異世界イズク   作:規律式足

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 お久しぶりです。



114話 合同戦闘訓練

 

 エンデヴァー爆買い報道からしばらくして、ヒーローコスチュームも季節に合わせて衣替え。一人修行僧レベルで根性で耐えている葉隠さんをスルーしつつ、授業を行う演習場でB組の到着を待つ。

 こんなにもコロコロとコスチュームを変えられるのは雄英高校生の特権。プロになれば経費が一番かかるのがコスチューム代らしい、大半がオーダーメイドで常に身綺麗にしておかねばいけないから金食い虫なのだとか。なので生物由来であれば衣服も直せる神聖魔法は、コスチューム代が軽減されるだけでも需要があるそうだ。

 それぞれのコスチュームについてわちゃわちゃと盛り上がっいると、

 

「おいおい、まーずいぶんと弛んだ空気じゃないか。僕らを舐めているのかい?」

 

 水を差すようにB組の頭アレな物間君が声をかけてきた。

 

「お!来たなあァ!!なめてねーよ!ワクワクしてんだ」

 

 B組との合同戦闘訓練を楽しみにしていた切島君が反応して叫び返す。

 

「フフ、そうかい。でも残念、波は確実に僕らに来ているんだよ」

 

 バンッ!!と並ぶコスチュームを装着したB組一同。

 

「さァA組!!今日こそシロクロつけようか!?」

 

 しかし整った顔が崩れるくらい叫ぶのは勿体ないというかイケメンの無駄遣い感あるな物間君。グランバハマルでも人間認定されるくらいの美形なのに。

 

「なんで茨ちゃんはこっちにおるん?」

 

「勇者様の隣こそ私の居場所ですので」

 

 そしてさり気なく茨さんがA組に混じってた。あの、B組勢揃いの時くらい向こうにいなよ。

 

「見てよこのアンケート!文化祭でとったんだけどさァーア!A組ライブとB組超ハイクオリティ演劇どちらが良かったか!見える!?」

 

 手書きで雑な棒グラフだ、しかもかっこぼくしらべって。

 

「二票差で僕らの勝利だったんだよねえ」

 

 僅差だから真面目に調査したのかも、大差なら疑えるのに。

 

「マジかよ、見てねーからなんとも言えねー!!」

 

 藤宮さんの記憶を再生して見たから、後で皆にも上映してあげよう。確かに超ハイクオリティ演劇で面白かったんだよなあ、A組のライブも負けてないけど。

 

「入学時から続く君達の悪目立ちの状況が変わりつつあるのさ!!」

 

 調子よく叫ぶ物間君に忍び寄る拳を握った拳藤一佳さん。

 

「そして今日!!A組VSB組!!初めて合同戦闘訓練!!僕らがキュ」

 

「黙れ」

 

「ものまァ!!」

 

 だが拳藤さんによる鉄拳制裁より先に相澤先生が捕縛布で首を絞めて制止。必殺仕事人にみたいな手際ですね。

 どうやら合理主義な相澤先生が止めに入るくらい物間君はアレなようだ。

 

「今回、特別参加者がいます」

 

「しょうもない姿はあまり見せないでくれ」

 

 教え子の首がキリキリキリ締められてもスルーするブラドキング先生と、捕縛布を引っ張ったままの相澤先生が一人の同級生を紹介する。

 特別参加者。

 という実習授業初めての存在に、ヒーロー科の皆は疑問に歓迎や驚きなどの反応。

 そしてその人物とは。

 

「ヒーロー科編入を希望してる、普通科C組・心操人使君だ」

 

「「「「「あ〜〜〜〜!!」」」」」

 

 心操人使。

 雄英高校体育祭にて普通科でありながらも最終種目までのこり、第一回戦にて発動しようとした個性がグランバハマルのトラウマを刺激してしまい僕に瞬殺されてしまった生徒。

 その散り様から、同じく一回戦瞬殺の瀬呂君・上鳴君と共に『ドンマイ三人衆』と呼ばれている。

 実力もあり、良い個性だけど対戦相手が悪過ぎて、それを一切活かせずに終わったからねこの三人。

 第二種目にて個性『洗脳』を使用された尾白君が声を上げる中で、首元に何重にも巻かれた捕縛布とサポートアイテムらしきマスクに注目されていた。

 身体付きも夏休み前よりもガッシリしている、どうやらかなり鍛えたらしい。個性の相性が悪くて落ちたという入試の実技試験も今の彼なら突破できるんじゃないかな?

 

「一言挨拶を」

 

 相澤先生の言葉に心操人使君は、自身の決意を込めながら口を開いた。

 

「何名かは既に体育祭で接したけれど、拳を交えたら友だちとか。そんなスポーツマンシップ掲げられるような気持ちの良い人間じゃありません。俺はもう何十歩も出遅れている。悪いけど必死です。

 立派なヒーローになって俺の個性を人の為に使いたい。この場の皆が超えるべき壁です。馴れ合うつもりはありません」

 

 夢へと一歩踏み出した者の凄み。

 洗脳という、無個性よりもある意味で酷い扱いをされる個性を抱えた彼は、ヒーロー科に入学できなかった挫折を越えて今此処にたっている。

 その姿に、ヒーロー資格仮免という結果を出して緩んでいた僕達も気が引き締まった。

 僕達もまた道半ば。

 彼の向上心は見習うべきことなのだ。

 

「じゃ早速やりましょうかね。戦闘訓練!!」

 

 何やら箱を取り出しながらブラドキング先生が授業を進める。

 今回はA組とB組のチーム対抗戦。

 双方四人組(例外アリ)を作り、一チームずつ戦う。

 舞台は工業地帯を模した訓練場・運動場γ。開けた場が少なく、視界、足場の悪さに定評がある。  

 廃工場地帯はヴィランのアジトの定番中の定番。単独ヴィランの潜伏先、ヴィラン集団の拠点など、もはやお約束といっていい場所。入り組んだケーブル、放置された機材資材、残留した薬品やガスなどの危険もいっぱいだ。

 ヒーローがチームアップして攻めるヴィラン拠点は、先日のヴィラン連合のBARや死穢八斎會の屋敷などのような極稀な例を除いてその殆どが廃工場だったりする。

 だからこそチーム戦の舞台には一番ふさわしいと言って良いだろう。

 

「4人一チーム!楽しそうだね」

 

「楽しそう」

 

「心操を加えると四十一名、この半端はどう解決するのでしょうか」

 

 B組宍田君の疑問。

 それに先生方は、心操君はA組チーム、B組チームそれぞれ一回ずつ参加させるとのこと。

 ゆえに、5試合中何試合かは人数の偏りがあるそうだ。

 

(何試合?)

 

 心操君が加わって五対四になるのは2試合なのだからそう言えばいいのに、なんかひっかかるな。

 人数的不利に葉隠さんが不満を言うが、それも考え方次第。経験も付き合いも無い心操君が加えることはそれはそれで不利なのだ。

 

「今回の状況設定は「敵グループを包囲し確保に動くヒーロー」!お互いがお互いを敵と認識しろ!4人捕まえた方が勝利となる!」

 

 敵の組織化に対応しての訓練か。

 生真面目な飯田君がズレた悩みを叫ぶけど、うん彼らしいね。

 

「双方の陣営には『激カワ据置プリズン』を設置。相手を投獄した時点で捕まえた判定になる」

 

「「「「「「緊張感よ!!」」」」」」

 

 校長先生デザインのまるでハムスターゲージのようなプリズン。でも懲役99999年とか可愛くないことが書かれてますけど!!残念無念とも!!

 神野でオールフォーワンを捕まえたヤツでは駄目だったのだろうか?

 しかしプリズンに収容か。

 倒せば終わりではなく、抵抗する相手の運搬という難易度の高いことが必要だな。

 五人チームでも四人捕らえたらと、心操君の存在がまたこの訓練を難しくしている。

 

「じゃ」

 

「クジな」

 

 何はともあれ、チーム分け。

 初の合同授業、楽しみだ。

 

 





 思いついたらこちらも書きます。
 原作そのままですいません。
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