レ級に転生したんだけどどうすりゃいいですか?   作:ウィルキンソンタンサン

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事前に考えていた構想が尽きました。
更新が著しく落ちるかもです。その分沢山書いたので許して下さい。


三撃目 戦艦レ級

陸軍式の敬礼。それは海軍に配属される艦娘達には決してしてはいけない敬礼。

これが、レ級の挑発だ。

 

「あのレ級…雰囲気が変わった。」

 

レ級は艦娘達を指差していく。

 

「イカヅチ」

 

「イナヅマ」

 

「アカツキ」

 

「ヒビキ……ヴェールヌイ」

 

「ヤマト」

 

「ムサシ」

 

「ナガト」

 

「あのレ級……喋れるのか?しかも私達の名前を……!」

 

「アテテソノママ……ツメガアマイ……」

 

そして、その後に放った言葉は、ここにいる全艦娘達を戦慄させた。

 

「ミナゴロシダ。」

 

 

 

一撃で電改を中破させる程の攻撃力を持ったレ級の皆殺し宣言。

それはただの雑魚の戯言などではなく、本当に出来てしまう程の実力を持った戦艦レ級の言葉。

熟練の艦娘を戦慄させるには十分過ぎた。

 

 

レ級は、自分の中に宿る青年の記憶を辿っていく。

本能で生きる怪物が知性を持ったのだ。

皮肉な事に、その知性を与えたのは人間だった。

 

(ワカル…メノマエニイルヤツラノナマエガ、ジャクテンガ。)

 

(ワタシノソウビハ……)

 

再び青年の記憶を辿り、見つける。

 

1、16inch三連装砲

2、12.5inch連装副砲

3、深海烏賊魚雷

4、飛び魚艦爆

 

そして、その装備でやられたら嫌な事を

知る。

 

(カリョクハ……ナンポウセイセンキヨリウエ……)

 

南方棲戦鬼とは?と首を傾げるが、青年の記憶により直ぐに問題は解決する。

もうひとつ気になる情報を拾う。

 

(カンサイキ……?アア、コレカ。)

 

レ級は艤装から黒く平たい、俗に言うしいたけ艦載機を何体か出す。

 

「艦載機……!制空権は渡しません!」

 

レ級が艦載機を出したのを確認したのか、大和も艦載機を射出する。

 

(ヤマトガカンサイキヲ……コウクウセンカンガタ?)

 

大和は言わずもがな戦艦であり、空母ではない。その大和が艦載機を出したのであればその艦載機はなんなのか。答えは1つ、水上戦闘機。

レ級は青年の記憶により、形から水上戦闘機が強風改であると断定した。

 

水上戦闘機は対空装備で撃ち落とすことが出来ないのは周知の事実だろう。

ならいかようにしてアレを堕とすか。

 

(スイジョウセントウキ……オトス……)

 

レ級も艤装の口からおびただしい数の艦載機を射出する。

そしてあろう事かその艦載機を、大和の水上戦闘機にぶつけたのだ。

絡み合いながら堕ちていく艦載機と水上戦闘機たち。

 

「!?……何を…」

 

(コノアイダニ…ツメル!)

 

次々と衝突で堕ちていく艦載機に艦娘達が気を取られている隙に、レ級は爆発的な推進力で距離を詰める。

 

「ッ!?いつの間に──ウッ!」

 

懐に入り、尻尾を振って艤装を大和に叩きつける。

その圧倒的質量の暴力により、大和は横へ吹き飛ぶ。

 

「大和!ッの野郎!」

 

武蔵がレ級に機銃を向けるが、弾を撃つよりも早くレ級は尻尾を機銃に叩きつける。

いとも簡単にひしゃげる機銃。が、武蔵はそれに目もくれずに迷わずレ級の頭に鉄拳を打ち込む。さらに腕を掴み、そのまま放り投げる。

 

水面に叩きつけられ、バッシャァン!!と大きな水しぶきが上がる。が、その水しぶきの中から弾丸が武蔵目がけて発砲される。

 

「いいぞ!当ててこい!私はここだ!!」

 

魚雷と共に薄気味悪い笑顔で突っ込んでくるレ級。

それを待ってましたと言わんばかりに構える武蔵。

魚雷により大きな水しぶきが上がる。それが合図かのように、レ級と武蔵による機銃もへったくれも無い単純な殴り合いが始まった。

 

「うわぁ…あいつマジかい…?深海棲艦と殴り合いたぁ世も末だねぇ…」

 

「前にテレビでこんなシーン見たことがあるのです。雪山で黒いのと白いのが殴り合いしてたのです。」

 

「それよりも、このままでいいのですか!?相手はレ級です!いくら武蔵さんと言えども……」

 

「とは言ってもねぇ…どう介入すればいいんだい?機銃を撃っても武蔵に当たりかねん…」

 

「このまま艦娘と深海棲艦のインファイトを見物するのもいいかもな。」

 

「ちょっと!響まで!」

 

「ヴェールヌイだよ。」

 

「あの…どういう状況ですか…?」

 

「お、大和。大丈夫かい?どういうって……見れば分かるだろ?」

 

レ級に吹き飛ばされた大和がおずおずと戻ってくる。流石の耐久力で、小破に留まっている様だ。

 

「み、見れば分かると言っても……」

 

時折、雄叫びや激しい水飛沫が飛ぶ方を横目に見る大和。その仕草で「見ても分からない」ということが手に取るように分かった。

基本、艦娘と深海棲艦の戦闘は遠距離〜中距離だ。近接戦闘が起きることは滅多に無い。あったとしても、せいぜい距離を詰めてきた深海棲艦を軍刀で薙ぎ払う程度である。

故に。殴り合いの応酬となっているこの状況が理解不能なのだ。

 

「説明ねぇ…生憎だが、こっちもよく分からない。とりあえずこの長門、ちょっと混ざってくる!!」

 

「えぇ!?」

 

私も混ぜろ! と、勢い良く突っ込んで行く長門。

 

「血気盛んだな、長門さんは。」

 

「どうするのよアレ!もう訳が分かんない状況になっているんだけど!」

 

「どうするもなにも……もう下手に撃てないのです。」

 

「そうですね、ほぼ確実に誤射します……」

 

戦艦の2人を前にして互角の戦いをするレ級。四肢と尻尾を巧みに使い、2人を相手にしている。

 

かといって援護射撃をしても2人の方が体が大きい分、小さいレ級には全くと言って良いほど当たらないだろう。

まぁそもそも動きが速すぎてかすりもしないだろうが。

 

「どうした!動きが鈍ってきたのではないか!?」

 

ガン、ゴンと鈍い音が響く。

武蔵の煽りにレ級は笑顔を崩さずに

 

「ソれハコッちのセりフカもナ。」

 

と煽り返す。

 

「おっと、私を忘れてもらっては困るね!」

 

「オッとアブなイ」

 

長門の右ストレートをヒョイと躱す。

 

「不味いな……このままではジリ貧だ。」

 

「おや?もうギブアップかい?」

 

「まさか。ここからが本番だろう?」

 

武蔵と長門が構え直し、まさに今ラウンド2が始まろうとしたその時。

 

2人の間を高速でなにかが通過し、レ級の腹を叩いた。

 

「長門!大丈夫!?」

 

「陸奥!?」

 

「雪風もいます!」

 

「ゲホッゲホッ……陸ツ……ユき風……」

 

腹の衝撃に顔を歪めながら、新手か?と記憶を探る。

その隙を突くように、海中から肩へと砲撃が飛びこみバランスを崩す。

更に海中からスク水の艦娘が飛び出した。

 

「ぷはー!海の中はいいよね。やっぱ潜水してなんぼよねー!」

 

「スク水……潜スい艦?──イゴーやカ……」

 

「喋った!?てかゴーヤのこと知ってる!?じ、じゃあ改めて……海の中からこんにちはー!ゴーヤだよ!」

 

「陸奥に雪風、そして伊58……何故ここに?」

 

「私が呼びました。」

 

「暁が?いつだ?」

 

「お2人がレ級と戦っている間です。秘匿回線で。それとレ級……」

 

「……」

 

「先程ツメが甘いと言ったけど、詰めが甘いのはそっちの方ね!回線を繋いでいることに気付かないなんて……慢心したのかしら?」

 

「ヒュー、レディーみたいだよ暁。」

 

「みたいじゃなくて私はレディーよ響!」

 

「ヴェールヌイだよ。」

 

ポリポリとレ級は頭を搔く。

 

「アあマッたクいッ本取らレたナ……面倒ナコとニなっタ……」

 

どうしたものか。と首を捻る。

 

「まア良いカ。ゼん員コロす。」

 

「そうはさせないさ!行くぞ陸奥!」

 

「あらあら、アレやるのね!」

 

「ああ!──久しぶりの一斉射撃かッ……胸が熱いな!」

 

「長門、いい?いくわよ!主砲一斉射ッ!!」

 

「グウ……こノッ!」

 

再び、艤装から艦載機を出すが

 

「遅いです!本当に詰めが甘いですね、後ろです!」

 

後ろには、大和の水上戦闘機が。

 

「全テオとシタはズじゃ……」

 

「だから詰めが甘いんです、弾着観測射撃!」

 

そして、大和から砲撃された弾丸はレ級の頭へ。

 

「ガハッ」

 

揺れる脳、眩む視界。

そして、レ級の意識は再び深い海の底へ沈んでいった。




挿絵も描いてみました。
線画で力尽たので後は脳内で補完してくださいでち。


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