疲れめクズ野郎のラプチャースローライフ、俺は指揮官辞めて自由に生きる!!!追放(死亡)された後に後悔してももう遅い 作:雨野坂
こうして俺は、彼と共に行動することになった。
行く当てはない。
それでも、せっかく死なずに済んだのだ。おまけに仲間までできた。
ならば、目指してみようと思う。
誰にも脅かされることのない、絶対的な安息地。誰にも邪魔されず、安心して暮らせる理想の土地を。
そのためには、彼の協力が必要だ。
彼は自分の戦闘データを俺に渡してくれた。おそらく、信用されているのだと思う。
……まあ、彼の言葉を理解できるわけではないので、すべて俺の想像にすぎないのだが。
彼を見ると、「どうしたの?」とでも言いたげな様子で、こちらを見つめていた。
まあ、この反応を見る限り、少なくとも脅威ではなさそうだ。
俺は身振り手振りで、外に出ることを伝えた。
まずは、この拠点を補強したい。
ごく普通の一軒家では、あまりにも頼りない。ラプチャーやニケに襲撃されたら、ひとたまりもないだろう。
幸い、周囲には倒壊した家屋の瓦礫が転がっている。それらを寄せ集めて、家の強度を高めることにした。
早速、隣の廃墟へと向かう。
無惨にも崩れ去っているが、探せば使えそうなものがいろいろと見つかりそうだ。
例えば、このキッチンシンク。
銃火器を相手にするとなれば、大して役に立たないと思われがちだろう。
だが、ニケたちの進路を妨害するくらいならできるはずだ。
俺は器用にレーザーの出力を最小限まで落とし、キッチンシンクの解体に取りかかった。
ちょうど十数個のパーツに切り分けた頃、彼が何かの残骸を持ってきた。
何だろうと思って覗き込むと、それは旧時代のゲーム機だった。
……こんなものを持ってくるとは、彼はゲーマーだったのだろうか?
そんなことを考えながら、詳しく調べてみる。
ゲーム機そのものには、さほど価値がなさそうだった。
しかし、内部に使われている部品が興味深い。
どうやら、ラプチャーの脳に組み込めそうな構造をしているらしい。これを装着すれば、簡易的な性能向上が見込めるようだった。
なぜ人間が作った機械が、ラプチャーの強化パーツになるのか。
まったく理解できない。
だが、実際に自分の身体を調べてみると、この部品を組み込むことで、性能が〇・五パーセントほど向上すると見積もられた。
……なんだそれ。微妙すぎないか?
とはいえ、塵も積もれば山となる。
俺は思わぬ掘り出し物を持ってきてくれた彼を褒めるように、自分の前腕を軽く打ち合わせた。
彼もこちらの意図を理解したらしく、どことなく嬉しそうな様子を見せた。
なるほど。
この辺りで、同じようなゲーム機や家電製品を漁ってみるのも悪くないかもしれない。
そうして俺たちは、拠点の補強に使う材料と、身体の強化に使えそうなパーツを集めて回った。
思ったほどの収穫はなかったが、初日にしては上出来だろう。
ちなみに、強化パーツを身体に組み込むには、安全な場所で改造を施す必要があるらしい。
そのため、見つけたパーツはできるだけ回収し、家の中にまとめて置いておくことにした。
それにしても、人間だった頃には持ち上げることすらできなかった重い鉄板を、今では軽々と動かせるのだから驚きだ。
こんな小型のラプチャーですら、この怪力である。
ならば、タイラント級のラプチャーは、いったいどれほどの力を持っているのだろうか。
……考えただけでも、空恐ろしくなる。
ラプチャーってぇ怪力そうー