現代人のお気楽極楽転生ライフ(修正版)   作:Amber bird

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第4話から第6話

第4話

 

 正直内政チートなんて無理でした。

 

 おはようございます、ツアイツです。

 

 残念ながら今朝は幸せなぱぷぱぷ状態ではありませんが、一応気持ちよく目覚めて朝の挨拶をします。

 

「お早う御座います若様、朝です。起きて下さい」

 

 凛々しいお声で起こしてくれる格好いい系のお姉さん。

 このルーツイア嬢は軍人系の没落貴族の三女であり、去年父上が引き取って僕の護衛兼メイド兼警備の仕事も手伝っている有能な娘さんです。

 没落の理由は教えてもらってませんし聞いていません、金髪を肩上でショートに切り揃えた髪型に鋭い碧眼の持ち主です。

 

 戦闘力はD89……

 

 くっなんて破壊力。我が陣営の最大戦力だ!

 引き取られた時点で既に火のラインで有り、もう直ぐトライアングルになれそうだと言ってました。

 彼女の場合は添い寝と言っても警備を意識しているのか、ベットの脇に椅子を持って来て座り僕が眠るまでは手を繋いでくれるだけです。

 我が家にきた時点で既にご立派な双子山だった為に、父上のお手は付いてないみたいです。

 

 没落してからウチに来る迄に随分苦労したのか、男性不信気味な感じがします。

 多分、妾にとか愛人とかの話が多かったので男を信じられないのかも知れません。

 我が父上はロリコン・チッパイ派なので彼女の様な美人でも巨乳には興味が無いので、交渉に応じたのかな?

 

 その点で言えば、父上と趣味の住み分けが出来たのは素晴らしい、ブリミル様、ありがとうございます。

 さて今日は今後の方針を考えようと思います。カモフラージュで積木をしながら、先ずは自分の置かれている現状を考える。

 

 

 魔法について

 

 やっと修行が始まったばかりで系統呪文はまだ教えて貰えず、専らコモンマジックの練習ばかり。

 しかし年齢を考えれば仕方ないだろう、先ずは魔法の制御に慣れる事。

 

 原作組が15歳前後でトライアングル、その他とモブがドットから精々ラインだから原作組に合わせる様に遅くても15歳迄にはトライアングルになる様に頑張ろう。

 才能は有れども努力が必要だからなぁ……じっくり取り組もう。

 

 

 内政干渉について

 

 現状では殆ど領地経営に参加する事は無理です。ちょっと大人びてきたとは言えまだ5歳だし、今は何を言っても取り合ってはくれないよね普通。

 一般的な貴族は12歳前後で少しずつ参加していくみたい、そしてうちの領地の状態とか経営状況とかまるで分かりません。

 今後の方針としては、これらの事を調べる事から始めなくては……こっそり父上の執務室に潜り込もうか?

 

 

 原作組について

 

 原作開始10年前だけと、現状で原作のストーリーに介入できる事は何も無いな。

 ガリアの粛清とかマチルダやティファニアやアニエスの事など介入自体無理です。

 精々が手紙とかで危機を知らせる位だけど、そんな怪しい手紙なんてそもそも信じないだろうし送ったのが自分だとばれたら大問題だ。

 無理無理そっとしておこう。なにサイト達が活躍して解決してくれるさ。

 

 OH他人任せ!

 

 タルブのゼロ戦はどうしようか。近代のメカニズムの塊だから先に確保して調べつくし、原作で必要な時にさり気なく返せば良いかな?

 幸いゲルマニアだから技術を転用して生かせる職人も探せば居るだろうし、居なくても育てれば我がハーナウ家の為になりそうだし。

 実は原作女性陣のなかではシエスタが一番好きなので早めに会って出来れば我が家のメイドに迎えたい。

 ルイズやタバサはチッパイだし、そもそも背後関係がキナ臭すぎるから遠慮したいしキュルケは巨乳だけどコッパゲとくっ付くし、お淑やかが好みだから除外。

 ティファニアは引っこ抜くとサイトの回復役が居なくなるし、マチルダ辺りが五月蝿いだろうな。

 好みで言えばアンリエッタ姫だが他国の姫君にアタックなどしたらゲルマニア皇帝から何を言われるか。

 確か3世ってこの時期、政略結婚でアンリエッタ姫狙ってたよね。

 モンモンやケティとかも可愛いけど接点は無いし、魔法学園に入学してからの話かな。

 

 

 今後の方針についてまとめ

 

 考えない様にしてたげどこれらの事の他に、最も優先しなければならない事が有るのです。

 

 そう!

 

 それは……ハルケギニア語の読み書きです。

 

 あの神様っぽい何かの温情?で会話には不自由せずに転生できたけど、読み書きは殆ど分かりません。

 5歳児って現代なら幼稚園に通ってる頃ですよね。

 流石に29歳の精神と記憶を持っているとは言え、精々が自分の名前とアルファベット?を覚えている最中です。

 

 やべー!これじゃ調べるとかいっても書類読めないじゃん。

 

 今後の方針は読み書きの勉強と魔法の勉強を頑張る、以上!

 

 

 何とも他のSSの転生や憑依の主人公達と比べると、普通の貴族の子供してるんだろう。

 これじゃ下手に原作に介入すると死亡フラグが満載になっちゃうんじゃないのかな?

 

 

 

◇◇◇◇◇◇

 

 

 

 

 このハーナウ家に仕えるようになり、そろそろ一年が過ぎようとしている。

 我が家が没落する前はそれなりに他家のパーティなどにも参加し、自慢ではないがそれなりに美人だとの自負も有った。

 両親も政略結婚先に売り込む為に、パーティに連れ回したのだろう。

 

 しかし父が汚職で捕まり死罪となり、母はそのショックで後を追うように病死。

 二人の姉は離縁こそされなかったが、嫁ぎ先で肩身の狭い思いをしているだろうから妹とはいえそこに頼る事は出来なかった。

 今まで政略結婚先にと思っていた貴族達は、お悔やみを言いつつ掌を返す様に自分の妾や愛人になれと言ってきた。

 どちらにしてもこの先女性が一人で生きていくには厳しい情勢だし、火のラインメイジとは言え今まで貴族の令嬢として育てられた自分が傭兵などに、なれるものでもないだろう。

 

 何人かの父の知り合いの貴族に働きたいと相談に行っても、話の途中からやはり妾や愛人の誘いばかり。

 そんな中でサムエル様だけが私を他の薄汚い貴族と違い、イヤラシイ目で見ずに真面目に相談に乗ってくれて。

 ならば我が家で息子の護衛と面倒を見てくれ、とおっしゃりその日の内にハーナウ家に招いてくれた。

 私は彼に仄かな思いをよせ、思い切って気持ちを伝えてみた。しかし最悪な言葉でこの気持ちを踏みにじられた。

 

 彼曰く「すまないがデカい胸の女性にはそういう気持ちを持てない……と」

 

 彼は幼女趣味であり、年齢的にはオッケーだが胸が趣味じゃないとかなんとか。

 私は彼を途中から薄汚い物を見る様な目をして見詰め、無言で彼の前から立ち去った。

 そんな失恋の原因であるこの胸を若様は大層気に入ってくれたみたいで、良く胸の谷間に抱きついてきては輝く笑顔で私を癒してくれる。

 

 しかし添い寝は警備上の問題でする訳には行かない。若様の寂しそうな目を見ると胸が締め付けられる。

 今度、非番の日にでもナディーネが手配した添い寝専用下着を着て若様にサービスして差し上げようか。

 

 

第5話

 

 ついに原作キャラと会ってしまった。

 

 おはようございます、ツアイツです。

 

 色々あり8歳になりました、今朝の添い寝担当はナディーネです。この3年で双子山も更なる進化をしています。

 

 恋人宣言の一件以来積極的に、ぱぷぱふしてくれるので幸せ絶頂!

 

 気持ちよく目覚めて朝の挨拶をします。しかしマイサンは相変わらず沈黙の艦隊状態……セガール何とかしてくれ。

 

「お早う御座います若様、朝です。起きて下さい」

 

 ギュっと抱きしめながらおはようの挨拶をしてくれますが、しっかり胸の谷間に挟まれてますので喋れません。

 モゴモゴと喋ると、双子山をかぷかぷしてしまった。

 

「あん。若様朝から激しいです」

 

 真っ赤になりながらナディーネが可愛らしく叱ってくる。

 

「すまない。でもナディーネが放してくれないのがいけないんだよ」

 

 いやらしくない子供らしい純真な笑顔で文句を言ってみた。

 

「では続きは次の添い寝の時に。洗顔と着替えの用意をしてきますね」

 

 最近少し距離が近づいたのか、昔のような敬語でなく少しだけ砕けた口調で話してくれるようになった。

 続きって次の添い寝の時が楽しみた。一体どんな双子山マジックをシテクレルノカ。

 今の表情をみたらナディーネ達も、もしかしたら添い寝を辞めてしまうかも知れないくらい変態ちっくな表情でひとりニタニタして独り言を呟いていた。

 

 記憶が戻ってから3年。

 

 既に魔法はコモンを粗方習得し系統魔法の練習に入っている。なんと最初に発動できた魔法は……水でした。

 

 アレ素養ハ土ノホウガ高インデスヨネ?

 

 これには母上が大喜びし、空き時間には自ら自分の膝の上に僕を乗せて水魔法について講釈してくれた。

 血が繋がっているとはいえ母親という実感は薄いのだが、何といっても美人だし若いし良い匂いだし僕はこの幸せな時間を満喫し、リッテン先生と母上とのダブル授業で気づいたら水のラインになってしまっていた。

 これを見た父上は膝を付いて悔しがり何故なら曽祖父は魔法が使えず政略結婚した曾祖母が土のドット。

 生まれた祖父は土のラインで、父上自身は土のトライアングルであるから僕には土でスクエアを期待したんだろうな。

 

 すいません素養は有るはずなんですが、修行環境がアレだったものですから。

 

 これを切欠にか記憶が戻った当初はボロを出すのが怖くて両親との会話には気を使い少し他人行儀と所も有ったが、それが無くなり打ち解けていった。

 勿論、母上とだけで父上とはそれなりですけどね!その時は軽く考えていました。

 

 8歳児が魔法の習得を始めて3年足らずでラインメイジになる意味を。

 

 トリスティン貴族程は酷くは無いが、見栄っ張りな貴族がこんな自慢できる話題を放っておくなんてことはないよね。

 そして他所で我が子の事を自慢しまくった父上のせいで本日、キュルケの実家にご招待されました。現在は両親と移動中の馬車の中です。

 父上曰く、ツェルプストー辺境伯は我がハーナウ家の曽祖父の代からの大得意様だそうで、今では家族ぐるみの付き合いで宮廷の事なども良く教えてくれる友人だそうです。

 互いの領地も接していて聞けばチッパイ・ツンデレのルイズのご実家との小競り合いにも応援で、何度も兵を差し向けた程の仲良しさんダッタノダー。

 

 地味に家族が死亡フラグを作ってました。

 

 これはトリスティンに留学したらルイズから逆恨みされるのでは?下手したらキュルケの子分扱い?あーもー既に、原作介入する気持ちがなーくーなーるー。

 などと考えているとどうやら、ツェルプストー家の門を潜ったみたいです。馬車で半日って大した距離が離れているわけではないのね。

 

 感覚でいうと30km位かな。

 

 初めて会う原作キャラのキュルケちゃん8歳は、赤髪褐色の肌のロリロリ元気っ娘でした。まだ幼女だしマナイターですね。

 何故か父上がキュルケちゃんを見詰める目が怪しく輝いています。こいつまさかロリコンを突き抜けてペドに進化しつつあるのか?

 

 彼女も何となく居心地が悪そうな……

 

「ご無沙汰しておりますツェルプストー辺境伯さま。

そして始めまして美しいフロイライン。ツアイツ・フォン・ハーナウ です。以後お見知りおきを」

 

 跪き彼女の手を取りキスをする。両家の親たちは「おやおや」とか「まあまあ」とか微笑ましい物を見るような概ね好意的で感触だった。

 だが、当のキュルケちゃんは真っ赤になって聞こえないほどの小さな声で挨拶をしてくれた。

 

「はじめまして……よろしく……」

 

 呟く様に言って俯いてしまった。

 

 アレ?恋愛ヲ楽シムツェルプストーノ一族デスヨネ?微熱チャンデスヨネ?コノ反応ハオカシクナイ?

 

「どうやらツアイツ殿は、ツェルプストーの一族の気質を持っているみたいだね。将来女泣かせになりそうだよ」

 

 ツェルプストー辺境伯がニヤニヤしながら話しかけてきた。

 

「いやいや既に専属メイドに恋人宣言しているのだよ。流石はハーナウ家の次期当主だろう」

 

 父上もニヤニヤしながら爆弾を投下してきた。このペド、いらん事を言いやがって!

 

「ツアイツ?帰ったら少しO・HA・NA・SHIしましょうね」

 

 母上それ違う物語です。

 

「キュルケその程度で取り乱すとは、ツェルプストーの一族の女として失格ですよ。折角ですからその小さなジェントルメンを案内して差し上げなさい」

 

 ツェルプストー夫人がにこやかにしかし笑ってない目で(手を出したら分かってるんだろうなテメー的な)二人を見ながら 声を掛けてきた。

 これ以上此処にいては僕の精神が持たない。

 

「ではお言葉に甘え、キュルケ嬢に案内をして貰います」

 

 僕はキュルケの手を取ると右手と右足が同時に出る歩き方で庭園の方に歩いて行った。

 暫く歩いてから名残惜しいがキュルケちゃんのプクプクで温かい手を離す。

 

「ごめんね。怒られちゃったね」

 

 笑顔を添えて謝罪した、彼女は父上の友人とはいえ上位貴族の令嬢だから粗相は良くない。

 

「ううん。お母様は厳しいけどあれは怒ってないわ。

逆にツアイツを気に入ったみたい。気に入らない相手なら私をエスコートさせないもの」

 

 これは何フラグだろう?

 

 この原作からは想像出来ない将来巨乳になるのが確実な、キュルケちゃんを僕好みに光源氏計画を発動しろって事ですねブリミル様!

 なんて調子こいてましたが母親ズの事を考えると、恐ろしくなり保留しました。二人で池の側のベンチにすわり、取り止めの無い話をする。

 

「そう言えばちゃんとした自己紹介がまだだったね。僕はツアイツ・フォン・ハーナウ。ツアイツと呼んでね」

 

「私はキュルケ・フォン・ツェルプストー。キュルケでいいわ」と花の様な笑顔で言ってくれました。

 

 流石は原作レギュラーキャラ!幼くてもオーラみたいなものが有るね。

 

「ツアイツはもう魔法使えるの?私はまだコモンマジックしか教えて貰ってないの」

 

「僕もまだ早いって言われたけど我が侭言って5歳から教えてもらっている。属性は水だよ」

 

「凄いのね同い年なのにもう系統魔法を使えるなんて。ねぇなにか魔法を見せて」

 

 キラキラした目でお願いされては、断るなんで出来ないよね。では母上にも見せていないオリジナルの水魔法をお見せしよう。

 

 僕のオリジナル魔法……なんて事は無い。

 ただ水面も舞台に見立て水で出来た等身大人形(ゴーレム)の寸劇。

 

 タイトルはロミオとジュリエット!

 

 まんまパクリだが、シェークスピア自身もギリシャ神話の「桑の木」を元ネタにしてるしオマージュって事で。ストーリーはハルケギニア風にアレンジしてみた。

 要約すればツェルプストー家の縁の若者が、恋をした女性は政略結婚ヴァリエール家に嫁ぐ様に言われ悩んでいた。

 気晴らしに街へ出た彼女は偶然(勿論彼がストーカー的に偶然を装った)彼に出会いたちまち恋に落ちる。

 何度も密会をすれば、用心してても何れはバレてしまう。怒った両親はヴァリエール家との婚姻を強引に進めてしまう。

 

 彼は危険を顧みず深夜に彼女の実家に忍び込み……

 

 あの有名なベランダ越しの名台詞のシーンですね。

 

「ねぇ○○○○…貴方はどうして○○○○なの」

 

 ベランダまでフライで飛び上がり臭い口説き文句を羅列する。

 

「君の為なら家名を捨てよう。僕は○○○○それ以外の名前は要らない」と。

 

 二人は駆け落ちし良心的なブリミル教の司祭の元で二人だけの結婚式を行い、ひっそりと暮らし始めるが失踪した事を心配に捜索していた家人達に見つかり、ささやかな幸せの時は引き裂かれてしまう。

 彼女は家に軟禁され強引に結婚をさせられそうになるが、心配した乳兄弟から水の秘薬により仮死状態となり結婚式を中止させその後、乳兄弟の手引きにより脱出し彼の元に向かうと言う計画を実行する。

 

 ここで大切なのは、相手側と連携をしなければならないのだが彼も実家で軟禁されている身。

 そんなに簡単には連絡が取れず、託した手紙も家人に見つかり読まずに捨てられてしまう。

 結果、彼は偽装を知らされず本当に彼女が結婚を苦に自殺したと思い込んでしまう。

 強引に軟禁から脱出した彼はブリミル神殿に安置されている彼女の棺に跪き、最後の別れの口付をして服毒死しようとするが、水の秘薬の効果が切れて目覚めた彼女から真実を聞き抱き合ってハッピーエンド。

 ラストだけ変更したストーリーにした。

 

 僕はゴーレムを操り一人二役で声優もこなしていく。

 最初は物珍しくみていたキュルケちゃんだが、段々に 馴れてきたのか次第に劇にのめり込んでいきベランダ越しのシーンでは自ら彼女役の声優をこなしてしまう。

 

 流石は将来の微熱。しかし良く台詞分かったな。ハルケギニアにも似たような物語が有るのかもしれないね。

 そして劇は盛り上がり最後のシーンでは、感激したキュルケちゃんが抱きついてきた。

 

「凄い。こんなお話、見た事も聞いた事もないわ」

 

 突然でビックリしたが軽く抱き返してから、すっと離れ舞台役者の様に恭しくお辞儀をした。パチパチパチパチと突然の拍手?

 振り向けばツェルプストー夫妻と両親とメイド達がずらりと並んでいた。

 

 母上が物凄い勢いで駆け寄ってきて僕を抱き上げる、儚いイメージが崩れました。

 

「ツアイツにこんな才能が有るなんて聞いてなかったわよ」

 

 キラキラと少女の様に輝いた目で話しかけてきた、深窓の令嬢だった母上はこういう話大好きだったなー。

 

「おやおや初対面のレディに抱き付かせるとはどんなマジックなんだい」

 

 幼女大好きの父上からは嫉妬の籠った目でからかわれる始末。

 

 ツェルプストー夫妻からは宿敵ヴァリエール家に脚本を作って送りたい等と物騒な話が……ボクハキコエナイ!

 

 この時は何も心配してなかった。

 魔法の技術としてはゴーレム操作だけだし、池にある水を使ったから練金もしていないし技術的には十分他のラインメイジでも可能な範囲に収めたはずだ。

 もっとも普通のメイジはゴーレムで劇なんかしないだろうから比べるのもアレだが。

 唯でさえラインになった事を吹聴されたのに、親馬鹿夫婦二組の前では見せちゃいけない事だったのだ。

 そして僕とキュルケちゃんの知らない間に次の公演の日程が決まっていった。

 

 

第6話

 

 

 我が息子の才能について

 

 おはよう、ハーナウ家現当主サムエルだ。今朝は寂しく独り寝をしておる。

 最近妻が息子に掛かりっきりで少し寂しい限りだ。

 何人かいたお気に入りメイド達も、息子の進める牛乳と腕を組んで左右に振る何とか体操?のせいでとある部分の成長が激しく、寵が削がれていく。

 最近の好みだとキュルケ嬢とか……じゅるり。新しい自分に、いや進化した自分に目覚めそうダ……

 

 アーハハハ!ツアイツ父は人間(ノーマル)をヤメルゾー?

 

 いや取り乱してしまったが、相変わらず妻は儚げなチッパイで有るし何人かの新しいメイドも雇い入れた。

 それに、牛乳と体操の効果の無いメイドも居るので問題は無いのだか……何故か彼女等はアデーレの元に集うのだが。

 いっそ領内に善意で孤児院を設立し未来ある美幼女・美少女を保護するか。

 

 夢とマイサンが膨らむのう。

 

 今夜は久しぶりに新しいメイドと戯れるとしようか、貴族様万歳よのう!

 

 さて最近の息子だが……

 同じマイサンでも暴れん棒の方ではないぞ、5歳の誕生日からメキメキと凄い成長を遂げている。

 魔法は言うまでもないが、精神面での成長というか、もう変化といって差し支えないレベルでだ。

 精神面での成長とアンバランスなのが言語の習得なのだ、文字の勉強は年相応のレベルでしかない。

 

 誤魔化している訳でなく、本当に覚えるペースが普通というか……

 

 しかし数学については既に、家庭教師を唸らせる程の習得レベルとか。

 ウチは商家上がりだし、計算に強いのは跡取りとしては喜ばしい限りではあるな。あと男として喜ばしいのが女性の好みに関してだ。

 

 息子は私とは相容れないが巨乳好きである。

 当初はウチのメイド達に対し、変な体操やら食事療法とやらでお気に入りのメイド達の胸が忌々しく成長されてしまい親として一言文句を言おうとした。

 が、その試練を掻い潜り真の永遠のチッパイを選別したという快挙には素直に賞賛しよう。

 何故か選ばれた彼女らは我が妻の元に集い、自分のアプローチにも積極的に乗ってくれるのだ。

 

 結果オーライか?

 

 

 

◇◇◇◇◇◇

 

 

 

 お早う御座います。

 

 ツアイツの母親、アデーレです。

 最近ツアイツに構い過ぎて主人を放っておいたせいか、なにやら企んでいるみたいなのです。

 それに最近になって私付きのメイドでは無い者が慕って集まってきます。

 彼女達には不思議なシンパシーを感じるのですが……何故でしょうか?

 

 答え チッパイ同盟の盟主と構成員だからです!

 

 愛しい息子ツアイツですが、我が子ながらその才能の豊かさには驚かされます。 魔法については私と同じ系統である水のライン。

 未だ8歳でこの才能ですし、将来トライアングルは確実でしょうしスクエアにも届くかも知れません。

 私も自ら指導しましたが、もう教えられる魔法が有りません。

 

 元々攻撃的な魔法の習得は苦手で、治療や秘薬の知識を主に教えましたが、既に教えることは殆ど有りません。

 最近は独自の調合で「ほーきょー薬?」の開発に取り組んでいます。これが完成すれば、世の女性の大多数が幸せになるとか。

 

 私にも使わせて下さいと言ったら「母上が使用するとハーナウ家存亡の危機だ」とか意地悪をいいます。

 

 どんな効果か有るのか分かりませんが、今度こっそり調べてみましょう。母親に隠し事などいけない子ね。

 

 

 

 某巨乳派メイド新人構成員

 

 若様の考案された画期的な体操と食事療法によって、長年のコンプレックスで有った貧乳が改善されました。

 しかし何故か旦那様から寵愛を受ける回数が減ってきてしまいました。

 でも才能豊かで娯楽の少ない私達にも寸劇?なる人形劇を見せて下さるお優しい若様派に鞍替え出来たから、結果的には良かったと思います。

 

 

 

 某将来的にも成長しないと判断されたメイド

 

 若様の実践されている巨乳化プログラムで、完全に効果無しと判断されてしまいました。

 折角条件の良いこのハーナウ家に仕える事が出来たと喜んでいましたが、才能なしと判断されましたし暇を出されてしまうのかと不安な日々を送っていました。

 しかし、先ほど旦那様に呼ばれ君のようなエリート?は私の側付にするから!言われ、高待遇の上にお給金もビックリする位の金額を提示されました。

 

 選考から落ちた私などの為に旦那様自らが両手を握られ、満面の笑顔でエリートエリートとおっしゃって頂いたきましたし、恐れ多いのですがその申し出をお受けしたいと思います。

 勿論この待遇にはお手つきも含まれるのでしょうが、貴族様にここまで好待遇で喜んで頂けるなら問題はありません。

 

 聞く所によるとモット伯様などは、もっと酷い扱いらしいので本当にハーナウ家に採用されて良かったと思います。

 暫くして若様から、「父上の事を宜しく頼む」と真面目な顔でお願いされましたが……

 まさか旦那様から妾か側室にでもと望まれているのでしょうか?それは嬉しいけど困ります。

 

 

 

第1回ツアイツ脳内会議開催

 

 

ツアイツA

 

 微妙に原作から剥離しだしたがどう修正をするんだ?

 

 

ツアイツB

 

 このまま好きにしても良くね?キュルケだけなら喰っちまっても平気だろ。その内飽きられて他の男にいくのでは?

 

 

ツアイツC

 

 そうだね。微熱だし原作時にフリーにしてトリスティンに送り出せばOKだろ。

 

 

ツアイツD

 

 いっそ原作介入なしの方向でいこうぜ。巨乳メイドハーレムの仕込みも順調だし。

 

 

ツアイツE

 

 賛成!わざわざ危険な目に会いたくなんてねーよ。

 

 

ツアイツF

 

 じゃあシエスタは諦めるのか?サイトにくれてやるには勿体無くないか?

 

 

ツアイツA

 

 ティファニアにもこっそり会いに行ってみたいな胸革命だし!

 

 

ツアイツB

 

 OH!バストレヴォリューション。しかしマチルダやばくね?

 

 

ツアイツC

 

 ゴーレムで潰されるな、下手にエッチな事なんでしたら。

 

 

ツアイツD

 

 正妻候補で対応してみるのは?上手くいけばハーフエルフの件はアンリエッタが何とかしないかな?

 

 

ツアイツE

 

 ロマリアの坊主が五月蝿いしデメリットの方が大きいだろ。

 

 

ツアイツF

 

 まだ原作開始まで7年有るし胸が革命まで育つまで保留でよくね?

 

 

ツアイツA

 

 そうすると原作開始1年前位でも間に合うか?

 

 

ツアイツB

 

 その他のモンモンやケティはどうする?

 

 

ツアイツC

 

 別にモブキャラメイド達でも十分可愛いし下手に手を出す必要なくね?

 

 

ツアイツA・B・D・E・F

 

 賛成!

 

 

ツアイツD

 

 ティファニアは原作開始1年前位に接触と言うことで。じゃシエスタは?

 

 

ツアイツE

 

 竜の羽衣?を買い取るのを切欠にしようか。そこでウチのメイドに誘うのはどうかな?断れないだろ平民だし。

 

 

ツアイツF

 

 ゼロ戦の代金500エキューに輸送費は200エキュー位かな?あと他国に出掛ける理由も必要だよね?

 

 

ツアイツA

 

 ではシエスタについては予算と口実が出来次第、行動に移る事にしよう。

 

 

ツアイツB・C・D・E・F

 

 異議なし!

 

 

ツアイツB

 

 それから内政干渉どうするよ?シエスタの件でも資金いるし何かないかな?

 

 

ツアイツC

 

 うちって実は有能だよな。元々商人上がりだから経営は他の貴族と違いしっかりしてるし。

 

 

ツアイツD

 

 土地は全て握って家臣は全員、給料制だし不正に対する監査機関らしき物もあるよね。

 

 

ツアイツE

 

 領地は安定し税率も低く治安も良いしやる事なんてなくね?

 

 

ツアイツF

 

 直には出ないな。んじゃ第2回脳内会議のテーマにして各自草案を考える事。 

 

 

ツアイツA

 

 では一堂解散!

 

 

ツアイツB・C・D・E・F

 

 お疲れ様でした!

 

 

 実りある会議が終了した。日本の国会議員も見習えばいいのに位に、充実した内容だっだ。

 因みに議員は煩悩の数と同数います。

 

 108人かよ、アルファベット足りねーじゃん。

 

 噂のツアイツには両親にも秘密な、脳内会議の才能もあったりした。

 

 


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