないけど。
そしてエランが出自に何かしら嫌な思いをしていること。自分が実はアーシアンで、それを隠して生きているとか?それとも何か別の悩みが?考えれば考えるほどドツボにハマって、第三者のあーしですらよく分からなくなる。
そういや、グリグリの出自……というか、過去はどんな感じなんだろう?まあ大概エロい事しか無いだろうけど。わざわざこんなに遠いアス校を選んだのも、天王星外にエロい男が居ないか探しに来た、とかだろうな。
「なるほど………でもアリヤさんの占いは……」
「誕生日以外か、ちょっと探してみるけど…………」
「あああありがとうございます‼︎」
それはともかく、アリヤの占い関係なしにも、好きな人の誕生日は知っておきたいけどな。好きな人だけじゃなくて、友人とかでも。後でグリグリの誕生日聞いとこう。
翌日、スレッタが決闘の約束を取り付けてきた。が、一つ問題があった。
「フロント外宙域*1?」
「お前、推進ユニット持ってんの?」
「持ってない……です。」
決闘場所だ。フロント外宙域とは、その名の通り宇宙空間。そこでは推進ユニットが無いとうまく立ち回れない。
「まずいよ〜。ペイル社のMSは機動力が売りなんだ〜!まして新型が相手じゃ………」
「あの装備だけじゃ不利だな。」
「すいません………」
「ドンマイですよ〜。決闘の諸条件は、決闘委員会の先見事項ですから〜。」
そして、御三家のMS相手、しかも金にものを言わせた最新機種。普通に考えて不利だ。もちろん買えるお金もありゃしない。他のクソスペ共の寮がアーシアン&ウラヌシアン&水星女のあーしらに貸してくれるはずもない。どう解決すればいいか、頭を必死に回らせていると………
「作ってみようか!」
機械の天才ことニカ姉が名乗りをあげた。
「ならば、我にもいい考えがある。」
異彩な変態ことグリグリも名乗りをあげた。
「本当ですか、ありがとうございます!」
ニカ姉曰く近未来から来ててもおかしくないと言われる天王星の技術。それを使って、一体何をするのだろうか…………
「それでは、放屁型推進ユニットの開発に取り掛かる。」
おならだった。
「「「何言ってんだよお前⁉︎」」」
そりゃ、全員でツッコミたくもなる。よりにもよっておならかよ。
「これは屁こき
「まず、屁こき侍って何⁉︎」
「屁で空を飛ぶことですぐに現場に駆けつけ、様々な問題を解決する治安維持部隊だ。」
「治安維持してんのそれ⁉︎臭くなってない⁉︎」
確かにおならを勢いよくやれば推進力が出て、空が飛べそうというのはわかる。でもそれを実際にやろうとは思わないし、それで空を飛んで仕事現場に駆けつけるのはもっとヤバい。
「天王星がおなら臭いのは元々だ*2。」
「よく住んだな、そんなとこに⁉︎」
「先祖曰く、天王星移住プロジェクト、いわば仕事で来たらしいからな……」
「それ変態を左遷させただけじゃね〜か‼︎」
おなら臭い惑星に左遷された変態たち。なまじ優秀だったせいで、死なないどころか逆に高度な文明を築いたのだろう。あと、左遷する側の気持ちはめっちゃ分かる。恐らく、変態と関わりたくないからだろう。あーしだってそうするし。
「ちなみに天王星には屁こき侍以外にも、ちんちん侍や乳ビンタ侍、
「他にも居んのかよ、それにケツだけ名前のテイスト違いすぎね⁉︎」
おなら以外にも沢山いる変態集団。そいつらがそこら中を飛び回って活動する光景。それを想像するだけで、得体の知れない気持ち悪さが襲ってくる。
「話が逸れたな。概要としては、多くの人の放屁をエアリアルとリンクさせることで、より大きな推進力を得られるというものだ。」
「ほぇ〜、なんかすごいですね!」
何もわかってなさそうなスレッタ。大丈夫、あーしも分かってないから。
「でも私、流石に人体にリンクさせるのは出来ないかも……」
「ニカ、安心しろ。その辺は天王星の専門家の手助けを借りる。」
「それじゃあ、私は他の部分を考えればいいってことね!」
「話が早くて助かる。」
「早すぎだろ‼︎」
ニカ姉、なんでそんなにすぐ分かるの?
「他の皆には、現役の屁こき侍から効率の良い放屁術を教わり、スレッタのエンジンとなるのだが………」
「効率的なおならの仕方とかあんのかよ⁉︎」
「放屁学の教科書が出ているくらいだ。」
「本出すほど沢山あんの⁉︎」
マジで、言ってることやろうとしてること全てが無茶苦茶だ。そんなの、出来るわけね〜だろ。あーしは断って、メカ整備とかそっちを担当しよっかな………
「言って思ったが、恥も負担も重いな………他の皆には整備に集中してもらって、我1人が放屁を担当する。」
そんな事を思ってたのに、妙な気遣いを見せてくれた。どうやら最近他惑星の人は猥談を恥じると知ったらしい。そして、妙な漢気も見せてくれる。普通会って2ヶ月の人間のために、女1人がおならし続けるなんてあり得ない。それを、友達の為なら躊躇わずにやれる。こんな姿を見せられちゃあ、あーしだって黙ってらんね〜よ‼︎
「分かったよ。誰にも聞かれね〜なら、あーしもやるよ‼︎」
「本当か⁉︎チュチュ、感謝する‼︎」
「お、俺もやるぜ!」
「俺も俺も!」
「ヌーノ、オジェロ!それに皆まで……っ‼︎感謝するぞ‼︎」
こうして、地球寮はおならをするために団結したのだった。
迎えた決闘の日、あーしは新しく作った、指定の防音個室でおならこき続けた。ぶっちゃけスレッタの戦闘シーンを見る余裕がないくらい、おならに集中した。講習会で教わった通り、食べ物と腹の筋肉に気をつけて………
side 4号
嘘だろ……?なんかエアリアル、おなら臭くね⁉︎くそっ、パーメットリンクで限界だってのに………っ‼︎こんなおならになんか負けてたまるか!アンタだけは否定してみせる、スレッタ・オナラ・マーキュリー‼︎
そしておならといえば天王星………知らなかったけど、かつてスカーレット・ウラヌスはペイル寮に居たらしい。どれだけエッチな女だったのだろうか………いや、これは天王星の変態性の程度を測るものであって、決して僕の性的嗜好ではない。まあ、今は関係無いけどな‼︎
にしてもくっさ……。本当にくっさ………。そんなに僕におならを嗅がせたいのか………全く、スレッタ・マーキュリー。君は本当に鬱陶しいな……っ‼︎
side チュチュ
あの日の決闘は結局、あーしらの勝ちとなった。オナラで掴んだ、いや、オナラは掴めないけども、そんな勝利だった。
「やったぁ‼︎」
「我らの力が優ったな‼︎」
「ケツ痛めた甲斐あったぜ!」
「エッチ団結‼︎これぞまさに地球寮‼︎」
「エッチはやめろエッチは‼︎」
「そうか………」
ちなみに個室でしたので、めちゃくちゃ臭くなった。マジで。
しかしその数日後、スレッタがデートの約束をしたものの、エランはバックれた。せっかくのおならヴィクトリーは無駄になったのだった………。全く、次会ったらぶん殴ってやろうっと。エラン、覚悟しろよ‼︎
チュチュの漢気をおならに使いました。ごめんなさい。変態化はしてないので許して。