異世界イズク   作:規律式足

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「覇竹が、当たらない」

「アンダースロー・スワロー、砂燕。砂塵に隠れた燕は何人にも捉えられないのさ」

「オイラはまだ届かないのか」

「フ、この球を打てるようになったその時、君はミリオ君すら打ち抜けるだろう」

「師匠ー!!」

(((投球も出来るのか、あのハイスペックネズミ校長)))


93話 ヒーローインターンについて。

 

「1年生の校外活動ですが昨日協議した結果、校長をはじめ多くの先生が「やめとけ」という意見でした」

 

 まあ元々2年、3年からやることだしね。

 

「えー、あんな説明会までして!!」

 

「でも全寮制になった経緯から考えたらそうなるか」

 

 出来ると思ったことが出来ないとなると不満に思うよね。なら最初から説明しないで欲しいって思ってしまう。

 

「が、今の保護方針では強いヒーローは育たないという意見もあり、方針として「インターン受け入れの実績が多い事務所に限り1年生の実施を許可する」という結論に至りました」

 

 となるとまだ新人扱いのマウントレディとかは駄目かな?いやまだ数年なのに雄英高校の職場体験先になるのは凄いことなんだけどさ。

 

「あと許可できるのは成績優秀者のみだ。インターン活動は一週間単位で授業に出れない場合もある。補習でなんとか出来るヤツだけが行けると思え」

 

「「終わった」」

 

 上鳴君、芦戸さん、A組ドベ二人が撃沈。

 しかし言われて見ればその理屈には納得してしまう。いくら学校側で補習をしてもらえても普通に授業するよりは短い時間になってしまう。だから補習しただけで結果を出せるという実績が必要なんだ。まあ雄英高校で一クラスの学力ドベは充分エリートであるから決して二人とも馬鹿ではないんだけど、インターンにかまけて学力低下しましたなんで親御さんに言えないんだよね。全寮制になったことで先生方は保護者への定期的な報告も必要になったから。

 

「雄英高校において成績は貯金だ。貯めておけば出来ることが増えると思え」

 

「「ハイ(ズーン)」」

 

 そして貯金してないと制限がかかる訳ですね、厳しい話だ。

 そしてこれに関しては生徒全員他人事じゃない、学生の本分は勉強。ヒーロー関連と個性修行ばかりに集中して学業を疎かにしないよう心掛けないと。

 

 

「しかしあれだけ言われたのに、参加出来ないかもなんて」

 

 場所は変わって食堂。

 放課後に集まってダラダラトークタイム。

 

「まずはヒーローに個人的に連絡する伝手、それから了承して貰う交渉に自分の実績、さらにその事務所が雄英高校から許可が出る場所か確認、挙げ句に自分の成績が大丈夫かどうか。やることだらけだな」

 

 その全てを満たしてようやくヒーローインターンが許可される。そして何を得るかは自分次第、ヒーローにしてもあくまでサイドキック候補として雇用するだけで指導義務は無いからだ。

 

「まあヒーローにしてもオールマイト引退で仕事が増えてるらしいしな。ヒーロー科1年の受け入れなんてする余裕はないだろ」

 

 ヒーロー飽和社会も今は昔とかになるのかな。きっかけがオールマイト引退とか、オールマイトが飽和させてたみたいに聞こえるけど。 

 

「爆豪はどうすんだ?ミルコのトコか?」

 

「いやミルコはインターンの受け入れ実績がないから無理じゃねえのか?職場体験も俺が初めてらしい」

 

 ヒーローとしての実力は文句無しなんだけど、雄英高校OGじゃないから依頼しにくかったみたい。本人も気分屋(かっちゃん情報)だから頼まれても気に入らないなら断ってたとか。

 

「ミルコの初めての相手(ポッ)」

 

「お熱いですなあ(ニヤニヤ)」

 

 そんなかっちゃんをからかう二人。確かに言葉の一つ一つがミルコとの親しい距離感を示しているように感じた。

 

「黙れインターン不可能ダブルドベ」

 

 まあ弄られるだけのかっちゃんじゃないけど。

 

「「グフッ(バタリ)」」

 

 自身の痛い所を突かれたショックで崩れ落ちる二人。まあやったらやりかえされるよ。

 

「雉も鳴かずば撃たれまいに」

 

「打たれ弱過ぎだろこの二人」

 

「あの後に相澤先生から名指しで成績というか学力テストの点数が理由でヒーローインターンは無理って言われたからね」

 

「期末テストの結果じゃなくて良かったぜ。そうしたら俺と砂藤も無理だった」

 

「B組の物間もな」

 

 そう、相澤先生はヒーローインターンの説明後に学力面の理由から許可されない生徒名を告げたんだ。そこには期末テストで補習になった全員があげられた訳ではない。あくまでヒーローインターンの有無は学力試験の結果だけで演習試験は別なのだ。

 

「つっても、職場体験でも雄英からの紹介してもらったトコは無理っぽいけどな」

 

「マウントレディとか無理だからな」

 

「やっぱ体育祭で結果だすのは大事なんだな」

 

「それで緑谷は?」

 

 と、そこで僕に話題が移る、体育祭で優勝したからヒーロー側からインターン希望があると予想したみたいだ。確かにそのとおりなんだけど、ただ。

 

「神聖魔法目当てでヒーロー達からの要請が山のようです」

 

 目当てが露骨過ぎなんだよなあ。

 

「「これが格差」」

 

 誰もが欲しがる能力だからね。グランバハマルでも持て囃された力だ、だから教会は権力を持っていた訳だからね。

 

「治癒能力は貴重な癖に需要あるからな」

 

「でもソレだけ目当てとかなんか嫌な感じ」

 

 どうしても注目される能力だから仕方ないよね、ヒーロー達にしても病院に行く手間と時間と費用が浮くから是非来て欲しいらしい。

 個人事業者であるヒーローは休むと収入が無いからなあ、いや一応実績によっては国から保障は出るけどそれも最低限らしい。何かの番組でヒーローの収入を時給換算したらいくらになるとかを調べたけど、知名度によって一時間☆万円からアルバイト以下まで差が激しかったからね(そこに多額の装備費を入れたらヤバい)。

 あと別の治癒手段である回復の呪符はリカバリーガールを通じて信頼出来るヒーローと病院関係者に卸しているけど、アレも手作業で作るから手間がかかって数は作れないし万が一悪用されたら問題になる。

 

「どちらにしてもサー・ナイトアイの事務所に行くと決めてるから問題はないよ」

 

 仮免許試験にヒーローが見学してるのは聞いていたけどここまで注目されるのは想定外だった。

 でも雄英高校卒業後にサイドキックとして入社予定のサー・ナイトアイ事務所から要請を受けたなら断る筈もない。

 

「サー・ナイトアイ。オールマイトの元サイドキックか」

 

「いーなー」

 

「他のヤツも受け入れられないか聞いてくれないか?」

 

「俺も行きてえ、ユーモアを学びたい」

 

「轟はエンデヴァーのトコにしとけよ、まだ赫灼熱拳を体得しきれてねえだろ」

 

「紹介ならビッグ3の二人にも聞いてみたら?」

 

 そんな感じに僕達は話しこんだ。

 インターン先が決まっていることに羨ましがられるのは納得する、サー・ナイトアイ程のヒーローなんだからさらにだ。けど今回の件は、場合によっては命がけになってしまうほどの大事。だからサー・ナイトアイからならともかく僕からは誘えない。

 あと轟君は本当に一度冷静になってお願いだから、強さだけでも君は伸びしろがあるんだからそこから伸ばそうよ。  

 さあ学校から許可は下りたからヒーローインターンは明日からだ、予定だと朝からコスチュームを持って事務所に集合。  

 ことは急を要する程の事、だから後手になる前に動く必要がある。

 気合を入れて臨むとしよう。

 





 補足。
 初動が早いのでまだヴィラン連合と死穢八斎會は接触してません。
 学力によるヒーローインターンの許可は独自設定ですが、教育機関だからありえるかなと。
 上鳴君と芦戸さんは、超常開放戦線との決戦前には出来ますが現状だと無理です。

 映画二作目はどうしようか悩んでいます。時期的にそろそろですが、ネタが思いつかなくて。
 
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