レ級に転生したんだけどどうすりゃいいですか? 作:ウィルキンソンタンサン
久しぶりの更新なのにアレなんですが、今回は筆休めというか小噺というか書き散らしというかそういうssをまとめたやつです。三本立て。
──盗み食い──
「間宮さんが新作を出すっぽい。」
そう神妙な面持ちで夕立が言う。
……なに?新作?
あっ、あの間宮スペシャル親子丼のことか?看板に予告あったなそういや。
「……ウン。らしいネ。」
「そんなどうでも良さそうな顔しないで!っぽい!」
「だってスイーツじャ無いシ。」
間宮スペシャルバニラアイス、再販まだかなぁ。
「普通のご飯も美味しいじゃん!?っぽい!」
「それは否定しないけどモ。」
正味、この身体は食事が必要ないからねぇ。
「食べたい!絶対に!」
「販売を待てばいいんじャないノ?」
たしか販売は3日後だったか?待とうと思えば待てる日数だ。
「それじゃダメ!新作は戦争!すぐに売り切れちゃうっぽい!」
「あァそウ……。」
え、何?PS3?まぁ確かに間宮さんの新作はいつもこれモノ売るってレベルじゃねえぞおいって感じだけど。
「確実に!よく味わって食べたい!っぽい!」
「そうですカ。頑張レ。」
「協力して!」
「言うと思ったよチクショー。どうするんダ?」
「夜、間宮さんの厨房に忍び込むっぽい。」
……?
き、聞き間違いだろうか。忍び込む?
「おいおいおいおい、販売前のものをこっそり食べるってカ?それって"違法"って事だロウ!?」
「食べるのは私っぽい。コヨミちゃんはライトを照らしてくれるだけでいいっぽい。」
「ナアナアナアナア、ライトを照らすだけだっテ……。オレは初の鎮守府の深海棲艦ダゼ、海軍でも少しは有名なんダ。しかも!間宮スペシャルシリーズはどれも最高級の食材を使用して、何ヶ月もの研究の末に作られるモノダ!間宮サンの日々のご苦労は想像できナイ!」
「『盗み食い』するっぽい。」
「だから気に入った」
*この後、案の定バレて鎮守府中の艦娘からガチギレされた。
──レノ丸相撲──
「深海棲艦って艦娘とスペックどれだけ違うんだろうか……」
「ン?なんだって?」
昼下がりの鎮守府。やる事も大体片付き休憩をしていたところ、武蔵がそんなことを言い出した。
「いや、深海棲艦と艦娘ってどれくらい差があるんだろうなと。」
「差、とハ?」
「身体能力……みたいな。」
「ホーン……確かに、深海棲艦には妖精がいないからナ。それで十分渡り合っている事を考えると身体能力は高いんだろウネ。」
「ふむ……よし。コヨミ、私と相撲しよう。」
「何がよしナノ?何をどう考えたらそんな大物演出家が言いそうなことに着地しちゃったの?」
「こちらも妖精の力は借りずに自分の力で戦おう。全力で来い。」
「なんで構えてるノ?オレまだやるなんて言ってないヨネ?」
「さあ行くぞ。安心しろ、怪我してもすぐに治せる。」
「なーんだ安心とはならないヨネ?なんで怪我するの前提ナノ?ただの相撲ダヨネ?あとやるなんて一言モ……」
「はっけよーい……」
「あァもう聞く耳持ってないですネ。分かったよやればいいんでしョやれバ。まだ義足も無いってのに……。」
「のこったァ!!」
「グハァ!!」
「フッ、初手のぶちかましを耐えるとは流石だな!ならばこれはどうだぁ!!」
「アバババ!張り手!張り手エグいっス!!」
「これでも倒れないか!ならば……」
「ウワッ腕捕まれテ……足を内股に入れて!?相撲詳しくないから表現でキナイ!」
「これは掛け投げというものだ!」
「知らンッ!!ヌオオオオ!!」
「なんだとッ!?私ごと尻尾を巻き付け…!これでは道連れだッ!」
「この勝負!どっちが下敷きになるかで決まルッ!!!」
「だが軸足は依然としてこちらにあるッ!お前の負けだッ!!」
「そうはいかン!!尻尾で自分の位置を動かしてやルッ!」
「くッ!尻尾で自身をまるで惑星の周りを廻る衛星のように回転させ位置を変えるとは!!重心が…だがッこの武蔵!その程度では沈まん!!」
「何ィ!?常人ならば割と危険な倒れ方をするだろうこの無茶な3次元的運動でも動かざること山の如シ!!流石は『不沈艦』ッッ!!!ならバッ!」
「尻尾が…伸びている!?さては私を巻きつけにするつもりだな…ならば…一閃!!」
「グホァ!!…し、尻尾を殴るとハ……」
「フッ…堪らず素早く離れて尻尾を掃除機の電源コードのように引っ込めたか。流石の貴様でもこの拳は効いたようだな……。」
「ハハ……冗談!ラウンド2と行こウカ!?あとそのさっきからやってる説明口調ナニ!?」
「ふふ、やっと貴様もヤル気になったか…。ずっとこの時を待っていた……。さぁ、やり合おうじゃないか──」
今まさにガチバトルの火蓋が切って落とされるその時──
ガラガラガラ、と扉が開く。
「──武蔵、いるか?大和が……な、何してるんだ?ファイティングポーズなんか取って。」
「長門か。えーと……何してたんだったか?」
「アレだヨ、艦娘と深海棲艦の地の差を確かめようと相撲を……」
「あ、そういえばそうだったな。で、なんで2人揃って拳を構えてるんだ?」
「さァ……?」
「……。」
「待て、そのアスファルトにこびり付いたガムを見るような目で見るのはやめてくれないか。」
「あぁすまん、思わず…。」
「まったく……あ、そう言えばコヨミ、お前あまりにも細すぎないか?ちゃんと食べているのか?」
「ン?いやいや食べてるガ?」
「本当か?ならばその栄養は……おぉ胸か。通りで見た目に反して柔らかいと……」
「いつ触っタ!?」
「コヨミ……コシ…ムネ…?ッそうか、相撲ならば自然に触ることが…!───コヨミ、私と相撲しよう。」
「さて、オレはまだやる事があるからこの辺デ。武蔵サンも大和サンが呼んでるんダロ?早く行った方がいいんじャないカ?」
「そうだった。ではまたな。」
「ン。」
「………。」
*この後、長門は陸奥と酒を呑みながら静かに涙を零した。
──戦乙女とコマンドー──
「ビスマルクさん、いるか?」
ビスマルクに用があったため、居場所を提督に尋ねた後ビスマルクがいるらしい開発室の扉を開ける。
奥には、長く四角い箱のようなものを担いだビスマルクがいた。
「な、なんだそれはッ!?」
「あらナガト。いいでしょう?新しい艤装よ。」
「いやいや待ってくれビスマルク。それ艤装の範疇超えているだろう。」
「艤装よ。とある映画にInspirationを受けて作ってもらったのよ。」
(インスピレーションの発音が良すぎる!……いや、それは今は関係ない!)
「しかし……それ、まるでロケットランチャー……」
「
「えっ?」
「コヨミに教えてもらったのよ。Matrixの使っていたアレ、なんて言うか知らなかったのだけれど……」
「メイトリ……?って、コヨミ!?またあの子は……全く!とにかくその艤装、実戦投入だけはしないように!」
コヨミに文句を言いに行く為、開発室から出る長門。
「……私に用事があったんじゃないの……?」
◇
「コヨミィ!!」
談話室の扉を勢いよく開けると、そこにはソファに座って映画を見ている第六駆逐隊とコヨミがいた。
「おう、どーしたんだい長門サン」
「どうしたもこうもあるか!ビスマルクがおかしな艤装を開発している!」
「えっマジカ。それってこんなヤツ?」
テレビを指さす。
そこには、筋骨隆々の大男が武装をし、『デェェェェェェン』という音と共に歩き出す映像。
その手にはビスマルクが担いでいたものと同じ物が──
「こ、これだ!」
「アチャー、急に名称聞いてきて変だと思ったんだヨ。戦艦があんな取り回しの悪いモン持っちゃダメでしョーガ!止めてくル。」
「あ、あぁ。開発室だ。」
伸びをしながら部屋を出ていくコヨミ。
視線を電に移し、聞く。
「……で、これは何なんだ?」
「コマンドーなのです。今この鎮守府でものすごく流行っているのです。」
「そうか……。どんな話なんだ?」
「元陸軍特殊部隊隊長の主人公、メイトリックスが拉致られた娘を取り戻す為に筋肉で全てを蹴散らす話だよ。」
ポップコーンを食べていた響が口を挟む。匂いからして食べているのはバター醤油か。
「面白いのか?それ。」
「もっちろん!レディーなら当然の嗜みですよ!」
と暁。
「ふむ。そこまで言うのなら私も一緒に見てもいいかな?」
「うん、じゃあ最初から見ようか。」
「いや、別にそこまでする必要は……」
「私達はもう3周してる。気にするな。」
「そうか……。」
ビデオを巻き戻しながら、「コヨミは6周程しているらしいが」と付け加える響。
TSUTAYAで借りたのだろうか、テレビ台には手提げ袋。
ディスクケースには『カカシ品質版』と書かれた付箋が貼られている。筆跡からしてコヨミのものだろうか。
(どういう意味なんだ……?)
首を傾げる。が、思考は無駄であると判断し、テレビへと目線を戻す。
「さ、見ようか。ようこそ、コマンドーの世界へ。」
*長門もハマった
はい終わり!解散解散!!!(自己肯定感爆上げ伏黒甚爾)
次話の構想は練ってるのであとは書くのみだ……!