疲れめクズ野郎のラプチャースローライフ、俺は指揮官辞めて自由に生きる!!!追放(死亡)された後に後悔してももう遅い 作:雨野坂
ニケかと思ったが人間なのか?廃墟の側に倒れているのは人間の様だが四肢がない、非合法な処理をされた債務者であろうか?
俺たちは今にも命尽きてしまいそうな姿に脅威は見出せず、しかし警戒は緩めずに近寄った。
それは、やはりと言うかニケだった。
所謂有名どころの量産型のニケだろう。
しかし、センサーが故障しているのか俺たちに気づいていない様である。
俺はそのニケ肩の部分を前腕で軽く小突いた。
「そこに誰かいるのですか?」
ニケがそう言ったがどういう返事を返すか思い悩む、俺たちの事をラプチャーだと知られることは絶対に避けたい。その上でこの場所で何が起こったのか情報を引き出すことができれば上々だ。
「意識があるのか。俺は別の任務でここを訪れている者だ。お前はなぜその様な状態になっている?」
人と話すのも久しぶりだったので相手に伝わっているかどうかが怪しいがどうだろう...?
「指揮官様でございますか、私は助かったのでしょうか?私を助けてください!!お願いします!!!」
ニケはどうやら錯乱状態にある様だ、落ち着かない事には情報を聞き出すのも困難だろう。
「待て、落ち着け。騒ぎ立てるとラプチャーが寄ってくる。」
「落ち着く事なんで出来ません!!まだの近辺にあの大型のラプチャーがいるはず早くここを離れないと!!」
このニケはラプチャーの襲撃にあったのか、大型というとタイラント級のラプチャーか?そうするとここいら一帯は縄張りかもしれないな、ううむ面倒くさい事になった。
幸い今は居ないがまた戻ってくるかもしれん、その時に家から近いこの場所でニケとラプチャーがどんぱちやれば俺たちの身が危険に晒されるだろう。
しかしラプチャーに襲われたのにこいつは何故手足が取られ目を潰されている状態なのだ?
「今は大丈夫そうだ。だからそう大声を上げるな、それとも自ら死を選ぶのか?それなら俺たちはここから離れよう、そうされたくなければ速やかに此処であった事を話せ。」
そういうとニケは怯えた様に声を小さくした。
「あなたに此処を離れられると私は死あるのみです。これまであった事を全て話します。だからどうか助けてください...」
「ここに来た目的ですが、私たちは小型ラプチャーの群れを討伐するために来ていたのです。」
「しかし、途中から次第に雲行きが怪しくなっていき、ラプチャー達がそろってコーリングシグナルを発した時でした。空から巨大なラプチャーが現れたのです。」
「私たちの指揮官はその状態で生きながらえるためにニケの一体を囮にする事にしました。それが私です。ですがその後に私には目もくれず指揮官や残ったニケたちは殺されてしまいましたが。」
囮にされたか、卑怯な事を考えるものも居たものだ、まあ俺も人のことは言えないけどね。
しかしこの話が本当だとすると、こいつがラプチャーに襲われなかった理由はなんだ?
よく見ても普通の量産型ニケだ。変わったところも無いが?よく考えると彼はどうなっているのだろうと隣にいるであろう彼の方を見る。
彼は特にニケを気にした様子もなくただ俺たちの会話を見ている。
彼が何の反応も見せない、もちろん彼が特別ニケに対して温情のあるラプチャーだと言うことはないだろうし、これは?
「つまりお前は仲間達に見捨てられたのだな。」
「はいそう言う事になります。」
「お前を連れてやってもいい、だが条件がある。」
「条件でございますか?」
「ああ、一つに俺たちの事を詮索するな。二つに自分でやれる事は出来るだけ自分でやれ。」
「そうは言っても私は手足がない状態なのですが...」
「手足ならあそこでバラバラになっているお前の仲間の物があるだろう」
「な、仲間達のパーツを使うのですか?」
「なんだ、嫌なのか?なら俺たちはこれで去るが。」
「いえ、パーツを付ける事自体は嫌と言う訳ではありませんが、自分を裏切った者たちと一緒になる様に思えてしまって何だか嫌悪感が」
「そうか、しかし嫌悪感を感じて居ようが付けてもらうぞ、流石に今の状態では足手纏いにしかならない」
「...分かりました付けましょう」
「いいだろう、パーツを持ってくる。」
さてさて、散らばっているパーツだが、結構破損箇所が多い様に思えて3体のニケがいた様だが、一人分ギリギリの量しか取れなかった。
「今からお前の四肢を装着するが、センサーは回復させない」
「何故でしょうか?目も見えた方が役に立つとは思いますが。」
「それは俺たちの姿が機密に当たるからだ。自分の命が惜しければ詮索はするなよ。」
「...はい、分かりました。」
これ以上不信感を与えると後が怖いが念を押して伝えなければ、調子に乗って俺たちの正体がバレる事になるかもしれないからな。
それにしても上手くこいつを使えば人間との衝突を回避することも出来るかもしれない、そう考えると拾い物だったなぁと思うのだった。