異世界イズク   作:規律式足

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 ギャグ回です。
 オリ設定ありです。
 


66話 日常と凍りつく世界。

 

 おじさんの善意から始まった轟さん家の騒動が無事に終わって数日がたった。

 僕は田淵先生に指導された後に根津校長からも数時間もの説教を受け、報連相を欠いた勝手な行動をしないよう強く反省をした。ここは頼れる相手がいない状況じゃない、助けを呼べば応えてくれる、手を差し伸べてくれる人がいる世界なのだとしっかりと理解するべきなんだろう。

 さてこの数日間にあったことだが、まず燈矢さんの自らの炎に耐えきれない体質についてだ。一番の対処法は個性を使わないことで本人ももう納得しているのだが、エンデヴァーというヒーローの身内である以上は自衛手段がないといざという時に困る。だから対策として耐熱の呪符を彼に渡した。これは溶岩煮え滾る火山の火口でも過ごせるようになる代物で、個性を使用する時に身体に貼り付ければ自身を焼かれずに炎を放てるだろう。一度貼れば破けない限り丸一日は効果が持続するから安心だ。グランバハマルのアイテムではあるが僕が作れるから在庫の心配もない。後日エンデヴァーから大量に発注されて、対価として支払われた金額に驚くのはまだ先の話だ。

 あとサー・ナイトアイからも連絡があった。なんでも個性を発動したら以前見た未来とは違い、また未来が変わったから何か知らないかという話だった。僕は可能性が高そうな今回の燈矢さん絡みの騒動を説明した。

 サー・ナイトアイは電話越しでもわかるくらい悩んでいる様子となった。

 

「何してんだ燃え野郎ぅ」

 

 と呪詛のように呟きだしてすらいた。

 どうやらサー・ナイトアイは未来視で調べた際に知った、社会に大きな影響を与えるヴィラン達を探していたらしい。そしてその中でも青炎使いの荼毘という人物を特に危険視していたのだが、未来視による断片的な情報では正体不明だった存在がまさかエンデヴァーの息子だったとはと嘆いていた。

 とりあえず今回は良い方向に未来が変わったが、念の為他のトップヒーローの身内にオールフォーワンの手が及んでないか一度調べるそうだ。場合によっては公安に協力を要請する必要があるかもしれない、とも言っていた。ステインの件で貸しもあるから交渉は可能なのだろう。まあエンデヴァーとヨロイムシャ以外は独身ばかりだから直ぐに済みそうだけど。

 なおこの連絡によりホークスの母へのヴィランの接触を防げることになることを緑谷出久もサー・ナイトアイも知ることはないのであった。

 

 そんな感じにアレコレ過ごしていた翌日。

 今日もまた自主練のために雄英高校に行き荷物を置こうと教室に入ったら、

 

「おじプペポ〜ン!おじ参上!」

 

 と轟君が無表情のまま両掌を耳の横で広げ片脚を上げてポーズを決めていた、無表情のまま(二度目)。

 

「神よ!この惑えるものの心の波濤、我とひとつに!」

 

 とりあえず異常事態だと判断し、轟君に神聖魔法をかける。なにせ彼のこの行動に個性の半燃半冷を使われてないのに教室にいる皆が凍りついて震えていたからね。

 

「どうした緑谷?」

 

 こてりと首を傾げるけどこちらのセリフなんだけどソレは。

 

「馬鹿な正気だとっ?!」

 

 てっきりヴィランによる精神支配か肉体操作によるものとばかり。

 

「何をしているの轟君、そのポーズとか?」

 

「異世界おじさんが動画でしてたポーズだが?面白いだろ?」

 

 だったらせめて笑ってくれませんか。眉一つ動かない無表情でしたよね?

 

「まあ面白かったから真似したり皆に見せたい気持ちは分かるけどよ、どうした突然?」

 

 状況を理解してようやく動けるようになったかっちゃんがそう尋ねた。うん、そのネタを轟君がやると無表情なのもあって面白いとか以前に意味不明感が強過ぎて場が凍るからね。

 

「なんで親父が、エンデヴァーが、ナンバー1ヒーローになれないのかずっと考えていた」

 

 まあ色々理由はあるけど、他国からの引き抜き対策も理由の一つだよね。犯罪率を個人で低下させたオールマイトはどの国でも欲しい、仮にナンバー1から下ろしてしまえばその途端あらゆる国家がオールマイトをナンバー1ヒーローとして迎え入れようとするだろう。特に留学している間に結果を叩き出していたアメリカとかはどこよりも強く。

 

「俺はそれが親父がクズだからだと思っていた、その真の姿が周りに知れ渡っていたから万年ナンバー2だと思っていたんだ」

 

 何気に言いたい放題だよ息子。

 いや轟君からしたらそうだろうけどクラスの皆もドン引きしてるからね。

 

「けどそうじゃない、他に理由があると気づいたんだ」

 

「天然の気づいたことって大抵明後日の方向に迷走してんだよな」

 

「ケロ、事実でも言っちゃ駄目よ爆豪ちゃん。私はさっき冬眠しそうになったけど」

 

 オチに予想がついた二人がコメントするけど僕もそんな気持ちだ。

 轟君はグッと拳を握り言う。

 

「エンデヴァーには笑いがない、だからウケないんだと」

 

(((いやあの厳ついのが笑いを取ろうとしたらソレはソレで怖いよ)))

 

 下手にファンサービスとかしたらガチファンとか血涙流してキレそう。

 

「だから俺は、ナンバー1ヒーローを目指す俺は、ヒーロー活動に笑いを取り入れるために異世界おじさんを参考にしようと決めたんだ」

 

(((やっぱり迷走しやがった天然)))

 

 轟君だしなあ。

 まあ以前より家族仲が良くなった結果かもしれないけれど。

 

「ブラボーッ!!なるほど、そんな考えもあるとは、参考になる考えだね轟君っ!!そうだヒーローに必要なのは皆を笑顔にする力なんだっ!!」

 

(((生真面目馬鹿が感銘受けてしまっただとおおおっ!!)))

 

 生真面目馬鹿(飯田君)が拍手とともに轟君の考えを称賛していた。

 

「フッ、そうだろ?」

 

(((天然がドヤ顔で満足気だよ)))

 

 ドヤ顔の轟君と感銘を受けた飯田君は二人で思いつくままの笑いのネタを言い合いだした。たまたま彼らの近くに居たクラスメイト達はその古いというか化石レベルのネタ(布団が吹っ飛んだレベル)に「暖房つけてくれえー!!」と悲鳴をあげた。なお梅雨ちゃんは冬眠しだしたので八百万さんの創造した毛布にくるまれて退室した。

 

「なあイズクよ?」

 

「どうしたのかっちゃん」

 

「ヒーローとしてのプロデュースや売り出し方は経営科に丸投げして、俺達ヒーロー科は自力上げに専念すべきだな」

 

「そうだね」

 

 何でも自分でやろうとするから無理がでる。

 個人で解決しようと動きがちな自分の行動を彼らを見て深く反省するのであった。

 色々な出来事があった夏休み。

 林間合宿はもうまもなくだ。

 





 そろそろ本編を進めようかなと、まだ夏休み中にやったほうが良いイベントあるかな?
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