異世界イズク   作:規律式足

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 オリ設定有り閲覧注意。



73話 限界突破

 

「ああ神はなぜこのような試練を与えるのです。勇者様が魔獣の森を越える、その場に従者たる私がなぜ付き従えなかったのですか?」

 

「クラス違うからだろ」

 

「相澤先生発案のとんでも試練らしいね」

 

「担任がブラキン先生で本当に良かったわ」

 

 ド助平の化身峰田実が性転換しかけようともこの偉大な母なる星は揺らぐことなく明日を運んでくれる。

 勇者 緑谷出久の従者を自称する僧侶 塩崎茨は己の身に降りかかった苦難を神に問いかけていた。

 魔獣の森を越えるという、塩崎茨において非常においしいイベント。しかしてかなり方針及び性格がぶっ飛んでるイレイザーヘッドこと相澤消太とは異なりマトモな常識人であるB組担任ブラドキングは、林間合宿一日目を基礎体力訓練を兼ねたヒーロー三人監督下での森林行軍としたのだ。

 山岳救助に長けたヒーローであるラグドールと虎に森林活動時においての注意事項を指導されつつ丸一日かけB組一同はマタタビ荘へと辿り着いたのであった。

 その道のりがA組とB組のどちらが大変であったかは言うまでもない。

 だが担任であるイレイザーヘッドとブラドキングの方針の違いがそのまま反映されたのだ。最低限の安全の保障はして苦難を与えるイレイザーヘッドと基礎能力向上のため万全な指導を行うブラドキング。そこにはブラドキングが一年生担任をするのが今年度が初であったことも要因の一つである。また通常なら肉体の成長に合わせる限界突破訓練を前倒しして行うため初日で負荷を与えすぎたくなかったのだ。

 A組は森林行軍後にミルコとタイマン組手までしていたのだが。

 

「さて、林間合宿の目的は個性伸ばしだ。個性を酷使させ肉体を壊すことを第一とするため、傍から見たら旧世代のシゴキや非人道的な行為や体罰にも見えてしまう。だから人目のある雄英高校敷地内ではなくわざわざ泊まり込みで林間合宿するんだ」

 

 ヒーローになる、そのために苦難を与える方針である雄英高校であろうとも完全に外部の意見を無視できるわけではない。

 だが訓練で九割九分九厘死にかけようと、実戦で完全に死んでしまうよりは遥かにマシであることをヒーローを兼業する教師陣はよく理解していた。

 だからこそ人目につかない合宿地にて過酷な訓練を課すのである。

 そう、行う者たちの悲鳴が絶えない、生徒達から地獄絵図と称されてしまう訓練を。ちなみに轟さん家の焦凍君はつい最近までコレが日常で、とある異世界転移者は死んで覚える方針の某おじさんに手を引かれて一戦ごとに限界突破する破目になったこともあるとかないとか。

 許容上限のある発動型は上限の底上げ、異形型・その他複合型は個性による器官・部位の更なる鍛錬。どちらも負傷を前提とした流血・悲鳴を撒き散らしながら行うのだ。

 

「しかし私たち入ると40人だよ。そんな人数の個性をたった7人で管理出来るの?」

 

 とはいえ分類が明確にし難いのも個性の問題な所、統一規格での訓練が成り立たない。

 疑問を持てるくらい思慮深い拳藤の言葉に、イレイザーヘッドはだから彼女らだと答える。

 

「そうなのあちきら四位一体!」

 

「煌めく眼でロックオン!!」

 

「猫の手、手助けやって来る!!」

 

「どこからともなくやって来る」

 

「キュートにキャットにスティンガー!!」

 

「「「「ワイルド・ワイルド・プッシーキャッツ!!!(フルバージョン)」」」」

 

 山岳救助等を得意としチームでお互いサポートし合う彼女達であるが、その個性は指導にも向いていた。

 ラグドールが個性の情報を的確に見定め、ピクシーボブが各々に見合う場と撃破目標を形成、マンダレイが担任のヒーロー達による指示とアドバイスを鍛錬中にも遠隔から伝え、虎が殴る蹴るの暴行を行う。

 

「あとラビットヒーロー ミルコが唐突に襲いかかるから気は抜くなよ。集中しつつも警戒は欠かさないための訓練だ。安心しろ多少死んでも緑谷の神聖魔法なら蘇生できるから」

 

「「「多少死ぬって何っ?!」」」

 

「プルス・ウルトラだ」

 

 そう腕を組みながら無慈悲に告げるイレイザーヘッドの姿が、生徒一同には死神が大鎌を振り上げてるように見えたのであった。

 

「つーか緑谷はどうすんだ?スゲー強いんだろ?」

 

「期末の演習で先生そうがかりだったらしいし」

 

「魔法で治療担当かな?ぶっちゃけそっちの方が需要あるし」

 

「なるほど、治療練習用の怪我人が山程量産されるからな。俺たちだけど」

 

 指導方法を聞き、彼らが気になってしまうのは雄英入学試験からトップを走る勇者のことだ。戦闘能力が突き抜けている彼を教師達はどう指導するのだろうか。

 

「人を気にするより自分のことに集中しろと思うが、伝えておくか」

 

 ヤレヤレとした態度でイレイザーヘッドは言う。

 

「光剣と闇剣を一定の挙動で振りながら、不意打ちを察知して、黒鞭で攻撃を弾きながら、煙幕を撒き散らして、一定の高さで宙へ浮く。肉体強化を維持したままな」

 

「「「全部のせっ?!」」」

 

 なお二代目の個性は単体で負担が大き過ぎるので併用は断念せざるを得なかった。

 

「つーか勇者ってそんなこと出来るのかよ」

 

「統一性の無い能力ばかりだな」

 

 その返答に疑問を持ったりもしたが、教師達に促されB組も地獄絵図に加わることになった。

 

 

 

 PM4:00。

 

「さあ昨日言ったね、「世話焼くのは今日だけ」って!!」

 

「己の食う飯くらい己でつくれ!!カレー!!」

 

 自分達も疲れているにも関わらずハイテンションなピクシーボブとラグドール。流石にプロヒーローのスタミナは伊達ではないようだ。

 

「「「イエッサ⤵⤵」」」

 

「アハハハハ、全員全身ブッチブチ!!だからって雑なネコマンマは作っちゃダメね!!」

 

「あー、作るのしんどいならカップ麺ならあるけど」

 

 グタっとした皆を見てられないのか緑谷出久が収納魔法に備蓄してあるカップ麺を取り出す。

 

「それは凄く甘えたくなる提案だが、材料が用意されてるし」

 

「でも合宿先でカップ麺とかなんか良い感じだから夜食用に一個くれ」

 

 緑谷出久が希望者にカップ麺を配る中、ハッと救助の一環だと気づいた飯田天哉の指揮の元、世界一旨いカレー作りに取り掛かった。

 

「とりあえず爆豪を拘束しといてくれ緑谷」

 

「了解」

 

「なんでだクソがっ?!」

 

「疲れた身体に、丸ごと人参の激辛カレー煮なんて食いたくねえんだよ」

 

 生人参のデスソースかけをボリボリと食べていた彼を調理の場に立たせるような愚を侵す者はA組には居なかったそうだ。

 

 





 とりあえずオリ設定として、雄英高校敷地内でも出来そうな訓練を外部でやる理由を書きました。マスコミが張り付いていて、他科の目もある状況であの訓練は厳しいかなと。
 またミルコがランダムに襲撃する以外は緑谷君以外は原作そのまんまな訓練です。 
 そしてプッシーキャッツも洸汰君関連からの付き合いからなのもあって本人達の同意の元スパイか記憶を確認した上でワンフォーオールについて明かしています。
 あと峰田君は治療もあって男のままです。
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