異世界イズク   作:規律式足

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 ちなみに巨神兵先輩は雄英高校内で同人誌販売イベントを何度か行っています。
 一年に7回不定期に行われるそのイベントを『腐の7日間』とファンと被害者は呼んでいます。
 なお、芦戸ちゃんは夏休み中に偶然そのイベントに遭遇して同じクラスの硬い漢と隣のクラスの鋼の漢のぶつかり合いという新境地を知りました。
 躯舎那先生(ファンからは何故か殿下呼び)の次回作にご期待ください。
 


103話 かつてジェントルと(一部で)呼ばれた男

 

 峰田君と文化祭の準備している学校を巡ったその帰り道、僕達は作業服姿の一人の男性と遭遇した。

 その男の名は『ジェントル・クリミナル』、不正を行った者達を制裁してはその動画をネットに流すいわゆる迷惑系動画投稿者タイプのヴィランだ。

 迷惑系動画投稿者については色々な問題があるのだがとりあえずそれらは置いておいて、ジェントル・クリミナルがヴィランとして認定され警察からマークされていたことには理由がある。

 一つは彼が複数のヒーローを返り討ちにしたという戦闘技術、もう一つは何度削除しようとも規制をかけようともハッキングして動画を復活させるパソコン技能。くだらない犯行とは不釣り合いなその能力の高さゆえに警察は警戒していたのだ。

 

 と、ここまで詳しく調べたのは異世界おじさんとの動画を見てからだ。捕まったヴィランによるヒーローへの報復はよくあることなのでおじさんの安全を考えて念の為にと。

 そして捕まった筈のその人物が雄英高校敷地内に居るとなると、発見しだいとっ捕まえるのも仕方ないのではないでしょうか。

 だから罰として正座してる足の上に麗日さんを座らせるの止めてくれませんか?

 

「むしろご褒美だろうがぁっ!!オイラなんか砂藤だぞっ!!代わってくださいお願いします!!」

 

「なんであの時にチョキだしたんだろうな俺」

 

「グーをグーだしたばかりに麗日さんに負けてしまいましたわ」

 

「エヘヘ」

 

 ハイツアライアンス一階共有スペース。ジェントル・クリミナルを捕まえて運搬していた僕と峰田君は通りすがりのかっちゃんにシバかれて罰を受けていた。

 多分日本独自のこの拷問、石の板でないことは温情と言えるのだろうか。

 

「むしろお前が動かないようにするためだがな、女子を振り払ってまで動こうとはしないだろ?峰田はついでだ」

 

 いやそうだけど軽装な麗日さんの体温やら感触やら香りやらで照れくさいというか恥ずかしい気分になって頭がクラクラしてくるんですが。

 というか誰が座るかはジャンケンで決めたのか、峰田君に座っている砂藤君は罰ゲームを受けている表情で僕に座れなかった八百万さんは落ち込んでいるのだけど。麗日さんは嬉しそうに笑っている、まさかこの麗らかな娘にS属性があったとは(注、勘違い)。

 

「しかし緑谷のやらかしとはいえ相手はヴィランなんだろ?」

 

「友人が簀巻きにした男性をエイホエイホと運んでいる姿を見たら反射的に張り倒してしまうのは仕方ないと思うがな」

 

「なんで僅かな休憩時間でトラブルを引き寄せんだコイツは」

 

 いやーでもね。

 

「仮に更生のための奉仕活動だとしてもあまりにも早過ぎでしょ、逃げ出して次の活動をしたと思ったんだよ」

 

「その理屈も分かるがまずは確認しろよ」

 

 かっちゃんの言うことも分かるけど、

 

「おじさんてさ、少し目を離すとすぐ遺跡とかぶっ壊してたから。それでつい」

 

 だから即座に倒すくせが。

 

「しっかり影響受けているからなお前」

 

 お前も大差ねえよと冷たい目でかっちゃんに見られるのでした。

 

「なんか、砂藤って甘い匂いがするのな(スンスン)」

 

「キショイこと言うな峰田、ゾワッてしたわ」

 

 

 

「パ、パンツがいつも新品になってる。ハッ?!」

 

 どんな寝言ですか。

 縛られたまま床に転がされていたジェントルが目を覚ました。

 

「体が動かない、これはもしや愛美君の」

 

 相方なんですよね?なんで彼女の仕業だと疑うのだろうか。

 

「あー、大丈夫かアンタ」

 

「ハハハ、この程度で驚いていてはラブラバの相棒は務まらんよ。そしてここはどこで、君達は誰だい?」

 

「ここは雄英高校敷地内の寮で、俺達は雄英高校一年ヒーロー科の学生だ。アンタはジェントル・クリミナルだよな?」

 

「ふふふ、捨てたその名を再び呼ばれる日がこようとは。そう、私こそかつて現代の義賊ジェントル・クリミナルと呼ばれた男っ!!サインいるかい?」

 

「イラネ。んでその元ヴィランがなんで雄英高校にいんだよ。うちのボケが気絶させて回収しちまったじゃねえか」

 

「その子の判断即決過ぎじゃないかねっ?!」

 

「異世界おじさんの舎弟だぞ」

 

「納得しかない理由だね!!」

 

「いや舎弟じゃないから」

 

 しかしジェントルのこの反応、おじさんについてよく知っている感じかな。

 

「ということは君が陽介君の言っていた緑谷出久クンかねっ!!」

 

「あ、ハイそうです」

 

「抱え込みがちな子だから気にかけてくれと頼まれていてね。何かあったらすぐに言うんだよ」

 

 おじさん。

 気にかけてくれるのは嬉しいけど、簀巻きで床に転がされているヒゲのおじさんに何を相談すれば良いのさ。

 動けないのに顔を向けて優しげな眼差しでこちらを見るけど、ちょっとうん。

 

「この様子ならヴィランじゃねえみたいだな。とっとと解放するか」

 

「すいませんこの子グランバハマル呆けしてまして」

 

「なに、気にすることはない。むしろ君達がかつての私を知っていてくれことが嬉しいよ。これがプライベート時に私服で気づかれた俳優の気持ちなのだね」

 

 どちらかというと変装がバレた指名手配犯の方だけど黙っておこう。

 そして異世界おじさんが出たから知っているということも黙っておこう。

 

「しかし釈放されるにしても早くねえか?何があったんだ」

 

「ん、それはだね」

 

「アンタ達ィー!!私のジェントルに何をしてんのよっ!!」

 

 かっちゃんが元ジェントル・クリミナルを拘束している縄を解こうとしたら、その場にミニマムなツインテールの女性が飛び込んできた。

 

「そんな?!拘束プレイなんて言ってくれたら私がしたのに?!」

 

 そして雷に打たれたような衝撃を受けていた。

 というか子供の前で何を言っているんですか、峰田君が反応してハァハァと息を荒げてますよ(足に砂藤君を乗せたまま)。

 

「えっと」

 

「私は相場愛美、かつてラブラバと呼ばれた女。ジェントルとプレイするのはこの私よっ!!」

 

「やめてくれ愛美君、周りの子供達から軽蔑の眼差しが集中するぅ。違うんだ愛美君はきちんと成人しているし、私は彼女に手なんてだしてないのだよっ!!」

 

「変態紳士や」

 

「合法ロリ巨乳とは良い趣味してるぜ、友達になれそうだ」

 

「それを女子の前でも言うからモテないのよ上鳴ちゃん」

 

「何言ってんのケツの青い子供達が。私達はお互い合意の上だから問題ないわ」

 

「私のほうがしてないのだよっ!!」

 

「なんか混沌としてきたなあ。練習で忙しいのに」

 

「いやお前のせいだからな緑谷」

 

 こうして僕達は文化祭準備中に愉快な人達と知り合ったのだ。

 ところで彼女はどうして元ジェントルの居場所がわかったんだろ?雄英高校ってかなり広いのに。

 





 あまり話しが進まなくてすいません。
 新作もよろしければどうぞ。
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