とある聖槍の人理保存 作:ネシエル
約束された勝利の剣
アーサー王伝説でよく知られるかの有名な聖剣
『エクスカリバー』。
星の内部で結晶・精製された神造兵装であり、
聖剣というカテゴリーの中において最強にふさわしい伝説の聖剣。
聖剣とは星が生み出した最強の兵器であり、
中でもエクスカリバーは地球外の存在・人類の脅威に対する特攻効果を持っており、
人類の脅威たるものを全てを排除する。
例え、同じ星から生まれた神造兵装(ロンゴミアンド)であると例外ではない
▲▲▲
空は巨大な塔に覆われ、
黄金の光が地上に降り注いでいた。
その光の中、一人の王が空中に浮かんでいた。
彼女はフードを脱ぎ捨て、黄金の髪と蒼い瞳を露わにし、
全身をドレス型の甲冑で覆われていた。
その手には、伝説の聖剣エクスカリバーが握られていた。
彼女の名はアルトリア・ペンドラゴン。
かつてのアーサー王であり、
今はこの世界の命運を握る存在であった。
「聖剣抜刀」
アルトリアは静かに呟いた。
ここまで来るのに、随分と時間がかかった。
最初はアヴァロンで眠り続けていたが、
ある日、突如として異質な、いや、神聖な魔力を感じ取った。
それは自分と深く関わっている何かだと直感した。
そして、その瞬間から彼女は行動を開始した。
「十三拘束解除。
これは世界を救う戦いである」
彼女は自分自身に言い聞かせるように語った。
約束の王として、
自分が引き起こしたことに責任を取る。
たとえそれが平行世界の自分が関わっていることであっても、
彼女はそれを止めるために立ち上がる。
「この灯りは星の希望、地を照らす生命の証。見るがいい!」
アルトリアは剣を構え、力を貯め始めた。
しかし、まだ放つ時ではない。
彼女はロンゴミアンドが浮上するのを待っていた。
その瞬間が来るまで、彼女は静かに力を蓄える。
そして、ついにその時が訪れた。
「アーサー王?」
ロンゴミアンドが現れた。
その声が響き渡る中、アルトリアは一気に力を解放した。
「『約束された勝利の剣(エクスカリバー)』ーーーー!」
黄金の光が爆発し、天地を揺るがすほどのエネルギーが放たれた。
それは星の希望であり、地を照らす生命の証であった。
アルトリアの剣は、人類の脅威を全て排除するために輝き、
その光はロンゴミアンドをも飲み込んでいった。
▲▲▲
光に飲み込まれたロンゴミアンドは、
その余りの熱量によって炭化し、白い鱗は黒く染まり、
そして、ゆっくりと落下していった。
その衝撃で、体内に生成された核が砕け、
魂を保管するメモリーが崩れ去る。
砕けた部分からは、青髪のロングヘアをした女性、
風鳴翼が現れた。
「げほほ」
彼女は天羽奏を連れ出し、その瞬間、竜の体は完全に崩れ、
残ったのは一本の槍と生成したコアのみであった。
ロンゴミアンドはかすかに声を発した。
『あ、ああ……』
結合が崩れ、ネガメシアの力が人外の攻撃を完全に否定した。
たとえ王であっても、赤き竜の因子を引き継いだ時点で、
ロンゴミアンドに勝つことはできなかった。
存在を否定することはできなくても、
攻撃を否定することはできたのだ。
ビーストとなったが、その本質は宝具そのものであった。
核となる天羽奏がロンゴミアンドと完全に切り離された時点で、
ロンゴミアンドの敗北は決定していた。
神霊化は解け、ロンゴミアンドに魔力を提供することはできなくなった。
そして、空を覆っていた塔も崩れ、コアから漏れた魂は、
マーリンの下で世界へ返される運命にあった。
霊子と化した肉体は、元の姿へと戻っていく。
『何故だ。王よ。何故、私を否定する。』
空に浮かんでいたアルトリアは地面に降り、
ロンゴミアンドを両手で丁寧に持ち上げた。
『私は知っている。貴方様がどれだけ、
国を愛していたのか。貴方様がどれだけ、
国の崩壊について泣いていたのか。』
アルトリアは静かに答えた。
「それが、此度の出来事の発端ですか」
『私が王にならなければよかった……』
アルトリアの目が大きく見開かれた。
「!!」
『私は呪いました。このほどの素晴らしい王をここまで陥れる世界に。
だから、作り変えたかった。誰も泣かない世界を。
あの時、貴方様が言っていた。理想の国を、
今度こそ献上したいと思いました。』
アルトリアは深く頷き、優しく語りかけた。
「そうか、ならば大義であった。ロンゴミアンド。」
『どうか、泣かないでください。
私たちの希望。約束の王よ……』
次回投稿3/17