異世界イズク   作:規律式足

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「これはだな緑谷、お前が峰田に貸したけだもののローブの検証を行っていただけだ。どうやら鏡には幻影の姿で映るようで普段見れない猫ちゃんの色んなポーズが見ることが出来る。いや見たいポーズをしてくれない猫ちゃんの奔放さも愛らしさの一つなんだがそれでも色んなポーズを見たいというのは当然の欲求でどうしょうもない衝動なんだ。それがけだもののローブを着ただけで叶えられるならやってしまうのが人間という生き物のサガなんだろう。サイズこそ不満だが鑑賞だけなら問題無い。さらに自分の意思で様々な猫ちゃんになれるのも良い、駅前の猫ちゃんカフェには居ない猫ちゃんを見ることが出来るのだからな。録画できないことが残念としか言いようがないな、まあ生で見るのと記録で見るのではやはり大きな差があることは」

「相澤先生がけだもののローブを着て猫になりきっていた、っと(書き書き)。そして記憶消去(イキュラス・キュオラ)」



99話 出し物を決めろ。

 

 久しぶりの雄英高校、久しぶりの登校。

 インターンによる欠席でヤバいくらい授業が遅れている事実に焦りながら席へとつく。

 そういえば青山君には避けられがちだなと改めて思う、グランバハマルでの記憶再生の時は必ず席を外すんだよね彼。嫌われてるのかな?そんな風にも思ってしまうけど小中学校の時も大抵の同級生とはこんな感じだったから気にする必要はないか。当時の僕に話しかけてきたのはイジメをしていたかっちゃんくらいだし。

 教室の後ろでダンスを披露する芦戸さんを見ながら僕は過去に思い馳せていた。しかしダンスか、グランバハマルで山深くの村祭りの踊りをおじさんと一緒に見様見真似で踊ってみたら恐ろしい気配のナニカを次元の向こう側から呼び寄せかけてしまったんだよね。エルフ(何故か居た)と三人がかりで必死に追い払ったけど下手したらグランバハマルを滅ぼしかねないヤバそうな存在だったなあ。 

 ヒーロー科随一のフィジカルを持つ芦戸さんの動きの良さは趣味のダンスがあってこそ。かっちゃんの登山といい耳郎さんの音楽関係といい、好きなことがヒーロー活動に活きるのは良いよね。上鳴君に言われて恥ずかしがっている耳郎さんもなんか良いね。

 

 

「文化祭があります」

 

 朝のホームルームにてのっけから相澤先生がドアップでそう言いました。クラスメイト達はそれを学校っぽいとワッと反応します。

 雄英高校文化祭、テレビ中継され多くのヒーロー達が訪れる体育祭ほどではないけどかなり有名なイベント。経営科の出店、普通科の出し物、サポート科の発表は学生によるものとは思えないと世間で評価されている。ヴィラン連合の襲撃とオールマイトの引退で時期的にはよろしくないけど、だからこそ明るいニュースとして開催するようだ(警備は増すけど)。

 そして主役ではないとはいえ、決まりとして一クラス一つ出し物をしなければいけない。今日はそれを決める話し合いだ。

 珍しく僕が委員長として司会進行を務めるけど、うんどうしようコレ?

 

「とりあえず意見を出してもらったけど意味不明なのがチラホラあるね」

 

 暗黒学徒の宴ってなんぞや?青山君のキラメキショウは個人参加でやるべきでは?峰田君のオッパブはセクハラで犬小屋延長だね。かっちゃんのバトルロイヤルは体育祭で似たようなことをやったから駄目でしょ。

 

「緑谷はなんかねーの?」

 

 文化祭かあ、小中学校で良い思い出ないからなあ。こういったイベントの時は息を潜めてじっとやり過ごしていたし。

 

「ヒーロー基礎学の授業映像を流すとか?」

 

 録画してあるしアレ。

 

「あー面白そうだなソレ」

 

「けど文化祭の時にあんまりやることないのはちょっとな」

 

「だな、もっとワイワイ参加したい」

 

 流石は国内トップ高校、生徒達はがやる気に満ち溢れた陽キャラしかいない。

 

「うーん、あと他科と内容が被るのも駄目だよね。食べ物系は経営科と運動部が毎年やってるみたいだし、お化け屋敷なんか普通科がやるみたいなんだよね」

 

「そういえば去年もサッカー部自慢の焼きそばとかやってたな。相撲部伝統のちゃんこ鍋とかも」

 

「他科が主役なだけあって早いトコは夏休みから準備しているみたいだよ」

 

 サポート科なんかは特に。

 

「まずは他クラスの出し物を調べることからかな?雄英高校は生徒会とかあったっけ?」

 

 大抵の高校では文化祭とかは生徒会で仕切っていた筈だよね、まあ実態は教師達のパシリみたいなモノらしいけど。

 

「雄英高校に生徒会はねえよ」

 

「成績と実力上位者ほど学外で活動するから時間がとれないみたいだからな」

 

「かつて時間のある実力の低いヤツにやらせてみたらしいけど誰も従わんかったらしい」

 

 なんだかんだでヒーローは腕っぷし至上主義なトコあるからなあ。

 かといって、当代の実力トップ陣ビッグ3に仕切らせようにも。

 

「天然不思議ちゃんとノミの心臓陰キャラとマッスル脱げ男じゃねえ」

 

「「「無理だろ絶対」」」

 

 ヒーローとして実力はあるんだけど。ヒーローとしての実力は。

 

 キーンコーンカーンコーン。

 

「決まりきらなかったな。明日までに決めておけ」

 

 時間が無さ過ぎじゃないですかソレ?

 

「決まらなかった場合、公開座学にする」

 

「「「「公開座学!!」」」」

 

「それで良くない?インターンで授業遅れまくっててそろそろヤバいから僕」

 

「ミルコと文化祭を回らずにすみそうだから有りだな」

 

「「「「自分の都合かよヒーロー科トップワン・ツー共っ!!」」」」

 

 いやね文化祭準備期間で授業無いのが追い打ちになるからね。

 

「自分の将来に関わるんだよ悪いか」

 

 一般のお客がたくさん居る中で文化祭デートなんかしたらもうカップル認定だしね(いやこれ体育祭で顔が売れてる生徒は全員起こりうる問題なのでは?)。

 とりあえず他科の出し物を調べてからかな?多分だけど相澤先生はかなりぎりぎりに僕達に伝えてきたと思うから(出し物を決める時間が一日だけとかありえないって)。

 

 

 場所は変わってハイツアライアンス。

  

「ヒントはないか」

 

 飯田君も協力してくれてパソコンで動画などを調べてくれている。僕も他科の出し物を調べて見たけど食べ物系は部活動が抑えていて(クレープ屋とかもう決まっていた)、さらにランチラッシュの食堂が一般開放されている。毎年恒例のミスコンは経営科の有志達により仕切られている感じ。

 となると、

 

「コントだな」

 

「うむ、今こそ僕達の研鑽を見せる時だ」

 

「ごめん、ウチが提案してなんだけどやっぱ無しでお願い」

 

「素人芸ほどストレス与えるもんはねーしな」

 

 やる気満々のド天然コンビを見て一周回って受けそうな気がしないでも無いけど、やっぱり無いよね。絶対滑る、梅雨ちゃん冬眠しちゃう。

 

「じゃあダンスかな?この動画みたく演奏に合わせて踊れば盛り上がりそう。雄英高校敷地内なら事前に確認すれば個性による演出も許されるだろうし」

 

「お、それ良いかも」

 

「青山のレーザーに、轟の氷とか、やれることいっぱいあるしな」

 

「緑谷の魔法はどうだ?」

 

「既存の魔法ならなんとか」

 

 おじさんみたく今までやったことの無いことを精霊に頼むと世界の危機になるけどね。

 

「ダンスなら私が教えられるよ!!」

 

 青山君の動きを見る限り芦戸さんの指導力は確かなようだね。素人芸が問題なのは、きちんとしているかの判定が出来ない点にあるし。

 

「さらに音楽には専門家レベルがいる!!」

 

「耳郎ちゃんなら生演奏できるよ!!だって音楽してる時がとっても楽しそうだもん!!」

 

 注目されて戸惑う耳郎さん。

 彼女自身は只の趣味で自慢出来るものではないと自信無さげだ。

 

「あんなに楽器できるとかめっちゃカッケーじゃん!!」

 

「別にヒーローに根ざす=戦闘に活かせるかどうかではないでしょ?」

 

「人を笑顔にできるかもしれない技なら十分ヒーロー活動に根ざしていると思うよ」 

 

 音楽自体は曲を選んで流すだけでもできるだろうけど生演奏とは迫力が違うと思うしね。

 耳郎さんに無理強いしているような感じになりかけたので八百万さんが軽く止めるけど、

 

「ここまで言われてやらないのも、ロックじゃないよね」

 

 耳郎さんもやる気になってくれたみたいだ。

 

「じゃあA組の出し物は」

 

「生演奏とダンスでパリピ空間の提供だ!!」

 

 良かった、皆が盛り上がって楽しめそうなモノが決まって。けど、

 

「「公開座学」」

 

「「コント」」

 

「なんでウチのクラスの男子トップ陣は揃って残念系なんだ?」

 

「欠点も実力の内なんだろ多分」

 

 ほっといてください。

 

 盛り上がるハイツアライアンス共有スペース、どんな風にしようかと皆でワイワイしてる中、起動したままのパソコンに新たな動画が映し出されていた。

 

 

『ジェントル・クリミナル最後の戦い!! ジェントルVS異世界おじさん』

 

 





 全世界の相澤先生ファンの皆さんすいませんでした(今更)。
 雄英高校生徒会に関しては原作では普通科とかでやっていてあるかも知れないけどこんな感じです。ヒーロー科は時間的に無理ですよね(汗)。
 食べ物系は各部活動が恒例でやってる感じです、魔法先生ネ○まの麻帆良祭みたいなイメージですね。
 ヒロインというワケじゃないけどつい耳郎ちゃんを推してしまう、だって照れ顔カワイイし。
 さて、ジェントル・クリミナルは果たしてどうなるのか。どうしようマジで。
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