トンカツがまた食べたい。そんな人生だった 作:ロースカツおいしい
国連太平洋方面第11軍・横浜基地副司令官。香月 夕呼
BETAの謎センサー視点だと眩い光がヒトの形をした様に見えてこれまで捕獲してきた人類たちと比べるのもアホらしいくらいの演算処理を持つ資源といえると実感している。
同席するSCE(ソニー・コンピュータエンタテインメント)やSEGAの人らの演算処理能力の輝きは一般人とちがうわなと感心していたけどレベルが違う(注1)
一通り挨拶と納品物の説明やら終わりお茶をずずーっとやってる私のことを怪訝な表情でじーっと見つめてる。
圧が、圧がなんか強いけど私何もしてねーよなー!?
無言のままなのは流石にまずい口を回さねばならんなっ!
「まさか人類最高の頭脳をお持ちの香月博士がおもちゃの納品に立ち会うとは思わなかったので緊張しましてね。それと日本ではロシア人は珍しいですかね?」
「太平洋方面軍はロシア人はほとんど居ないから珍しいといえばそうだけど、随分手広く事業を起こしている貴方は大したもんだと思うわよ。横浜基地の建築にも貴女の商会にはお世話になってるし簡易的にとはいえシュミレーターとして使えるバルジャーノン納品には感謝しているわ」
夕呼センセからのまさかのお褒めのお言葉である
「いえいえ趣味が高じて事業展開をやってるようなものですからね。バルジャーノンも最初は対戦ロボットアクションをと思ってましたがまさかこの様な形になるとは思いもしませんでした」
私がこうこぼすと同席していたバルジャーノンの初期プログラムを手掛けたSEGAの社員さんも苦笑いである。
「本物の軍用シュミレーターと比べればおもちゃのようですが、ワークステーションの技術を用いたPlayStationの拡張性を利用すれば複数のPlayStationによる並列処理で本物のシュミレーターと遜色のない出来に仕上げることも可能です。予算軽減に貢献できますし並列処理のノウハウが新たな電算機技術の底上げにもなりますので今後もご贔屓にして頂きたいですね」
SCEの社長さんが早口でPlayStationの拡張性について触れる。
たしかに安価に並列処理が可能な環境が史実世界と比べ遅れているコンピュータ業界の発展に寄与できるのは間違いないしな
「ところで、民間でも名だたるハードとソフトの専門家が揃っているから聞いておきたいのだけど、半導体150億個の並列処理回路のシステムって実現にどのくらいの技術的ハードルがあるのかしら?」
おん? あー確か00ユニット完成の為に必須なアレかぁ
「150億個とは突飛な数字ですね。既存の電算機を並列処理させるにしても場所と莫大な電力が必要になるのでハードの発展とソフトウェアの技術的ブレイクスルーが無いと実現は無理でしょうなぁ」
「半導体の集積率を上げて個のレベルの底上げも必要ですよねソレ?」
「150億もの半導体の同期って規模がでかすぎてシュミレーターでの再現すら難題ですね」
……皆、技術おたくなので早口で語り始めたが現状ではわかんねーよちくしょー!ってなるわな
夕呼先生、この時期から00ユニット建造を目論んでいたんだな
本編で出来上がるのは00ユニットって既存の電子計算機を凌駕する性能を持った量子コンピューターだからセキュリティを考えると夕呼先生ひとりに00ユニットを独占させるのもヤベーな。よっしゃこうしよう
「夢のような話ですけれど、香月博士の目論見は産業界にとっても実現すればサイエンス・フィクション作品に出てくるような量子コンピュータみたいな新たな技術が生まれてくるかもしれませんね。
官民共同でプロジェクトをぶち上げて研究をしたら資金も資材も引っ張ってこれるでしょう
皆さん、国や軍のお金であたらしいおもちゃで遊べるかもしれませんよ?」
別の世界線の夕呼先生の理論が最終的に必要になるとは思うけど、この世界でもある意味狂気に走るキチである技術屋達を煽ってみた
その後、夕呼先生も副司令という肩書よりも博士として遇する我々に気を良くしたのか、オタ同士技術論で盛り上がってしまう。
オタクって得意分野になると早口で捲し立てる様になるのなんなん?
せっかくだからと我々開発陣と横浜基地の衛士たちも交えてバルジャーノン大会が始まった。
身体能力が高すぎて参加したらヤベーと思った私は見学にまわり、PXの食堂で京塚のおばちゃんが作ってくれたトンカツ定食(本編と違い合成ではない)を堪能したのであった。
(注1)この場にゲーム業界のレジェンド達の誰たちが同席しているか想像して楽しんで下さい。