2年微能力組!~微妙な能力で下克上!~   作:阿弥陀乃トンマージ

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第8話(3)面々

「……皆集まったようだね」

 

 放課後になり、四天王が校庭に顔を揃える。

 

「話し合いをするんだって?」

 

 白虎が首元を抑えながら尋ねる。青龍が頷く。

 

「そのように伺っております」

 

「なんの件でだ?」

 

「それはご存知のはずでしょう……」

 

 重ねて尋ねる白虎に青龍が淡々と答える。玄武が口を開く。

 

「まあまあ、ピースフルな話し合いをしようよ~♪」

 

「へっ、ピースフルね……」

 

「悪くない提案だと思うが?」

 

 玄武の言葉を鼻で笑う白虎を朱雀が睨む。白虎が笑みを浮かべる。

 

「そう言いながら、のっけからケンカ腰じゃねえか、井伊谷?」

 

「そんなつもりはないが」

 

「雰囲気で丸わかりなんだよ」

 

 白虎が朱雀の方に向き直り、睨み返す。玄武が頭を抱える。

 

「あ~あ~ちょっとちょっと、二人とも~」

 

「まあ、結局こうなりますよね……」

 

 青龍が呟く。

 

「青龍っちもそんなこと言わないでさ~」

 

「ですが玄武さん……」

 

「うん?」

 

「かえって分かりやすくて良いのでは?」

 

 青龍が両手を合わせ、指の骨をポキポキと鳴らす。白虎が笑う。

 

「おう、やる気満々じゃねえか、本郷」

 

「この際序列ははっきりさせておいた方が良いですから」

 

「ふむ……久々に白黒はっきりさせるのも良いかもしれんな」

 

 朱雀が顎をさすりながら呟く。玄武が戸惑う。

 

「ちょっと、井伊谷ちゃん~」

 

「笠井くん、やる気がないなら下がっていてくれ」

 

「おうよ、ケガしたくなかったらな……」

 

「……いやいや、舐めてもらっちゃあ困るよ?」

 

 朱雀と白虎の言葉に玄武の顔色が変わる。青龍が構える。

 

「それではいざ尋常に……」

 

 残りの三人も構える。

 

「「「「勝負! ……って言うか!」」」」

 

「⁉」

 

 四人がそれぞれある方向に殴りつける。四体に分身していた忍者が一体に戻る。

 

「ふん……」

 

 白虎が鼻の頭を擦る。

 

「まさか……気付いていたのか?」

 

 忍者が中性的な声で呟く。朱雀が頷く。

 

「ああ、僕たちを同士討ちさせようという君の魂胆にはね」

 

「存外鋭いな……」

 

 忍者が顎に手を当てて頷く。

 

「何のためにこんなことを?」

 

「答えるつもりはない」

 

 玄武の問いかけに忍者は首を振る。青龍が右腕を軽く振る。

 

「それならば……答える気にさせるまでです」

 

「……」

 

「はあっ!」

 

「!」

 

 青龍が勢いよく飛びかかると、忍者は後方に飛んでかわす。それと同時に忍者が拍手をすると、被っていたお面が鬼の面に変わる。そして大量の豆が飛び出し、青龍に当たる。

 

「くっ! こ、これは!」

 

「鬼の面、『怒りの豆鉄砲』!」

 

「ま、豆の量が多くて近寄れない……」

 

「本郷青龍殿、貴方は完璧に近い『スパダリ』……その質を凌駕するのは圧倒的な量!」

 

「むう……」

 

「情けねえな、本郷! アタシが行くぜ!」

 

「ふん!」

 

 白虎が飛びかかろうとするが、忍者はこれもかわし、それと同時に再び拍手する。被っていたお面がひょっとこの面に変わる。そして、面の口から炎が噴射される。

 

「なっ⁉」

 

「ひょっとこの面、『楽しみの焼鉄砲』!」

 

「ち、この炎の量じゃ、近寄れねえ……」

 

「扇原白虎殿、貴女の『煽り』に乗るのは危険……ならば先に燃やすまで!」

 

「ぬう……」

 

「扇原ちゃん、一本取られた感じかな~? 俺が行くよ!」

 

「はあ!」

 

 玄武が飛びかかるが、忍者はこれもかわして、同時に拍手する。被っていたお面が狐の面に変わる。そして、大量の水が飛び出し、玄武の体に当たる。

 

「うおっ⁉」

 

「狐の面、『哀しみの水鉄砲』!」

 

「こ、これは……涙?」

 

「笠井玄武殿、貴方の『パリピ』に調子を狂わせられてはマズい、女の涙で対抗する!」

 

「参ったね、それは強力な武器だ……」

 

「感心している場合か、笠井くん! こうなったら僕がいく!」

 

「せい!」

 

 朱雀が鋭く飛びかかるが、忍者はこれもあっさりかわし、それと同時に拍手する。被っていたお面がおかめの面に変わる。そして、折り紙から衝撃波が飛び出る。

 

「なっ⁉」

 

「おかめの面、『喜びの紙鉄砲』!」

 

「そ、そんなおもちゃで……」

 

「井伊谷朱雀殿、貴女の『垢バン』はとてもデジタル……ならばこちらはアナログで!」

 

「ぐ、ぐう……」

 

 四天王が後退を余儀なくされる。忍者が笑う。

 

「四天王、こんなものだったか……一気に決めさせてもらうとするか」

 

「待て!」

 

「‼ 貴様は……」

 

 そこに日光と照美、聡乃が駆け付ける。

 

「誰だか知らんが、好きにはさせんぞ!」

 

「何故ここに……? 職員室に呼び出されたはずでは?」

 

「聡乃から何やら企みが進んでいると聞いてな!」

 

「! まさか、あの時の女子トイレ……」

 

「す、すみません、井伊谷さんとの話、聞いちゃいました……」

 

 聡乃が申し訳なさそうに手を挙げる。

 

「ち、あそこまで存在感を消せるとは……さすがは陰キャ!」

 

「い、いやあ……」

 

「聡乃さん、褒めているわけではないと思うわよ」

 

 照れくさそうにする聡乃に、照美が突っ込む。日光が声を上げる。

 

「四天王が世話になったな、今度は俺が相手だ! 『宙二秒』!」

 

「! ……面白い」

 

 日光が一瞬で距離を詰めて体をぶつけると、忍者の面が外れ、紫がかったショートヘアーの整った容姿の女性が顔を出した。女性は笑みを浮かべ、日光の方に向き直る。日光が叫ぶ。

 

「照美! あいつは何者だ⁉」

 

「出席番号22番、八角花火(はっかくはなび)さんよ……」

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