異世界イズク   作:規律式足

44 / 117
 
 主人公強化あり、不快な方は閲覧注意。



44話 期末テスト本番。

 

 そして期末テスト当日。

 日頃から勉強してたから筆記試験は問題無く終わった、学年トップかは分からないけど赤点は間違いなく無いだろうね。

 僕も参加した八百万さんの勉強会のおかげか心配だった芦戸さんと上鳴君もなんとかなった実感はあるみたいだ。

 そして演習試験。

 ズラリと並んだ先生方、雄英高校が誇るプロヒーロー達の姿に壮観だなと思っていると、相澤先生の説明が始まった。

 事前に情報を仕入れることはあらかじめ想定されているみたいだね。

 

「入試みてえなロボ無双だろ!!」

 

「花火!カレー!肝試しー!!」

 

 と既に終わった気分の二人の浮かれた姿にフラグみたいだなあと心配になってしまう。

 

「残念!!諸事情あって今回から内容を変更しちゃうのさ!」

 

 案の定かわいい顔した校長先生により絶望の一言は告げられた。

 先日の雄英高校襲撃に、保須でのヴィラン暴走事件、現状以上にヴィラン戦闘が悪化する恐れが教師の間で議論されていた。

 だからロボとの戦闘訓練以上のより実戦的な対人戦闘・活動を見据えることに方針を決めたそうだ。

 なので、演習試験は二人一組で教師であるプロヒーローと戦闘になったのだ。

 相性しだいじゃ厳しくないかな?

 ペアも対戦相手もあらかじめ決めてある。

 これは明らかに超えなければならない基準を設けられた、乗り超えなければならない壁だ。

 

「だけどね、生徒の中で二人だけ別ルールでやらせてもらうよ。上を行く者には更なる受難を、それが雄英の方針だからね」

 

 生徒の中で二人か、となると。

 

「爆豪、お前は」

 

「相手は、私がする」

 

 かっちゃんの相手はオールマイトか。

 怖じ気づくどころか、やる気満々で楽しそうに笑っているね。

 

「そして緑谷、お前は」

 

 やはり僕か。

 

「俺達が相手だ」

 

 イレイザーヘッド、プレゼント・マイク、ミッドナイト、13号、セメントス、スナイプ、パワーローダー、ブラドキング、エクトプラズム、ハウンドドッグ、計10名のプロヒーローとの戦いか。

 

「ちょ、それはあんまりにも」

 

「そうですよいくら緑谷が強くても」

 

「不公平過ぎです!!」

 

 いやかっちゃんの方も大概だから。

 流石に厳し過ぎだと皆が反発するけれど、

 

「本当ならビルボードチャートのトップヒーロー達を招集したいくらいだ。これは緑谷のためというより、現場から長らく離れている俺達の鍛え直しの意味もある」

 

 オールマイトみたく通勤途中にヒーロー活動は出来ませんしね。

 

「お前なら分かるな緑谷。これから先お前が立ち向かうモノはこんなもんじゃねえぞ」

 

 なるほど、オールフォーワンの復活は彼らにも知らされていてソレに備える意味もあるのか。先生方同士の連携のためにも必要な戦いだ。

 

「ええ理解しています。襲いかかる不条理を打ち砕いてこそヒーローですから」

 

 この演習試験、たとえ赤点でも構わない。

 全力でぶつかり、乗り越える。

 

「あ、けど炎凰殲滅とか魔炎竜に変身は無しね。先生方死ぬから。あくまでヒーローとしての戦いを忘れないように」

 

 と、校長先生にあらかじめ釘を刺された。

 精霊魔法は殺傷能力高くて困る。

 

 

 

 そして始まった演習試験、三十分間の制限時間内で超圧縮おもりをつけた先生方にハンドカフスをつけるか、どちらか片方がステージから脱出するかというルール。倒してハンドカフスをつけるのは現実的ではないから、脱出がメインになるかな?でもヴィランを逃さないヒーロー相手に逃亡を選ぶ方が悪手だ。

 勝ち方をどうするか二人の意思統一を素早く行い、その最善手に徹しきれるかどうか、それが一番重要だね。なにせこの試験、先生方がわざわざ立ち向かう必要もないのだから。

 とりあえず終わるまで待機か、リカバリーガールの出張保険室でリカバリーガール、ブラドキング、ハウンドドッグと皆を見ていよう。

 

「緑谷、お前の事情は雄英高校教師達は共有している」

 

 しばらくしてブラドキングが話しかけてきた。

 

「俺達プロヒーロー、いや大人は、子供である異世界生活で傷ついたお前にさらに重荷に背負わせている」

 

「安心おし、教師全員あんたの知り合いに記憶を調べてもらった。オールフォーワンの部下は教師にはいないよ」

 

 そっちまで伝えたのか。

 だからこそ今回の試験を。

 

「ガウガウバウ」

 

 すいませんハウンドドッグ、何を言っているかわかりません。

 

「だからこそ俺達教師陣もこれからに全力で備え、立ち向かう所存だ」

 

 これは全力でやらないとね、先生方も試験気分ではないようだ。

 

「遠慮はいらないよ存分におやり、次代の平和の象徴になるためにね」

 

「ハイッ!!」

 

 

 それから皆の試験結果だけど、

 イレイザーヘッド対轟君八百万さんのペアは、個性を打ち消す体術の練達者である相澤先生に、八百万さんの指示で冷静に切り抜けて勝利。

 エクトプラズム対常闇君と蛙吹さんペアは、地力の向上した常闇君と黒影のパワーを蛙吹さんが上手くサポートして勝利。

 プレゼント・マイク対口田君と耳郎さんペアは、大音量なヴォイスを耳郎さんが相殺してる間に口田君が虫を操って勝利。

 パワーローダー対尾白君と飯田君ペアは、パワーローダーの攻撃を飯田君が防ぎ尾白君が穴だらけなステージを突破して勝利。

 スナイプ対葉隠さん障子君ペアは、姿を隠し弾丸を放つスナイプを柱で弾丸を防ぎながら索敵し葉隠さんが捕えて勝利。

 13号対麗日さんと青山君ペアは、あと少しで脱出という所で捕まりそうになるも、麗日さんがあえて懐に飛び込んで組み伏せて勝利。咄嗟に個性を止めてしまう13号の反応に気づいたんだね。

 残るは4組、峰田君が男気を見せて突破したけど、砂藤君と切島君、芦戸さんと上鳴君は相性もあって厳しそうだ。

 かっちゃんに至っては、

 

『叩き潰すぞNO1コラァッ!!』

 

『やるねえ爆豪少年ッ!!』

 

 超圧縮おもりつけてるとはいえオールマイトと真正面から戦闘。活動限界を考えるとオールマイトはそろそろ引かざるを得ない、日頃からの体術訓練と才能は見事に結果をだしているね。

 

「そろそろか」

 

 プレゼント・マイクも叩き起こされたしいよいよ僕の番だ。

 

 

 

 十名のプロヒーローと仮免すら持たない学生の戦い。決して許されることのない埒外な試験。

 だがそれは緑谷出久が、オールマイトの後継即ちワンフォーオールの継承者であるならばやりすぎと言うほどではない。

 なにせ、彼が戦うべき宿敵は伝説のヴィラン、闇の帝王オールフォーワン。これだけのヒーロー達総掛かりであろうとも一蹴されかねない存在なのだから。

 ゆえに緑谷出久は勝てなければならない、その義務がワンフォーオールを託された時からあるのだ。

 スナイプのホーミングによる必中の銃撃から開始した試験、光剣にて銃弾を斬り落とすも足場そのものが揺らぎだす。セメントスによるコンクリートの操作、応用か柔らかく飲み込まれそうになるも宙へと逃げるがそこへプレゼント・マイクのヴォイスが叩き込まれた。全身をぶち抜ける音波と衝撃、さらに接近したブラドキングの操血による増強した筋力のヘビー級ブローが緑谷出久を吹き飛ばし道路向こうの建物へと叩きつける。

 

「ガハッ」

 

 腹部と背、両方からの痛みに息を吐くが追撃の手は緩まない。鉄爪の個性にて地中を掘り進むパワーローダーが足を掴み、そこへハウンドドッグ、イレイザーヘッド、ミッドナイトが襲いかかる。

 

「全く」

 

 ブチリと皮膚の削げる音がした。

 地中掘り進む握力による拘束を肉が削げることを躊躇わずに強引に突破し、詰みの一撃を回避する。

 

「流石プロヒーロー達だ。光剣とワンフォーオールの身体強化だけじゃ勝てないや」

 

 接近戦に長けたヒーロー達と相対し、エクトプラズムの分身達に囲まれながら緑谷出久は言う。

 

「けど丁度良い。託された個性を今ここでものにする」

 

 足の傷を神聖魔法で癒やしながら、光剣を握りしめ構えた。

 

「油断するなお前ら、数の有利があっても緑谷出久は強いぞ」

 

 イレイザーヘッドの引き締める言葉からさらに戦いは激化した。

 

 

 

 コンクリートが波のように揺らめく地面は浮遊の個性にて対処、単なる落下なら重心移動で体勢を立て直せる。銃撃とヴォイスは光剣で切り裂き、複数がかりの近接戦闘は危機回避による反応で捌く。どうやらイレイザーヘッドの抹消はワンフォーオールの内の一つだけしか消せないようだ。現状使わないセカンドの変速が発動できない。ならば制限にならず強化した身体能力で近接組を一人ずつ撃退。

 体術に長けた彼らでも、ミッドナイトの範囲攻撃のせいで距離をおいての連携しかできない。一斉攻撃も危機回避ならば躱すことができる。

 足止めであるエクトプラズムの分身を斬り払いながら手頃なコンクリート片を遠距離攻撃組に投げつけたら、それは13号がブラックホールで吸い込み無効化する。

 舞台、遠距離、近接、防御、と完璧な配置。

 ここにオールマイトが居たら負けていたね。

 

「煙幕」

 

 位置は把握した。

 

「機動纏身ー(レグスウィッド ザルドーナ)」

 

 視界を奪い高速で斬り伏せる。

 

「セメントス」

 

「エクトプラズム」

 

 二人のヒーローが目配せしあい、同時に個性を発動した。

 

「強制収容ジャイアントバイツ」

 

「コンクリートジャイアント」

 

 巨大分身とコンクリートの人型。

 巨人二体による同時攻撃。

 だが予想していたが故に対処できる。

 

「黒鞭からの発勁」

 

 溜めておいたパワーの放出。

 それは黒鞭で固定した巨人二体を消し飛ばすには充分だ。

 

「これで終わりだ」

 

 残ったスナイプ、プレゼント・マイク、13号を打ち倒し僕は勝利した。

 うん、しんどかったね。

 

 

 雄英高校一年期末テスト、終了。

 結果は後日の発表となる。

 





 強くしすぎたかな?
 でも半年間グランバハマル生き抜くにはこれぐらいできないと。転移ボーナスのおかげと思ってください。
 またヒーロー達が打ち倒すより、捕縛が主流になっているのも倒すありきの緑谷君に有利になったと考えてください。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。