これって転生に入りますか?   作:非単一三角形

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 設定紹介回その2。

 普段と比べて大分くどくなってしまった感。
 テンプレ! の一言で済ませるには界隈毎の差異が大きいからなあ。

 どうにか説明的な文章を削れないかと苦悩してる内に矢鱈と時間かかってしまいました。
 なお、殆ど諦めてだらだら書き連ねる形になった模様。今後の展開の為には仕方ないんや。



C7-2 惑い多き迷宮奇譚

 

 

「───えっ、ダンジョンに入るんですか!?」

「ええ、たまには自分の足でと……あれ、何か問題ありましたか?」

 

「あ……す、すみません。すっかりイメージが固まっていまして……あの、御一人で、ですか?」

「……いえ、()()()()()()()でしょうけれど、ね?」

 

「…………差し出口でした。申し訳ありません、『狐鼠姫』様」

 

 

 ───十数年前、山の麓に現れたというダンジョン入口を、囲う形で建つ冒険者ギルド。

 主な役目は出入りする人間の管理に、中から出た宝物や魔物素材の買い取りその他、また非常に稀ながら地上に上がってくることもある魔物への初期対応などなど。

 

 そんなあれこれを担ってるという職員さんとの問答を、ちょっぴり悪い笑顔で潜り抜けましたは最近ダンジョン地図作成者としての評価を欲しいままにしております我らがユズさんです。

 ……ひとりに見えるでしょうけどって、その言い方だと今も『例のネズミ達』が活躍中みたいやないっすか。まあ嘘ではないけどねえ、部分的には。

 

 

「いえいえ。……別に深くまでは行きませんよ。ちょっと確かめたいことがあるだけですし」

「そう、なのですか?」

 

「ええ。……元々、わたし自身が()()()()に名を連ねたい、というわけではないですから。それを目指す誰かの一助になれるならとは思っていますけど」

「それは、なんとも…………その、欲の無いことで……?」

 

「あはは……正直、今いただいている評価だけで擦切り一杯なんです。……いえ、本当に

 

 微妙に顔を逸らしながらの弁明(?)に首を傾げる職員さんである。

 いやあ、巷で話題のCランク冒険者さんは本当に質実謙虚なお方ですなあ! ……ごめんて。

 

 

「(……いえ、良いんですよ? 探索におけるレインの反則さは前々から分かってたことですし、今回の事だって良い話だとは思っていますから。掛け値なしに)」

《ほむ》

 

「(この前みたいに、身に覚えのないお礼を言われるのも……わたしの存在から、ネズミを追えば助かる、という認識が広まってるのも、それで実際に助かった人達がいる以上は悪い事ではない、とは、思ってます、し……)」

《ほむほむ》

 

「(ただ…………その功績が全部わたしのものになってるのが座りが悪いというだけで……)」

《だからそれも含めてキミの力なのだと以下略》

 

「(そうなんですけどね~……)」

 

 

「……あの、どうかなさいましたか?」

「ああ、いえ、なんでもありません。お仕事頑張ってくださいね」

 

 立ち止まって考え込んでるようにでも見えたか、伺うような声に手をひらり。

 そうして歩みを再開する彼女の背を、若干の苦笑いで送り出す職員さんであったとさ。……仕事激増した主原因に言われちゃね。

 まあ、どっちかというなら嬉しい悲鳴になるだろうし、ご愛敬ってとこですがな。

 

 

 

 

 以前の街から人の足にて数週の距離に存在しとりましたは世に言うところの『ダンジョン街』。

 そんな面白そ───イベント盛り沢さ───興味深い場所があるならば、一度は行ってみねばとやってきましたが我々、霊能力者と幽霊(笑)のコンビでございます。どんどんぱふぱふ~。

 

 さて、そこでこの世界のダンジョンという奴についてなのだが、やはりというべきか、概ね私の想像から大きくは外れていない代物であった模様。

 迷路な感じでー、魔物が湧いて―、階層に分かれててー、宝箱とか罠とかあって、えとせとら。

 差異と言えそうな点を挙げるとすれば、一番古いところでも出現から五百年そこそこらしいってことぐらいか。なんかその辺りの年代からぽこぽこ湧いてきたと歴史に記されてるそうで。

 

 ……まさかとは思うが、プレイヤーの数が増えてきたオンゲーで狩場用のインスタントマップを追加した、的なノリだったりせんよな? こう、世界の人口が一定数超えたから、みたいな。

 うむ。何かの裏側に触れてしまいそうな気がしてならぬ。考察はここまでにしようそうしよう。

 

 

 さてさて、そんなダンジョンを眼前にしました我々、さっそく深層目指してアタック開始───なんてことを慎重真面目が服着たような我が相棒が言い出す筈もなく。

 というか色々物知りな彼女でも、これに関しては大した事前知識も持ってないとのこともあり、片や地上で正規の手段───ギルドの資料など───を使った調査を、此方敵無しと書いて無敵のボディ(笑)を活かした現場調査(笑)に乗り出したのが、実に一ヶ月程前の話なのである。

 

 

「現場調査(笑)(かっこわらい)……相変わらず何も間違ってないのが困りものですね」

《ふはは。そりゃあ、折角こんな身体になったのですもの。使い倒さなきゃ損ってもんだべさ》

 

 とまれそんな具合に『いつもの我々』を敢行していたところで、調査中のユズちゃんが耳にした話に曰く、ここではダンジョン内部の地図作成に隙間需要的なアレがあるとのこと。

 あれ、そんなに古いとは言わんでも出現から十数年経ってるとは聞いたし、地図の一つや二つは標準配布されとるもんではねえの? と問うたところに返ってきたのは衝撃の事実。

 

 階層間の『順路』については最優先調査対象かつ公開情報だが、それ以外は大体不明なまま。

 理由は……まあ、色々とあるらしいが、総合するに『作ろうにも割に合わない』ときたもんだ。

 

 

 実際、いつ湧いてくるかも分からない魔物等に対応しながら正確な地図を書き上げるってのが、どんだけの労力(コスト)を費やす苦行かと考えれば然もあらむ。

 加えて、幾ら需要があるとは言ってもそれなりに広範囲を網羅した物じゃなきゃ、ギルドだって大した値はつけられやしないのだ。そりゃ慈善事業じゃあるまいしなあ。

 

 さらに言うなら、どういう需要なのかというのもある。

 冒険者の皆さん基本的に『順路』から外れない探索行を心掛けるらしいですんでね。

 先日の極濃キャラ娘達みたいな不測の事態か、あるいは未踏の地帯に踏み入って未開封の宝箱を探す、といった浪漫行でもないと既存の地図範囲を外れる理由がないわけだ。

 

 当然、後者目的の方々が『誰かが調査済みの区域』の詳細情報を欲しがるわけもない。

 つまりは前者の『止むを得ず』への備えに、どれだけの価値が付くのかが焦点になるという。

 ……重視する人はとことんするだろうけどね。これぞまさしく隙間需要よ。

 

 

 それこそ私らみたいな例外()でもなきゃ採算とるにはハードル高し。

 すなわち、誰かが狙っていたパイを横から掻っ攫ってしまう、といった憂慮も無用無縁。

 然らば我が無敵(笑)ボディの活かしどころやな! と張り切った&助かる人が居るのならばとユズちゃんからも力強くGOサインを貰った私が全力出した結果───

 

 

 ……わりと大騒ぎになっちゃったぜ☆ミ

 主に最初に提供した品の正確さが確認された時点で。

 

 HAHAHA……うん、想定外だったよね。半分くらいは。

 

 

 なお具体的な作成の手順としては、私が現場に行きつつ【記憶の部屋】内で書き留めた地図を、後でユズちゃんが現実の紙に書き写していく、という方式をとっておりました。

 そのため傍から見ると、チューチュー鳴いてるネズミ(対外説明用)を隣に、(視界が重なると面倒なので)眼を瞑ったまま白地図に筆を滑らせる少女、という構図になってた模様。神秘性◎。

 

 

「……今更ですけど、虫やネズミの使役、という触れ込みにしておいて良かったです。本当に」

《さもありなん。始めの頃の神の声云々とかいう説を放置してたら色々面倒が増えてただろねえ》

 

 騒ぎになった理由は単純。地上に居ながらにしてこんな代物が作れるのなら、いっそ未踏()()の地図は作れないか、と結構な勢いで詰め寄られてしまったのだ。

 なんでも最下層まで踏破済みな数百年モノの古ダンジョンならばいざ知らず、現出して十数年なこの地の場合、『初踏破』の栄誉が云々……とまあ色々と桁の違う需要があったようで。

 

 

 勿論そこで、出来ない、と嘘つくことはできなかった真面目っ子さんな我が相棒。

 あれよあれよと指名依頼という形で、最下層までの略地図を作成する事と相成りました次第。

 ついでに既に作成していた地図も提供したところ、それらの精査が大車輪で取り行われる傍ら、いつの間にやらCランクに昇級してましたとさ───というのが、この一ヶ月の概要なのである。

 

 いやあ、改めて考えると中々に想定の斜め上に跳ねちゃったというか……ちょっと面白そうだし散歩してみよか、ぐらいのテンションで立ち寄っただけだったのにねえ。

 

 

「……まあ、さっきも言いましたけど別に悪い事になったとは思ってません。一応聞きますけど、レインもですよね?」

《あたりきしゃりきよきまるもんざえもん。ガチエモあげぽよリバイバ「レイン?」……ふぁい。面白いことになったなーと思ってるし、やりがいもあるしで言うことなしですよん》

 

 分かりやすくファンタジーな景色を色々と見物できて面白いんよね、ダンジョン内部。その辺の冒険者の道程を観客気分で鑑賞するのもアリだし。バイブステンアゲってやつですぜい。

 ……ちょいと誰かさんの影響で懐かしい語録を思い出しただけですけん、そう睨まんでもろて。

 

「雰囲気で察するにも限度があるんですからね、まったく……ついて来てる人は居ませんよね?」

《んむ。最上層だし別口の冒険者はそこそこ居るけど、妙な動きしてそうなのはおらんよん》

 

 

「了解です。それじゃあ、そろそろ……『検証』を始めるとしましょうか」

 

 

 

        ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 

 

 

『───ギィ……ッ!』

 

 

 白刃一閃。くぐもった悲鳴に水音一つ。

 切り捨てられ崩れた影が、岩肌の地面に力なく転がり、端から削れるように消えていく。

 

 これぞダンジョンに生まれる魔物の特徴が一つ、命脈絶えれば忽ち塵と散る。

 運が良ければ素材となる部位が残ることもあるが、今回その例には掛からなかった模様なり。

 

 

 まあ、尤も。

 それを為した彼女の、ひいては我々の現目的は、全く以て別事項なわけで。

 

 

《……おっ》

「あっ」

 

 

 背後から耳に届いた『軋み音』に振り返れば、ぽかりと開いて見える通路への入り口。

 すっかり静かになった小拾い部屋の中、どちらからともなく目配せを交わして。

 

 

《…………うん。()()()()()()()()()ね!》

()()()()()()()()()ね……たぶんそうだろうなあ、とは思ってましたけど」

 

 ()()()()()()()結果を前に、明るく苦笑いで頷き合う我々でしたとさ。どっとはらい

 

 

 

 

 ───この世界のダンジョンには多種多様な罠がある。

 

 物理的な罠から魔法的(?)な罠まで種類は様々。どこぞの丸腹商人や風〇坊が踏み抜くアレを彷彿とさせる物も多いが、そういった小型のソレは地図を作る上でなら気にする必要は薄い。

 というのもそれらは魔物と同様にいつのまにか湧いていることもあるらしく、書き記していても意味が無いのだとか。……なんか、ますます千回遊べる方に近くなっtげふんげふん。

 

 その例外となるのが大型の……部屋単位の罠になる。こちらは流石に急に湧いたりはしない。

 広めの通路、と呼べそうな道で構成された迷路の中に、数人が───階層によっては数十人でも───手を広げられる広間という形で配置されている罠……というよりギミックが点在するのだ。

 

 

 罠の詳細としては、まず内部に入ると出入口が塞がれる。

 次に、その階層に湧出する魔物が複数体───数もまた階層によって様々───現れる。

 そして、それらを全て倒すことによって塞がれた出入口が開かれる……とまあ、分かっていれば非常にシンプルな仕掛けになっている。

 ついでに閉じ込められている間は入室時に湧いた以外の魔物が新たに湧くことは無い、らしい。

 

 …………これゼ〇ダでよく見るヤツやん。もしくは聖〇Ⅲ。

 なお、この世界における通称は『魔物部屋』……うむ。その辺についてはノーコメントで。

 

 

 さて。そんなこの世界特有(強調)の罠部屋に対し、我々が何を『検証』していたのか。

 その説明をする前に今の銀河の状況を理解する必要が

 

 

「ネズミや虫では罠部屋を起動できなかったから代替手段を探してた、の一文で済むでしょうに。というかさっきから長々と誰に向かって話してるんですか、レイン?」

 

《ぬわあぁん、安定と信頼のボケ潰しぃ》

 

 

 ……まあ、そーいうことである。

 

 下層の地図を作ったはいいものの、多分罠部屋なんだろうけど確かめられぬぇ……という事態にちょくちょく遭っとりまして。ぐぬぬ……幽霊(笑)ボディ万能説が、ってなもんでしてねえ。

 

 そこで上層の、Cランク相応の実力持つユズちゃんならまず危険もない罠部屋、と分かっている場所にて試行錯誤を繰り返していたというのが『検証』の実態。

 何を以て罠部屋が『人間の入室』を検知してるかも分からんので、様々な心霊現象を試してみたわけなんだが……何れも空振りに終わりましたで候。

 

 『顔』を作って。

 音を立てて。

 ネズミを彷徨かせて。

 鬼火やら咆哮やら飛ばしてみても一向に無反応。

 

 最後に念の為にとユズちゃんが入室、無事に起動を確認して『検証』終了。

 現れた魔物達が部屋中に浮かんだ『壁鬼』にビビリ散らかしてた以外は何の手応えも得られない結果と相成りましたぜ畜生め。……ほら、お前ら撤収だ撤収! ……駄々捏ねフェイスやめんか!

 

 

「憑依した小動物では罠が動かない、というのは事実なわけですし仕方ないんじゃないですか? 罠の可能性を地図に記しておきさえすれば、後は使う人達の方で対応してくれますよ、きっと」

《む~ん、む~ん、そうなんだけどねえ……》

 

 慰めてくれる生暖かい目を感じつつ、煮え切らない唸りを漏らす私である。

 そりゃまあ、別に完璧主義を自称しとるわけでもないんだけども……本当に物理的干渉を目的に据えると途端に制限きつくなるのよなあ、マイボディ。

 やはり物理的なアレコレはユズちゃんに頼りっきりになるしかないのだろうか。ううぬぅ~……

 

 

 

 

 

「…………むしろもっとわたしを頼ってくれちゃっても良いんだけどな。……なんちゃって」

 





 テンプレはテンプレでも微妙に独自性があったりするような無いような。
 まあ例によって例の如く、細けぇこたぁいいんだよ、の精神でやっていく所存なのです。

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