丸山彩「えっ...エッチしないと出られない!?」   作:我来也

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丸山彩「さ、流石に、恥ずかしい...といいますか....」

『エッチをしないと出られない』

 

 

 そう表示された画面を観て、俺と丸山はしばらく画面から目を離せず茫然としていた。と思う。というのも俺は画面から目を離せなかった為丸山が実際どうだったか分からないからだ。しかし視界の外側に映る彼女の動きか特になかったから俺と同じ状態だと思った。

 途中で丸山が「聞いてないよぉ....」と独り言のようにか細い声で言っていた。

 しかしこの画面をずっと観続けていたところで現状が変わるわけではない。そろそろ動かないといけない。そこで丸山とどう解決していこうか相談し合おうと彼女の方を向きかけたところで思い止まる。

 この画面を観た後、いくら知り合いとはいえ、いや知り合いだからこそなのかもしれないが異性と目を合わせると相手はどう思うだろうか。俺は男だから特に問題ないと思う。しかし女性は、彼女はどう思うだろうか。この画面の表示されてる通りに相手の男性が事を起こすかもしれない。そう思っても不思議ではないはず。

 今ここで丸山を見るのは辞めた方が良さそうだ。ならここは特に気にしてません。興味ありません。という感じでいこうと思い踵を返そうとしたが気になることがあった為視線は画面で丸山に問いかけてみた。

 

「なぁ丸山さん。丸山さんはこの文章を観てどう思う?」

「えぇ!?えーっと.....さ、流石に、恥ずかしい...といいますか。するならry」

「は!?あー、違う違う。悪りぃ、質問の仕方が大雑把過ぎたわ。」

 

こういう監禁というか密室に何者かによって囚われている為彼女とエッチをしたいという性欲より恐怖や焦燥が勝っている。だから今彼女とエッチをする気すらないのだが、なんとなくだが彼女には申し訳ない気持ちになってしまった。今更ながら“するなら”の続きを聞いとけばよかった。

一呼吸を置きもう一度彼女に聞くことにした。

 

「えっとだな、この文章ってさなんかおかしくないか?」

「───えっ?ど、どういうこと?」

 

俺は「んー」と目を閉じ右手を顎に当て少し考えを纏めて口を開いた

 

「例えば丸山さん、君がこの事件の犯人だとするよ?」

「えぇ!?」

「いや例えだからね?落ち着いて。えっと、もし丸山さんがもしこの事件の犯人だとする。丸山さんには大きな目的があってその為に俺らをこの空間に閉じ込めたとしよう。」

 

俺の話に丸山は混乱しながらも「うん、うん。」と相槌をうって聴いている。

 

「───もし丸山さんならどう言った文章にする?」

「うぅ〜ん....なんてするんだろう....?」

「難しく考えなくていいよ。単純に思ったことでいいよ。」

「んー、◯◯してほしくなければ現金何千万下さい。とか?」

「そ!所謂、脅迫状だね。それと宣言文というか予告状のようなもの。例えば◯◯時◯◯分に□□で爆弾が作動する、とかね。で、その2つの犯行書の共通点は目的のための手段だということ。」

 

 脅迫状はすごく分かりやすいと思うが予告状も目的のための手段にすぎない。犯人の目的は十人十色だが、予告状に記載されてる事を起こしてほしくないために犯人に目的を聞いて話し合いのテーブルにつくことだってできるし、注目を浴びているニュースの犯人が自分だという高揚感を味わうという承認欲求を満たせるというのもある。

 

「だがこの『エッチをしないと出られない』という文は正直そのどちらでもないと思う。脅迫状のようではない感じだしましては予告状ではない。犯人の目的が分からないんだよね。」

 

 そう答えると丸山はなるほど、と言ったような表情でこちらを見ていた。今更だがいつの間にか俺は彼女の方を見ていたことに気付いてしまった。まぁ丸山は特に俺を見て怖がっている訳ではなさそうだからもう問題ないだろう。

 改めてモニターを観て考える。なぜこの脅迫状や予告状のような書き方ではなくこの中途半端というか大雑把な書き方をしたのか、犯人は俺たちをどうしたいのか。仮にこの文でも脅迫状だとすると、この部屋から出て欲しければここで彼女とエッチをしろって事になる。これだと犯人の目的は彼女とエッチそすることになる。だが犯人が彼女とエッチをするのならわかるが、そうではない。それに...

 

「丸山さん、そういえば気付いた?」

「ん?何が?」

「ここ監視カメラがないんだよね。」

「え?そうなの?あ、本当だ。監視カメラがありそうなところにカメラがない。」

そういって辺りをキョロキョロと見渡す。

「これだと犯人は俺たちの情報が知ることが出来ないんだよね。普通人質を監禁するなら必ずカメラを設置する。」

「それはどうして?」

「単純に人質が何かしでかしていたら困るからだよ。脱出したりそこで命を落としたりしたら人質の意味がないからね。」

「けど.....」

「そのカメラがない。」

 

 漫画やドラマ等で観て知ったいつもの展開じゃない。特別恐い何かが居たとかではない。ただシンプルに犯人の意図が読めない。ただそれだけでじわじわとくる恐怖がある。

 とここで画面をしばらく観ていた丸山が「あっ」と何か判ったかのような反応をし俺に聞いてきた。

 

「ねぇ、私も何か違和感があるなって思って見ていたんだけど、これ制限時間ないよね...?なんでかな?」

 

 確かに言われてみればそうだ。脅迫状でも制限時間を設けてることが多い。そうすることで相手の思考を鈍らせ思い通りになりやすいからだ。けどこの文章にはそれがない。

 

「確かにそうだね、おかしい。」

 

一度自分なりにこの文章を観てからの違和感を頭の中で整理する。

 

①この文章は脅迫状でも予告状でもない文章

②俺たちを閉じ込めてるのに監視カメラがない

③制限時間を記載してない

そしてこれが一番謎が

④何故彼女とエッチをしないと出られないのか

 

 正直丸山との接点が全くなかった訳ではないが番組で共演して番組の企画でペアになって一緒に色々したくらいだ。それ以降特に彼女と共演をしたわけでも連絡をしてるわけではない。

 

ん?

 

何故犯人は俺と丸山の2人を閉じ込めたんだ?

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