異世界イズク   作:規律式足

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 会話だらけです。
 本編とはあまり関係がありません。
 


106話 閑話 駄菓子屋

 

「駄菓子屋か、行ったことねえな」

 

「近所に無かったよね。お菓子を買うのもコンビニだったし」

 

「コンビニでお菓子買う人はブルジョワなんよ」

 

「確かに高いわよね、少し遠くてもスーパーまで足を運んだわ」

 

 飛田さんとの話からA組では駄菓子屋について盛り上がっていた。

 

「俺も行ったことねえな、そもそも菓子自体あんまり食わなかった。貰いもんのケーキとか和菓子とか果物があったらだされるくらいだったな」

 

「私もその駄菓子というものは食べたことがありませんわ、カルメ焼きとかでしょうか?紅茶を飲む時には頂くのですが」

 

「間食はよくないぞ君達!!」

 

「轟は家庭の事情って感じで、ヤオモモはブルジョワだなと実感するな、飯田は真面目過ぎ」

 

「学校帰りの買い食いとか楽しいじゃんかよ」

 

「そーだそーだ」

 

 そもそもお菓子の買い食い経験の無いの子達もチラホラいるよね。

 

「俺は自分で作ってたな。その方が安いし、作るのも楽しいしよ」

 

「いやそれは同じ量を食う場合の比較したらだからな。普通はケーキまるごと一つなんて食わねえよ」

 

「楽しいのは分かるけどな」

 

「百円以下のお菓子をな、どの組み合わせで買えば最大限に満足するか計算して買うんよ。コスパや、最高のコスパを探るんや」

 

「買わなきゃタダだろ?」

 

「「「それ言っちゃ駄目なヤツ」」」

 

「台無しだよ轟」

 

「ま、菓子が必要かどうかは別の話だから」

 

「味とか空腹だからで食うもんじゃねえしな」

 

「甘味を求めるのは生物の本能らしいがな」

 

「駄菓子屋なら菓子の他におもちゃとかクジとかやってるみてえだ。縁日みてえだな」

 

「駄菓子屋さん、ぜひ行ってみたいですわ!」

 

「ヤオモモってそういうトコあるよね」

 

「近所には、ねえか」

 

「ちょっと遠出するくらいの場所にあるみたい」

 

「じゃあ皆で行こうよ駄菓子屋さん!!」

 

「この人数だと迷惑だろうから数人ごとに分かれてだな。店舗もそう広くはないだろう」

 

「小学生の子達の迷惑になっちゃ駄目だしな」

 

「ふふふ、長年の研鑽の末に至った黄金の組み合わせを披露したるわ!!」

 

「インターンの給金やら全寮制で家賃が浮いて金に困ってないだろうに」

 

「庶民系だからじゃね?」

 

「厳選することもそれはそれで楽しいのよ」

 

 ハイツアライアンスで盛り上がる駄菓子屋の話。特に麗日さんが熱く語り、八百万さんが興味津々みたいだ。  

 お菓子かあ、僕は僕でヒーロー関連のオマケがあるかどうかが買う基準だったからなあ。

 皆との出かける予定に僕はワクワクしていた。

 

 なお後日、麗日さん、八百万さん、かっちゃんと駄菓子屋さんに行ってみた。駄菓子ソムリエを自称する麗日さんがコスパ抜群な組み合わせを披露してくれたり、八百万さんが駄菓子とかスーパーボールとかおもちゃのピストルとかに目をキラキラさせてはしゃいだり、かっちゃんがにんじん(ボン菓子)を幾つか買ったりと楽しい時間を過ごしたんだ。

 

 

 

 

「駄菓子かあ、エリちゃんも喜んでいるねおじさん」

 

「うん、千秋君には感謝だね」

 

 市内某アパート。

 そこにはやらかし(精霊のアレコレ)一つで人類を滅ぼせる異世界帰りのおじさんとその甥っ子にして闇の精霊もドン引く程に心に闇を抱えた青年が棲息していた。

 なお新たな同居人であるエリちゃんはセガ界に君臨した小さな天使である、異論は認める。

 

「あんまりエリちゃんが喜ぶから微笑ましくて、その姿とその時食べてる駄菓子の説明を加えてネットにアップしたら。

 メッッッチャバズってるっ!!やっっったああああ!!」

 

「あーこれ、異世界おじさん負けそうなくらいの人気だよ、一年以上も頑張ってるのになあ」

 

「エルフ動画では勝ってるから大丈夫、大丈夫」 

 

「全然大丈夫じゃないよっ!!プロとしてのプライドがこっちには」

 

「プライドで人気がとれるかあっ!!

 動画視聴数が伸びるのかあっ!!

 視聴者の求めているものに応えないで、それでもプロを名乗る気かあっ!!」

 

「た、敬文。

 

 なんか都合良く言いくるめようとしてない?」

 

「そんなことないよ。うん全然」

 

「そーお?」

 

「そういえばさおじさん。

 おじさんは駄菓子屋に行ったことってあるの?僕が小学生の時にはもうやってなくて」

 

「俺が高校の時から17年だからなあ、さすがに閉店しちゃうか。小学生の時の通学路に2、3軒はあったんだけどなあ。あと俺はほとんど行かなかったぞ」

 

「え、どうして?友達とか行ってたんでしょ?」

 

「敬文。

 SE●Aハードを選んだ人間がそういった人生を歩めると思うなよ?」

 

「(この人はなんでゲーム機にそこまで人生を引っ張られてるのだろう)」

 

「それにな、駄菓子屋って子供達の社交場みたいなもんでさ」

 

「だったら尚の事」

 

「社交場って社交的じゃない人間はお呼びじゃないんだよ」

 

「いや、あのおじさん」

 

「何気なく立ち寄った時に同級生達から向けられた、なんでコイツ居るの?っていう態度と視線が辛くてなあ」

 

「だからおじさん!!」

 

「避けてるうちにこんな年になってた」  

【注、このエピソードはフィクションであり作者の実話でも過去でも心の傷でもトラウマでもありません。繰り返しますこのエピソードはフィクションであり】

 

「なんでこの人は至るところに地雷があるんだろう」

 

「あとけっこう近所の子供達は縄張りみたいな扱いしてたぞ。お気に入りの遊び場だから」

 

「ソウデスカ」

 

「エリの事も心配してたけど千秋君のおかげで大丈夫みたいだったし良かった良かった」

 

「なんか一見さんお断りな老舗とか、紹介者いないと入店できない高級店みたいだね」

 

「実際そんな空気あったぞ、存外敷居が高かった」

 

「地元密着だからこそだね」

 

『シバザキさーん、お届けものデース。シバザキさーん』

 

「ん?何か注文したのおじさん」

 

「いや最近は特に。ソフトなら睡さんとか塚内君とかデイブが貸してくれるから」

 

「皆さん、保存用とプレイ用と貸出用の最低3本は所持してるからね」

 

「敬文もエリが来てから自重してたよな、気にしなくて良いのに」

 

「色々と物入りだし、エリちゃんのことを優先してあげたいじゃん」

 

『シバザキさーん!!』

 

「「あ、はーい」」

 

 

 玄関に受け取りに行ったら山のようなダンボール箱が積まれていた。

 送り元は死穢八斎會。

 ダンボールの中身は全て、駄菓子だった。

 どうやら会長さんもエリちゃんの動画を見てくれたらしい。孫のために、孫が喜ぶように大量の駄菓子を送ってくれたみたい。極道はテキ屋の元締めでもある、だから駄菓子問屋との付き合いもあるのだろう。

 

「どうしよっかコレ」

 

「駄菓子屋を開けそうな量だな」

 

 少量の駄菓子だから間食を許しているけど、こんなに食べさせるわけにはいかない。

 かといって孫を想う祖父の気持ちを無下には出来ず、僕とおじさんは頭を抱えることになった。

 

 




 
 補足説明、設定。
 
 A組のお菓子事情。
 ほとんど食べない→轟、八百万、飯田、青山、尾白。
 友達と買い食いしてた→芦戸、切島、瀬呂、葉隠、上鳴、耳郎。
 自分で作ってた→砂藤。
 親御さんの手作り→口田。
 むしろオマケメイン→緑谷、爆豪、常闇。
 弟妹を優先→蛙吹。
 エロス優先→峰田。
 入店拒否→障子。
 駄菓子のプロ→麗日。
 となります、障子君の事情が暗黒ですが色々考えると面白いネタです。障子君は暗黒ですが。

 駄菓子ソムリエ。
 その日の予算、体調、気分から最適かつ高コスパな組み合わせを構築する駄菓子のプロ。
 麗日お茶子レベルとなれば他の人の分まで可能。

 エリちゃんと駄菓子。
 ネット上にアップされた動画。エリちゃんの純粋で素直な反応と可愛らしさ、さらに駄菓子自体の懐かしさから大ブレイク。
 
 おじさんと駄菓子屋。
【このエピソードはフィクションであり作者の実(以下略)】
 縄張りみたいな空気はけっこうありました。それを含めて楽しい場所だったから減少していることが残念だと思ってます。

 死穢八斎會会長。
 孫のために駄菓子の大量発注した祖父。
 駄菓子は5000種類あるとかないとか。

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