とある聖槍の人理保存 作:ネシエル
「何が起きた。」
風鳴司令は戸惑う。新型の次世代潜水艦に乗り、
二課の命を預ける総司令官に恥じる戸惑いの姿。
「不明です。観測結果では……」
驚愕することばかりであった。
響はフェイトのロンゴミニアトの攻撃の巻き込み消息不明になり。
クリスは首を絞め死にいたり。
翼に至っては槍で何度も死体蹴りをさせたことに怒りを爆発し、
飛び出さずにはいられなかった。
しかし、風鳴司令がいなくなれば現場の指揮系統が完全に麻痺してしまう。
故に耐えた。
拳を握り血が出ようとも、必死に耐え。
怒りを飲み込んだ。
その時だった。
フェイトの後ろに謎のフードを被った者がやってきて、
彼に攻撃し、槍で風穴を開けた。
一見、即死のように見えるが穴の周りの肉体が徐々に花弁に変換。
そして、気が付けば辺り一帯お花畑に変化し、
クリスと翼の遺体が消え失せた。
現在科学では理解できない現象。
どこかの異端技術なのか?
「やあ、こんにちは。」
風鳴司令は反射的に拳を振るった。
この人物は危険だと本能でわかった。
二課仮設本部のあらゆるセキュリティシステムを破り、
世界最強の男。風鳴弦十郎にも感付かず侵入した。
そして、わかったあれは人間ではない何がだと。
常人には認識できない速度、大人の拳と質量と組み合わせて絶大の破壊力を誇った拳、
だが、消して死に至るものではなく、重症しないように腹に目掛けて放った。
風鳴弦十郎の甘さであるが、喰らったら並大抵の者は戦闘不能になるだろう。
ガン!
世界最強の男の拳はフードを被った男の持つ杖でいとも簡単に止められた。
「突然お訪ねして、申し訳ございません。
私の名は花の魔術師。
以後お見知りおきを」
後ろに引いて、優雅にお辞儀をしながらご挨拶をする男。
周りは震撼した。
風鳴司令もとい風鳴弦十郎は生きとし生けるものの中で最強の男として恐れられ、
その身体能力は、
もし、ここで両者が戦ったら防御性能の高い次世代型潜水艦でもある。
この二課仮設本部の内部で戦ったら間違いなく潜水艦は間違いなく沈み、
スタッフ一行は全員お陀仏になるだろう。
間違いなくもちろん、フード男は脱出できるだろう。
機密性の高いこの潜水艦にいとも簡単に侵入することができるのだから、
脱出するときも未知の技術で容易くなり遂げるだろう。
『やはり、そこにいたのか花の魔術師。』
「「「!」」」
皆が風鳴司令とマーリンに気を取られている隙に潜水艦は何者かによってハッキングされた。
「馬鹿な、二課仮設本部の最新式潜水艦のセキュリティをいともたやすく破られただと!」
『当然だ。私に掛かればこんなガラクタ如きなど容易く操れる。』
「女神フェイト」
風鳴司令はフード男を無視し、
モニターに映る女を睨みつける。
『あら、怖い。
最近の男はこうも野蛮なんて。』
「野蛮だと。死体蹴りをした君がそんなことを言える権利はあるのか」
『それに、ついては悪かった。』
「ム!」
素直に謝罪したことに風鳴司令は動揺した。
『私も彼女の尊厳を傷つきたくはなかった。
殺しはやるけど死体蹴りをするなんで野蛮なことはしない。
そんなことすれば王に対して面目を保てない。』
王。
武装組織フィーネのボスのことは。
それとも、別の組織の者か?
風鳴司令は質問した。
「王。貴様らのボスか。」
『あ、違うフィーネのことではない。
マリアのことでもない。
私が尊敬し、敬愛し、純愛し、愛してるお方。』
フェイトは王のことを語り出し、
並々ならぬ思いを抱いている。
その姿はかつての同僚、櫻井了子に非常に似通っていた。
愛のためなら何でもする点。
狂気。
『さて、花の魔術師。
なぜ、貴様はここにいる。
私の知っている貴様ではないにしろ。
貴様の顔を見るだけで、虫唾が走る。
アヴァロンにさっさと引っ込んでろ。』
「いやいや、私も望んでここに居るわけでもないのよ。
だか、最近、面白いものを見たからね。
Fateというのね。あれが凄く面白かったのよ。
だから、原作者である君に一度会いたかったのだよ。
伝説の歌姫。タイプ・ムーン」
「タイプムーン。
まさか、伝説の歌姫。タイプムーンなのか。」
タイプムーン。
2年前に登場した。
謎の歌姫。
異例の大ヒットしたアニメFate/stay nightおよびfate/zeroの原作者かつ主題歌の作家
同時に有限会社ufotableの創設メンバーである。
ネット上で都市伝説になった彼女の正体は女神フェイト。
ちなみに、藤尭朔也はFateのファンでもありタイプムーンのファンである。
『その名で呼ぶな。
あくまで会社名。
星の分身たる極限の単独種の名を借りて申し訳ない気持ちだ。』
「そっか、君たちの世界は独特だね。」
『それを、言うならこの世界もだ。なんだ、このふざけた理論で起動する鎧。
魔術師たちに見せたら唖然して泡を吹くだろう。
まあいい、そんなことよりも貴様がいるとわかった時点で
あのお方も存在しているとわかった。
ところで二課諸君、私と取引しないか』