とある聖槍の人理保存 作:ネシエル
フェイトは見た。
勝手に出てしまい暴走する聖遺物。
ネフィリムに腕を食われてしまった立花響をただ、
静かに観察していった。
その時に思った。
肉と骨を食い、聖遺物なら、いや、自身の餌になれるものなら生物でも無生物でも構わない。
いや、自身の餌になれるものなら生物でも無生物でも構わない
本能に従う兵器。
ネフィリム。
フェイトの手に焼く
制御できない無能の兵器。
これで、フロンティアを浮上さえすれば、
もう用済みになって処分したいのは本音。
・・・いや、正直言って今すぐ処分したい。
餌になる聖遺物はコストも高く。
戦闘力はすごいがサーヴァントほどではない。
英霊召喚と英霊の維持よりも変えの効かない聖遺物という最上位の餌を食うくせに
サーヴァントよりも弱く、おまけにたまには勝手に暴走する。
はっきりと言っていらない。
シンフォギアを食らったネフィリムはエネルギーを吸収し、
自己進化を引き起こす。
肉は巨大化し元の姿よりも禍々しくなり、
爪も強度が上がり。
フェイトはその進化を見守った。
保護的意味ではなく実験動物を見ている意味。
「いや、心臓さえあれば行けるじゃない?
行けるかも。」
「あ、ああああああ」
「何だ、あれは」
フェイトは響の悲鳴に目が行った。
自分の腕を食らったから痛みで叫んだ。
いや、違う。
響の全身から黒いモヤが出て、
それに響の体は包まれていく。
△▼△▼△
黒い何かに取り憑かれるようだった。
翼は知っている。
それを、見たことがある。
暴走。
暴走前に比べて驚異的な戦闘力を得る代わりに知性を失う。
危険な状態だ。
『そんな、暴走だと』
通信機から風鳴弦十郎が奇想天外な出来事に驚愕しだした声が耳に痛む。
耳に痛む。
「あれが、フィーネの研究レポートに書いてあった暴走か・・・
狂化スキルと同じく理性を失う代わりにステータスを上げる能力か?」
ネフィリムは喜んだ。
食らった獲物がさらなるエネルギーを持った魅力的な食べ物に見えるだろう。
響の腕のエネルギーを吸収したネフィリムは、
さらにパワーアップして元の姿よりも巨大化し、
響に襲いかかる。
「立花!!!逃げろ。」
響を救おうと、翼たちは急いで立花響を応戦しようとするが
「観客は静かにしてください」
後ろからネバネバした粘液を出すノイズと、
翼たちを閉じ込める光のガラスのような檻ができる。
「何だ、これは。き、気持ちわりー」
「光の檻。これも、ロンゴミアントの力か」
シンフォギアを纏ったクリスと翼でも用意に脱出できない牢屋。
目の前は光輝くガラスでできており、
隙間を使っての援助は不可能だ。
ここにいることは無力になり観客になること、
ネフィリムと響の戦いを見守る。
「ああああああああああ」
響の暴走化による恩恵は凄まじく断末魔を叫んだ。
それと連鎖するように、モヤは一瞬にして腕の形に固定された。
「エネルギーを腕の形に固定するか、面白い」
響は腕を生やし、万全な状態で戦闘を続行。
「はあ!!」
「ぐねぃ・・・」
シンフォギアと暴走。
両者の要素によって生まれた力は凄まじく、
足した力によって移動するスピードはネフィリムは反応できないほど。
「ああああああああ」
ネフィリムはボコボコにされ、地面にひれ伏す。
だか、それで負けるほどネフィリムは甘くない。
「あがあああああ」
口から光を放つ。
紫色に輝き、熱を放つ。
「GGGGGGGGGGG」
だか、その光は本物の光に比べて遅く、
響はネフィリムの口から放たれたビームを容易く回避する。
回避し、そのまま、駆け抜ける。
「がああああああああ」
少女は神速に駆け抜ける。
アームドギアを槍の形に変形し天より墜ちた巨人の頭に直撃した。
ネフィリムの頭は破壊され、増幅したエネルギーは制御を失い暴走。
そのまま、響も巻き込み大爆発した。
△▼△▼△
ミサイルが爆発したような騒音と鼓膜を壊されるほどの衝撃波を放った爆発は、
地面に巨大なクレーターを形成し、病院を完全に崩壊させ、
天井からは月から光が注がれた。
爆発の煙が上がり、鼻に染みる。
酷い匂いが病院に漂い、
翼とクリスはクレーターを見つめた。
響の無事を。
煙が晴れ
そこにいたのは・・・
「いやいや、
こんなに簡単にネフィリムを殺すなんてすごいね。」
響と無傷のフェイトだった。
△▼△▼△
「ありがとうよ。
こっちもこいつのエサ代の高さに悩まされてたからね。
おまけに言うことも聞かないし。
丁度、殺したいところだったんだ。
何、心臓さえあれば何も問題ないだろう。」
フェイトはロンゴミアントRを地面に刺し、
空いた左手にはネフィリムの心臓を握っていた。
それは心臓とは言い難く、
肉でできていなく素材も石に近い構造をしている。
「ううう」
だか、そんなものは関係ない。
今の立花響は己の暴走本能に従っているだけ。
「というが、聞いていないか。
つまらない・・・」
フェイトは心臓をソロモンの杖で召喚したノイズに持たせ、
刺さった槍を持ち上げ構えた。
それが合図のように、フェイトはジェット噴射で響に襲いかかる。
響は獣の如き四足歩行でフェイトに迎撃する。
超人的なスピードで迫りくる響の拳をフェイトは槍の一振りでいなし、
響のがら空きになった腹に強烈な蹴りを食い込ませた。
響は吹き飛び、空中に舞う。
響が吹き飛んでいるところをフェイトはジェット噴射で響の上空に飛び、
ジェット噴射で回転し、遠心力を加えた蹴りでコンクリートでできた頑丈な地面に叩き落としてダメージのせいで動けないようにする。
できた地面に叩き落としてダメージのせいで動けないようにする。
「もう、これで終わり?」
圧倒的だ。
技もスピードも力も桁違いだ。
シンフォギアを纏わない生身の状態でも、
幼い頃に訓練とシンフォギアの力を合わせた翼と互角に戦ったフェイトのシンフォギアを纏った今の力は、
戦ったフェイトはシンフォギアを纏った今の力は
暴走という強化を得た響に手も足も出させなかった。
「ううう」
これも、フェイト、
いや、ロンゴミアント自身が持つ圧倒的な戦闘データだった。
エクスカリバーに劣り、あまり使われなかったとは言え
主であるアルトリアはランサーの資格を持っているほどの一流の実力者だ。
ロンゴミアントはその姿を何度も見てきた。
動くことはできなかったとは言え、
武器に染みったアルトリアに使われた動きを再現することは呼吸と同じように簡単だった。
「はあ、もう飽きた。
暴走という物に興味はあったが、
この程度とはつまらん。
終わりにしよう。」
フェイトは両手にある二本に別れた槍のお互いの石突を合わせて
一つの輝き、ロンゴミアントLRとなり、今から猛威を振るう。
響は怯えて立とうとする。
今すぐここから離れなければと・・・
あれは危険だと本能でわかる。
「疑似礼装ロンゴミアント。
第一段階。限定解除。」
フェイトからの命令が発令した途端に
ロンゴミアントLRは槍は姿を変えた
どんどん小さくなり
ビー玉サイズになり強烈な光を放った。
途方もしない存在感。
そして、告げる。
『了解・・・疑似シンフォギア機能停止。
フォニックゲインの上昇率、規定値を突破。
第一段階、限定解除。宝具展開。』
フェイトがロンゴミアントに搭載した人工AIは主の命令に従順に従う。
それは、星の聖槍。
「最果てより光を放て……其は空を裂き、地を繋ぐ! 嵐の錨!」
世界の表と裏を縫い付ける針。
光は徐々に大きくなりフェイトの身長の数倍に及ぶ長さに変化。
変化はそれだけには留まらず、先端は尖り槍の形に変える。
槍の周りはウロコ状の光の粒が螺旋の円を描いて広がり幻想的な姿になる。
『フォニックゲイン急上昇。エネルギー規模絶唱を、
いや、デュランダルを超えています。』
「立花!!!」
「くそ、早く壊れやがれ。」
響が危険だとわかったクリスと翼は粘液を解くことに成功したが、
光の檻の強度はクリスたちが考えたよりも強固だった。
『デュランダルを超えているだと、馬鹿な。
シンフォギアは聖遺物の欠片から生まれてきた物。
例え、絶唱でもあれほどのエネルギーは生み出せないはずだ』
翼たちはぎりぎりのところで檻を破壊し、
「立花!!!逃げろ!!」
響に近つこうとするが、
もう間に合わない
「
嵐の王は高らかに手に持つ塔の真名を歌う。
光は空へと駆け巡り天高く登った。
幻想的な風景でも翼たちにとっては絶望だった。
直線上に居た響は裁きの光に飲み込まれた。