異世界イズク   作:規律式足

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51話 二人の英雄3 とおじさん

 

「なるほどかの有名なデヴィット・シールド博士にお会いしに来て、今は友人二人だけで話されていると」

 

 カフェに移動し問い詰められることしばし、なんとか二人で見て回っていた理由を説明することができた。どこかホッとしている三人の様子が不思議だけど納得してくれたのが幸いだ。

 

「ま、初対面の美少女と腕を組んでデートしていたのは事実だけどね」

 

 ニヤニヤと楽しそうに笑う耳郎さん。いやでもこれが外国で普通なのだから問題ないでしょうに。

 とりあえず落ちついたので話題は雄英高校の日々に変わる、その中でも最近のイベントである職場体験が特にメリッサさんの興味を引いたようだ。

 

「へー!お茶子さん達、プロヒーローと一緒にヒーロー活動したことあるんだ!」

 

「訓練やパトロールくらいですけど」

 

「同系統なので親身になって頂きました」

 

 ガンヘッドの所で訓練した麗日さんに、シンリンカムイの所で個性操作を学んだ塩崎さん。プロとして活躍する彼らの教えは参考になるものだ。

 

「ウチは事件に関わったけど、避難誘導くらいで」

 

「私はなぜかテレビCMに出演するハメに」

 

「現場ならではの活動なんて素敵!」

 

 僕はヒーロー殺しステインを秘密裏に捕縛し、その殺人記憶を書面に纏めてましたとは言えないよね。

 

「僕はサー・ナイトアイの事務所でお笑い修行を」

 

「「「なんでっ!!」」」

 

 実際にやったんだよなあ。

 元気とユーモアが超大事な人だから。

 

「マイトおじさまのサイドキックだった方ね、凄いわ!!」

 

 メリッサさんの明るくフランクな態度が壁を作らないで親しく接することができるみたいだ。

 

「明日、アカデミーの作品展示してるパビリオンにも行く予定なんです」

 

「同世代の方の作品は気になりますから」

 

「すごい楽しみ!」

 

「メリッサの作品も?」

 

「ええ、もちろん」

 

(とりあえずデートやらの誤解はとけたみたいだ。女性と腕を組むなんて、おじさんも当たり前にやってたんだから特別なことではないだろうに)

 

 そんな特別ではないことに今まで縁が無かったことを棚に上げて僕は脱力した。

 

「お待たせしました」

 

 スッと注文したオールマイトサイダー(レモンサイダー)を置いたのは聞き覚えのある声だった。

 

「上鳴君に、峰田君?」

 

 ウェイになる上鳴君がウエイターとはぴったりかもしれない(サー・ナイトアイの影響)。

 

「あんたら何してんの?」

 

 耳郎さんの疑問に二人は、エキスポの間だけの臨時バイトだと答える。他の皆と違ってナンパと趣味でお金が足りなかったそうだ。

 

「しかし緑谷よお、また新しい女かアアン?随分楽しい時間を過ごしてたのかよおお」

 

 と峰田君がメリッサさん(新顔)に目ざとく気づいて額に青筋を浮かべ血涙を流しながら僕を問い詰めてくる。

 

「両手に華どころか、全身に花畑だな。耳郎は別だけど」

 

 上鳴君は羨ましそうだけどどちらかといえば呆れている感じだ。

 

「耳郎さんも素敵な人だって、体育祭でもチア衣装凄く似合っていたじゃん。あと皆と過ごす時間は(安全だし)いつだって凄く楽しいよ」

 

「「このセリフを下心無しに素で言うとか本当に勇者かよ」」

 

「?」

 

 なぜか衝撃を受けたように後ずさる二人、そこに追撃するように「労働に励みたまえー!!」と叫びながらこちらに走ってくる飯田君がいた。

 なお僕の言葉で女性陣が顔を赤らめていたことを僕が気づくことはなかった。

 I・エキスポはヒーロー業界の一大イベント。だからこそ飯田君のようなヒーロー一家や八百万さんのようなスポンサー関連にも招待状が贈られるそうだ。

 他のクラスメイト達はアルバイトの上鳴君と峰田君を除いて一般公開で参加するとのことだ。だから明日に備え今頃はホテルでのんびり寛いでいるようだ。

 

「良ければ、私が案内しましょうか?」

 

「いいんですか?」

 

「うん!」

 

「やったー!」

 

 I・アイランドをよく知る彼女の申し出に女子達が喜び、上鳴君と峰田君もバイトそっちのけで便乗しようとするが雄英高校の信用にも関わるので認められないとのことだった(休憩時間に回ることは可能)。

 飯田君と合流し、まだ招待客のみでお客もまばらなカフェを後にする。

 さて次はどうするかと悩んでいると、近くの会場からズンと大きな破壊音がした。そこは体験型アトラクションのコーナーだとメリッサさんが教えてくれたので皆と向かうことにした。

 

 敵を模したロボットを次々と倒していくアトラクション、「ヴィラン・アタック」。

 その会場にて15秒というトップタイムを叩き出して立っていたのは我が幼馴染である爆豪勝己だった。どこか物足りなそうな様子の彼はスタート地点に戻ると観客席の僕達に気づいた。

 ボムッと最小限の予備動作で飛び上がり、こちらと合流するかっちゃん。

 

「来るのは聞いてたがプレオープン組は全員で回ってんのか?」

 

「かっちゃんは一人?」

 

「ミルコがくれたのは一人分だからな」

 

 かっちゃんは今までずっと一人で体験型アトラクションを制覇していたそうだ。こちらに連絡しなかったのは予定あったら悪いだろと気を遣ってとか。メリッサさんにかっちゃんを紹介しつつ今までのいきさつを説明した。「また増えたのかやべえなコイツ」となぜか僕がドン引かれたけど。

 

「せっかくだしテメェもやったらどうだあのアトラクション。ミルコとの敵捕縛に比べたら退屈だがな」

 

 とかっちゃんが提案してきた。

 

「リアルヴィランアタック体験者」

 

「職場体験なのにヴィラン捕縛しまくっとたよね」

 

 そんなかっちゃんに女子達はこんなコメント、職場体験だとかっちゃん、轟君、八百万さんと拳藤さんが有名になったからね。そしてヴィラン・アタックかあ。面白そうだけど、

 

「殺気を出さないロボットとかの存在相手だと反応が鈍るんだよねえ」

 

 入試のロボットもそこが面倒だった。

 

「こっちはこっちでおかしなことを言ってるし」

 

『これは凄い!トップ記録を大幅更新、クリアタイム3秒です!!』

 

「キャー!陽介さーん!!」

 

「「「「ん?」」」」

 

 そんな中、3秒というとんでもタイムと聞き慣れた女性の聞いたことのない弾んだ声が聞こえてきた。

 

「3秒か、まだいけるな」

 

 そこには会場にて光剣を握るいつもと違い風格ある態度のおじさんと、私服姿で観客席からおじさんに声援をあげるミッドナイトがいた。

 

 なんで?

 

 おじさんをよく知る僕が、ミッドナイトというヒーローの生徒である皆が頭に疑問符を浮かべながら首をかしげるのだった。

 なお、こちらに気づいて近寄るもおじさんとミッドナイトの衝撃で反応されなかった轟君が寂しそうにこちらを見ていたのだった。

 

 

 

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