現代人のお気楽極楽転生ライフ(修正版)   作:Amber bird

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第27話から第29話

第27話

 

 色気は全く無かったリアルキャットファイトが見れた!が、内容はルイズの圧勝に終わった……

 気を失った姫様はルイズに担がせワルド殿の遍在を呼び追い出した後でもう流石に居ないだろうと思い窓の外を見る。

 

 まだ居ました……膝を着き両手を天に突き出した体勢で号泣するワルド殿が。

 

 どうしようか?あまりにも哀れだ……

 

 今日は色々疲れたがこのまま朝まで泣かせておく訳にもいかないし元気付けてやるか。

 僕は着替えるとワルド殿を誘って「魅惑の妖精亭」に向かった。

 

 

 

 魅惑の妖精亭

 

 

 

「あらいらっしゃいませツアイツ様、そろそろ閉店ですよ」

 

 ジェシカが小走りで近寄って来てくれる。この子の胸も揺れて凄いよなー!

 

「まだほかのお客さんは居るのかな?」

 

「ううん。もう最後のお客さんが帰ったのでそろそろ閉めようかと思ったの」

 

「本当かい?なら1時間くらい貸切にさせて欲しい。それとゴニョゴニョ……」

 

「まぁ珍しい。良いわ直ぐに集めるから待っていて下さいね」

 

「さぁさぁワルド殿、失恋にはお酒ですよ。ガンガン逝きましょう!」

 

「くっツアイツ先生……よし今夜は飲むぞ……しかし先生。この店は?」

 

「あら?素敵な髭のお兄さんね」

 

「出てくるな、化け物が!」

 

 魅惑のビスチェを纏った筋肉ムキムキの人外は拒絶する。

 

「さぁワルド殿飲みましょう、なにミスタバサも本気で嫌ってはいませんよ。

あの年頃の婦女子にありがちな潔癖症なだけです、まだまだ回復出来る失態でも何でもないですよ。

逆にあの本は男女の関係を感じさせる良い資料かもしれません」

 

「まだチャンスは有ると?」

 

「そうです、余裕です。もしかしたらこの次会う時は逆にワルド殿の事を男として意識してる可能性があります」

 

「ツアイツ様お待たせしました」

 

 ジェシカに連れられてきたのは「魅惑の妖精亭」のスレンダー美人部隊です。

 

「つつつツアイツ殿、彼女達は?」

 

「彼女達はこのお店で働いているレディ達です、さぁさぁワルド殿を元気付けた娘にはチップ20エキューなので頑張って!」

 

「キャーキャー凄いわ。始めましてーミーナでーす……」

 

 4人の年若いスレンダー美人に囲まれてワタワタしているワルド殿を見て微笑みながらワインを飲む。

 

「今夜はあの方を元気付ける為にいらしたんですか?」

 

 ジェシカが新しいワインボトルとグラスを2つ持って話しかけてきた、多分タルブ産のワインかな。

 

「うん、ちょっと哀れ過ぎたので。彼は少し女慣れしないとウブ過ぎるから……」

 

「女慣れって……ツアイツ様ってお幾つなんですか?とても十代の台詞ではないですよ」

 

「ん?そうだね、幾つにみえる?」

 

「質問を質問で返してはいけませんよ。そうですね……お父さんみたいな感じがします」

 

「ふふっそれで良いよ我が娘よ!もうもう一杯注いでおくれ」

 

 ワインを注いでもらいジェシカのグラスにもなみなみと注ぐ。

 

「あら?酔わせて襲うつもりですか?」

 

「今夜の貸切は1時間だろ。無理さ」

 

 本当はもう40歳になるんだけどさ……肉体は若くても精神は老成して行くのが自分でも分かる。

 この世界に転生し11歳からエーファ達と爛れた性活を送ったせいか極上の美少女を相手にしても冷静な部分が必ずあるんだ。

 昔の様な全てを包む高揚感がなくなったな。

 

 

 贅沢過ぎる悩み事だね全くさ!

 

 

 

◇◇◇◇◇◇

 

 

 

 シエスタは手紙で良くツアイツ様の事を書いてくれる……優しくお茶目で子供っぽいツアイツ様を。

 でもたまに見せるこのツアイツ様は知らないと思う。

 まるで年若い部下を励ます為に連れてくる老練な上司のような余裕、私の誘いをかわす冷静沈着さ。

 

 色んな酔客を見てきた私には分かる。

 

 ツアイツ様は私達みたいな酔客の相手をする女達を蔑んでない、いえ貴族様なのに誰に対しても対等に接してくれる。

 他の旨い事を言って寄って来る男達は大抵体が目当てのスケベばかり……どこかお金を積めば体を開くだろうと思っているのがわかる。

 

 ツアイツ様は違うわ……

 

 不思議と一緒に居ると楽しいの。 んー残念。シエスタちゃんに先を越されなければ本気でアタックしても良いと思うけど……

 彼女あれで結構嫉妬深いし黒化するし怒らすと怖いのよね。ソフィアちゃんが教えてくれたけど……

 

 タイヘンダッタラシイワ

 

「さてそろそろ帰るよ、学院に内緒できてるんだ。バレる前に戻らないと……ワルド殿?」

 

「あらあらこちらの貴族様はすっかり出来上がっているわね?どうします?馬車の手配をしますか?」

 

「うん。お願い……ワルド殿どうでした?誰が気に入りましたか?」

 

「ああツアイツ先生……こんな天使が沢山居るお店が有ったのですね。感動しました。だけどどの天使が一番などと…」

 

「はいはい皆さん気に入ったのですね、ではチップはこれで好きに別けて下さい」

 

 机の上に1個20エキュー相当のルビーを4つ置く、チップは宝石でも喜ばれる。女性なら特にそうだろう。

 

「ツアイツさまー馬車が捕まったわー」

 

「ではまた来るね」

 

 ジェシカにはエキュー金貨で飲み代を少し多めに払いながらワルド殿をレビテーションで運ぶ。

 

「約束ですよ。ビスチェウェイトレスVSメイド軍団の実現をお持ちしています」

 

 

 

 馬車の中にて

 

 

 

「ワルド殿楽しめましたか?」

 

「全くけしからんお店でしたな……若い女性が肌も露な服で接客など……いやしかし……いやいやけしからん」

 

「十分楽しんだみたいですね、たまには店に顔を出して下さいね。そのポケットの名刺を出せば今日の娘達を指名出来ますよ」

 

「ツアイツ先生、僕はタバサ殿にこの身を捧げた「はいはいキスマーク消して服を整えて下さい」……はい」

 

「しかしこんなに楽しい酒は久し振りでした……サムエル殿と呑み語り合った夜も楽しかったのですが……」

 

「綺麗な女の子のいる店で飲むもの良いでしょ?」

 

「そうですね……また行きましょう」

 

「ええ、それとたまにはグリフォン隊の隊員達も誘ってみたらどうですか?喜びますよ」

 

「部下達と……」

 

「そうです。部下との親睦を深めるのも大切でしょ?隊長殿……でもスマートな遊び方をして下さい」

 

「ふふ……そう言えば上を見るばかりで一度も部下とは飲んだ事が無かったな……復讐に全てを賭けるとこんな事も出来ないのですな」

 

 そうか……だからミスタバサもクラスには溶け込まないのかな?

 

「貴方を慕っている部下達ですよ、気遣いなさい。僕だって上に立つ者としてエーファ達には色々しています」

 

「ははは、まるで父上に諭されているみたいですよ。不思議なお方ですな……未だ15歳なのに」

 

「どうせジジ臭いですから」

 

 それから暫くは他愛無い話をした。

 ワルド殿は真性のロリコンである事が確認できたが今夜の彼女達も気に入ったと言う事は概ね12歳〜18歳が守備範囲か?

 しかしレイナール用の「はなまる幼稚園」にも喰いついていたし……やはりライトなペドかな?

 そうすると4歳〜いやいやいやそれは流石に無いだろう……

 

 ミスタバサ……

 

 どうするか?ここまで接触してハイサヨウナラ!では余りに可哀想だけど。

 彼女を幸せにするには母親を救わなければならない。

 

それにはエルフとの接触が必要か……ラグドリアン湖の精霊に聞くか……ティファニアの水の指輪か……

 

 なんだ、手段は色々有るぞ。

 

 この優秀だか変態なんだけど何だか分からないワルド殿をけしかければもしかしたらもしかするかも?

 

「ワルド殿、そろそろ学院に着きます。隠密に進入しましょう」

 

「それは大丈夫ですよ、今の時間は正面に僕の遍在と部下がいますので……近付いたら部下を下がらせます、そのまま中に入りましょう」

 

「流石は酔っていても隊長という事ですね」

 

 タバサ攻略の方法を幾つか考え出せたのでよしとするか、僕は手を出さないけどね。

 

 後は明日考えよう。

 

 上手くすればルイズ・キュルケ・モンモンと仲良くしてくれるかも……

 あっとその前に今日貰った女の子達の名刺とかは記憶して処分しておこう。

 浮気がバレるのを心配する夫みたいだけど結構大切だよこういうのって。

 

 

 

第28話

 

 

 おはようございます、ツアイツです。

 

 今朝のアルヴィーズの食堂は一寸した騒ぎになっています。なんといってもトリステイン王国の華……アンリエッタ姫が同席していますから。

 彼女はオールドオスマンと教師陣に囲まれた席で優雅に食事をとっています、流石に王族だけ有り見事な作法と笑顔です。

 昨夜の訪問の後でルイズとどの様な話になったかは分からないが取り敢えず写本は燃してしまったからルイズの知識頼みだ。

 僕も記憶してるが他国の貴族が並居るトリステイン貴族を飛び越えてアンリエッタ姫と何度も会見するのは宜しくない。

 

 特に僕はこの国で成功している嫌われ者、敵も味方も多いから。

 

 それに内容を隠さなければならないので余計に怪しまれる。

 ルイズなら国内きっての大貴族で幼少の頃からの遊び相手だし何の疑いもされないだろう。

 ただ原作と違いルイズは余りアンリエッタ姫に傾倒していないし扱いもぞんざいな感じがするんだが。

 このアンリエッタ姫もウェールズ皇太子狙いは変わらないが性格が少し違うし胸は微妙だ……

 だがあと1年あれば少しは大きくなって原作通りになるのかな?

 それとも微妙乳のお陰で原作と違う展開になるのか……

 

 まったくデカイかチッチャイかハッキリしてくれれば展開が読みやすいのに中途半端な乳め。

 

 でもウェールズ皇太子は巨乳派なのが分かったのは僥倖だ、モード大公はチッパイ派だよな。

 ティファニアは別として母親はスレンダーだったらしいし……まさか兄弟で巨と貧に分かれて争ってないよな?

 巨乳派のジェームズ一世がチッパイ派のモード大公をエルフ共々粛清した?

 

 ティファニアの存在は知られて無いだろう、もしバレていたら拉致るぐらいする。

 

 あの神胸だ!種族の違いなど関係ない。

 

 その辺を含めて早い時期に実家に行く必要が有るな、ティファニアの警備と防諜の強化……どれだけ父上に献上すれば対応してくれるか?

 

 そうだ!母上を巻き込もう。

 

 母上から父上にお願いしてもらえば確実のはずだ。

 

 幸い仲が良いと報告を受けているのでトリステインのしつこい貴族から守る為にウチで保護したが相手がまだ探しているからとか言えば問題はない。

 母上に援護してもらい新作を何冊か渡す……これで問題は無いだろう。

 残念ながら次期領主の僕では父上を飛び越して命令する権限が無いのが悔しい。

 同じ巨乳派だがアルビオンとは仲良く出来ないかも知れない。

 同じ乳を信奉する者としてもその為に血を流してはいけない……乳は平和的に世界を救うのだ!

 早速巨乳のマチルダさんにその辺の所を調べて貰おう。

 

 周りを見渡すとタバサが居ないな。

 

 多分、例の「TO HEART1・2巻」を持ってガリアに戻ったのだろう。

 

 ふふふっ……

 

 イザベラ王女があの18禁本を見たらどんな反応をするかが見物だなぁ。

 

「なんだいこの人形はこんなイヤラシイ本を目的の本だと言うのかい?」とか言葉攻めしそうだよね。

 

 うわっ!聞いてみてぇ。

 

 きっと真っ赤になって俯くタバサと真っ赤になりながらも攻めるイザベラかぁ……うん。

 創作意欲が湧き上がるネ!そしてあの本はイザベラからジョセフへ渡される。

 

 あの無表情・無感動王が……

 

「イザベラ、我が娘よ。父にこのような本を差し出してどうしろというのだ?」

 

 イザベラは……

 

「いえその本はあの人形が盗んできた物で……」とか言っちゃって?

 

 あれ?アレレ?ボクハスデニジョセフニメヲツケラレテイル?

 

 うわっヤベェ……どうする?このジョセフは原作通りの性格なのか?登場人物は皆微妙に変わっているが、変わり過ぎている人も居るが……

 

 タバサが戻ってきたらワルド殿を交えて3人で一度相談しよう。

 

「ツアイツーその料理はもう食べないの?」

 

 マリコルヌが涎を垂らしそうな顔で聞いてきた。

 

「ああ……食べるかい?」

 

 食欲が無くなったので残りの料理をマリコルヌの方に差し出す。

 

「なぁツアイツ?今朝はミスタバサが居ないな?」

 

 ヴィリエが聞いてきた、そういえばコイツはタバサに興味があるみたいだよな。

 

「本当だね。どうしたんだろう……ツアイツは知ってる?」

 

 レイナールまで聞いてくるとは!

 

「何故僕に聞くのかな?」

 

「「いや取り敢えずツアイツに聞いておけば何かわかるかと……」」

 

「いや……知らない?」

 

 本当は知り過ぎるほど知っていますが言えません。

 

「疑問系?そうだよねツアイツの好みの娘じゃないからね」

 

「お前達の好みなのか?」

 

「なっなにをいっているのだね……僕は同じ風の使い手としてライバルの動向がきになるだけだ!」

 

「ぼっ僕だって幼い女の子が欠席なんて何か有ったかが心配なだけで!」

 

 はっとお互いを見詰め合う2人……

 

「ヴィリエ?少しお話しようか」

 

「レイナール……眼鏡の替えは持っているかな?」

 

「2人ともアンリエッタ姫の御前だよ。抑えて抑えて……ほらワルド隊長も睨んで……ひっ!」

 

 ワルド殿は聞こえていたのかタバサをあからさまに気にするこの2人に対して殺気の篭った眼を向けている……何時でも殺せる位に。

 

「ほっほらワルド隊長も注意しているよ」

 

「「そうだね(な)気をつけます」」

 

 現役魔法衛士隊隊長の放つ本気の殺気に当てられてか騒がしかった食堂の雰囲気を大人しくなった。

 

「ワルド殿……生徒達の無礼は許してくだされ。なにトリステインの華を前に浮かれてしまっただけじゃよ」

 

「分かりました……」

 

「ヴィリエ、レイナール……食事が終ったら逃げろ。僕は助けられないから」

 

 男の嫉妬とはかくも凄まじいのか……それとも元々ワルド殿の持っていた狂気の表れか?

 僕はタバサには指一本触れない事を改めて心に誓った。

 

 あの殺気は訓練の時にうっかりカリン様の胸を触ってしまい「えっ胸?うそ?板?」などとほざいた時の眼に似ていた。

 

 自分の右腕が千切られたのは初めてだったあの夏の日の午後に……

 そして痛みでのたうち回る僕に中々治療をしてくれなかったエレオノール様の能面のような……

 

 久し振りにトラウマを思い出した朝だった。

 

 朝食後にアンリエッタ王女は学生全員に見送られて帰っていった。

 その時またワルド殿が僕に会釈した事で廻りがざわついたがもう気にしない。

 因みにヴィリエとレイナールは午後になって保健室に居る事が判明した。

 

 心配になりお見舞いに行った時に聞いたのだが……

 

 2人で決闘→殴り合いの喧嘩→若い青春の仲直り→遍在ワルド乱入そして一方的な殲滅&説教タイムだったらしい。

 ただ2人の情熱に負けて普段学院に居られないワルド殿の為にタバサを見守りいざとなったら身を挺して守る事で話が付いたらしい。

 親衛隊隊長と隊員1号2号の誕生の瞬間だった、ますますタバサには手を出さないと心に誓う。

 

 全くポッと出てきたら原作キャラを3人も虜にするなんて……タバサ恐ろしい子。

 

 ヴィリエとレイナールはロリコンでペドのチッパイ教徒。

 ギムリはお姉様大好き系巨乳愛好家。

 マリコルヌは女王様苛めて下さいのM男。

 僕は乳を愛する巨乳教の教祖!

 

 ギーシュ?ギーシュが一番マトモなのか?あーでもあいつケティだからなーロリコンか?

 

 いや全ての女性のうんたら薔薇だからみんな好き好きハーレム願望派か……うん。

 流石僕が選んだこのメンバーはバランスが取れているね!こいつらとならハルケギニアの風俗界で新風を巻き起こせる!

 ここに新モテナイーズ改めハルケギニア統一変態同盟……いやいやこれじゃ女性から怪しまれるな。

 何か格好良くて主旨の分かり易い名前を考えてみよう。

 

 

 

第29話

 

 ある日の長閑な午後に僕はオールドオスマンに学院長室まで来る様に言われた。

 約束の時間に尋ね今はオールドオスマンと向かい合って座っているが彼は眼を瞑り一言も喋らない……

 

「ツアイツ様……紅茶です、どうぞ」

 

「カーッ!それじゃミスタツアイツ!どうしてミスロングビルは君に対して敬語でワシにはぞんざいな対応なのじゃ?」

 

「……さぁ?」

 

「何故ワシにはお茶が無く君には来客用の紅茶が出とるのじゃ?」

 

「何故でしょう?」

 

「何故立ち位置がワシではなく君の後ろに控えているのじゃ?」

 

「どうしてでしょう?」

 

「何故彼女は長期休暇をするのじゃ?」

 

「実家に帰ると聞いていますが?」

 

「学院長すいません、お暇を頂きたいと思います」

 

「何故彼女はワシの秘書を辞めるのじゃ?」

 

「ここより条件の良い職場に転職しようと思いまして」

 

「何故今日のミスロングビルは黒の下着なのじゃ?」

 

「いえツアイツ様にセクシーさで迫って……このエロジジイまた覗いたな!」

 

「学院長……何故僕は呼ばれたのですか?」

 

「ツアイツ様暫くお待ちを……今このエロジジイをブッ飛ばしますので!」

 

 ロングビルさんが凄い笑顔でストンピングしている……学院長は恍惚として……カオスだ!

 ロングビルさんは確実にSの女王様で学院長は老いたM爺か……

 帰りたい。3分程SMプレイをしてから2人は息と衣装を整え何事も無いように元の位置に戻った。

 

「息が合ってますね、良くプレイなさるので?」

 

「そうじゃ!一日に一度は踏んで……カーッ!そんな事はどうでも良いのじゃ!」

 

「ミスルイズにアカデミーから召喚状が来ておる。

差出人はエレオノール・アルベルティーヌ・ル・ブラン・ド・ラ・ブロワ・ド・ラ・ヴァリエールでアンリエッタ王女の直筆の署名が添えられている。

そしてミスタツアイツにも同行して欲しいと……何をしたのじゃ?」

 

「その召喚状には他に何か書かれていますか?」

 

「断る事も可能じゃ断るとお主の立場が微妙になるぞ」

 

「僕は全く気にしないけど……トリステイン王国に義理も借りも無いから」

 

「見も蓋も無い奴じゃな……確かにゲルマニアの有力貴族のお前さんをどうこうする力は今のトリステインにはないな……

だから断るならこれを渡してくれと同送されているのじゃが」

 

「手紙?この封印はエレオノール様の紋章……」

 

「失礼します……」

 

 丁寧に封印をとき手紙を読む、後ろからさり気無くロングビルさんが覗いていますが。

 

 

 ツアイツ殿

 

 昔貴方がウチのメイド達を豊胸化した情報をアンリエッタ姫が掴んでいます。

 先日の学院訪問時にルイズに直接確認した念の入れようです、どうにも妖しい雰囲気で私に豊胸の研究を押し付けてきます。

 お願いですが実際に私に断る事は出来ません。

 

 しかし他国の研究成果など。

 

 アンリエッタ姫自身は豊かな胸を持っているのに何故いまさら豊胸化の手段を調べさせるのが疑問なのです。

 せめて王宮でなくアカデミーの方に呼ぶ様にお願いしました、こちらなら私の影響下なので無体な事は出来ない筈です。

 私からもお願いします、一度こちらに顔を出して下さい。

 

 

 

 ……アンリエッタ姫は焦っているのか?貴女の立場で召喚など他の貴族から色々詮索されてしまうのに。

 その偽乳の秘密がバレる事は考えなかったのですか?馬鹿なのですか?

 

 それとも他に思惑が有るのか……

 

 他の貴族に入れ知恵でもされている可能性は?これは最悪の自体を想定しておこう。

 もし何か難癖をつけられでもすれば屋敷の皆にも迷惑が掛かるし……

 

「学院長、ミスルイズを呼んで下さい。事情を説明しこれからアカデミーに向かいます」

 

「ロングビルさんは魔法衛士隊隊長のワルド殿に連絡しアンリエッタ王女と取り巻きの貴族の動向を探らせて。

それと屋敷の方にも警戒レベルを上げる様に連絡……実家とヴァリエール公爵とツェルプストー辺境伯にも同様の連絡を。

終わりしだいキュルケとソフィアを連れて屋敷に向かって待機」

 

「はい、直ちに手配します。アカデミーに私は同行しなくて宜しいので?」

 

「うん。屋敷の方を防衛して欲しいんだ。最悪屋敷は爆破・放棄しても構わない」

 

「ではその様に……」

 

 一礼して退室するロングビルさん。

 

「あの……ワシの秘書なのじゃが……それに戦争じゃないのだし少し大げさじゃないかのぅ?」

 

「他国の貴族を王女が名指しで召喚するなら此方も最悪の事態を想定しますよ。

特にアンリエッタ王女は(胸も)立場が微妙なお方ですし本人にその気が無くても周りの王宮付貴族がどう出るかなど分からないでしょう?」

 

「何も無ければそれで良し。有れば其れなりの対応をするだけです」

 

「失礼します。学院長」

 

 緊張気味のルイズが部屋に入ってくる。

 

「ツアイツどうしたの?」

 

 不安そうに近付いてくる。

 

「ルイズ……僕らをアンリエッタ王女が名指しで呼び出した。エレオノール様のお陰で王宮でなくアカデミーにだが……これから向かうよ」

 

「あの……ワシが説明しなくても良いのかのぅ?」

 

「結構です、ならば同行しますか?」

 

 

 

◇◇◇◇◇◇

 

 

 

 こやつなんなの?ワシの秘書がなんで平然としてお主を主人として扱っているの?しかも完全に戦闘態勢になっているし……

 理由はどうあれ秘密裏にしたとしても他国の貴族を呼び出すなんて愚行をあの白パンツはやりおって……どうなるかなど分かり切っているじゃろうに。

 

 しかし2人は学院の……ワシの生徒じゃ、ワシが出張らんでどうする。わしも頑張るぞ!

 

「モチのロンじゃ。ワシが行かずに誰がお主ら学院の生徒を守るのじゃ!」

 

「なにあの白パンツなどワシに掛かればちょろいわ?」

 

「「白パンツ?また覗いたのですか?」」

 

「カーッ!グズグズするな出発じゃ!」

 

 

 

 馬車の中

 

 

 

 アカデミーに向かう、ルイズは隣に座り頭を僕の肩に預けている。不安なのだろう。

 向かいには羨ましそうに指を咥えて見ているオールドオスマン……

 右足の下にはルイズのスカートの中を潜り込んで覗こうとしたモートソグニル?

 

 全くあの微妙な姫様は何を考えているんだ。

 

 巨乳化を焦る気持ちは分かるが元々僕の研究を自国のアカデミーで研究させる時点でウチの技術を盗んだと判断されても言い訳出来ないんだよ。

 馬鹿な貴族が嗅ぎ付けて騒ぎ出す前に納めたいんだが……それはワルド殿任せになってしまうか。

 

 ルイズは?寝てる?寝てるよこの子……無邪気だねぇ。

 

 僕がスレまくってしまったのかな?

 

 

 

◇◇◇◇◇◇

 

 

 

 全くミスエレオノールも心配性ですね。

 

 私の豊胸化にはこのトリステインの未来とウェールズ様との薔薇色の結婚生活がかかってるの!

 なんとしても国益の為にも成功させなければならない国家プロジェクトなのよ。 それに一寸呼んでお話するだけじゃない?

 私が頻繁に学院に行けないなら呼べば良いのよ、私は王女なんですからね。

 

 其処の所を良くルイズに理解させないと!

 

 あのときの哀れみの目とこの私を男子寮まで侵入させて無駄足だった事の恨みは忘れてないのよ。

 

「アンリエッタ姫、ただいまオールドオスマン様及びルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール様とツアイツ・フォン・ハーナウ様がいらっしゃいました」

 

「分かりました。お通しして下さい」

 

 ふふふっ!これからマジカルトリステインプリンセスアンリエッタ様の躍進の始まりよー!

 

 

 

 

 


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