疲れめクズ野郎のラプチャースローライフ、俺は指揮官辞めて自由に生きる!!!追放(死亡)された後に後悔してももう遅い 作:雨野坂
さて、集めたパーツを使おうかな。
パーツはすでに電子機器から取り外してあり、床の上に積み木のようにぶちまけられている。
取り外す作業は結構面倒だったが、二人で分担したおかげで、それほど時間はかからなかった。
さて、改造手術を行うにあたって、重要なことが一つある。
それは、手術中は完全に無防備になってしまうということだ。外敵に襲われたとしても、逃げることすらできない。
俺たちラプチャーは、金属の体を持つ有機機械生命体だ。
液体のように自在に形を変えられるわけではなく、硬い外骨格の内側に炭素系の組織を備えている。生態としては、どちらかといえば昆虫に近いのだろう。
そのため、強化パーツを取り付けるには、いちいち体を解剖し、内部にある中枢神経へ直接装着しなければならない。
中枢神経は電子演算端末のハブのような構造をしており、拡張性も備えている。仕組みさえ理解できていれば、解剖した後にパーツを取り付けること自体は、それほど難しくないと思われる。
……うーん。
俺が頭を悩ませていると、彼がおもむろに自分の体を開き始めた。
えっ、と思ったのも束の間。
彼の頭部がカポッと開き、その内部に中枢神経にあたるコアが姿を現した。
どうやらラプチャーは、任意に自分の体を変形させることができるらしい。
……なぜ俺にはできないんだ?
理由は皆目見当もつかない。
後天的に、それも不完全な形でラプチャーになったせいで、ラプチャーの体と人間の頭との適合率が低いのかもしれない。
今の俺は、ラプチャーの体に人間の頭を乗っけただけ。まるで子供が作った出来の悪い人形のような姿をしている。
首の切断面こそ見えないものの、ラプチャーの体をある程度自由に動かせていることを考えると、まだ融合の途中なのかもしれない。
……ということは、今の俺に強化パーツを取り付けるのは、事実上不可能ということになる。
うん、やめておこう。
だって、変なことして死ぬの嫌じゃん。
結局、集めたパーツは全部彼に譲ることにした。
パーツを装着した彼の外見に、目立った変化はない。
しかし、歩行の精度が上がり、各部の動きも以前より俊敏になったように見える。どうやら、改造手術は成功したらしい。
できることなら俺自身にもパーツを装着して、生き延びるための手段を増やしたかったのだが……まあ、仕方ないか。
さて、少しばかり性能が向上した彼と、次は土木作業のお時間である。
集めた瓦礫は実に多種多様だ。木材に非鉄金属、それからチタンプレートまである。
その中でも特に多いのが、壁に使われていた煉瓦だった。
煉瓦は使い道が多く、こうした拠点の改造にはうってつけの材料である。
そこで、試しに家の周囲へ煉瓦の塀を作ってみることにした。
……とはいえ、煉瓦積みなんてやったことがない。
完全な素人仕事だ。
それでも、一列だけでは人間やら何やらがやってきたときに心もとない。せめて三列くらいは積んでおくか、と思いながら作業を始めた。
……が、案の定。
セメントも使わずに煉瓦を積んだところで、簡単に崩れてしまう。
ならばと、そこら辺の土を擦り付けてセメント代わりにしてみたが、やっぱりボロボロと崩れていく。
こりゃあ、どうしようもないな。
そうして試行錯誤した結果、家の周囲には煉瓦が積み上がった。
……いや、塀とは呼べないな。
どちらかといえば、煉瓦の山だ。
どうやら俺たちに、左官仕事は無理らしい。
つみきーじゃん