とある聖槍の人理保存    作:ネシエル

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第十話 提案

「提案だと?」

 

「そうだ。私と共に世界を救ってみないか。」

 

「断る!」

 

 提案してきたフェイトに対し、あっさりと断る風鳴司令。

 

「クリスや翼。

 さらに、小日向未来を攫った貴様に対し、

 例え、世界を救う術を持っても我々はあなたを信用することができない。」

 

 

 今まで、敵対関係だったものとはそう簡単に信用できるわけではない。

 ましてや、クリスと翼と響を殺し、

 無関係の小日向未来を誘拐したフェイトに対し、

 風鳴司令だけではなく二課全体がフェイトを信じることができない。

 

「何を勘違いをしている。

 風鳴弦十郎。」

 

 だか、違うとフェイトは言う。

 

「月は落下し、世界は滅ぶ。

 この危機にもし、このまま君(・)た(・)ち(・)は(・)私(・)た(・)ち(・)と(・)争(・)っ(・)て(・)も(・)、

 しなくても君たちには自滅の道以外はない。」

 

 フェイトは冷徹な視線で二課の職員を見つめていた。

 それは、未だ。

 自らの立場をわきまえていないことを意味する。

 

 「まだ、わからないのか。

 貴様らにはもう奏者はいない。

 私たちにも勝てない。

 そして、月の落下を止めることができない

 シンフォギア奏者もない貴様らにいったい何ができる。」

 

 フェイトは提案してきた。

 だか、それは互いに協力すること意味ではなく。

 

 服従だ。

 彼女が求めているのはそれだけだ。

 

 共にと言う意味は協力の意味ではなく。

 従うという意味。

 それを、風鳴弦十郎は痛感に感じ取れた。

 

「私(・)に(・)従(・)え(・)ば(・)、(・)必(・)ず(・)世(・)界(・)を(・)救(・)っ(・)て(・)見(・)せ(・)よ(・)う(・)。(・)

 これは、提案だ。

 君たちは私に従えば世界と君たちも救える。」

 

 事実だ。

 もう、奏者はいない。

 

 今の二課にはできることは限られている。

 でも、それでも……

 

「どうやって。」

 

「うん?」

 

「どうやって救うのだ。」

 

「風鳴司令!」

 

「待ってくれ。朔也くん。」

 

 信じるべきではないと忠告した朔也を風鳴司令は止めた。

 

「おや、興味を持ったのか。」

 

「違う。単純な疑問だ。」

 

「……」

 

「ここまで、騒ぎを起こし、

 小日向未来を攫った貴様らはどうやって世界を救う。

 どれだけの人が死ぬのだ?」

 

「勘が良いね。風鳴司令。

 小日向未来。

 リディアン音楽院高等部一年生。

 生年月日11月7日年齢16歳血液型A型身長156cmスリーサイズB79W54H82。

 そして、シンフォギア適正あり。」

 

 軽々しく、小日向未来の個人情報を吐き出し、

 その仮面の中の素顔を見せずとも薄笑いを感じ取れる。

 

「遥かな昔、

 この星に異なる天体より飛来してきた異星の私物。

 星空の海すら渡れる、神の方舟。

 我々はそれをフロンティアと呼ぶ。

 それを手にするのには鍵が必要だ。

 具体的なことは言えない。

 だか、小(・)日(・)向(・)未(・)来(・)は(・)必(・)ず(・)死(・)ぬ(・)。(・)」

 

「そんなこと。

 納得できるわけがない。」

 

「どうしてだ?」

 

「!」

 

「風鳴司令。

貴様には国を守る義務がある。

全ての人間を救うことができない。

君も分かっているでしょう。

誰かを助けるという事は誰かを助けないという事。

全てを救うことはできない。

世界を救うことは

あの小娘を救わないことだ。

わかるだろう。

全てを救えば全てを失うことにもなる。

全てを救うことができると言えるのは子供の頃だけだ。

いい大人は夢から去るべきだ。

そうでしょう、風鳴司令。」

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