現代人のお気楽極楽転生ライフ(修正版)   作:Amber bird

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新章第23話

謀略教皇VS謀略教祖!趣味と趣味の闘い・第23話

 

 

 銃士隊隊長アニエス・ド・シュヴァリエ・ミラン。

 

 ダングルテール出身で、彼女自身も新教徒の筈だ。ヴィットーリアとコルベールのお陰で生き延びた……23歳のレズなSだ。

 原作では復讐心に凝り固まっていたが、リッシュモンは既に腐敗貴族として処刑されたし、トリステイン魔法学院が襲撃されるイベントが無くなったから……

 コルベール先生との接点は無くなった。白炎のメンヌヴィルは、ラウラさんとして僕の家で働いてるから……

 

 僕が教えなければ、分からないだろう。そんな彼女だが、今は余り復讐心が無い様な気がします。

 

 

 

◇◇◇◇◇◇

 

 

 

「アンリエッタ姫!マザリーニ枢機卿が、次期教皇を名乗っているそうですが?

あの変態が美少女修道女達を聖歌隊に仕立て上げて、マザリーニ聖歌隊とか、ふざけた名前を付けたとか!今城下町は凄い噂になってます」

 

 アンリエッタ姫の執務室に飛び込んできたアニエスは、礼節もそこそこに質問責めにする。

 アンリエッタ姫は書類にサインする手を止めて、アニエス隊長を見る。

 鼻息荒く肩を上下にしながら、目を血走らせているアニエス隊長にドン引きだ!

 

「……アニエス隊長。ツアイツ様の事を悪く言う事は許しませんよ。

マザリーニ枢機卿は、今まで宰相の代わりを勤めてくれていましたが、ブリミル教の為に立ち上がりました。

現教皇ヴィットーリオは、201人の「男の娘」なる女装美少年達を聖歌隊として囲っているそうです。

対抗するには、此方も聖歌隊が必要ではないですか!」

 

 最近落ち着いてきたアンリエッタ姫に諭されて、少しだけ冷静になれた……

 

「すみませんでした、アンリエッタ姫。確かに理由は分かります。201人もの美少女を用立てる事が出来るのか……あの変態を見直さなければならないな」

 

 何やら逝ってしまった表情で、両手をワキワキと動かしている……その顔は恍惚として、少し涎が垂れている。

 アンリエッタ姫は、そんなアニエス隊長を放って置いて仕事に戻る。

 

 室内には妄想に浸る女隊長と、カリカリと言うペンの音が響いていた……

 

 10分後……「はっ?ツアイツめ、巧妙な罠を……」涎を手で拭いながら、妄想を完結させて正気に戻る。

 

 正気に戻ったアニエス隊長を確認してから、アンリエッタ姫は話の続きをする。

 

「トリステイン王国は、マザリーニ枢機卿を後押しします。新しき、新生ブリミル教の神殿をダングルテールに建設してます。

マザリーニ聖歌隊は、ツアイツ様がバックアップしてハルケギニア各地で活動しますよ」

 

 ダングルテールの名前に、思わず反応する!

 

「なっ!ダングルテールですか?何故、今更あの地で……」

 

 急に怖い顔になったアニエス隊長を訝しみながら

 

「私も昔の事なので詳細は知りませんが……ダングルテールでは、過去に疫病と偽り新教徒達を虐殺した事が有る……らしいのです。

故に、かの地に神殿を築き、過去の惨劇を繰り返さない様にするそうです。

彼らの魂の鎮魂の為だそうです……詳細はマザリーニ枢機卿か、ツアイツ様に聞いて下さい」

 

 目を伏せながら淡々と話すアンリエッタ姫。知らぬ事とは言え、自国でそんな悲劇が有った事が我慢出来ないのだろう……

 

「何故?奴が……新教徒狩りを知っているんだ……まさか関係して……る訳が無いな。

奴が生まれるか、生まれてないかの昔の話だ……今更……贖罪など……」

 

 頭の中がグルグルになったアニエス隊長は、アンリエッタ姫に一礼して退出する。忘れた訳ではない、ダングルテールの悲劇。

 

「お母さん、村の皆……ヴィットーリアさん……」

 

 あの惨劇の真相を奴とマザリーニ枢機卿が知っている?何故なんだ……

 

 

 

◇◇◇◇◇◇

 

 

 

 マザリーニ枢機卿は、精力的にトリステイン王国各地を廻っていた。

 

 演説の為に……澱み腐敗したブリミル教を本来の正しき在り方に戻す為に、各地のブリミル教の協会に赴いている。

 

 一寸前までは嫌われ者だった彼だ!

 

 しかし、とある理由からか教会の有る領主の元に演説の許可を貰いに行くと喜んで了承してくれた。しかも領主の館に滞在まで勧められる。

 勿論、同行する彼女達も含めてだ……マザリーニ聖歌隊。

 

 今迄に類を見ない大量の美少女聖歌隊だ!残念ながら、イザベラ達原作組程の突出した美少女は居ない……それなりの娘さん達だ。

 賛美歌も、お世辞にも上手とは言えない。しかし正しきブリミル教の布教の為に努力する、そんな前向きな彼女達は確かに輝いていた……

 

 先ずはマザリーニ枢機卿が演説をする。まぁまぁな評価だろう。

 

 皆それなりに聞き入り、質問等も投げ掛けている。マザリーニ枢機卿は、それらに丁寧に応えている。

 彼は自(?)他共に認める、漢の浪漫本ファンクラブ会員。しかも、美女・美少女の為にホモと戦っている漢だ!

 

 皆なが、マザリーニ枢機卿が次期教皇になるのを望んでいるのだ!

 

 マザリーニ枢機卿の演説の後は、いよいよマザリーニ聖歌隊の出番だ!

 

 賛美歌を歌い、現教皇ヴィットーリオがホモで有り彼女達を冷遇していた事を切々と訴えて廻った。

 見目麗しい美少女達を冷遇するホモ野郎ヴィットーリオの人気は、ストップ安まで行き着いてしまう。

 少なくとも、トリステイン王国内でヴィットーリオに味方する者は居ない。

 こうしてマザリーニ枢機卿(とマザリーニ聖歌隊)のトリステイン王内の演説会は、大成功の内に終わったのだった……

 

 

 

◇◇◇◇◇◇

 

 

 

 トリステイン国内での活動を終えて、久々に王都トリスタニアに帰ってきた。国内の足場固めは終わった。

 これからはトリステイン王国以外の国々を周り、最終的にはロマリアに侵攻する予定だ!

 

「大成功だな、マザリーニ枢機卿よ。良かったな!修道女大好きマザリーニ様は、各地で大絶賛だとか」

 

「全くだ!彼女達に、マザリーニ様とか呼ばれおって……貴様、何様のつもりだ?ああ?」

 

「美少女201人は絶景かな、絶景かな!全くツアイツ殿の考えには、何時も驚いてばかりだ……」

 

 トリステイン王国トップ3から、様々な世辞?を貰うマザリーニ枢機卿……彼は今、トリステイン国内で……いやハルケギニア全土で一番の有名人だ!

 

「好き勝手言ってくれるな……私は別にシスターが好きではないのだぞ!それを……」

 

 何やらブツブツと言い方始めた。更に痩せこけて、本当に鶏ガラみたいになっている……しかし、美少女201を侍らす彼には誰も同情してくれなかった。

 まぁ当たり前ですよね?

 

 

 

◇◇◇◇◇◇

 

 

 

 マザリーニ聖歌隊……ハルケギニア各地から、公演の依頼が殺到している。ガリア王国こそ依頼は無かった。

 現国王ジョゼフが、余りブリミル教を良く思っていないから……

 

 しかし次期国王のツアイツは協力的に動いているから、何の問題も無い!

 

 アルビオン王国と帝政ゲルマニアからは国のトップから申し込みが有った……この二国はマザリーニ枢機卿の唱える新生ブリミル教を望んでいる。

 

 新生ブリミル教の発足は秒読みだ!

 

 本家ロマリア以外の始祖の血を引く三王家と、帝政ゲルマニア・クルデンホルフ大公国が味方に付いたのだから……

 ブリミル教6000の歴史の中で、初の修道女大好き教皇が誕生するのは間違い無いだろう!

 

 


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