MS道【ガンダムのキャラとガルパンのキャラがMSで戦う物語】 作:小林雅文
今更ですがキャラ崩壊してます。
「何!?ガンダムが奪われた!?」
後日西住流が管理している整備倉庫にて、
先に起きたガンダム強奪の機体の開発者でありアムロの父親である『テム・レイ』に
事のいきさつを報告した西住しほはいつもの凛とした態度は出さず、平謝りの謝罪をしていた。
「私の管理不足が祟った結果です。本当にごめんなさい。」
「頭を上げてくれ家元、
君には息子共々いつも世話になっておるんだ。謝る事など無い。」
「…ありがとうテムさん。」
「うーむ…、次世代のプロトタイプ機とはいえまさか学生が狙ってくるとはな。
…攻める訳ではないが、機体はどうにでもなるがデータが丸々盗まれたのは痛い所だな。あれには西住姉妹やアムロのデータも入っている。」
「そこは私も案じた所よ、でも心配は無いわ。」
「それは何故だ?」
「既に盗んだ相手とはもう連絡がついてるの。機体は返すつもりはないけどデータはどうでもいい、取りに来るなら来ればいい。と言ってたわ。」
「何だと?」
「しかも乗っていたのはニュータイプ、
それも私や千代と同格。いえ、アレは若い分まだ伸びる素材のパイロットだったのよ。
久しぶりにアムロと2人で協力したのに逃げられてしまったのよ?
そんな乗り手のデータも入っているならガンダムを渡す位安いものかしら。向こうの良いようにされるのは腹が立つけれど。」
「かなりの手練れだな、それならばデータに問題はなかろう。それがあれば黒森峰のさらなる向上にもなるだろうしな。」
「ええ、もう娘達が回収に行ってくれているわ。」
「期待して待っておくとするか。」
そうして2人が事について折り合いをつける中、黒森峰女子パイロット達は…
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「ふ、ざ、け、る、な!何故アムロをお前の高校に貸さなきゃならないんだ!!」
「データが欲しいんだろう?それなら等価交換ってものだよ?別にずっとって言ってるワケじゃない、少しだけ。」
「それならこっちもデータはいらん!帰るぞ!」
しほの指示でデータを継続高校のあるフィンランドまで回収に来ていた西住まほ率いる黒森峰パイロット達は
継続高校の『ミカ』と名乗る相手に追加の条件を出され揉めているのだった。
「に、西住隊長!向こうから出された条件はなるべく飲んでデータ回収してこいってのが西住師範からの指示ですが…」
憤慨しているまほに恐る恐る後輩である逸見エリカが意見を物申す。するとそれを聞いたまほはすぐさま西住流専用の通信機でしほに連絡をかける。
「っ〜!大体盗んだ相手と交渉している事がおかしいんだ…!」
ピピピピピ…!
ピッ…!(スピーカー通話)
「はい」
「お母様!相手はデータと交換するなら
アムロを継続に貸せなどと言ってます!データはいらないという事でよろしいでしょうか!」
「貸しなさい。継続に行ったらアムロにも良い経験になるでしょう。(ついでにみほとまほから少しは解放させてやりましょう。)」
「何を呑気な事を…!黒森峰の連覇もかかっているんです!アムロが居なくなれば影響は多大になります!!」
「…まほの言う通りね。
…分かったわ、相手に代わりなさい。」
普段しほに従順に従うまほだったが、今回は食ってかかるように反抗する。
「おい。私の母がお前に用があるらしい。話せ。」
「何かな?あ、スピーカーは解除させてもらうよ。聞かれたくない事もあるからね。」ピッ
「勝手にしろ、どうせ後で聞いてやる。」
モシモシ…
会話する為にその場を離れるミカ
一緒にデータ回収似来ていたみほは会話が気になりまほに尋ねる。
「お母さん何て言ってたの?」
「アムロを貸してやれと言ってた。…だがさっきの私の言葉でデータなどは諦めるだろう。」
「そうだといいんだけど…」
ザッ
「話は終わったよ、そのまま通信は切れた。」
しほとの会話を終えたミカがまほ達の元へ戻ってくる。
「お母様は何を言っていた。」
「君達に一度戻って来いって言ってたよ。話は後日にと言っていたね。」
「…では帰らせてもらう。これ以上お前の顔は見たくない。」
「また会おう。」
「…今度会う時はパイロットとしてな…!」
「(隊長が…怖い…!)」
飄々とした態度のミカに怒りが収まらない様子の西住まほ、
家元のしほの介入により、継続高校と黒森峰高校の話し合いは一度解散となったのだった。
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「え?データを貰う為に僕が盗んだ相手のパイロットの学校に?」
継続高校との交渉から数日が経ち、
アムロは突然しほに寮から西住本家に呼び出され事のいきさつを聞き驚く。
「ええ。」
「まともな奴らとは思ってなかったけどかなり図々しい奴らだな…、それでどこの高校なんです?」
「継続高校よ。」
「継続?フィンランドにある高校か…、それで盗んだ理由は?」
「MSが1機しかなくてどこかの学校に借りようと思いどうせ借りるなら高性能な機体を求めた結果ここを狙った、
そして盗んだのではなく借りたと言ってたわ。相手はかなりふてぶてしい奴らよ。」
「…そんな相手に今更返せなんて言っても無駄でしょうね。」
「…まあ私も言いたい事は山程あったわ。
だけど相手は大会に出る為の機体もろくに揃ってない学校だし心を広く持って接しようと考えたの。人を導くのも西住流よ。」
「でも…、まほさんは納得しなかったんじゃないですか?」
「ものすごく荒れてたわね、この私にも。
データの回収に行かせたけれど面倒くさいから一度帰らせたの。」
「じゃあデータはまだ…」
「娘達の尻拭いをさせるようで申し訳ないけど貴方が取りに行ってきてくれるかしら。」
「…気が進みませんね。しほさんの頼みなら行きますけど。」
「ありがとう、頼むわね。」
「でも貸し出されるって言ったって…、
僕は継続で何をすればいいんでしょうか?」
「彼女達を上手く導いてやりなさいアムロ。貴方も西住流なのよ。彼女達何か困っているみたいだし。」
「…いつから行けば?」
「データは12月の大会が始まる前の夏には欲しいし、そうね…なるべく早く向かって欲しいんだけど…」
しほが話す12月の大会とはMS道の大々的な競技であり、黒森峰は前人未到の9連覇を成し遂げており、今年は10連覇がかかっている大事な年である。
「それじゃあすぐ行けるように用意してきます!そんなに時間の猶予は無い!」
「あ、ちょっとアムロ…!そんなにすぐに行かなくても…!」
タッタッタッ…スッーパタン!
「さて…これから本当に大変なのは私の娘達ね、駄々をこねないと良いんだけど。」
◇
「あ、そうだ、ついでにトレーラーも3台貸してほしいな。君達に借りているガンダムの良い置き場所が無いんだ。」
「こいつ…コロス…!」ビキビキ…!
「もうヤっちゃおうお姉ちゃん!」ギギギ…!
「抑えて下さい隊長!逆らうと師範に怒られます!副隊長もやめなさい!」
◇
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継続高校のミカの横暴は西住姉妹の抵抗虚しくまかり通ってしまい、アムロはデータと引き換えに継続高校に貸し出されてしまう事になり、その日を迎えた。
「それじゃあ行ってくる。」
「…」
「アムロくん……」
「みほ、そんなに悲しそうな顔をするなよ。 行きづらくなる。」
「いつも一緒に居たんだもん、突然離れるってなると悲しくもなるよ。それにフィンランドってすごく遠い場所だよ?」
「…まぁな、でも予定では夏位には戻ってこれる、今生の別れって訳ではないさ。」
「夏位って…、3ヶ月近くもあるんだよ?そんなに継続に居る意味って本当にあるの?」
「そんな事聞かれても俺には…」
「副隊長!決まった事にウダウダ言わないの!アムロ!サッと行ってパッとデータ持って帰って来なさい!別れの言葉なんてこれでいいの!」
「ああ、そうだなエリカ。」
「ふん!」
「…むぅ〜!何かいやな感じ…!」
「アムロ。」
「まほさん。」
「頑張って来い、体を大事にな。」
「…ありがとうございます。まほさんこそ隊長は大変でしょうが無理せずに。」
「ああ。」
「アムロくーん!ミデアの用意出来ましたー!」
「分かった!今行く!またな皆!」
「あっ!アムロくん!!」
タタタタ…
「本当に行っちゃった…」
「…今日は午後の訓練は止め、自主練習とする。このまま解散。」
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アムロが居なくなった黒森峰は最初こそ生徒達の中に寂しさや違和感があり影響があったものの、ひと月もすれば次第に無くなっていったのだった。
だが未だに引きずっている者もいた。
「はぁ…」
それは黒森峰女学園1年生で副隊長の西住みほである。アムロが黒森峰を発ってからは天真爛漫な態度が一変し、ため息をつくようになり、
暗く落ち込む様子の姿が校内では見かけられ常習化していた。
逸見エリカはすぐに落ち着くだろうと放っておいたがひと月経っても変わらない様子を見て気分転換にとお昼に誘う提案をみほに持ちかけた。
「ねぇ今日は昼から訓練も休みだし、
アンタの行きたがってたお昼限定のボコフェアランチがやってるお店に景気づけにでも行かない?」
「…いい、誘ってくれたのにごめんね。」
「そ、そう。分かったわ。(暗いわね…。コイツと喋ってると何かこっちまで暗くなりそう。)」
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みほに昼食を断られたエリカは今度は姉の西住まほを見かけ話しかける。
「あっ西住隊長!今からお昼でしょうか。
それならご一緒しても…」
「…1人で食べたい気分だ。」
「す、すみません…。」
スタスタ…
「何か最近西住隊長怖いよね…」「近寄りがたいっていうか…」「副隊長なんか目が虚ろになってるし…。」
「(アイツが居なくなっただけで西住姉妹の様子がこんなに変わるとは…、ちょくちょく感じてたけどまさか姉妹揃ってアムロにべったり依存してたって事は…、ないわよね…?)」
いつもの様子とは違う西住姉妹にエリカは一瞬不穏な考えを巡らせるも、気のせいだと思い振り払う。
「…考えるのやめ!よぉし、今日は奮発してチーハン3倍食べるわよぉ〜!」
「(アムロくん…何で継続に行く事を断らなかったの?いつも一緒だったのに…)」
「(相手がみほならまだしも…あの女…!私の元からアムロを奪った事を後悔させてやる…!!)」ギリィッ!
それぞれの思惑をよそに、継続高校に向かったアムロはというと…
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ブゥーーン
「このミデア速いな、それに中も広い。旧式とは大違いだ。」
「これはミデアを改良したミデア改です。私達が入学した時には既に配備されていたみたいですよ。」
「へぇ…、知らなかったな。これは改良されたミデアなのか。」
「アムロ君、勉強不足ですよ?輸送機は試合を行う時MSを運搬するには欠かせないんですからね?」
「そうだな、なるべくちゃんと頭に入れておくようにするよ。」
同級生である赤星小梅の操縦するMS搭載用ミデア輸送機でフィンランドまで飛び、
かの地に降りた後、
ミデアから搬出したMS用トレーラーで吹雪が吹く森の中を進み継続高校のある森林をアムロ達は目指していた。
ブロロロロ…ガタガタ…!
しんしんしん…
「随分と森の奥底にある高校なんだな。おまけに雪も降って積もっているとは。」
「そうなんです、私も最近始めて継続高校に資源を持って来た時驚きました。」
「確か赤星は格納庫係だったハズだろ?なぜ資源係を?」
「あの強奪事件の後、西住隊長に自分から言って係を降ろさせてもらいました…。
あの日私がメカニックの人のかわりに鍵当番なんかせずにすぐに閉めていればガンダムを奪われてなかったんです。」
「それは…、どっちみちいつか継続に奪われてたよ。狙われてたみたいだからな。」
「そうだとしても私は管理するような適性は無いんです。だから…」
「…あまり自分を卑下するな。赤星は自分の過ちを受け止めてちゃんと認めれる女の子なんだからキミを責める人なんかいないさ。
…この事でもしも誰かに何か言われたら俺に言ってくれ、相談に乗る。」
「そ、そんな事は…///でもありがとうございます///その時は相談させてもらうねアムロ君!」
ブロロロロ…キキィ!
「着きました、ここからは徒歩でしか行けないようになってます。ここで待っていれば後は継続の者が迎えに来ると言ってました。」
「ああ、送ってくれてありがとう。帰りの道気をつけろよ。また黒森峰で会おう。」
「うん、アムロ君こそ気をつけて。無事に黒森峰に帰ってきてね!またねー!」
バタン!ブロロロロ…
そして赤星に別れを告げ、アムロは継続高校の迎えを待つ。
だが降りたった周辺には人の気配は無く、自然の脅威がアムロに襲いかかるだけだった。
ビュォォォッ!
「くっ…!森の奥まで来ると打って変わってすごい吹雪だ…!本当に周りは森だらけ雪だらけだ…!一体こんな所でどうやってMS道をやっているというんだ…?」
そしてしばらくの間待つも、迎えは訪れない。
その代わりに周辺に案内書きがしてある1本の立て札が刺さっているのを発見する。
「ん…何々来訪者はすぐ近くの小屋まで、か。
…少し怪しいがとりあえずあの小屋を目指すとするか。ここでじっとしていてもどうにもならないしな。」
ザッ、ザッ、ザッ、
車から降りた時に視界に入っていた小屋にアムロは吹雪が吹く雪道の中向かった。
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コンコンコン…!
「すみません、誰かいますか?」
案内に書いてあった小屋に向かう中数分、
アムロが小屋に辿り着き戸を叩くと中から迎える人が出てきた。
カチャッ、ギィィ…!
「いらっしゃいアムロ・レイ。さぁ、中は暖かいよ?」
その人物はガンダムmk2を強奪した張本人であり、アムロをデータと引き換えに継続高校に引き入れたミカという少女であった。
「お前は…あの時のミカとかいう奴…!」
「いかにも私がミカだよ。とりあえず入ってくれ。戸を開けたままだと中が冷えるからね。」
「…そうだな、入らせてもらう。」
ギィ…バタン
パチパチパチ…!
「…。」
「…。」ポロロン…
部屋に入った2人は会話をせずに沈黙し、暖炉の燃える木の音とミカが持ち奏でているカンテレの音だけが鳴る。
「…呼び出されたはいいが、俺はお前に当然ながら良い感情は持っていない。なぜ俺を呼び出した。」
「それならこれからじっくりと溶かしていこうじゃないか、時間はあるんだ。」ポロロロン…!
「煙に巻くな!それに後の2人は今どこに居るんだ!そいつらにも言いたい事はある!」
「アキとミッコはそのガンダムを乗りこなす為の訓練中さ、言っただろう?他意はないって。」ポロン!
「…盗んだ相手を目の前にしてよく言うよ。」
「借りたのさ。突然になってしまったのは申し訳なかったね。」
「…しほさんにもそう言ったみたいだな。」
「そうだね。でも彼女は怒ってなかったよ?」
ミカの開き直ったような態度にアムロは怒りに任せて話すのも何か違うような気がしてしまい、諦めて違う質問をする。
「はぁ…、(何を言ってもコイツは開き直る性格のようだ。それにしほさんが許しているなら今更俺が蒸し返しても仕方ないか。)
…1つ聞くがまさかここが継続の校舎なのか?。」
「まさか。」ポロロン…
「じゃあ校舎に案内してくれ、こんなところに居ても落ち着かない。」
「まぁまぁ、私はゆっくりキミと話がしたかったんだ。外は寒いしもう少しここにいよう。キミも着いたばかりだろう?
ホラ暖かいココアもあるよ?」ポロロン…!
コトッ…
「…じゃあありがたく頂くよ。
…ところでさっきから弾いてるその楽器は何だ?見かけない楽器だが。」
「これかい?これはカンテレ。」
「カンテレ…?聞いた事のない楽器だな。」
「弾いてみるかい?」スッ
「いや、いい。機械いじりばっかりしていて音楽はやった事無いんだ。」
「ほらここを持って…」スッ…グイッ
「おい、急にやらせないでくれ。出来るわけ…」
弾き方を教える為に身体を寄せてくるミカにアムロは断ろうすると…
バンッ!
「あー!ミカが男の人とイチャイチャしてるー!」
「本当だ…!」
距離が近くなった2人の小屋の下に突然扉を開け入って来た人物が居た。
「…ん?」
「!?」バッ!
その事に驚きミカは近寄っていたアムロの体の側から素早く離れた。
「キミ達は…他の2機に乗っていたパイロットか?」
「いかにも!私はミッコ!」
「私はアキです…。」
「…もう訓練は終わったの?」
「バッチシだよミカ!もうどこにだって行けるよ!全方位モニターにも完璧に慣れた!」
「全天周囲モニター、ね。何度間違えるのさ。」
「だってその言い方の方が覚えやすいし言いやすいんだもん!」
「(こんな子達が乗っていたのか…、継続高校はミカみたいな奴ばっかりかと思ったな…。)
継続高校のパイロットはキミ達3人だけなのか?」
「今は、ね。」
「操縦を教えてくれる怖い教官ならいるケドね…」
「そうか…。よし、とりあえずその教官がいる場所に案内してくれ。」
「あの…その…、」
3人に案内を促すアムロに対して人見知りのような態度を見せているアキが意を決して話しかける。
「?どうしたんだ?」
「名前はどう呼べば…?」
「あぁすまない、アムロ・レイだ。アムロって呼んでくれ。アキとミッコだな、よろしく。」
「よろしくアムロ!」
「(男の人緊張するなぁ…)よろしくお願いします…。」
「フフッ…楽しくなりそうだね、。」
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「お、おい!なぜ目隠しをする必要があるんだ!」
「色々と事情があるんだー!ごめんね!」
「も、もうすぐ着くから…」
「」ポロロン…!ポロロン…!
小屋から出た3人はアムロは道案内をされる際に目隠しをされ手を引かれて継続高校のある場所まで連れてこられた。
「着いたよ!」
「もう外してもいいよ。」
「うっ…!ここが…!」
「ホラホラ!キビキビ運ぶんだよ!」
「あの人が教官か?」
「そうみたいだね。挨拶してくるといい。」
「何やってたんだいミカ!誰がアンタのガンダムを調整してやったと…、ってその男はまさか…」
「黒森峰女学園のアムロ・レイです。一時的ですが継続高校にお世話になります。」
「ほーう…!アンタがアムロ・レイか。生では初めて見たよ。私は継続高校の教官、シーマガラハウさ!」
背はアムロより遥かに高く、
長い黒髪に紫色のロングローブを羽織り、赤色のボディラインにフィットしたつなぎを着用し、見る目を引く派手な女性がアムロに自己紹介をしてきた。
「…あの後ろで部品を運んでる男の人達は?」
「アイツらはこの継続の整備や部品の調達をしてるのさ。まぁ、言えばメカニックって所さね。」
「何かメカニックには見えませんね。」
「ハハハ!生意気な小僧だねぇ、でも良く言われるよ!」
「(何だかしほさんに似ているような…酔った時の。)」
シーマの快活な話し方に少し西住しほと重なったアムロは警戒心を自然と緩め話す。
「アンタ、いつまでここに居るんだい?…それと悪かったねぇ、あそこにあるガンダムはアンタ達の機体らしいじゃないか。」
「まぁそうですが…。今はもう貸している事になっているので。」
「ハァ…、あのバカ娘が勝手に言ってる事だね。謝って済む問題じゃないけどここを預かっている教官として謝らせてもらう、本当に申し訳ないよ。」
「いえ、それより僕はあそこにあるガンダムのデータを回収しに来たんです。それが終われば帰りたいんですが、いつになるのか…」
「私がいいっていうまでだよ。」ボソッ
会話に混ざってきたミカが気配を消しアムロの背後から近づき囁いた。
ビクッ!
「!?急に顔のそばで喋るな!普通に驚く!」
「フフッ…」
「アンタも面倒くさい娘に目をつけられたねぇ。馬鹿な事言うんじゃないよ、用が終わったら返しておやり、天下の黒森峰のパイロットなんだ。」
「…さぁアキとミッコにガンダムの乗り方を教えてやってくれ。この教官はあまり頼りにならないからね。」
「…いつもいつも癇に障るガキだねぇ!無視してんじゃないよ!!
大体どういう神経してるんだい!黒森峰からMSを盗んでくるなんて!MSは大会までには調達してくるから少しの間待ちなって言ったじゃないか!この私が西住流に平謝りしたんだよ!?」
「うるさいよ、おばさん。あと近寄られると香水の臭いがキツイ。」
アァン!?ポロロン!
「…さて、アキとミッコの所に行くとするか。」
女同士の争いは西住家に幼少期から住むことになってから目の前で数え切れない程行われており、
アムロは散々痛い目をみた経験からどちらの味方もしないと言う事にしており、スルーする事にしていた。
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場所は変わり
雪国であるロシアにて
ズム・シティと言われるザビ家が管理している街の1つでプラウダ高校もザビ家本家もこの街にあり、まさにザビ家の中枢と言える場所にて
長男『ギレン・ザビ』は妹のキシリア・ザビに自室にてMS道での相談を受けている最中であった。
「キシリアよ、今プラウダは転換期を迎えているのだ、放っておいても問題はない。」
「何故ですか兄上。エキシビションもこちらが圧倒的有利な条件で負けたのです、危機感を持つのは普通の事かと。」
「…少し話を変えるが強化人間、というものをお前も知っているだろう。」
「…ええ、あまり良い噂を聞きませんが。何か関係が?私は利用する気はありません。」
「グロリアーナは先のエキシビションの負けを受けて重大な危機感を感じ強化人間の導入を始めるらしい。」
「グロリアーナが…!?ガセ情報では…、」
「グロリアーナを取り仕切っているOBに直接聞いた話だ。嘘ではなかろう。」
「何故そんな判断を…!」
「お前が今案じている危機感と同じなのかもしれんな。それに強化はルールに反してはいない。」
「…ですが!教育者として間違っている!強化に頼った成長などいずれ身を滅ぼしかねません!」
「…MS道は度々競技としての一線を超え、
幾度の争いが起きたのはお前も経験した事だろう。MSを悪用した犯罪も増えてきている。
グロリアーナは国を他者に侵される事を誰よりも恐れている、当然の事だ。
それに先立つ対策としてパイロットの強化へと踏み切ったのだろうな。」
「ッ…!これ以上兄上と話していても気が焦るだけなので失礼します!」
「そうか、それは悪い事をしたな。」
「フンッ!」
カツカツカツ…!バタン!
「フッ、まだまだ若いなキシリアよ、だがそれでいい。プラウダは貴様が見ていれば大丈夫だ。…プラウダに仇なす外敵はこの兄に任せておけばいい。」
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〜MS道パイロット技術研究試験所〜
コポ…コポポ…
ピピピピピ…!
「うっ…あぁぁ…あぁ…!」
「バスク局長、グロリアーナから強化の依頼が来ていますが…」
「ほう…?まさかそんな大物校から依頼とはな…。クックック…!よかろう、受けてやれ!」
「はっ!」
強化を施され苦痛にゆがむ少女を眺めながら研究に勤しむ男は『バスク・オム』
MS道教育局連盟局長でありこの研究所を取り仕切る人物である。
プシュー…!
ツカツカツカ…
「バスクよ、順調なようだな。」
「はい、ジャミトフ連盟理事長。実験的段階ですが後1年もすれば実戦投入も可能なパイロットが見込めます。」
MS道教育局連盟理事長
『ジャミトフ・ハイマン』
MS道を発足させたメンバーの1人であり、
長きに渡りMS道発展に尽力しプロリーグまでの学生のパイロット教育を取りまとめるMS道教育局の理事長を務めている人物で、連邦軍にも役員としてのポストを任されている。
この施設もジャミトフがあらゆる問題を抱えたパイロット達の為に開いた研究所であり、この施設を頼るパイロットも少なくはない。
パサッ
「グロリアーナからの依頼か…、ああ見えて苦労しておるのだな。」
「有能な選手から良いサンプルが取れるでしょう。」
「強化人間はパイロットを救う実現に向けた第一歩だ。非人道的だと世間は指をさすがな。」
「国家協定が無ければもっと早くサンプルが揃って実験は進み、
確実に多くの優良なデータが揃うのですが…」
「馬鹿者!行き過ぎた手段は使うなと言っておろう!強化を望む者に対してだけ施してこそ完全なパイロットとなるのだ。意志を持たない者に強化など行えばそれこそ導きにならぬ!」
「…重々承知であります。」
「分かっておるならいい。早々な実現を期待しておるぞバスク。」
「…ハッ!」
スタスタ…
ビー!!ビー!!
「キャァァァー!!!」
「バスク局長!パイロットの強化指数が限界に達しました!」
「チッ、もう限界か。クズパイロットめ!そやつの強化はもういい!どこかへ捨てておけ!」
「きょ、強化終了します!」
「フン…!実現に期待だと?こんなぬるいやり方ではパイロットどころか小間使いにもならんわ!
(今に見ておれよジャミトフめ…今は従っておいてやるがこの研究が形になった暁にはこのバスク・オムこそが世界を統べる者となり、
ぬるま湯のようなMS道なんぞに引導を渡してやるわ!)」
MS道教育局局長でありこの研究所所長であるバスク・オムは歪んだ野心を心に宿しながら研究を進めるのであった。