現代人のお気楽極楽転生ライフ(修正版)   作:Amber bird

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第57話から第59話

第57話

 

 長閑な朝の風景?ソフィアとシェフィールドさんは、一晩で打ち解けたみたいだ。

 黒化とヤンデレ……素養は同じなのか?今朝は三人で、朝食を食べる事にする。

 

 因みにシェフィールドさんはローブを脱いで、普通のOLさんスタイルだ!

 毎回思うが、ハルケギニアって一部に、突出した文化形態が有るよね?

 僕が用意した物とは違うから、これは彼女の私物のはずだ。

 

「今日は、珍しいスープを用意してみました」

 

 今朝はシェフィールドさんの手料理らしい。

 

「ん?この匂いは味噌?」

 

「ツアイツ様はご存知でしたか。これは、ロバ・アル・カリイエでも珍しいのですが、豆の発酵調味料ですよ」

 

「ああ……たまにゲルマニアにも行商で流れてくるね」

 

 日本の味、懐かしい味だ。パンに味噌を使い野菜を煮込んだ、具沢山スープ。

 ちょっと取り合わせが不思議だけど、久し振りの日本の味を思い出した。

 

「ツアイツ様は色々ご存知ですね。これは、ガリアに戻った時に持ってきた物ですが……結構好き嫌いの有る食材ですのに」

 

「バターと合わせると、美味しいかな」

 

「明日は私が作ります。シェフィールドさん、その調味料を使わせて下さい」

 

 ソフィアが対抗意識?で、明日の朝食を作るそうだ。どんな創作味噌料理になるのかな?

 

「ご馳走さま!では、学院長室に行ってくるね」

 

 僕は、学院長室に向かうのだが、当然の様にシェフィールドさんも同行している。廊下ですれ違う連中が、胡乱な目で僕を見る。

 

 はいはい!

 

 また美女を連れてますけど、何か?お前ら、彼女の本性を知ったら驚くぞ!

 

「オールドオスマン、いらっしゃいますか?」

 

「いるぞ!なんじゃ急ぎのようかな?まだ朝も早いのに」

 

「失礼します」

 

 部屋に入ると、モブな男性秘書が居ました。

 

「なんじゃ?その美女をワシの秘書にして欲しいのかの?」

 

「ご冗談を……老人」

 

「シェフィールドさん、落ち着いて下さい。いえ、オールドオスマンに相談と報告が有りまして」

 

「ふむ。わまわんよ」

 

「では、人払いをお願いします」

 

「なんじゃ?また問題事か……分かった。そう言う訳じゃ。すまんが席を外してくれんか」

 

 モブな男性秘書が、一礼して退室する。僕は念の為、ディテクトマジックとロックをかける。

 さて、話し始めようと思ったら何を考えたのか……まぁ、シェフィールドさんの尻を撫でようとしたんだろう。

 オールドオスマンが、腕を押さえて唸っていた。

 

「オールドオスマン、彼女はガリアのジョゼフ王の寵妃です。故有って、私に協力して貰ってますが問題をおこすと……僕では抑えられないので」

 

「カーッ!王家が怖くて尻が撫でられるかー!」

 

「でも国が無くなっては、尻も撫でられませんよ」

 

「……真面目に話を聞くかの」

 

「これが、この国の教育機関のトップなのですか?」

 

 シェフィールドさんの疑問に、僕ら2人は下を向いてしまった。僕も、オッパイ・オッパイって言ってるからなぁ……

 

「こほん。実は……」

 

 僕は、オールドオスマンに今回の一連の件を説明した。

 

「なんとも、大変じゃの……そしてトリステインも巻き込む戦争か」

 

「そうですね。心配なのは、アンリエッタ姫がどう動くかです」

 

「ご執心のウェールズ皇太子の危機。婚姻同盟か……最近の積極的な彼女が、黙ってはいないの」

 

「無駄に前向きになってますから。どの道、アルビオンが自力で何とか出来るのも疑わしいですし、かの国が堕ちれば……」

 

「戦渦は逃れられんな」

 

「ならば……」

 

「分かった。お主の話はこの国に出血をもたらすが、どちらにしても戦は避けられん。少しでも被害を少なくする努力をするかのぅ」

 

「有難う御座います」

 

「お主の謝る問題じゃないじゃろ。しかし……男として、ジョゼフ王には同情するのぅ。して、ワシにもその方法で回春可能か?」

 

「……トラウマが原因なら、或いは」

 

「そうか……残念じゃな。話は変わるが、お主が出掛けている間に、アンリエッタ姫から連絡が有ったぞ。

また表敬訪問に来るそうじゃ。それと使者は最近編成された女性のみの銃士隊で、アニエスとか言っておったの」

 

 アニエス隊長か……設立が原作よりも早いな。あの人は、復讐鬼……コルベール先生との絡みはどうなるのかな。

 原作通り、新教徒狩りは有った。これは、学院も巻き込まれる可能性は高い……か?

 

「アンリエッタ姫にしては、強引で素早い行動ですね」

 

「そうじゃな。そして、お主の事をアンリエッタ姫から聞いておるんじゃな。会いたがっていたぞ」

 

 あれ?何で僕に?アンリエッタ姫に不敬過ぎるってか?

 

「それで……どんな感じの人でした」

 

 オールドオスマンは、嫌な事を思い出した様に顔を顰めた。

 

「少々、性格はキツいが美女じゃな。しかも、青パンツじゃった。しかし、心に闇を抱いているのぅ」

 

 心の闇……やはり復讐か。

 

「流石は教育者の鑑!何時も思いますが、何故分かるのですか?」

 

「……さての。年の功かのぅ」

 

「ツアイツ様、そろそろ授業のお時間です」

 

「ああ……では、失礼します」

 

 僕らは、学院長室から出て教室に向かい歩き出す。

 

「どう?学院長は?」

 

「ガリアにもオールドオスマンの情報は有りました。得体の知れない長寿のエロ爺……そのままですね」

 

「否定出来ない」

 

「ツアイツ様は、今日は授業を受けられますよね?私は……少し、この国の腐敗貴族を調べてみます。特に彼を」

 

「うん。無理はしないでね」

 

「くすくす。私よりご自分の方が大変ですよ。後ろを見てくださいな」

 

 シェフィールドさんは笑って転移していった?

 

「「「ツアイツ?また新しい女なの?」」」

 

 振り向けば、キュルケ達が居ました。ああ……そうか。朝から何人かの級友とすれ違ったからな。彼女達の耳にも入るか。

 

「……先ずは、おはよう!そして違うよ」

 

 さて、どうやって説明しようかな。

 

「説明は長くなるから、昼食時にね。先ずは授業に行こう」

 

 不満顔の彼女達だが、ちゃんと説明すると言ったら渋々だが、納得してくれた。さぁ久し振りの授業だ!

 

 

 

 場所は変わり教室にて……

 

 

 

 まだ先生が来るには少し早く、僕はクラスメートに囲まれた。主に男子に……

 

「ツアイツ、君の部屋が立ち入り禁止になり、学院長室から男の浪漫本が消えたんだ!」

 

「ツアイツ、朝の美女は誰だ!またか?またなのか?」

 

「我がライバルは年上好みだな。それで、ミス・タバサがまた居ないのだが知ってるかい?」

 

「ツアイツ、君の部屋にミス・タバサが出入りしてるのは何故だ?」

 

「ツアイツー!君のご飯は、僕が無駄にしなかったよ」

 

 ギーシュ、ギムリ、ヴィリェ、レイナールそして、マリコルヌのモテナイーズ達が矢継ぎ早に質問する!

 マリコルヌは質問でも、何でもないが……

 

「男の浪漫本は、学院長に没収された後は知らない。彼女は、新しい秘書だよ。

ミス・タバサはガリアに戻ってるし、本を借りに来るだけだ。そして食べ物を無駄にせず、有難う!」

 

 全ての質問に答える。

 

「じゃもう、男の浪漫本は読めないのかい?」

 

 ……その捨て猫の様な目はやめろ。

 

「私室には無理。彼女達が居るからさ。学院長室に補充しとくよ」

 

 男達は、安心した顔で離れていった……そう言えば、男の浪漫本は、ミス・タバサが強奪したんだっけ。補充しとかないとな。

 そして居ないって事は、ガリアでまだ滞在中か……早く母親の件を教えてあげたいのだけど。

 ミス・タバサは確かにまだガリアに居る。しかし、数日でイザベラを伴い戻ってくるのだ!

 

 アンリエッタ姫よりも余程、手強い相手が!美少女王女が、ソウルブラザー竜騎士団を従えて!

 

 

 

第58話

 

 

 久し振りにギトー先生の、風はサイコー授業を聞く……うん。平和だ。だけど仮初めの……

 原作では、学徒動員が有った。状況こそ酷くならない様にするが、戦争になれば学生として居られないかも知れない。

 武門派貴族は、学生だろうと志願するだろう。だから、少しでもレコンキスタの勢力は抑えるべきだ。

 こうして聞いていると、実はギトー先生は懇切丁寧なんだよねな。4割は風自慢だし、2割は何も知らないだろう的なんだが。

 

 キュルケ達を見る、うん!真面目に聞いてるね。

 

 しかし、改めて見ても美女と美少女だな。キュルケには、結婚の事を話さないといけないんだけど……

 

 僕は、説明の件をどうやって説明……

 

「ミスタ・ツアイツ!野外で風メイジと対戦するならどうする?」

 

 えっ?僕?

 

「はい。相手のランクは別として、自分の属性に合った距離を保つか……障害物の多い地形に誘導します」

 

「そうだ!実戦では、自分の間合いが一番大切だ。なら周りが、開けた場所だったらどうだ?」

 

「自分で障害物を作るか、視界を塞ぐ煙や霧を発生させます」

 

「それは、土と水の君だからこその意見だ。皆も聞け!本来戦闘とは泥臭い物だ。英雄譚など、まさにお話の中の出来事だ!くれぐれも……」

 

 うん。実際僕はチートオリ主の筈だけど、原作一流連中には模擬戦でさえ勝てないし。

 戦いは得意な人に任せた方が、良いかもしれないね。

 皆は風マンセーなギトー先生が、地味で泥臭く生き抜く戦術を教えているのに驚いていたが、真面目に聞いていた。

 

 さて、そろそろ昼食だ!

 

 

 

 アルヴィーズの食堂にて……

 

 

 無関係な連中に聞かれない為に、隅の方に陣取る。マリコルヌには悪いが、今回は特別だ。先に何皿か渡し、離れてもらう。

 

「食べながらだと、行儀が悪いけど……早く知りたいだろうから、このまま話すね」

 

 3人が頷いたのを確認して、概要だけ話す。ガリア王ジョゼフのアレな件は秘密だが、トリステインを巻き込む事は説明した。

 そして,ド・モンモランシ家の復興の必要性も……皆、真面目に聞いてくれたが反応が悪い。

 

「えーと……何か質問は?」

 

 既にメインデッシュの肉料理を食べつつ聞いてみた。

 

「実はお父様からの手紙で、大まかな事は知ってるの」

 

「モンモランシーの実家に私達が、手を貸すのもね」

 

「それじゃ?」

 

「「「大切な事を忘れてないかしら?」」」

 

「……黙っていて、ごめんね。事が事だけに、名指しで挑まれたから、巻き込みたくなかったんだ」

 

「そうね。貴方の判断は間違いではないわ。ても、知らない事は悲しいの……」

 

「うん」

 

「「後、卒業と同時に結婚ね」」

 

 2人は、見惚れる様な笑顔で宣言してくれました!

 

「「キュルケは?」」

 

 1人ハモらなかったキュルケを訝しんで詰問する。

 

「私?……私はね。まだツアイツからのプロポーズを聞いてないから」

 

「「そうよ!プロポーズよね……ツアイツ……何時なの?」」

 

 せっかく周りから離れていても、こんな話をすれば注目を集めてしまう!

 

「えっと……折を見ていずれ」

 

 周りは、プロポーズ!あそれ、プロポーズ!と、コールが凄いのだが、僕は黙殺した!

 キュルケ達は主に女子連中に囲まれている。男共は、シット団だ!あの目は危険だ……明日はこの噂で持ち切りだろうな。

 下手したら、ド・モンモランシ家にも伝わるかも知れない。

 

 早めに先方に会いに行った方が良い。変な虫が付いてる!ド・モンモランシ家の乗っ取りを計画してる!とか大抵の場合、噂話は良くない方向に伝わるから……

 アルヴィーズの食堂は、魔法学院始まって以来の大騒ぎとなり、先生方からコッテリと叱られた。

 

 学院創立以来の問題児!

 

 グラモン一門も色事で問題を起こしたが、流石に大貴族三股進行はなかった。こんなに気を使う事もなかったそうだ……

 結構、女性を取り合って決闘騒ぎとかやってるのに何故、僕の方が悪いんだろう?

 

 

 

 そして久し振りの、只の学生としての日常が過ぎていく……

 

 

 

 数日ほど、何事もなく過ぎていった。そして今日は、アンリエッタ姫の表敬訪問の日だ。

 今回は事前に知らされていたので、学院側も余裕を持って対応している。

 アンリエッタ姫の目的は、これからのトリステインを担う若き貴族達との交流と言っている。

 なので、トリステインの貴族達は如何にアンリエッタ姫の心証を良くしようかと、躍起になっていた。

 僕的には、アルビオンの問題が表面化してきてから接触したいのだが……

 まぁ、一国の姫が僕なんかに用が有る訳もないと、タカを括ってました。

 

 アンリエッタ姫御一行は、ワルド殿のグリフォン隊と最近になって設立された、アニエス隊長率いる銃士隊が護衛に当たってます。

 

 アニエス隊長は……軽装鎧を着込んでますから、巨なのか貧なのか、はたまた微妙なのかは分かりません。

 

 アンリエッタ姫の乗る、ユニコーン馬車をキュルケ達とボーっと見てる。グリフォン隊の連中は飲み友達が多く、目が合えば会釈位はしてくれた。

 あまり親しくすると、周りがまた五月蝿いから……ワルド殿には前回とは違い、普通に接して欲しいと伝えてある。

 因みに、アニエス隊長は面識無いはずだが、思い切り睨まれてます。

 

 僕もアニメ絵でしか知らない人だけど、ピンポイントで視線が動かない……目が合って、漸く視線を逸らしてくれた。

 

 うん。きっとアンリエッタ姫に、要らん事を吹き込まれたんじゃないかな?これは、近付かない事にしよう!

 

 今回は、何人かのグループと対談形式にて行われるが、家の格によっては呼ばれない者も居る。流石はトリステイン!

 当然、僕もキュルケもタバサもメンバーでは無い。もっとも、タバサは未だ帰ってきてないけど。

 

 メンバーに入ってないと思っていたが、新生アンリエッタは一味違がった!

 マザリーニ枢機卿辺りが、苦労して考えたであろうメンバー表などすっ飛ばして勝手に対談を始めた。

 これには、下級貴族や家督を継げない次男以降の連中も、姫様に顔を売れると喜んだ!

 

 特にギーシュなどは……

 

「素晴らしきトリステインの華、アンリエッタ姫バンザーイ!バンザーイ!バンザーイ!」

 

 とか、キャラが変わっている気がする。彼女の進めている、これからの若き貴族達を取り込む事は成功しつつある。

 

 それと、銃士隊も……

 

 皆さん、年若く美人揃いだが、微妙胸を気にするアンリエッタ姫らしく?選考で、巨乳を省いた感が漂う、美貧乳美女・美少女部隊だ!

 ワルド殿他、グリフォン隊のチッパイーズのデレデレ振りは凄いな。平民とは言え、彼らには等しく乳を愛する様に教えたからかな。

 

 普通ならエリート貴族と平民部隊。連携など期待は出来ないのだが、彼らは上手くやれそうだ!

 

 何となくカップルっぽいのも、見受けられるし……交わす目線とか、微妙な距離感とか、本当にもうご馳走様状態だね。

 さて、ワルド殿に挨拶をして自室に戻ろうかな。アンリエッタ姫も他国の貴族と仲良くしたら、折角の取り込み工作が失敗してしまうだろうし。

 

 しかし……

 

 アニエス隊長の視線は、最後迄キツいままだった。まぁシェフィールドさんやカリーヌ様のプレッシャーに比べたら……全然温いけど。

 さて自室に帰ろう!何か有るなら接触してくるだろう……ワルド殿は、言われなくても遊びに来るだろうけどね。

 ミス・タバサの母親、オルレアン公夫人の治療法も見つかったからな。

 

 その辺をワルド殿のお陰にすれば、仲直りも出来るんじゃないかな……ワルド殿も、妻を娶れば落ち着くと思うんだ。

 絶対尻に敷かれるタイプだから……

 

 

 

第59話

 

 

 厄災とは、まとめてやって来るモノなのだろうか?アンリエッタ姫の表敬訪問会場を辞して、自室に向かう。

 殆どの人達は、アンリエッタ姫の居るアルヴィーズの食堂に集まっている為に、それ以外の場所は静かだ。

 勝手に居なくなって不敬だったかな?まぁアレだけの人々に囲まれていては、そうそう分かるまい。

 

 僕は、自室……「ツアイツ君の執務室」と書かれた扉を開けた。

 

 毎回看板の変わるコレは、誰が用意しているのか?そして、ソフィアと談笑するワルド殿を発見した。

 巨乳のソフィアさんと、和やかに話すワルド殿に違和感をバリバリに感じたが……

 元々有能なのだし、いらん自信もついて女性にも慣れてきたのかな。

 

「こんにちは!ツアイツ殿」

 

「お疲れ様です。ワルド隊長、まさか本体ですか?」

 

「ええ。本体ですよ。別に遍在が居れば問題ないでしょう?」

 

「……そうですね。貴方がそれなら構いません」

 

「ソフィア、僕にもお茶を淹れてくれる?」

 

 紅茶を飲んで、一息いれて、情報の交換をする。僕が聞きたいのは主に、銃士隊の事だ。アニエス隊長の視線が気になるんだよね。

 

「最近設立された銃士隊についてなんですが、どうですか?」

 

「彼女達は、チッパイで編成された女性達ですね。素晴らしいですな」

 

「……個人的趣味ではなく能力的な、又は立場的な事です」

 

「はっはっは。アンリエッタ姫の肝入り部隊ですね。

しかし我らグリフォン隊以外の連中とは上手く行ってはいないです。所詮、平民と言う思いが強い。

ウチはツアイツ殿の影響で、素晴らしき乳に対して敬意を持ってますから」

 

「確かに王族直属部隊が勝手に増えては、面白くも無いでしょうね」

 

「そして、銃と剣では魔法に対抗出来ないだろうと言うのが、大半の評価です。しかし女性ならではの護衛場所もあり、それなりに王宮内では認められています」

 

「成る程……寝室や浴室など、男性では躊躇する場所も有りますね」

 

「あとは平民出が殆どとは言え、美女・美少女で構成されてますから、男としては嬉しいでしょう」

 

「グリフォン隊の隊員の中にも、仲が非常に宜しいのも居ますか?」

 

「我らも何故か、アンリエッタ姫からの指名が多いですからね。今日のような共同作戦も多いですから。

但し、恋愛迄にはいってませんよ。規律は有りますから」

 

「それでも共同戦線が張れて、日常会話が出来る位に仲が良いのですね」

 

 なんだろう?原作よりも良い関係を築いているな。良い事だけど。

 

「それと……アニエス隊長が、僕を見る目に敵意を感じるのは何故だか分かりますか?」

 

「……申し訳有りませんが、銃士隊はツアイツ殿を敵と見なしています」

 

「…………なんでですかー?」

 

「彼女等は、皆チッパイですよ。巨乳信奉派の尊敬を一身に集める巨乳教祖の貴方に好意を持て、と?」

 

「悲しいけど、現実的に納得です」

 

 そうだよなー。普通に胸の豊かで無い人達には、僕は敵で変態か……。

 

「でもアニエス隊長の目線は、特に痛いのですが……」

 

「我らは、バストスカウターを持ってます。すなわちアンリエッタ姫のスリーサイズは把握してます。

アニエス隊長は護衛として浴室内まで、つまり姫のスッポンポンを見てる訳でして……」

 

「バストスカウター……ワルド殿も標準装備なのですね?」

 

「当然でしょう。まだハルケギニア全土でも数人のレアなスキルですが、サムエル殿も持ってますし」

 

「僕らって、ハルケギニアの常識から外れてるのかな?」

 

「…………」

 

「…………」

 

「そうですね。選ばれた紳士達ですから……我が隊の何人かは、目覚めつつある者もいます」

 

 お前ら、そんな所までエリートなのかい!

 

「それで、アニエス隊長の敵対心とは?」

 

「アニエス隊長は、自分を引上げてくれたアンリエッタ姫が巨乳になりたくて、貴方に接触してる事が気に入らないのが一つ。

それと、どうにもアノ女は……我らと近くて異なる趣味の持ち主です」

 

「近くて異なる趣味?」

 

「おにゃの子大好きな感じがします。つまり同性愛好者ですね」

 

「えっと……恩人のアンリエッタ姫が大好きで、巨乳に成るのは反対だし、なってウェールズ皇太子と結ばれるのも嫌だし、原因の僕はもっと嫌いだ?」

 

「大筋そんな感じですね。私も最初に詰問されましたが、心に決めたチッパイ女性がいると言ったら、大人しくなりました」

 

「……有難う御座います。どう考えても関係修復は無理だ!」

 

 ワルド殿は、紅茶を口に含み、一息入れてから急に真面目な顔をして

 

「それと、どうしてもツアイツ殿に確認したい事が有るのですが……」と、言ってきた。

 

 ミス・タバサの事だな、と思いきや「このワルまに出てくるキティのモデルとは、誰なのですか?気になって夜も眠れません」そっちかー!

 

「ワルド殿はミス・タバサを諦める?で宜しいですか?」

 

「違います。しかしこの女性が実在するなら、どうしても会ってみたいのです」

 

 んー性格と名前は、ネギま!から借用したけど、ロリっ子吸血鬼なのは……外伝のエルザだ!

 

 今なら、ガリア南東のサビエラ村の村長宅に潜り込んだ時期かな?

 

「ワルド殿は、亜人をどう思いますか?オーク鬼とかでなく、エルフや翼人それに吸血鬼など、人の姿に近く自己を持ってる相手を」

 

「それが、関係すると?」

 

「そうです。その回答によっては教えられません」

 

 ワルド殿は、フッと渋い笑みを浮かべる。

 

「ツアイツ殿。僕は復讐に凝り固まった頭をあなた方親子に、解してもらいました。

今では貴族、平民などの身分にも囚われない大いなる思想の(イエス・ロリータ・ゴータッチ!)元に歩んでいます。

意思の疎通が出来るなら、種族など小さな問題でしょう」

 

 このワルド、無駄に格好良い!

 

 一瞬そこに痺れそうになったし、憧れそうになりかけた……けど。

しかし直訳すれば、美しいロリっ子なら何でも喰える男なんだよ僕は!と、宣言しやがったんだよ。

 話を聞いていたソフィアが、尊敬の眼差しで見詰めている。それは、間違った評価だぞ!

 

「分かりました、教えましょう。ソフィアは席を外してくれ。内容が危険だ」

 

 ソフィアを下らせ念の為、デティクトマジックとサイレントとロックを掛ける。そこまでの内容なのかと、ワルド殿も真剣な表情だ。

 

「良いですか。彼女はエルザ。エターナルロリータである、5歳の外見を持つ美しい吸血鬼です」

 

「なんと!永遠のロリっ子が実在するのですか?」

 

 僕は黙って頷く……

 

「して、会えるのですか?居場所は?」

 

 興奮し矢継ぎ早に質問をしてくる。

 

「それを聞く前に、ワルド殿はどうしたいのですか?吸血鬼ですから成長はしないけど、実年齢は年上かも知れませんよ」

 

「合法ロリっ子ですね。素晴らしい……そして永遠のチッパイ少女!」

 

 駄目だコイツ、早く何とかしないと。

 

「つまりは、ハルケギニア的には敵対種族なのですよ?」

 

「愛に種族は関係ないのです。巨乳派のツアイツ殿には慎重に対処する問題でしょうが、我らチッパイ派には微々たる問題です」

 

 駄目だコイツ、自分の影響力を考えろよ。既に会いに行くのが決定な顔だが、現状はガリアに不法入国とか刺激したくない。

 

「ツアイツ殿、是非そのエターナルロリータに会わせて下さい」

 

 内容はアレだが、真剣な眼差しで語り合う2人。

 

 窓の外ではミス・タバサがガリアから帰ってきて、イザベラの件を相談しようとフライで浮いていた。

 会話はサイレントの影響で全く聞こえないが、真剣な表情で話し合う男達を見て、きっとこれからの事を話し合っているのだと思ってしまった。

 

 邪魔してはイケナイ。

 

 タバサは時間を潰してから再度、訪れようと思い自室に向かった。実際は、エターナルロリータに早く会わせろ、口説きたい!

 いや少し待て、今は未だ時期じゃない!と、とても内容を教えられない攻防戦を繰り広げているのだが、表情だけ見れば真剣その物だったから……

 

 


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