すいません、何話かに分けます。
途中エンデヴァーに不快になるかもしれませんが、アンチではなく現状の精神状態と知っている情報からの発言になります。
原作改変のオリ設定ありなので閲覧注意です。
ナンバー2ヒーロー エンデヴァー、轟炎司の人生はただひたすらに己の努力を積み重ねる人生であった。自身に一を聞いて十を知るような天才性が無いことを誰よりも自覚していた彼は努力を積み重ねることで己を高めることにした。ゆえに発動系個性であるにも関わらずに鍛え抜かれた肉体であり、ゆえに日本最大規模のヒーロー事務所だ。
オールマイトのように全てを笑ってこなすことが出来ないという自覚がエンデヴァーというヒーローの形を創り上げたのだ。
まだ二十代のことだ。縁談が持ち掛けられたのは。出資者から勧められたその縁談は以前自分が零してしまった弱点、個性を使う度に籠もる熱を次代にて解消するという利点があった。いわゆる個性婚に眉をしかめる気持ちはあったものの、相手側が金に困っているという事情と出資者からの勧めであるがゆえに断りきれなかった。そこには自身の目標であるオールマイトが未婚であるという理由も少なからずあったかも知れない、優れた後継者というオールマイトを上回る要素が出来るのだから。
断れない事情と自身の利点を理由にその縁談を承諾したのだった。
それだけではなく氷のような美しい女性を笑わせてやりたいという気持ちも確かにあったのだが。
「普通に良いヒーローじゃない?」
「我が校の誇る卒業生だからね☆」
雄英高校の炎対策された一室。
そこには魔法の鎖で磔のように固定されたエンデヴァーと彼を囲うように座る轟さん一家がいた。
固定されたエンデヴァーは記憶再生の魔法にて過去の心情を込みでその記憶を一家全員と巻き込まれた一部の面々に鑑賞されていた。
根津校長に呼んで貰い、どうせ意地張って突っぱねるだけだろうからと一撃打ち込んでから強制的に行う形へと持っていったのだ。
「き、貴様らこんなことしてただで済むと」
必死にもがいたり炎を出そうとするエンデヴァーだが龍種すら縛りつける魔法の鎖は破れることはなく、彼の周りに貼り付けた耐火の呪符が周囲に炎を広げさせない。
「まぁまぁ君には悪いと思うけどね、これは必要なことなんだよエンデヴァー君」
椅子に座り長机の上で腕(前足?)を組みながら根津校長は言う。なぜかこんな黒幕的なポーズが似合う齧歯類である。まだ隣室の死んだことになっている長男については伏せたまま、彼の記憶をダイジェスト風に再生していた。
「でも、どうしてこんなことを」
長女である冬美さんが手を上げながら尋ねる、次男の夏雄さんはひたすら不快そうに顔を背けているが。
「必要なことだからさ。あと拗れに拗れた君達の家庭は一度本音で語り合った方が良いと判断したのさ」
「そもそもなんだよこの記憶、個性かなんかかよ」
「それはまた別問題だから言えないさ☆」
「緑谷?」
「ゴメン轟君、まだ説明できないんだ」
記憶再生の魔法と捕縛の魔法、さらにおじさんについて知る轟君が僕に問いかけるけど今は話せない。ありのままのエンデヴァーじゃないと燈矢さんは納得できないのだから。
「貴様ァ!!緑谷出久ゥ!!」
ギシギシと魔法の鎖を揺らして噛みつかんばかりにこちらを睨むエンデヴァー。
体育祭の一件で余程嫌われているみたいだ。
「何したの?」
「ホラ体育祭の魔炎竜の」
「ああ下手したら雄英高校消し飛んでたアレ」
「?おじさんならなんとか出来ると思ったけど」
「うん、鎮圧する余波で雄英高校ぐらいの範囲なら消し飛ぶね」
「え、もしかしてかなり不味かったですか?」
「うん」
「「アッハッハハッハッハ」」
「緑谷君、あとでオールマイトと一緒に説教。田淵先生も呼ぶからね」
「すいませんでしたっ!!」
エンデヴァーとのアレコレをおじさんに説明したらヤバい事実が明らかになって根津校長がガチギレしてしまった(オールマイトは監督責任)。
「うちのことは、体育祭をきっかけに緩やかに変わってきていました。それでも急ぐ必要があるのですか?」
今まで黙っていた母親である冷さんが言う。
「そうさ、今じゃないと救えない人がいるからね」
代わりに説明してくれる根津校長には感謝だな、おじさんはどもるだろうし、子供の僕が言えることじゃないから。
「貴様は焦凍が変わるきっかけになったから感謝し評価はしている。だが貴様に俺の思いが理解できると思うな緑谷出久」
それはそうだろう。
傍から見たら半年間昏睡状態になったら目覚めた個性を使う自分は、長い月日を個性と向き合い苦しんできた人達とは違うのだから。
「貴様は、オールマイトと同じ持っている人間だからな」
それは違うと言いたいけど、僕の力が(適当かつやる気のない神による)転移ボーナスとワンフォーオールによるものだから否定できない。
努力してるから強い、そんな風に自分を誇ることは出来ないのだと自覚したのだった。