異世界イズク   作:規律式足

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 注、ヒロイン追加ではないです。



61話 デート? とおじさん。

 

 峰田君上鳴君とナンパしに行ってから数日。

 夏休み中だけど雄英高校で自主練に励もうとしたらドタドタと誰かが駆け寄ってきた。

 

「緑谷いたあーっ!!」

 

「よし、これで九死に一生を得たぜ!!」

 

「どうしたの二人共?」

 

 その人物達は峰田君と上鳴君。なぜかボロボロな二人は僕を見つけると安心したように息をはいた。

 

「何があったかは大体お前のせいだが」

 

「今はそれはいい」

 

「とりあえず何も言わずに」

 

「この映画のチケットを受け取ってくれ」

 

 とやたらと必死な二人はグイグイと僕に恐竜の映画のしかも4DXのチケットを渡してきた。

 

「映画か、なんか久し振り」

 

「そうかそうかそれは良かった」

 

「だからそれでもう一人だれか、女子とか麗日とか塩崎とかメリッサとか八百万を誘うんだ。俺達の命のために」

 

「あ、2枚ある。ならせっかくだしお金出すから三人でいかない?」

 

 ナンパの時もなんだかんだで楽しかったし。

 

「「それじゃあ意味ないから!!」」

 

「?」

 

「どうするよ上鳴、緑谷とのデートでなんとか繋いだ命が切れそうだぞ」

 

「まだだ、試合終了まで勝負はわからない。まだ俺達は終わってねえ」

 

 コソコソと話す二人の様子に、このチケットは男女のペアじゃないといけないのだと理解した。

 一緒に行きたい気持ちはあるけどそんな事情なら仕方ないよね。

 ガララ、と誰かが教室に入ってきた。

 入ってきた人は女子だ、なら彼女を誘おう。

 

「芦戸さーん、映画見に行かない?恐竜のヤツ」

 

「え、マジ?行く行くー!!」

 

「「なんでそうなるよお前ー!!」」

 

「「?」」

 

「ヤベえよ、試合終了したよ。緑谷から映画デートに誘われる状況にするからと繋いだ命が今切れたよ」

 

「まだだ、まだ囮作戦と生贄作戦とシャトル切り離し作戦が残っている」

 

「逃がすか、死ぬ時は一緒だ」

 

 顔を突き合わせとヒソヒソと話す峰田君と上鳴君。言われたとおり女子誘ったけど駄目だった?

 

「どうしたのあの二人?」

 

「いや僕も何が何だか」

 

 さっきから内緒話ばかりだし。

 

「しかしせっかく出かける機会なのに、親しい女子を選ばないとか緑谷どうなってんだ?」

 

「全く異性として意識してなくて全員友人として同じ立ち位置なんじゃねえか?」

 

「上鳴お前結局死ぬからってヤケクソになってね?」

 

「ふっ、でも一緒に死んでくれるんだろ峰田?」

 

「上鳴(キュンッ)」

 

 そしてなんかドラマやってるし。

 

「上鳴×峰田か、BLもたまにはゲテモノもありよね。美形ばかりだと飽きるし」

 

 そして腐った目を向けてる女子の存在に気づいて二人共。

 

「じゃあ映画に行こうか緑谷?」

 

 しばし見つめ合う二人を眺めていた芦戸さんだがすぐに飽きて僕の手を引く。

 

「何も今日じゃなくても」

 

「どうせ自主練だからいいじゃん、というかチケットが今日のヤツ」

 

「なんでそんなの渡したの二人共」 

 

「「死にたくなかったんです、死ぬけど」」

 

 まだ午前中だから今から行けば間に合うよね。

 

「えっと、じゃあ映画に行くけど。二人は本当に良いの?」

 

「「いいのいいの楽しんで来なさい、そして少しでも女心学んできて(必死)」」

 

 何かを受け入れた二人は快く僕達を送りだしてくれたのであった。

 

「んで何で緑谷と芦戸が映画デートすんのか教えてくれねえか漢らしくよお」

 

 ポンッと二人の肩に手を置いたのは怒れる硬い漢だったとか。

 

 

 

「芦戸さんエルフ居るから帰って良い?」

 

「それ個性社会だと差別になるから駄目だよ」

 

 一旦私服に着替えてから(僕の場合は魔法で直ぐだけど)辿り着いた映画館、そこには敬文さんと恐怖の象徴がいた。

 あのストーカーならおじさんおっかけて次元を越えてもおかしくないが、あまりにも早過ぎる。というか美醜感覚でモンスターの巣窟認識になる筈だけど大丈夫なのか?

 

「やっぱり男の俺がレディースデー使うのは違うかなーって。これよくない」

 

「あ、おじさんだ。ヨカッター」

 

 危うく他国まで逃げるトコだったよ。

 

「何で変身してるのセガおじさん」

 

「600円安くしたかったんだね」

 

「いやそれ普通に犯罪」

 

 思い留まって差額払いに行ったからギリなんとか大丈夫だよね?

 

「ねえ、なんか一緒に居た人がこの間見たアリシアさんみたいになってるんだけど」

 

「彼は甥っ子の敬文さん、多分精霊魔法を解除したからだね。変身魔法は強い魔法だから効果が消えるまで対象を移す形にしたんだと思う」

 

 おじさんの話だと精霊ってかなり手間をかけて魔法って形にしてるみたいなんだよね。結構面倒臭がるし。

 そしてまだ自分が女性になったと気づかない敬文さんに女性が話しかけていた。確かあの人は藤宮さんの友人かな?

 

「いや初恋の相手に無反応だね緑谷。てっきりまた血を吐くのかと」

 

「僕が出会った時はもっと年を取ってたから」

 

 それでも本人とはっきり分かるくらい見た目変わらないけどね。

 

「なんか揉むとかどうとか言ってるよあの人」

 

「女性化したからかな?だったら藤宮さんのを揉めば良いのにね」

 

「えーそれどんなラブコメ?」

 

「女性から向けられる好意を、本人トラウマのせいで気づかないラブコメ」 

 

「緑谷もそうだからね」

 

 鏡見ろやと芦戸さんは言うけど、なんのことだろうか?

 そして敬文さんは葛藤の末(アリシアさんの)胸を揉まない決断をしたみたいだ。良かった、知り合いを斬らずにすんだよ。

 戻ってきたおじさんに縋りついた敬文さんは早く戻して欲しいとお願いするけど、対話できるおじさんからしたら色々大変らしい。

 

「もう行く緑谷?なんか解決したみたいだし」

 

「そうしよっか」

 

 うん、というか前にも同じことやって貌の精霊に気に入られたとか言ってたような?

 まあついやっちゃうんだろうね、アリシアさん美人だし。

 あと僕達と同じように敬文さん達を見張っていた女性が心霊写真だとか騒いでいた。

 

「アレは?」

 

「阻害魔法の効果だね、心霊写真風になるのは知らなかったけど」

 

 そんな風におじさん絡みの騒動はあったけど、恐竜の映画は演出もあってとても楽しかった。

 今度は皆で来たいなと思いました。

 

 なお後日、切島君に芦戸さんとは何もなかったよなと焦った顔で問い詰められた。これは切島君が芦戸さんを気になっているなと気づきニヤニヤしながら何も無かったと教えてあげた。

 そして峰田君と上鳴君は何故かメイド服を着て自主練に参加していた、何があったんだろ?

 

 




 補足。
 峰田上鳴の二人は女子達に問い詰められて、映画チケットを緑谷に渡すからと許しをこいました。二人きりで映画に行けることにつられた女子達は開放しますが、緑谷が芦戸さんを誘ったため女子達+切島君にキレられました。その後切島君と組み手をして、メイド服で過ごすことで許されました。まあ彼女じゃないのにあまり騒ぐのもどうかと冷静になったので。
 映画の下りは、一度会話でやってしまいましたがもう一度やらかした感じでお願いします。
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