原神:幼なじみ物語   作:Mrミステル

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今回、かなりのご都合主義を含みます。
アンチ・ヘイトはこのために...(レッスン5感)

だって稲妻のストーリー救い無さすぎるんだもん! 
仕方ねぇだろ!(逆ギレ)


雷神

 

 

かん かん かん

 

かん かん かん

 

「...」

 

かん かん かん

 

かん かん かん

 

「......」

 

男は真っ赤に熱された鉄を打ち続けた。

 

かん かん かん

 

かん かん かん

 

かん かん ガン!

 

「...!」

 

男は打ち続けていた手を止め、まじまじと赤熱の鉄塊を見つめた。

やがてその鉄塊を水につけると、その場を離れてまた新しい玉鋼を吟味すべく、1度軒先で休憩しようとしたところ。

 

「...」

 

「あ、お疲れ様ですー」

「...お疲れ様です」

 

紫を基調とした絶世の美女が2人、先に軒先に座って優雅にくつろいでいた。

2人のうち、より派手な格好をしている方は姉である雷電眞、無口で無愛想な質素な格好をしている方が妹の雷電影だ。

よく見ると、お盆には3つ茶が置かれており、うち1つは氷が入ってキンキンに冷えている。

影に関しては、おそらく眞の差し金で影も連れてこられたのだろう。

 

「...久しいな。何しに来た」

 

「まぁ、なにか用がないと来てはいけませんか?」

 

「ハァ...お前はそういう奴だったな。...茶を貰うぞ」

 

「はい、どうぞ」

 

大量に汗をかいた体に冷えた茶が行き渡っていく。

とは言っても、隣にはこちらを見ながらずっとニコニコしている姉と、無表情な妹。やりにくいったらありゃしない。この間植えた庭の白百合を見ていよう...。

 

「...で、何の用だ。...まぁ大方武器が欲しいんだろう?」

 

「あら、分かっちゃいます?」

 

「ハァ...」

 

「大きなため息。そんなに嫌ですか?」

 

「そもそもお前は戦い向きではないだろう。やるなら影の方だ。...おい、影。なにか要望はないか」

 

急に話を振られて影は目を見開いていた。確かに姉が戦うくらいなら自分が戦ってやろうという気概はある。というか実際に今までもそうやってきた。

刹那の逡巡の末、影は自らの要求を口にした。

 

「......薙刀を」

 

「薙刀ぁ? あぁそういえば前にやった刀はもうダメにしちまったんだったな...。ったく、どんな使い方をしてるんだか」

 

「私もつかいたいです!! 薙刀!!」

 

「うるせぇノロマ。戦闘は影に任せとけ」

 

「薙刀薙刀薙刀!!」

 

「駄々をこねるな魔神のくせに!! おいお前の姉貴どうなってるんだ!?」

 

「......2本、お願いします」

 

見かねた影が男の顔を見てそういった。

駄々をこねていた眞はすぐさま起き上がり影に熱い視線を向けており、男は逆に冷めた視線を影に向けていた。

 

そして今、目の前には憎たらしいほどにドヤァ顔の眞がいた。

 

「...宗政(むねまさ)、約束ですよ。薙刀2本、お願いしますね」

 

「...マジで不本意だが...しゃあねぇな。男に二言はねぇんだ。しっかりこさえてやる。1週間くらいしたら取りに来な」

 

 

 

刀の魔神、宗政。稲妻に刀及び刀鍛冶や武具の知識を授けたとされる。ひとたび敵対すれば刹那のうちに真っ二つにされるだろう。雷神と仲が良く、よく一緒にいることを目撃されていた。

 

そして1週間後、

 

「こりゃまた随分と大所帯で」

 

「紹介しますね。こちらから笹百合、御輿千代、狐斎宮」

 

(この小説では笹百合等は基本喋りません。一人称も三人称も分からないからね。仕方ないね)

 

「丁寧にどーも。んで薙刀だろ? わざわざ見せびらかすためにコイツら連れてきたのか?」

 

笹百合たちは非常にフレンドリーで助かった。触るな、と言ったものに触らないという至極真っ当なことができる。

 

...どこぞの姉君(バアル)と違ってなぁ!!

 

「そんな悪いことみたいに言わないでください! いいじゃないですか! 私、初めて武器持つんですよ?」

 

「...え゛?」

 

完成品を取りに背中を向けているとかなり衝撃的な言葉が聞こえてきた。「武器を持ったことがない」? は? マジで?

 

影、笹百合らに聞いたところ4人ともに肯定の意を示したので本当のことらしい。

 

「...私、初めてなんです///」

 

「なんだテメェ」

 

「もう! ちょっとは靡いてくれてもいいじゃないですか!」

 

「今更靡くかよ。何年腐れ縁でいると思ってんだ」

 

「あー...そうですか...」

 

「あ?」

 

何故か影の方が青くなって震えている。3人が必死に慰めているが今にも泣きそうな顔をしている。そしてそれを眞が気まずそうに眺めている。

ただ薙刀2本持ってきただけなのになんなんだこの惨状は...。

 

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「ほら。眞、影、こっち来い」

 

そう呼ぶと、影もシャキッとしてこちらへ向かってきた。眞は既に薙刀を見て目をキラキラさせている。ガキか。

 

「...俺が丹精込めて作ったんだ。大事にしろよ。玉鋼から何から何まで同じように作り上げた。手入れに関しては影に聞け。多分コイツの方が詳しい。名は『草薙の稲光』。切れ味威力その他諸々については俺が保証する。ここ数百年で1番の出来だからな」

 

2人に渡すと眞は余程嬉しかったのか柄の部分を抱きしめてクルクル回っている。女子がぬいぐるみを貰ったのと同じ反応だ。

影の方は裏手にある人形に早速それを振るっている。ストイックなもんだ。

 

「どうだ」

 

「とても扱いやすいです。感謝します」

 

「...眞に関しては任せるぞ。何しでかすか分かんねぇからな。頼んだぞ」

 

「...えぇ。眞は私が護ります」

 

その後も影は得物を振るい続け、姉と同じように目を輝かせた。やはり根元は双子なだけあってそっくりだな。

 

「宗政! 私、今日からこの子と一緒に寝ます!」

 

「バカ言ってんじゃねぇ! 寝床ごと切れちまうわ!」

 

前言撤回、多分影は姉を反面教師にしてるな。

さて...

 

「...眞! こっち来い!」

 

「なんですか?」

 

「お前、何かと不安だからこっちも渡しておくぞ」

 

そういうと宗政は刀掛けから1本の刀を眞に手渡した。

元々初めから雷電姉妹どちらかに渡すつもりで作ったものだ。紫が映える。

 

「え...これって貴方の...」

 

「俺のはいい。別のがある。だから『夢想の一心』。こいつをお前にやる。さっきの薙刀と使いやすい方を使え」

 

「...ありがとうございます。...大切にしますね」

 

 

 

そういった眞の顔は苦笑のような困った顔に見えた。いいや、おそらく心の底から喜んではいる。その証拠に鞘に収まった刀を胸に抱いて愛おしそうに眺めている。

 

 

白百合が軒先で揺れている。

あの3人に手ぶらで帰らせるわけにはいかないので1輪ずつプレゼントした。

また駄々をこねたから眞にも1輪、手渡した。

 

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宗政は自らの領地もなければ民もいない。故に現代において稲妻と呼ばれる領地の端の方で1人で暮らしていた。魔神戦争なるものが始まったようだが、さらさら興味はなかった。

 

「ま、俺の平穏な暮らしを邪魔するってんなら話は別だがな」

 

「...ォ...ノレ...」

 

仮にも宗政は刀の魔神である。刀や刃物の扱いに関してはこの世の誰よりも優れているという自負があった。

 

本日もどこからともなくやってきた野良の魔神を滅多斬りにし、再び鍛治小屋へと引いて行った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「...なんだ? 惡王? オロバシ?」

 

 

 

 

 

「影がオロバシにキレて地図を大幅に変えた?」

 

 

 

 

 

「...眞が七神になった?」

 

 

 

 

 

「...カーンルイア? 漆黒の厄災?」

 

 

 

 

 

 

「...何があった...どうなっている...」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「眞!!! 影!!!」

 

ある雨が強く降っている日のことだった。

今昔の世にとてつもない異変を感じ取った宗政は、居ても立っても居られないと自ら稲妻に足を運び、稲妻城へと一直線に向かった。

 

「...来てくれたんですね...いや...来てしまったのですね」

 

「眞...お前...」

 

「...見られちゃいましたね。そうです。私は今からこの漆黒の厄災を止めにカーンルイアに赴きます」

 

「...っ」ギリッ

 

止めるべきだと頭が必死に叫んでいるのが分かる。

すんでのところで飲み込み、影には話したのか、稲妻はどうするのか、影はどうするのかについて聞いた。

 

「...影は頭のいい子です。政治も上手くやってくれます。強い子でもあります。...大丈夫です。きっと...きっと...」

 

「それは七神の義務か?」

 

「...それもあります」

 

「そうか」

 

 

 

ずっとうつむき気味であった眞はようやく顔を上げると、あの時と同じように困ったように笑いながら、今にも零れそうな涙を堪えて、震える声で宗政に問うた。

 

 

「貴方は私に...行くな、と言ってくれますか?」

 

 

言ってほしいのだろう。

逃げる口実がほしいのだろう。

彼女は引き止めて欲しいのだ。

他でもない、影でもない自分に。

 

それでも宗政は止められぬ。

「行くな」とは言わなかった。

死地に赴くと知っていながら。

しかし、

 

「言ったら止めるのか?」

 

「...いいえ。決して」

 

まだ迷いが見える。

 

 

 

「...ならば・・・・・・」

 

 

 

 

その宗政の言葉で眞は覚悟を決めた。

死地に赴いたのだった。

 

 

 

 

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時は流れて現代。旅人(バトルジャンキー)である蛍とそのガイド役(非常食)のパイモンが密航という形で稲妻の地を踏みしめた。

 

今現在、稲妻は鎖国をしているとの事だ。何故なのか。

 

「スンスン...すごい強者の匂い...パイモン、一通り話を聞いたらちょっと手合わせしてもらいに行こうよ」

 

「今匂いって言ったか? 旅人がどんどん人間じゃなくなってるぞ...」

 

出島ではそこまで時間を食わなかった。というのも割とすんなり通してくれた。

本当に鎖国をしているのか? 非常食は訝しんだ。非常食は稲妻はトントン拍子に話が進みそうだと考え、「良かったな旅人!」などと呑気に言っていた。

 

「...向こうの御屋敷の方から強者の匂い!」

 

「あ? 客人かな? 俺は神里に仕える黒田のモンだ。よろしくな」

 

しかし旅人が匂い()を元にあっちへ行ったりこっちへ行ったりするため非常食は考えるのをやめた。

 

 

「紺田村の話だと稲妻の神様のお友達が神社にいるらしいぞ! さっそく行こうぜ!」

 

「あそこからも匂いするしね。早く行こう」

 

 

蛍とパイモンは長く険しい鳴神神社までの道を登り、そこで出会ったのはピンクの巫女さんとまだ小さな鬼の子。

 

「おいらたち稲妻の神様に用があってきたんだけど...」

 

「...あぁ、なるほどのう。少し待っておれ。師匠に話を通してまいる」

 

「師匠?」

 

「うむ。そなたらが言う稲妻の神様と仲が良いのでの。取り計らってもらえるかもしれぬぞ?」

 

「疑ったりしないの?」

 

「そなたらに少しでも邪な心があれば既にこの童が噛み付いておる。のう?」

 

「この人たちからは悪い心は感じません!」

 

ありがたいことにすぐに白い狐巫女さんに会うことができた。この人が先程ピンクの巫女さんが言っていた師匠だろう。

 

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「なんだったんだろうな。すごい歓迎してくれたけど...神様に会いたいって言ったら途端に歯切れ悪くなってたじゃないか」

 

「...」

 

「...旅人ぉ?」

 

旅人は少し考え込む仕草で足を止め、下ってきた鳥居をもう一度くぐり抜け、ダッシュでもう一度鳴神大社へと登って行った。

 

「えぇ!?!? おいなんで戻るんだ旅人ぉ!」

 

パイモンも切り返してもう一度登りきると、そこには先程の子供の手を握る蛍の姿があった。

 

「え、えっと...旅人さん?」

 

「君からは強者の匂いがする。将来大きくなったらお姉さんまた来るからね。その時は手合わせしよう。ね?」

 

「子供にも絡むなよ旅人ぉ!」

 

「そうじゃ旅人。童はやらんぞ」

 

パイモンからゲンコツを受けた旅人は渋々鳴神大社を後にした。

 

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その後、稲妻の城下町へと戻ってきた蛍とパイモン。社奉行や鳴神大社でも「神様に会う」ことには難色を示され、他にあてもなくさまよっていると、偶然神里綾華と町中で遭遇した。

 

「なるほど...やはりかの狐斎宮様もあまりいい顔をなさらなかったと...」

 

「そうなんだよ! 最初は歓迎してくれてたのに...」

 

「では天領奉行の方へ行ってみてはいかがでしょう。あそこには大天狗の笹百合様がいるはずです。かの方でもダメとなってしまったら...直接許可を取りに行くのも手です」

 

「直接行っていいのか!?」

 

「手続きがいささか面倒なところはありますが...あ、いえどうでしょう...異邦の旅人となると...」

 

その後も綾華と諸々の事を話し合い、直接は時間がかかるとの事であるので2人(1人と1...匹?)(オイラは動物じゃないぞ!)は天領奉行へと足を運んだのであった。

 

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「将軍様に見えたい、と」

 

「そ、そうなんだ...」

 

2人は九条裟羅の厳格な雰囲気に押され、背筋を正して次の言葉を待った。

 

「理由は」

 

「わ、私たち今お兄ちゃんを探しているの。どこにいるのか全く分からなくて...。テイワットの国々を探して回ってるの」

 

「...行方不明者の捜索、か。それこそ我々天領奉行に任せてもらえれば稲妻内の捜索は容易だ。なぜ将軍様に?」

 

「...それにはかなーり深い訳が...」

 

「それを話せと言っているんだ」

 

蛍とパイモンが話すのを躊躇っているのは単純に信じてもらえないだろうと考えているからだ。特に目の前には相当に頭が固そうな幕府軍の大将。

 

「まぁいいじゃねぇか裟羅。とりあえず笹百合様に聞いてみようぜ。なぁ?」

 

「黙れ正勝(まさかつ)。手順というものがあるんだ」

 

「お? いいのかそんなこと言っちゃって。今夜の甘味抜きにするぞ?」

 

「......ハァ。分かった。とりあえず将軍様のことに関しては笹百合様に聞いてみよう。ほらついて......」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「私に何か用ですか?」

 

 

「しょっ!? 将軍様!?」

 

 

九条裟羅は慌てて、正勝と呼ばれた男は落ち着いて跪いた。

それに伴って蛍も地面に片膝をつき、パイモンは地面に降りてきた。

 

「頭をあげてください。別に取って食おうとしている訳ではありませんから」

 

「な、ななななぜ将軍様がこのような場所に?」

 

「団子牛乳を買いに来たんです。お忍びですから、内密にお願いしますね」

 

「し、承知しました」

「...御意に」

 

なんともまぁお茶目な人だなぁというのが蛍の雷電将軍への第一印象であった。

 

「して、何か私に用があるのでしょう? 言ってみてください」

 

ということで渡りに船だと蛍とパイモンはかくかくしかじか雷電将軍に説明した。

 

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「だいぶ楽に事が運ぶなぁとは思ってたけどさ...

 

 

 

 

 

 

いきなりすぎるだろ! 稲妻城入れちゃったよ!」

 

「私は戦闘方面を担当しているんです。だからあなたの言う人探しは適任がいます。ついて来てください」

 

「...? 担当?」

 

 

そして前を歩く雷電将軍は扉を開け、中へと手招きした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「眞、客人です」

 

「どぅえええ?!?」

「同じ人...」

 

そこには先程まで一緒にいた雷電将軍と瓜二つな顔をした女性がいた。

唯一違うのは怪我でもしているのか横にいる男の手助けなしでは立つことができないことくらいか。

 

「あら? 私に? まぁ! 珍しいこともあるのね! いらっしゃい、歓迎するわ」

 

「同じ人ではありません。彼女こそこの稲妻の神、雷神バアルです。そちらは私たち(・・・)の夫。刀の魔神である宗政です」

 

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「神子さん? 何書いてるの?」

 

「む? おぉ、少しばかり筆に興がのっての。この稲妻の英雄譚を書いておるのじゃ」

 

「へー。英雄...」

 

「そうじゃ。あのお方がいなかったら...師匠は死んでいたかもしれんのぅ...」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「...ならば俺も共に行こう。その死地へ」

 

眞は目を大きく見開いた。そのはずみで大粒の涙がひとつ落ちた。

 

「駄目だ」と言うべき口は震えている。つつ、と涙はもう止まらない。唇を噛んだ。

 

「...だ「駄目だとは言わせん。俺も行くなと言わなかった。これでおあいこだ」...っ。...はいっ...はいっ...!」

 

眞は大輪の笑顔を見せた。もう不安も恐れもない。隣に最も頼れる人がいる。

 

花瓶はもう、尋ねる度に貰った白百合でいっぱいになっていた。

 

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死地、とは言っていたが想像以上であった。

神無き地に生まれ、神を狩らんとする漆黒の厄災カーンルイア。

 

「おい、バアル。関係の無い者を連れてきたのか!?」

 

「大丈夫ですモラクス。彼は強いです」

 

「任せろモラクスとやら、覚悟はできている」

 

「...そうか、頼んだぞ。共に黒き厄災を止め、泰平を世に」

 

 

言うが早いか宗政はカーンルイアの軍隊へと突進して行った。

 

 

 

「光栄に思うがいい! カーンルイアの蛮族よ! 我が一刀! そう易々と見られるものではないぞ!! 止めてみせよ!」

 

「私も行きます! すぅ...はぁ...『奥義・夢想真説』!」

 

「天道、ここにあり」

 

「...天丼?」

 

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「はっ...はっ...はっ...!」

 

影は駆けた。姉の姿が見えない。稲妻中を走り回り、一晩中探して回ったが姉の姿はどこにもない。

そして今は宗政の小屋の前に立っていた。バン! と大きな音を立てて戸を開けた。

 

「宗政さん!! ...宗政さん?」

 

そこはもぬけの殻であり、所々にホコリをかぶっていた。あるのは多少煤けた置き手紙1枚。

 

これはそう。影へのせめてもの救いとして眞と宗政が2人で書いた遺書のようなものである。

 

影は一通り読み終えると、手紙をビリビリに破き、蜻蛉返りとばかりに稲妻城へと戻り、一瞬で戦いの身支度をしてカーンルイアへと飛んで行った。

 

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戦いは熾烈を極めた。

宗政含め戦い慣れしている七神はまだ動き回っていたが、眞は動きが鈍くなっている。

危険に陥る度に宗政が眞のそばに寄り、降りかかる火の粉を払っていた。

 

「ぜぇ...はぁ...」

 

「大丈夫か」

 

「ふ、ふふ...。ねぇ、宗政。...ふぅ...。これからも...私たちと一緒に居てくれますか?」

 

「...何を今更」

 

「...嬉しいです。貴方と一緒に居られるのが。これからもずっと...貴方と共に...」

 

「...もう休め。これから天理や他の七神と総攻撃を加える。これで最後だ」

 

宗政は眞を横たわらせると、背を向けて燃え盛るカーンルイアの方へと歩みを進めた。

 

 

----------------------------------------------------------

 

「眞!! 宗政さん!!」

 

影は遅れてやってきた。

既にカーンルイアは燃え盛る廃墟と化し、跡形もなくなっていた。影は戦場となった辺り一面を見渡し、最悪の想定をして、さらに駆けた。

 

しばらく駆けていると横から声をかけられた。

 

「バアルゼブルか!」

 

「...っ!?」

 

そこにはモラクスが立っていた。七神最古参であり、眞とも影とも面識があった唯一の神。

そのモラクスが手招きをしている。もう片方の手で瓦礫の陰を指さしている。

 

 

 

 

 

 

そこにいるのか。私が心から愛している2人が。

モラクスが指さす箇所へと近寄り、瓦礫の陰を覗き込むと、

 

「...っ」

 

そこには抱き合って横たわる眞と宗政の姿があった。

 

「あ...あ、あぁ...っ」

 

影は膝から崩れ落ち、手をついて四つん這いの形になった。

そして涙を流し、大声で慟哭した。

 

 

こうして雷電眞と宗政の恋物語は終わり。

影は摩耗と呼ばれる心の痛みに耐えられず、一心浄土に引きこもることとなった。

 

 

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ンなわけねーだろ!(松岡修造風)

 

 

「ま、待てバアルゼブル。なぜ泣く? よく見てみろ。2人は死んでなどいないぞ」

 

 

「......え?」

 

影は涙や鼻水でぐちゃぐちゃになった顔のまま、抱き合っている2人に膝立ちで寄った。

 

「......zzz」

「......すぅ...すぅ...」

 

「.........」

 

「2人は疲れて眠っているだけだ。戦いが終わった後に宗政が眠り始めてな。そこにあとからバアルが抱きついていった形だ」

 

影はすくっと立ち上がり、顔を着物の裾で拭うと、大きく息を吸って

 

「いつまで寝てるんですか!!! さっさと起きなさい!!!」

 

と文字通り雷を落とした。

即座に宗政は目覚め、周囲の警戒をしようとしたが、眞は目覚めずに寝起きが悪い子供のようにさらに強く宗政を抱きしめた。

 

「い、痛い...眞、起きてくれ。影がおかんむりだ」

 

「......すぅ...」

 

「眞...」

 

......ブチッ

 

影の中で何かが切れる音がした。

 

「...あっ」

 

そしてそれに気づいた宗政は絶望の表情で歯を食いしばった。

 

「よせ影。いや、やめてください雷神様。今俺怪我してるし、眞だって無傷じゃないんだ。な? だから...」

 

宗政の必死の弁明も虚しく、影はニッコリととても良い笑顔で、

 

「......電気を流す治療法もあります」

 

と言って右手を振り下ろした。

 

 

 

その後どうなったかは皆様のご想像にお任せしよう。

 

 

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その後、稲妻へとなんとか戻ってきた3人は、眞が言質をとったと騒ぐために重婚することとなった。

 

「...え? 影ってずっと俺の事好きだったの?」

 

「そうですよ? 気づいていなかったんですか? 影ったら恥ずかしくて目も合わせないんですから...」

 

「いや無愛想な奴だなーとは思ってたけどよ」

 

「あれはただの照れ隠しよ」

 

「...お前知ってて俺に色仕掛けしてたの?」

 

「私だって貴方のことずぅっと愛してますし」

 

「へー...。言われてみれば...。影って不器用なんだなぁ...」

 

 

 

 

 

「黙っていればベラベラと、また雷落としますよ?」

 

「すみません」

「ごめんなさい」

 

時は現代、とある日の昼下がり。

今は影が眞に教わった肉じゃがを作っているところだ。

料理だけは絶対ムリ、と拒絶していた影だったが、「花嫁になるには料理のスキルが必須ですよ?」と眞に諭されてたまに練習していたらしい。

 

「............できました」

 

 

「おぉ、すげぇ。最初は調理器具ぶっ壊してた影がこんな立派に...」

 

「温かいうちにいただきましょう。いただきます」

 

影は堂々としているフリをしている。内心不安で仕方がなく、指先をずっと忙しなく動かしている。

 

「......うめぇ」

 

「美味しいですよ影。これなら宗政の胃もガッチリです。...さて」

 

 

宗政は早々に出されたものを食べて逃げ出した。

眞の「さて...」は結構シャレにならないのだ。というか大体想像つく。大方一心浄土に連れ込まれて搾り取られるのだ。

 

この姉妹、結構エグい。

2人ともに豊満な体つきをしているので無限に搾られる。どちらか片方が宗政を果てさせると、嫉妬したもう片方が全く同じ手法でもう一度果てさせてくるのだ。

あまりにも長い間混ざりあっているため、このためだけに『雷電将軍』なる人形が作り出されたほどである。

 

というかスタミナの面で言えばやはり影はとんでもない。

どれだけ中に注がれても満足しないので、1度マウントを取られてしまえばもうおしまいだ。

最初は我慢して小さな声しか出さないが、少しすればそれはそれは綺麗に乱れ始める。

 

「逃げるんだ...勝てるわけがないYO...」

 

「「駄目です♡‬」」(楓原万葉が雷元素発動した時のあのワープホール)

 

「嫌だァァァ!! 死にたくなァい!」

 

 

これがあるから影の友人3人は会いに行くと言う蛍の言葉に難色を示したのである。大抵はコイツら一心浄土に籠っているため、行っても人形に会うだけだろうと考えた末の難色であった。

 

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であるから、今回この3人に出会えた蛍とパイモンは超ラッキーなのである。

 

とはいえ、蛍は会話中ずっと宗政の匂いに刺激されており、兄の捜索に手を貸す約束を取り付けると、すぐさま宗政に手合わせを申し込んだ。

 

ちなみに結論から言うと蛍はボコボコにされた。宗政は蛍を一切傷つけずに服だけを斬り裂いた。

 

そしてこれに触発された姉妹はまた宗政を一心浄土に閉じ込めるのであった。

 

 

めでたしめでたし。

 

 




『雷神』でした。
間違ってないぞ。...ないよね?

はい、というわけでおもくそアンチ・ヘイトでした。
というわけでチミら。誤字脱字探せやオラァン()!
毎秒とか無理だから。殺す気か? 泣くぞ?

というわけで順序が違う気がしますが、アンケート取ります。
ぜひ投票の方、よろしくお願いします。
あ、このアンケートのキャラについてはある程度は公式から情報が出てから書くのでだいぶ後の方になると思います。
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