異世界イズク   作:規律式足

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 お久しぶりです。
 ギャグ回でちょい役のオリキャラでます。苦手な方は閲覧注意。



102話 文化祭準備。

 

 その後、記憶再生の魔法を使いなんとかエリちゃんについての誤解を解くことに成功。

 だけど皆が再生された記憶に別の意味で衝撃を受けてしまった。

 個性社会の闇。そんなどん底にいた彼女と純粋な善意と偶然から救い出したおじさん。

 エリちゃんの境遇も、おじさんの行動も、どちらもヒーローを志す僕達には深く考えさせられる事だった。辛い現実を知り、重苦しく気分が沈みそうになったりしたけど、そんな境遇だったエリちゃんを僕達が楽しませることのできる機会があるのだと来たるべき文化祭にいっそう奮起したのだった。

 

「なんか学生らしい感じでテンション上がるよな」

 

「だね。体育祭は生徒(特にヒーロー科)は参加するだけだから余計にそう思うよね」

 

 そんな日からしばし時はたち、午後の練習が一段落した僕は峰田君と一緒に文化祭準備でガヤガヤしてる雄英高校を見て回っていた。

 意外とハイスペックなことに定評ある峰田と存在を忘れがちな転移ボーナスで物事を習得しやすい僕は余裕があるので皆から他クラスがどんなことをしているか見てきてと頼まれたのだ。

 

「しかし色々やってんな、文化祭を回るときのためにしっかり覚えておかねえとな」

 

「自分達の発表と片付けと後で時間が限られるから目的地を事前に調べて厳選しないとね」

 

「おいおいそれだけじゃねえぜ」

 

「?」

 

「文化祭まであと一月、その間に他クラスやら他学年の女子に「一緒に回りませんか?」と誘われるかもしれねえだろ?だからその時に華麗にエスコートするためデートコースのリサーチと構築は必須なのさ」

 

 と峰田君はキラリ☆とキメ顔で言った。

 

「他クラス他学年ってとこでウチのクラスの女子達からの誘いは無いって理解してるのかい」

 

 峰田君てば女子(この間の変身で男子にも)にセクハラしたのに関わらず嫌われてはいないけど、恋愛対象としては間違いなく見られてないからなあ。

 

「可能性ある限り準備は怠らねえ、それが男ってもんだろう?」

 

「その可能性を信じて〜♫

 先生に追い出されるまで居座った〜♪

 バレンタインの放課後〜♫」

 

「なんで知っているオイラの過去。そしてなんで歌いだすお前」

 

「いやなんか演出班になったんでつい」

 

 突然歌いだしたくなる、それが若さ。

 そして可能性はゼロじゃなくても、ありえないってことはあると思うの。

 

「緑谷だって小中とそうだったろ?」

 

「いや僕はオールマイトバレンタイン特番を見るためにソッコー帰ってたから」

 

 平和の象徴にして世界的有名人なオールマイトはバレンタインともなると世界中から贈り物が来る。チョコの数だけでもネタになるほどだし、中には宝石やら不動産まであるとか。現アメリカナンバーワンヒーローのスターアンドストライプなんて等身大自分チョコとかとんでもないの贈ってたなあ。

 

「それはそれで悲しいバレンタインのような気がするがな」

 

「なおかっちゃんは毎年十個は貰ってたよ」

 

 当時から性格アレなヤンキーだったけど人気者だったんだよね。

 

「ミルコにチクろうぜ(憤怒)」

 

 峰田君の嫉妬の言葉でかっちゃんの来年のバレンタインはチョコ人参確定だね(笑)。

 そんな雑談に興じながら組み立てられてる出店を見ているとクレープ屋さんを発見。

 

「年季ある屋台だなあ、砂藤君の案は取り下げて正解だったかも」

 

 砂藤君なら美味しいクレープを作れるだろうけど、皆で分担すると出来栄えにムラがでてたよね。

 

「そうだ緑谷、クレープにまつわるこんな話を知っているか?」

 

「どんな話?」

 

「あるところに人気のクレープ屋さんがありました、そこはミックスベリー味が評判なお店です」

 

「良いよねミックスベリー味、ふんわりしたクレープ生地にクリームやらチョコの甘さ以外にさわやかな酸味という刺激と食感が加わってさ」

 

「クレープ好きなのかお前?

 けどいざお店に行くと、ミックスベリー味はメニューに無いと断られます」

 

「訴えよう」

 

「落ち着け。

 けどそのクレープ屋さんのメニューにはベリー系が豊富で周囲にはカップルだらけです」

 

「事前情報に騙された被害者がいっぱい。せっかくのデートが台無しだよ」

 

「違うからな。

 なんと彼らは二人で違う味を頼んで、お互い食べさせあうことでミックスベリー味を堪能していたのです(血涙)」

 

「口中調味の妙だね。そしてカップル達による惚気だったのか。藤宮さんにも教えてあげよう」

 

 でも敬文さんだからなんかやらかしそう。

 

「お前も麗日と八百万と塩崎とメリッサとミックスベリーをするんだぞ」

 

「なんで?」

 

「しばくぞ」

 

 峰田君の提案に首を傾げたら、バットを構えて怒られた。

 

「まぁまぁお二人さん、ケンカしないでこれでも食べて落ち着きなよ」

 

 殺気立ってバットを振りかぶる峰田君に光剣を出して向かい合ったらクレープ屋の中から大柄な女性がクレープを両手に持ちながら現れた。

 

「あ、すいません」

 

 準備中に迷惑だよね。

 

「いいっていいって、良いアイデアも貰ったし。これも試作だからさ」

 

「先輩(キュン)」

 

「峰田君ってチョロいの?」

 

 僕より身長の高いスタイル良い金髪美人からクレープを手渡されて峰田君は乙女の顔してトキメイていた。

 

「先輩、オイラとミックスベリーしませんか?」

 

 そして彼は即座に口説きだした。

 僕は美人とか知り合いじゃないと身構えちゃうけど峰田君は違うみたいだ。

 

「ゴメンねー」

 

 そして初対面の相手だから当たり前だけど断られている。だが彼女の断った理由は峰田君な外見ではなく。

 

「私はさ、君達二人がミックスベリーするのをじっくりと見たいなーって思うの」

 

 彼女の性癖が理由でした。

 晴れやかな笑顔でナニを言ってんだろこの人。

 

「さあ、ハリー!ハリー!男子二人のミックスベリー!」

 

 鼻息荒くして急かす腐女子な先輩に虚無の表情と化す峰田君。うん振られる理由の中でもこれは酷い。

 

「腐ってやがる、早すぎたんだ」

 

「クレープありがとうございました、巨神兵先輩」

 

 落ち込む峰田君の背を押しながら僕達はその場から去るであった。

 

「巨神兵先輩っ?!

 待ってピチピチ一年生男子達っ!!せめて一口だけでもっ!!次回作のネタにー!!」

 

 雄英高校って濃い人ばかりだよね。

 

「大丈夫だってきっと出会いはあるから」

 

「女子にクレープを手渡されたのは人生初なんだ、オイラに気があると思うだろ」

 

「僕も渡されてたよねっ?!」

 

 異性に話しかけられだけで恋をする。それが男子高校生。

 

「どうした?A組の緑谷と峰田」

 

 そんな僕達に話しかけてくるドラゴンらしきモノを運搬中のB組メンズ。

 

「クレープ屋で腐女子にミックスベリーを求められました」

 

「「「何してんだお前ら?!」」」

 

 雄英高校は魔境だから。

 

「アレアレアレー!?こんなところで油売ってるなんて余裕ですかあァア!?」

 

「黙れ金髪イケメンコピー野郎。お前なんかクレープ屋で男子全員と掛け算されてきやがれ」

 

 峰田君の彼らしからぬエグい返答に圧倒される物間君だけど、気を取り直していつもの敵対心を見せる。

 

「ライブ的なことをするんだってね!?いいのかなぁ!?今回ハッキリ言って君たちより僕らB組の方がすごいんだが!?」

 

 物間君によるとなんかごたまぜなタイトルのB組完全オリジナル脚本超スペクタルファンタジー演劇をやるらしい。

 しかし、

 

「ファンタジー世界はね、そんな良いもんじゃないよフフフ」

 

「脚本にしてもオリジナルだと面白いかわからんから集客厳しいだろ」

 

「ヒットした原作を元にした演劇とか多いしね」

 

「皆知ってる作品の方が良くねえか」

 

「ドラゴン埋めババアとかね」

 

「それはグランバハマルのヤツだろ」

 

「言いたい放題だね君たちィー!!」

 

「「つい」」

 

「フフフ、だがそんな余裕もいつまで続くかなあ。準備しておくんだね僕らに敗北して涙するその時のためのハンカチをね!!」

 

 流石に言い過ぎだと感じたのか単に邪魔になったのか泡瀬君が騒ぐ物間君に角材を振り下ろして物理的に黙らせる。いつも止めてた拳藤さんはいないみたいだ。

 

「拳藤はミスコン出るからいねーのよ」

 

「物間じゃねーけどお互い気張っていこーぜ!じゃあな!!」

 

「ホラ、峰田君!!ミスコンだってミスコン。ビッグ3のねじれ先輩のトコなら訪ねて平気だろうから行こうよ!!」

 

「ミスコンかあ、でもヤオモモもメリッサも発目も参加しねえんだよな」 

 

「やる意味あるのソレ」

 

 優勝候補になりそうな娘達が不参加過ぎる。

 

 

 

「やあやあ緑谷君と峰田君、わざわざこんなとこにどうしたの?」

 

 迎えてくれたのはルミリオンこと通形先輩。仲の良いビッグ3はこういったイベントも協力しあうようだ。

 

「ちょっとクレープ屋で色々あって峰田君が凹んでしまって」

 

「大口さんにでも会ったのかな?!彼女は三年で有名な残念美人なんだよね!!」

 

 有名なんだ巨神兵先輩。

 個性でフワリと宙に浮かぶねじれ先輩を前に通形先輩とそんな話をする。

 

「衣装はセクシーだが表情にもっと色気が欲しいな。なんだかんだで観客が見るのは身体より顔だ、衣装とパフォーマンスに合わせた表情をすることで評価は劇的に上がることだろう」

 

 峰田君はなんか監督気取りでアドバイスしてるよ。いや本人が元気になったから良いか。

 

「ミスコンの覇者である三年G組の絢爛崎美々美さんも厄介だけど、今年は飛び入り一般参加も有りだからどうなるか分からないんだよね!!」

 

「飛び入り参加は準備時間が無いから不利そうだなあ」

 

「オイラ、マウントレディが参加して会場粉砕する未来が見えたわ」

 

「かっちゃんにアピールするためにミルコも出たりして」

 

「ミッドナイトとか出ねえかな」

 

「おじさんが頼めばイケるかも」

 

「「ねじれさんの雄英高校最後の大イベントを混沌にしないでくれるかな君達!!」」

 

「すいません」

 

「ま、まあプロヒーローは参加しないでしょ多分」 

 

 でもプロヒーローって目立ちたがりが多いイメージがあるんだよなあ。

 ミスコン練習中のビッグ3の見学を終えた後はサポート科で技術展示会の準備を覗く。真剣に集中してるメリッサにはあえて声をかけずに頑張れと呟いてからその場を後にした、ちなみに峰田君はメイドロボとか美人アンドロイドとかねーのかなとキョロキョロしていた。

 

「あっすいません」

 

「いやこちらこそ」

 

 一通り見て回ったのでそろそろ帰ろうかとしたら前方不注意で誰かとぶつかってしまった。

 慌てて謝れば向こうも頭を下げてきた、見れば用務員の格好をした男性で見慣れない人物だった。

 

「ケガはないかね?」

 

 だが上げられて見えたその人物は、つい先日見たばかりの顔だった。

 

「確保、と」

 

「捕まったんじゃねーのかこのヴィラン」

 

「何をするんだ君達ィー!!」

 

 峰田君と共に手早く拘束して肩に担ぐ。

 全く文化祭が中止になったらどうするんだい。

 

 捕縛したこの人物の名はジェントル・クリミナル。おじさんに破れ逮捕された筈のヴィランだった。

 とりあえず先生に突きだすべきかな。

 





 オリジナルキャラ設定。

 巨神兵先輩(仮)。
 本名 大口 礼砂。
 個性 レーザー。
 口から破壊力抜群の光線を放つ。
 180センチ以上の身長の肉つきの良いスタイルの金髪美人。髪は肩にかかる程度。
 実力はビッグ3に次ぐほどで、ヒーロー科の有望株だったが本人はヒーローになる気が無い。
 ヒーロー科を選んだのは周囲の声と熱い男子達の絡み合いを見たかったため。
 サンイーター×ルミリオンを全国レベルで広めた元凶。
 峰田君達と遭遇後にクレープを持ってビッグ3の元へと全力ダッシュしたとか。
 
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