トンカツがまた食べたい。そんな人生だった 作:ロースカツおいしい
まとめきれずいつもの倍のボリュームですがご容赦を
神殿まで結構距離があって悪いと思ったが、白銀たちは素直に武装解除に応じて用意していたテーブルまで歩いてくれたんで好きに座ってもらおう
新人メイド4名が席に着いた白銀たちに紅茶をお給仕してゆく
「む、宗像中尉……」
「風間、築地、高原……」
BETA謹製新人メイドは私のアバター同様、色白エルフ耳な無表情新人メイド仕様にしてるのに元同僚を素材に使ったことに気がついたらしい
「まぁまずはお茶を飲み給え。毒などは入っておらんよ」
「「美味しい……」」
ちびっこ二人は素直だな。おちびちゃん達には焼き菓子も付けてあげよう
「……で、アンタがBETAの親玉ってことなのか?」
おや、白銀はせっかちだねぇ
「私は、君たちが言うところの「あ号標的」が用意した対人類コミュニケーション端末だね」
「端末ということは貴方がBETAの窓口と捉えても?」
「私が君たちがBETAと呼ぶ存在の代表と見て構わないよ」
「俺達をこれからどうするつもりだ?」
「どうするも何も。凄乃皇・四型が稼働不能になった時点で私の本体を破壊する手段はもう無いだろう?君たちの希望通りに会談の場を設けると言っているのだよ」
「会談?」
「君たちA-01は、「あ号標的」と接触しリーディングを行いBETAの情報を獲得したら凄乃皇の荷電粒子砲を使い私を討伐をするつもりだったのだろう?」
「なっ……」
ペラを回している間に全世界のTV局の回線を掌握できたな。
今、世界中のTV局はジャックされて画面には「まもなくBETAと人類の会談がはじまります」のテロップが出てジャックした世界各地のカメラ画像で困惑している人類の姿が見て取れる。
「何処からの通信? アンタ何者よ?」
さぁ世界同時オンエアだ!
「はじめまして香月博士。私は貴方がた人類が「あ号標的」と呼ぶ頭脳級の対人類コミュニケーション端末だ。」
私は席を立ち眼の前のモニターに映る香月博士に向かい恭しくお辞儀をし神殿に世界中のTVのチャンネル画面が表示されこの会談が全世界同時翻訳で放映されていることを確認した。
「君たちの「桜花作戦」はご覧の通り凄乃皇・四型が稼働不能になったことにより失敗した」
TV画面にいまだ炎を吹き上げる凄乃皇・四型の残骸が大写しに表示された。
「私を討伐するという目的は達成出来なかったが、コミュニケーションを取りたいというもうひとつの目的についてはハイブ最奥部にやってきた彼らに敬意を払って応対するのも吝かではないということだね」
「それじゃぁ俺達の質問に答えてくれると言うことか?」
「そうだね。じゃぁ何から聞きたいかね?言ってごらん」
「お前は、なんの目的で地球まで来た?」
「資源の回収だね。回収した資源は私を送り出した元に送られることになっているよ」
「目的はそれだけか?」
「そうだね。あぁ君も質問がありそうだね」
伊隅がなにか聞きたそうな顔をしているので振ってみた
「BETAは資源採掘に邪魔だから私たち人類を攻撃するのだろうか?」
「それは否定するね。我々…あえて我々とした方が君たちにも理解しやすいだろうが、攻撃をしたという意識はない。我々が行っているのは資源採掘を妨げる重大災害への対応に過ぎない」
「白銀、伊隅、私が続けてもいいかしら?」
「貴方、なんと呼べばよいのかしら?」
「あ号で結構だよ香月博士」
「じゃぁあ号、BETAは人類を知的生命体と認識していないのは何故かしら?」
「我らの創造主が珪素由来の知的生命体だからだよ」
「創造主が炭素由来の知的生命体の存在を否定しているのかしら?」
「創造主の生命体の定義は、珪素を基質とし、自己形質、自己増殖する散逸構造だ。創造主が示すガイドラインに我々は従っているだけだね」
「じゃぁ貴方は、人類をどういう存在と認識しているのかしら?」
「我々と同等の非創造物であり、再利用すべき資源だね。」
ハイブの人類再利用区画の画面が映し出される
「こ、これは……」
「ひ、ひどい……」
解体されてゆくおびただしい数の人体の画像がショッキングだったのか涼宮が吐いてるな刺激が強すぎたか。いかんいかん。
「こうして人類も貴重な資源として採掘させてもらってるよ」
「お、お前以外の存在はどのぐらい居る?」
「それは私のようなBETAを統括する頭脳級の数かね? それなら計算上では10の37乗だね。」
「10の37乗ですって……」
「お前たちが、生命体ではないことは理解した……だけど俺達人類は生命体だ。知的生命体なんだよ!」
「それは否定するね。炭素を基質にした生命体は宇宙に存在し得ない。炭素は安易に化合し変化する。知的生命体まで進化するのはあり得ないね」
「地球ではそういう生命体が生まれたんだよ!お前たちの言い方で言えば、炭素を基質に、自己形質、自己増殖する散逸構造なんだよ!!」
「重ねて否定するよ。人類は異星起源の被創造物と推定している。その根拠は我々BETAの目的遂行は生命体が存在しない場所に限られているからだよ。創造主の命令は絶対だから我々が活動する地球に生命体は存在しない」
「アンタ達あぁやって人類を調べたんでしょう!?」
「そのとおり。調査は現在も継続中だね」
「多くの命を奪いやがったくせに……それでもわからないっていうのかよっ!」
「人類が生命体という証拠は存在しないよ。従って「命を奪う」という表現は不適切だね」
バン!!「ふざけるな! 人類はお前たちのような作り物じゃない!!」
おおっと白銀君熱くなっておるな
「それでは私から人類の君たちに問うが、人類が自然発生した生命体であることの根拠を提示して貰えないかね?」
「それはっ……」
マブラブ本編だと誰だったかの死体をぶらーんとぶら下げて証明しろよーって煽り散らかすけどやっても意味無いな
「確かに、現在の人類の科学でも証明するのは無理ね。で、この会談はどういう方向に話を持って行きたいのかしら? 人類の降伏を宣言すればいいの?言っておくけど私はいち地方基地の副司令で人類全体を代表する立場ではないわよ?」
「香月博士、貴女は自分の価値をもっと高く自覚するべきだと思うよ。私が認識する人類の中で最高の演算能力を有しているのだから貴女が人類代表と名乗っても良いと私は思うね。それから先ほど述べた通り我々BETAは資源採掘をしているに過ぎず、人類との衝突は災害に過ぎず戦争をしているという認識は無いよ」
「じゃぁ貴方は私たち人類にどうしろというの?」
「好きにすればいい。我々の資源採掘に抵抗するのも良いし今回みたいにハイブに突入してコアの破壊を目論むのも良いだろう。或いはオルタネイティヴ第5計画のひとつの恒星間移民で地球を脱出するのも選択肢のひとつだ」
「どうして貴方が第5計画のことを知っているのよ?」
「君は00ユニットを介して我々の情報を読み取っていたが、同時に我々に人類側の情報が漏洩していたことに気が付いていたはずだ。。当然人類のオルタネイティヴ計画についても概ね知っているさ
もっとも人類が他星系へ到達したとしても我々BETAが採掘を行っている可能性もあるから移民先は慎重に選ぶべきだろうね
……それから、我々の戦術情報伝播モデル19日間ルールだったかね?あれはあくまで平時の運用で危険性が高い情報の伝達と対処は優先的に扱われている事はエヴェンスクハイブに出現したBETA版XG-70b、そしてここに居る黒い凄乃皇・四型で理解したと思うよ
香月博士、貴女が「桜花作戦」を国連に提言したのは、ピラミッド型であるとされていたBETAの戦術情報伝播モデルがオリジナルハイヴを頂点とする箒型の命令系統を取っているということを知ったからだと思うが、この時点で君は勘違いをしていたわけだ」
「なんですって? ……まさかっ!」
「君は私からの欺瞞情報で今回の作戦を行ったわけだね。オリジナルハイブなんて存在しない。
ここ喀什ハイブは地球上でもっとも古く最大規模であるに過ぎず、情報伝達モデルが箒型に見えているのは地球内の情報分布に効率的だからそう見えるだけで、例え喀什ハイブのコアを潰しても次点の規模を持つハイブに地球での採掘作業の司令役が移行するだけなのだよ。」
「そ、それじゃぁハイブをひとつひとつ潰してゆくしか無いのか!?」
「そうだね。しかし今の君たちに再度ハイブの攻略を行う余裕はあるかな?
もうG元素由来の兵器は我々には通用しないしG元素の在庫もそんなに無いだろう?
アトリエに辿り着いた米軍は空っぽの倉庫を見て唖然としていたよ(注1)
G元素は我々にとっても採掘した資源を生成した重要な物資だからね。
君たちのオモチャにさせたくないし、私個人としての感想だがよく解らん技術で下駄を履かずに地道に技術を磨くべきではないかね?」
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会談の最後はBETAの親玉に心配されるような事を言われて締まらない感じで終わった。
あ号はメインシャフトから出ていきたまえと言って俺達は凄乃皇に積まれていた脱出艇で横浜基地に帰還した。
俺達はやることはやったが作戦は失敗だ。
(注1)米軍の部隊もそのままお帰りになってもらったんですか?
バカヤロー! 泥棒は捕まえるに決まってんだろー!!