疲れめクズ野郎のラプチャースローライフ、俺は指揮官辞めて自由に生きる!!!追放(死亡)された後に後悔してももう遅い 作:雨野坂
とりあえず、ニケの修復が終わったのち俺たちは移動する事にした。
ここに大型のラプチャーが出没するなら俺たちの拠点についても考えないといけない。
場所にこだわりがある訳ではないが、コロコロ場所を変えていると心が落ち着かないと言うのがある。
それに此処を離れて他のところに行った所でそこに強力なラプチャーが居ないとも限らない。
一か八かに賭けるよりも、どうやって危機が迫った時にやり過ごす事が出来るかを考えた方が生き残れる気がする。
ニケに対しては、俺たちがアークに戻る事はないと伝えた。何か言いたそうな表情をしていたがとうとう口にする事はなかった。
さてこれから戻るに際して問題が一つある。それは、ニケのセンサーを修理していないので思う様に歩く事ができない事だ。
各部位にバランサーなどの姿勢制御に関する機能は持たせられているが補助的な物に過ぎず、荒地などの悪路では役に立たない。
であるのでそこらの廃材を利用して簡易的なリアカーを作る事にした。
木の板にバイクのタイヤやサスペンションを付けただけの簡素な物だが、今回だけしか使わないと思うので、これでいいだろう。
ガタゴトとリアカーが音を立てながら走る。操縦兼動力は俺だ。
ニケは気まずそうに三角座りでリアカーの中心に座っている。最初は遠慮をしているのか嫌がっていたがラプチャーが来るぞと言うと渋々と乗った。
帰るルートは廃墟の中にある道路を使う。条件としてはそこそこ幅があって大通りに面していない裏路地のような道が好ましいが、そんな道はたいてい瓦礫に埋もれているので少々危険だが大通りを使っている。
ラプチャーはちらほら見えるが俺たちに特に興味もない様だ。やはりこのニケには何か特殊な力があるのかも知れない。
いつ途切れるかも知れない力だが、使える物は使っておこうと言う事で利用している。
俺にもそんな物があれば、こんなラプチャーの姿にならずに済んだのにと羨ましく思っていると、ふと彼が反応を見せた。
どうやら中型のラプチャーが右の方から接近してきている様で、どうやら小型のラプチャーを追いかけているみたいだ。
異常個体でないラプチャーが他のラプチャーを襲うのかと疑問に思いながらも見ていると、とうとう小型のラプチャーが捕まってしまった。
中型のラプチャーはその鋭利な刃で金属の皮膚に引っかけると、あっという間に小型のラプチャーをバラし、その後はバラバラになった肉片を口に当たる部分をガポッと開き掃除機の様に吸い込んだ。
一連の流れを見ていた俺は、ラプチャーにも同族食の習慣がある事に恐怖を感じていた。
中型のラプチャーはご飯を食べて満足したのかノシノシと歩いて行った。
自分があの様にならなかった事に安堵を覚え、また彼と邂逅できたときに意思疎通ができた幸運に感謝するのであった。