これって転生に入りますか?   作:非単一三角形

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 答え合わせ(?)、その二。

 重ねてになりますが初期の草案通りです。
 ……女神様のスタンスは書いてるうちに結構変わりましたが。
 初めはもっとこう……どうしてこうなったかなぁ。



C4-7 何この……何?(字余り)

 

「―――これまでも貴女は何度か、出来るかなと思ってやってみたら出来ちゃった、という経験をしてきてるでしょう? それは貴女の『出来るかな』という認識によって『出来る』ようになった貴女自身がその瞬間に定義し直されていたというわけよ」

 

 

 …………何か、もう、色々と……マジっすかとしか言えねえ。

 あのとき自分を一目見て「幽霊だよなあ」と思ったせいで幽霊になってたとか、もうね。

 

「そしてそれら能力の源になったのは、あっちの神が乗せた『転生特典』……になる筈だった力。幸いだったのは、チート化防止処理も動き続けている点ね。あんまりにも無茶な『出来るかな』はそこで除外されていたというわけ」

 

 ああ、私の認識如何で出来てるにしては、割と制約があったのはそのせいでしたか。

 ……いや、でもそれって幽霊だと思ったせいであって、もっと違うものを想像してたら―――

 

 

「それでも幽霊や精霊あたりの肉体を持たない存在以外に近くなることは無理だったと思うわよ? 何も無いところから物質を作り上げるなんて、チートの最たるものだもの」

 

 オウ(Oh)。まあ、そりゃ確かに?

 

「それに元が凍結されていた『糸々山雨巫の記憶』を参照する処理だから、貴女の無意識の部分を多く取り込む形になってるわ。貴女は見た目と大きく異なる己の姿をハッキリと、それも無意識に想像するなんてこと可能だと思う?」

 

 あ、無理っすね。じゃあもう、なるべくしてなった、と。

 ……イヤしかしちょっと待ってくださいな。正体はともかくとして……私の認識から生まれたと言われても、よう分からん能力や性質が多い気がするんですが?

 

 

「この世界の幽霊───私からすれば何らかの要因で『成仏関数』から零れちゃった魂だけどね。その法則と貴女の認識、チート防止処理の三者がせめぎ合いを起こした結果でしょ。個々の能力について何でそうなったか、なんて私にだって正確には分からないわ。全知全能神じゃあるまいし」

 

 あれぇ、なんか匙投げられた?

 イヤでも【記憶の部屋】関連なんかは明らかに私の認識とは別物では?

 

 

「あー、その辺は……どうも『貴女の定義』に『成仏関数』も一部紛れ込んでるみたいなのよね。具体的には関数へのアドレス……『輪廻転生』の『入口』が混じっちゃってるというか」

 

 …………えぇ? ナニソレ。

 

 

「……あんまり詳しく言及したくは無いんだけど……所謂『転生待ち』の魂から生前の『穢れ』を落とす工程が……あ、ほら、あっちの世界の宗教でいうところの『禊』的なアレよ。そんな感じで恙無く来世へと送り出す、的な…………アレをアレする部分がアレなわけ!」

 

 

 お、おう、なんかすみません?

 ……そのものズバリを明言しちゃうと不味い感じなんかね? じゃあ私なりに考えてみるか。

 

 えーと、つまり……恙無く成仏───輪廻転生するには、生きている間にアレコレ起きた魂への変化をリセットせにゃならんわけだ。……良きも悪きも一切合切に。

 それは『記憶』であり、『経験』であり……おそらく『欠落』も、そこに含まれる。

 

 だからこそ幽霊として時を過ごし、『削れて』しまった彼らは私に───そこに混じったらしい『輪廻転生の第一工程』の気配にでも惹かれていた、と。

 『穢れ』を拭い、『欠損』を癒し……洗い落とされた彼らの『記憶』を私は受け取っていたと、そんな感じの流れになるのかな?

 

 

「…………私からはノーコメントよ」

 

 はいな。了解です。

 

 ……あ、でも【感情吸収】に関してはもうちょいヒントもらえません? わりと本気でヤベェと思った能力なんで。……せめて暴発させない予防策とか、そういう方向でも良いですんで。

 

 

「……『死者の記憶』<『貴女の記憶』<=『生者の記憶』。……おけ(OK)?」

 

 

 アッハイ(本日三回目)。

 

 ですよねぇ、私自体の存在というか定義というかがメッチャあやふやなんですもんね。

 何を以て"私"とするかに対して、生きてる人間の記憶は優先順位に割り込んできちゃうわけか。

 ……私が"私"で無くなる危機感も沸いてくるわけだよ。やっべェなマジで。

 

 しかし原理がそうだとすると……結局は生きた人間相手に『禊』が機能しちゃうのが主な原因と言って良いのかな?

 さて、それを何とかする方法となると……え、何とかできるのか、コレ?

 

 

「……貴女の中での事なら貴女の認識次第で割と何とかなると思うわよ? 外へ出さずに完結する内容であれば、よっぽどじゃなきゃチート化防止処理にも引っかからないだろうし」

 

 ああ、もう単純に『生きた人間相手には機能させない』とでも認識してれば良いんですかね?

 ……イヤ、あれか。『機能しなくなる能力を作った』的な認識の方が良いか。『出来るかな』を絡めて……『生きた人間のソレは受け付けなくなるような()()()()を作ってみた』これでどうだ。

 

 

 …………うん、たぶん、多分だが出来たと思う。

 

 これで【記憶の部屋】の中に『仕切り板』が立った、筈だ。……直前のイメージからして銭湯の男女を分ける的なアレになったような気が多分にするが。

 えっと、まあ、これでも思うような効果はあるはずだ、と思う。……うん、()()()()()()

 

 

「お前がそう思うんならそうなんだろう。お前ん中ではな。……あ、コレ煽りじゃないからね?」

 

 …………その台詞(ネタ)が煽り抜きに使われる機会が、まさか存在するとは……。

 しかしツッコミが非っ常に遅れましたが、ネタに堪能すぎやしませんかね、女神様?

 

 

「あの世界のサブカルチャーが面白すぎるのが悪い。私は悪くねぇっ!」

 

 

 

 

 …………あ、もう一人の転生者に関してちょいと聞きたい事があるんですが。

 

「ゴメンナサイっ。……あれ、というわけでもないのね?」

 

 ええまあ女神様を責める意図はありませんよ。主にキリが無いんで。

 そんなことより、と言っちゃうとアレですが……これからどうなる予定なんですか、()()()

 

 

「あーっと、ホラ……あの子の意見にも一理あるとは思わない?」

 

 ……と、言いますと?

 

「与えられたからにはその力をどう使おうがそれは仕様の内、とか主張してくれてたでしょ?」

 

 ……あー。

 

「すなわち自分の行いで誰がどんな迷惑を被っていようが、それは自分のせいではなく力を与えた神様(わたし)の責任だと言ってくれてたわけで───」

 

 心外だったんすね。ハイ。

 けど実際あんな文字通りのチート能力貰っちゃったら、誰でも多少なり気が大きくなるもんだと思いますよ?

 

 

「ええ、まあ、そこは私も反省したわよ。……バランス調整って大事だったのね」

 

 イヤ、バランス調整というか、もうちょっと人柄を考慮……そこは突っ込んじゃいかんか。

 聖人君子オンリーとか言い出したら私だって普通にアウトだろうし。

 

「当人から『やり直し』の要求もあったし、お望み通り『三回目』の機会をあげることにしたわ。勿論、『悪い』特典(チート)なんか付けない形でね」

 

 ……それもう普通の転生なのでは?

 いや、前世や今世(?)の記憶があるならそれなりに───イヤ待て。この女神様、転生"先"については何も言ってねえな?

 

 

「───あらあらうふふ?」

 

 

 それ口に出して言うもんじゃないっすよ……。

 さては責任転嫁されてまあまあご立腹でしたな?

 

 まあ与えられた力がどうあれ、それで現地人の人生まとめて狂わせてやるぜヒャッハーしたのは当人の選択だし……私がそこに口出す理由も義理も何もかも無いわけなんでいいですけど。

 

「貴女が望むなら色々と厳しい環境に生まれさせたりしても良いけど?」

 

 いらんですいらんです。

 何でわざわざそんな徳の減りそうなこと願わなきゃならんのですか。

 この先、変に私達に絡んでくることが無けりゃそれでいいっすよ。

 

 

 ……さて、それじゃ()()()()()()()()()()これぐらいにしまして。

 

 

「…………本題、ね?」

 

 

 ええ、こればっかりはキッチリ聞かせてもらいますよ?

 さっきの話のお陰で、どうやら()()()()()()だと把握出来ましたからね。

 

 

 

 

 ───()()()、糸々山雨巫。

 

 彼女の魂は、果たしてどうなったんです?

 

 

 

 

 

 

 

 

「……彼女の死亡直後に、あっちの世界の神がブチギレ状態で魂の回収に乗り込んできました」

 

 …………オウ(Oh)

 

 

「今度こそ彼女の要望通りの世界に転生させる……って言ってたよ?」

 

 ……はぁ。

 

 

「巻き込まれた他の魂についても希望するなら一緒に、そうでなければせめてちょっとした幸運を与えて次の人生に送り出すようにって……」

 

 …………。

 

 

「後は『神とはいえケジメは付けろ』なんて言われて謝らされたし……結局、彼女の主観では何も起きてなかったんだし、あんなに怒らなくて良いと思わない? ねえ?」

 

 知らんがな。

 

 そもそもどういう関係なんですか、あんたら。

 完全に手の掛かる後輩を教育してる感じの空気じゃないっすか。

 ……ひょっとして()()()に対する扱いが割とアレなのって、その辺りの八つ当たりも兼ねてたりしませんか、女神様? ……これ、目を逸らすでないわ。

 

 というかそれならいっそ特典()の回収とか考えたりは……あ、そういうのはダメなんすね。まあ、渡しといて思わしい使い方しなかったから没収、とか言い出したらそれはそれで道理が通らんか。

 

 

 まあ、何にしろ謝るべき対象にはきちんと謝ってたようで何よりだよ。

 死後に一神教の国の信仰対象に謝られるとか、『私』一家どんな顔してたやらだが。

 どうにもさっきからなにかと謝罪が軽かったからねぇ、この女神様。

 

 ……そもそも私は謝罪対象に入るかどうかも微妙なラインか。厳密に言えば殆ど関係無ぇもん。そりゃネタ混じりの謝罪にもなるわけだわ。

 

 

 そしてブチギレて乗り込んできた、かあ……律儀だったもんなぁ、あっちの神様。

 

 二つの世界の差異も考えて色々と細かな調整をしてくれてたみたいなのに、後から転生(追加)された、しかも自分が関わってない転生者のせいでいつの間にか約束を反故にされてたとか、そら怒るわ。

 ……もしかすれば、この一連の騒動における一番の被害者かもしれん。

 

 何しろ私……もとい『本物の雨巫さん』にとっては、まだなーんも()()()()()()()()わけだし。

 今頃は、あの日の要望に沿った全く別の異世界で、そこで生まれた誰かとして懸命に生きながら記憶覚醒の日を待っている、ということになるんだろう。

 

 

 ───アレ? でもそれ雨巫さんなのか? それともヤーネ嬢だったりするのか?

 だってどっちの記憶も今、私が持って───え、記憶部分も魂と一緒に回収されてる? じゃあ私が持ってるのって……あ、一時ファイル的なアレ? これまたマジっすか。

 

 ……ああ、そっか、ファイル読み込み形式のプログラムが直接元データは弄らんよな。

 一旦適当なデータ型に読み込んで然るべき作業をしてから、データ元に反映する(書き込む)のが基本だわ。

 私の場合、その反映先が作業中にどっか行っちゃったわけで……画像やテキストデータだったら新規ファイルが作られるとこだけど…………魂だもんなぁ……。

 

 

 ……じゃあ今頃、雨巫さんであり、ヤーネ嬢でもあり、現地で新たに生まれた誰かさんでもある転生者になってるってこと? ……内面とか大丈夫なんかソレ。ちゃんと統合できるんか?

 

 

 …………まあ、あっちの神様なら、その辺しっかり調整してくれはりそうやな。何となく。

 こっちの女神様ならいざ知らず「何でよ!?」……そういうとこやぞ。

 

 

 

 

「───さて、それじゃ一応と思って聞くわけだけど……貴女はこれから先、どうするつもり?」

 

 ……はて、どうするとは?

 

 

「当面は、あの女の子の相棒を続けるつもりなんでしょう? けれど貴女達の『時計』は、決して同じ造りではない。いずれ別れの(とき)が来ることは、貴女も分かっているわよね?」

 

 イヤ、そんな未来の……ええ、そんな()()()()()()()なんざ、碌に考えてやしませんよ。

 第一、別れがどうこうなんて特に私達に限った話でもないでしょうに。

 

 

「……貴女は『幽霊のような何か』であって幽霊ではない。……というかそもそも魂ですらない。この先どう変化していくのか、『終わり』があるのかどうかさえ私にだって分からないわ」

 

 …………。

 

 

「私も、まあその……貴女に関しても、悪いことしたかなーとは思ってるのよ? なんなら貴女がこれから生きて……生きて? うん、生きていくのに役立ちそうな追加パッチ(サポート)の一つでも───」

 

 

「だーから、要りませんって」

 

 

 

 

「当初求めてた第二の人生からは、まあ随分と遠いところに居るとは思いますがね?」

 

「それでも私は、女神様(あなた)の世界を全力で楽しませてもらってますよ」

 

「真面目で頑張り屋さんな、最近ちょいとツッコミ気質になりつつある相棒(ユズちゃん)と一緒に、ね」

 

 

 

 

「だからまあ……たまーに女神様宛の信仰持ってっちゃうことだけ御目溢し頂ければ十分っすわ」

 

 

 

 

 

 

 

 

「あ、そういえばさっき貴女が考えてた三段腹ハゲ親父、例の『特典』影響外だったわよ?」

「待ってソレ話が変わるkwsk(詳しく)。……あ、詳しくと言えば、ユズちゃんみたいな霊感体質の人って女神様的にはどういう───」

 

「知らん。バグじゃね?」

「えっ?」

 





(例1: C2-8 怨霊作戦・転)

 レインさん「(こっから演技も本番だし気合い入れて───)控えよッ!!」
転生特典さん「おかのした」
モブ冒険者&盗賊's「「「グェー(気絶)」」」

 ユズちゃん「…………」
 レインさん「ちゃうねん……ちゃうねん…………こんな能力いつから生えてたの?」
転生特典さん「A. 1msec(ミリ秒)前の定義更新です」


(例2: C3-11 悪霊退治?)

 ユズちゃん「抑え込むのは慣れてませんが───やってみます!」
 レインさん「友達の身体に傷を付けたくないもんね」
転生特典さん「おかのした」

 指輪霊さん「───ぎぃやあぁぁァアアアアあああーーーッ!??」
 ユズちゃん「今度は何をしたんですかぁ!?」
 レインさん「今度はいったい何さらしてけつかんねん、このボディ!?」
転生特典さん「(`-ω-´)キョウモイイシゴトシタゼ」




Q. 要するに彼女 is 何?
A. 仕様外挙動の末に、なんか人間の魂っぽくなっちゃった転生プログラム。

Q. それって雨巫さんなの? C1-1後書きで雨巫さん主人公って宣言してなかった?
A. 彼女は自分を糸々山雨巫と認識しています。つまり彼女"も"雨巫さんには違いありません。

Q. 各能力が彼女の認識から生まれたにしては、当人予想外の挙動起こし過ぎでは?
A. 能力の源たるは『転生特典』さん。当然の権利として曲解能力(善意)持ちなのです。

Q. C3-12の指輪霊さんには何が起きたの?
A. なまじ魂に干渉できる能力持ちだったが故に『定義更新』に横から割り込んでしまい、丸ごと『上書き保存』されました。 (‐人‐)ナムナム

Q. これって転生なの?
A. さて、そこで皆様に質問です。


 本作のタイトルは?
訳:こっちが聞きてぇよ。

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