現代人のお気楽極楽転生ライフ(修正版)   作:Amber bird

28 / 111
第66話から第68話

第66話

 

 ガリアの国境線を少し越えた深い森の中。2人のガリア王族と、ブラザー達に取り囲まれています。

 

 こんばんは!ツアイツです。

 

 現在、イザベラ王女と対談しています。彼女はアンリエッタ姫が、霞む程の芯の通った姫様だ!

 しかも、ジョゼフ王の試練について、問い質してくる……何処まで話して良いのだろうか?

 

 僕は、シェフィールドさんを見る。

 

 彼女は……僕の考えている事が分かったのか、隣に並んで頷いた。

 

「少し長くなりますが、宜しいですか?」

 

 イザベラ王女が頷いくのを確認して、今までの事を話す。勿論、最終的な洗脳の件は秘密だけど。

 彼女は、おっぱい戦争の件で怖い顔になったが、スローガンを潰し有象無象の軍事クーデターにする事。

 アルビオン全土に布教活動をする事。トリステイン王国を巻き込む事。等を聞いて、深くため息をついた……

 

「おっぱいだけ差し替えれば、アンタ英雄になれるよ。それで、アンリエッタ姫をあの歴史とプライドだけの国をどう巻き込むんだい?」

 

 ヴァリエールと、ド・モンモランシ両家を巻き込む事と、既にアンリエッタ姫に豊胸指導中でウェールズ皇太子狙いの彼女を焚き付ける事を話した。

 

「アンタって、宮廷貴族よりエゲツナイよ。他国の姫の恋路を利用するなんてさ。

女の恋心を利用するとは……外道だね。まぁ、そんな考えも嫌いじゃないけどさ」

 

 勿論、トリステイン王国に利の有る事だとも話したが「いや、アンタの評価は変わらないね」と、笑われてしまった。

 

 イザベラ姫と話している間、終始彼女の腕にしがみ付いているミス・タバサが気になったのだが、スルーした……かったけど、聞いてみる。

 

「イザベラ様は、ミス・タバサ……シャルロット様と仲が宜しいのですね。美しき従姉妹姫の友愛ですか?」

 

 イザベラ姫は、シャルロットの名前が出た時点でギョっとしたが、何と無く納得した様な顔をした。

 

「別に嫌っていた訳でもないし、コイツが最近ベタベタする様になっただけだよ」

 

 薄っすらと赤くなり目線を逸らしながら、それでも嬉しそうな感じだ。仲直りは成功したのだろう……

 蒼い髪の美少女2人が寄り添っているのは、見応えが有る。

 

「ご馳走様でした。許可が下りるなら、「2人は従姉妹姫」で一作品書けそうです」と、割と本気で、言ってみたのだが……

 

「フザケルナー!今でさえ、コイツ等は王族の私の私室を覗いたりするんだよ。炊き付けられたら、貞操が危ないわー!」

 

 本気で嫌がってました……

 

 周りを見渡せば、ツンデレ派と思われる竜騎士団員が、妖しい表情で「「「赤くなったイザベラ様モエー!最近はツン自体も、可愛くなったよなー」」」とか、凄い盛り上がってます。

 

「正直スマンかったです。反省してます」

 

 僕は、イザベラ様に土下座した。まさか、此処まで凄い事になってるとは、思いもよらなかったので……

 

「ふん。やっと自分の起こした重大な問題を認めたね。幾ら私だって、気持ち悪い物は気持ち悪いんだよ」

 

 本当に、心底嫌そうな顔でした。

 

「それで、アンタに力を貸してやりたいんだが……」

 

「いえ……それではイザベラ様の立場が悪くなります。応援は大丈夫ですから」

 

 イザベラ様は、じっと考えていたが、ニヤニヤと笑い出してから爆弾を投下してくれた。

 

「北花壇騎士団7号、命令だよ。このゲルマニア一の変態の手助けをしてやりな。それと、元素の兄弟のジャネットを付けてやるよ!口説いてたんだろ?」

 

 この姫様もぶっ飛んでるのか、何か考えが有るのか……有能なのは分かったから、考え無しとは思えないのが怖いんだよな。

 

「いえ……美少女2人も要りませんので、ご辞退します」

 

 イザベラ様のニヤニヤは止まらない……

 

「まぁ上手くやんな。コッチで掴んだ情報は、ジャネット経由で教えてやるよ。ちょうど良かったじゃないか。カフェでお茶しながら、さ」

 

 成る程、元素の兄弟を嗾(けしか)けた本人だ。報告も行ってるのか……

 

「……分かりました。お願いします」

 

 ここは折れる事にしよう。そして、会合で必要な事は、全て話し終わった……

 

 

 

◇◇◇◇◇◇

 

 

 

 少し時間は遡る……

 

 イザベラ姫とツアイツが、話し合っている頃と同時期に2人の(風のスクエアで変態)紳士も又、己の信念を賭けて対峙した。

 どちらが、よりツアイツに近しい者で有るかを示す為に!

 

「始めまして閃光殿。何故、我らがソウルブラザーと行動を共にするのですかな?貴殿は、トリステイン貴族であろう?」

 

 ふっ、とワルドは笑みを浮かべる。

 

「はっはっは!ツアイツ殿とは、求める物(大きい乳と小さい乳)は違えど、志を同じくした同志!

いや、心の師でも有るのだ。トリステイン王国など、どうでもよい些細な事だ!」

 

「ほぅ……心の師とな。所属する国がどうでもよいとは、大言をほざいたな。

我らこそ、ゴッド・ツアイツ殿に、遠い異国の兄弟と言われし、ソウルブラザーよ!」

 

 2人の風のスクエアは、互いの信念を賭けて睨み合った。

 

「ふん。貴様はどれだけ、ツアイツ殿の著書を待っておるのだ?我らには、ブラザーから送られたこの大量の著書が有るのだぞ!」

 

 カステルモールの後ろには、男の浪漫本の最新刊が並んでいる。

 

「くっ……暫く、ツアイツ殿の部屋に行かなかった為に最新刊の入手が遅れたか……」

 

 その著書を見て、がっくり項垂れるワルド……

 

「くっくっくっ……どうだ!我らが絆の深さを思い知ったか」

 

 しかしこのワルド、既に再教育を受けた新生ワルドだった。項垂れながらも、さり気なく懐からある本をわざとらしく落とす。

 

「おおっと。ツアイツ殿から贈られた本が、汚れてしまう」

 

 例のアレ!

 

 彼だけの、彼の為のオンリーワン本。その遍在コピーを利用した閲覧用の「ワルま1」だ!

 わざとらしく「ワルま1」を拾い上げて、埃を叩く。

 

「貴様、何だ?その本は?」

 

 マニア(変態)としての、コレクション合戦は佳境を迎えていた……

 

 

第67話

 

「貴様、何だ?その本は?」

 

 変態と言う紳士達の……ツアイツとイザベラの会合とは、別の話が進んでいる。

 男の浪漫本の最新刊を全て揃えているカステルモール団長!一歩出遅れたワルド。

 

 しかし、ワルドには死期回生の二冊の切り札が有った……自慢げに埃を払った「ワルま1」を見せる。

 

「これは、私とツアイツ殿との絆の証!ハルケギニアで、これだけしか無い。

オンリーワンな逸品!私と……とある場所に実在する、エターナルロリータとの物語だ!」

 

 立場は逆転した!驚愕の顔で、しかし速攻「ワルま1」を奪い取り読み出すカステルモール……本を持つ手が震える。

 

「なっなんて事だ……伝説の人物や過去の英雄以外で、この様な……この様な、素晴らしい作品の登場人物になれるとは」

 

 「ワルま1」を群がる竜騎士団員達に渡すと、カステルモール団長は膝をついた。

 

「くっ……不本意だが、本当に不本意だが……負けを認めよう。

こんな国王でさえ、英雄と呼ばれなければ無理な、自分の登場する作品を持ってるなど……」

 

 跪いて慟哭する、カステルモール団長の肩に手を置いてワルドが、悪魔の囁きをする。

 

「ツアイツ殿は身内には寛大だ。寛大過ぎる位に……私もかつて、巨乳教祖たる彼に貧乳信奉者として反発した事が有った。若気の至りだな」

 

「なっなんと!敵対していたのか君らは?」

 

「そうだ。しかし、ツアイツ殿は相反する思想を持つ私に……いや相反する所か、彼の懐の深さに心酔してしまったのだ。

彼の深遠は、そのジャンルの深さだけでなく、全ての乳の元に集え同志達!と言う、漢達の永遠の夢の具現者なのだ」

 

「なっなんと壮大な理想を掲げるのだ……ロリっ子大好きなど、ほざいていた矮小な自分が恥ずかしい」

 

 ワルドはカステルモールの手を取り立ち上がらせる。

 

「国は違えど理想は同じ!どうですか?貴殿もツアイツ殿の下に馳せ参じては。さすれば……カステルモール殿のロリータハーレム物語も間違いなく」

 

 悪魔の囁き……変態として、これ以上の誘惑はないだろう。

 

「うぐぐぐぐ……私にはガリアと言う国に愛着が……しかし、漢としての夢を失う事は死ぬ事と同じ……」

 

 カステルモールは真剣だ。

 

 こんなに悩んだのは、変体野郎の魔の手から逃れる為に、東花壇騎士団の地位を手放した時以上に……

 

「カステルモール殿……実は、もう一冊有りまして、これです」

 

 ワルドはダメ押しに「ワルま2」を懐から出して彼に見せる。

 

「なっ!何だと、2冊もだと……しかも、連載小説風等と言われれば、まだ作品は続くのか」

 

 己の理想が、作品として、自分の活躍が続けて作品になる。漢として、これほどの幸せは少ないだろう。

 しかし、カステルモールも芯の通った漢だった……

 

「すまない。ワルド殿……いや、貴殿もソウルブラザーと呼ばせて欲しい。

しかし、私はこのガリアと言う国が好きなのだ。それに残念だが、私がゲルマニアに降ればガリアも黙ってはいまい」

 

「そうですな。私と違い、ガリアに所属する貴殿では、影響力が違いますな。

しかし、所属する国は違えど、理想は同じ。我らは理想を同じくする同志では有りませんか!カステルモール殿」

 

 ワルドは、カステルモールと握り合った手に力を入れる。

 

「国は違えど、我らはツアイツ殿の元に集う仲間ではないですか!」

 

「おお……ワルド殿、いや同志ワルドよ」

 

 硬く手を握り合う2人。ここに、風の魔法を極めたスクエア戦闘系メイジの信者コンビが生まれた瞬間だった。

 

「……して、ワルド殿。私も陰ながら、ツアイツ殿の手伝いをしたいのだが……」

 

「我らは風を極めし者、つまり……遍在ですよ、カステルモール殿」

 

 カステルモールは、そのような遍在の使い方が思い浮かばなかった為に、目からウロコの状態だ。

 

「成る程、遍在をツアイツ殿の手伝いとして派遣するのですな?」

 

「そうです。まぁ私の場合は、遍在が政務をこなし、本体が手伝いますが……」

 

 ニヤリと不敬な事を暴露するワルド。

 

「それは、流石と言うか何と言うか……」

 

 カステルモールも、流石に其処までは割切れなかった。

 イザベラとシャルロット、それにツアイツとシェフィールドの注意が、他に向いている間に2人の変態と言う紳士の会合も又、終ったのだった。

 ツアイツは強力無比なヤンデレと、風のスクエア変態コンビを傘下に加え、レコンキスタに挑む事となる。

 

 しかし、竜騎士団員達は、全ての話を聞いていた。

 

 具体的には、エターナルロリータと、自分が主人公なエロい本を書いて貰える事。

 しかし、団長が自重した為に、彼らもあと一歩を踏み出す事は止めていた。

 そして、2人の際立った変態が、手を取合った事に対して喝采を浴びせるのだった。

 

「「「「「ウォーダンチョー!我らもお手伝いしやすぜー!」」」」」

 

 決意を新たに、竜騎士団員達の雄叫びが、深い森に響き渡った……

 

 

 

 さて、そろそろお開きの時間だ……ツアイツもタバサも学院の生徒だ。授業をサボる訳にはいかないし、今学院にはアンリエッタ姫も居る。

 余計な騒ぎは起こしたくない。

 ツアイツは群がる竜騎士団員達と握手を交わし、終始歓迎ムードの中、イザベラ姫との初会合を終えた。

 竜騎士団員達は、更なるソウルブラザーへの憧憬を高めたが、一番はワルドとカステルモールの義兄弟イベントだろう。

 

 イザベラ姫は、この会談でツアイツの真意を確認出来た。

 満足な会合で、ツアイツにシャルロットとジャネットを押し付ける事で意趣返しも出来た。

 しかし蓋を開けてみれば、よりツンデレなイザベラ派の結束が高まった事。

 彼らがパワーアップした変態紳士と化し、彼女をツンデレを信奉する漢達の結束が固まったのだ!

 

 そして二大変態が、意気投合し問題の種が増えた事。

 竜騎士団全体が、より一層の漢達と言う変態紳士にレベルが押し上がった事を考えると……早まったのかもしれない。

 何時までも、手を振りながらソウルブラザーを見送る竜騎士団員達を見ながら、イザベラ姫は一人ため息をついた。

 

「やっぱり、こいつ等を連れてきたのは間違いだったかねぇ……」

 

 彼女の苦労は、減る事は決して無いだろう。イザベラ、ファイト!

 

 

 

第68話

 

 

 暗き森の中を馬ゴーレムにより疾走しながら……自分の背中に当たるシェフィールドさんの双子山から、意識を反らせながら思考に耽る。

 

 先程までの、イザベラ姫との会合……

 

あのジョゼフ王の娘であり、原作ではタバサを苛め、且つ自身の立場を悲観し周りに八つ当たりしていた彼女が!王族として一流だった。

 しかも、中々の巨乳美少女だし、からかい甲斐の有る生真面目な性格だ。ミス・タバサの懐き振りと、アルコール依存症と見受けられる事が心配だ。

 もしや、悩みやストレスを酒で紛らわせてないだろうか?

 僕は、自分の趣味で動き、ストレスとて理不尽カリーヌ様とヤンデレなシェフィールドさんが主な原因だが……彼女は国の為に動いているので、根本的に違うのだ。

 

 そうだ!

 

 胃薬と最新のマトモな著書を贈ろう、ジャネット連絡員が来た時にでも渡そう。

 前方をミス・タバサと併走して飛ぶワルド殿を見て考える……彼は、カステルモール団長と竜騎士団員に囲まれて、何やらやっていた。

 カステルモール団長が膝を付いていたり、竜騎士団員達の歓声を考えると……同じ趣味人として、分かり合えたのかな?

 

 2人共、風のスクエアだし……

 

 ワルド殿と意気投合するとなると、彼もロリっ子大好きか……彼を主人公にした作品を一冊贈って、イザベラ姫の力になる様にお願いしようかな?

 

 ロリっ子大好き貧乳派なら、タイトルは……「リリカルカステル」とか?魔法少女大好きっ子なら、喜ぶよね。

 

 お姉さん大好き巨乳派なら「真・カステル無双」とか、喜ぶかな。

 

 

 

◇◇◇◇◇◇

 

 

 

 周辺の片付けを撤収準備をしながら今日の出来事を語り合う。

 

「流石は、ゴッド・ツアイツ殿だな。あのローブの美女って、ジョゼフ王の側近の怖いネーちゃんだろ?」

 

「ああ……ジョゼフ王のシャルル派粛清の時に、暗躍した黒衣の魔女だよな?」

 

「あの危険人物が……あんなに穏やかな笑みを浮かべるとは、最初は別人かと思ったぜ」

 

「やっぱ、ソウルブラザーは違うな!」

 

「しかし、ゴッド・ツアイツが巨乳派教祖だとは知らなかったぜ」

 

「いや、違うだろ。団長と閃光殿の話では、大いなる乳の元に集え!だから、全ての乳を網羅していると見るべきだ」

 

「「「「「スゲーぜ!ソウルブラザー!」」」」」

 

「我らも、手伝わなくて良いのか?」

 

 悩み混む団員達……

 

「先ずは、撤収してから考えよう」

 

「そうだな……次の竜騎士団会議の議題は決まりだ!」

 

「「「「「意義無し!」」」」」

 

 そして、真夜中の饗宴は何事も無かった様に終わった。

 

 

 

◇◇◇◇◇◇

 

 

 

 帰りの竜籠の中で思考に耽る……

 

 全くエレーヌの奴、何でまた抱き付き癖なんか出来たんだい?思わず、昔の事を思い出すじゃないか。

 あんな関係には戻れないかと思ったが、案外壁を作ってたのは私だったかね?まぁ良いよ。

 

 ツアイツか……

 

 見てくれは、色男だし得体の知れない情報収集能力を持ってる。それに、自分の思想の為に関係無い他人を巻き込む容赦の無さ。

 それでいて、相手に損だけじゃないのが始末に負えない。バッサリ悪と割り切れない、何処か憎めない奴だったよ。

 

 それに、シェフィールドの態度……

 

 あんな表情は見たことないね。ツアイツに懐柔されたのかい?まさか、ね……

 それと何故、私まであんな我が子を見る様な目で見るんだい?益々、分からないよ。

 

 ※義理(になる予定)の娘を見る眼差しです。

 

 兎に角、注意は必要だ!予感だが、本当に嫌な予感は当るのだが……アイツに係ってしまったら最後、苦労が舞い込む予感がする。

 頬に当る夜風を感じながら、これからの事に不安が一杯のイザベラだった。

 彼女の予感は直ぐに当る事となるのだが……

 

 全く、これでまたアルコール消費量が多くなるじゃないか!独り酒も、そろそろツマラナイんだけど、誰か飲み仲間が欲しいね。

 特に、黙って愚痴を聞いてくれるような奴がさ。

 

 

 

 トリステイン魔法学院

 

 

 深夜、いや既に早朝に近い時間にやっと部屋に戻れた。既に、早番の使用人達の働き出した気配を感じる。

 アンリエッタ姫が滞在しているので、彼らも大変だろう。

 

「んー2時間位は寝れるかな?」

 

 ツアイツは自室に戻り、シェフィールドさんは隣の部屋に

 

「では、おやすみなさいませツアイツ様」と引上げて行ったので、少し仮眠を取る事にする。

 

 流石に強行軍だったので疲れた……たしか、今日がアンリエッタ姫の滞在の最後の日だ。何事も無い事を祈りながら眠りについた……

 

…………

 

………

 

……

 

 二時間程仮眠を取り、少し回復したのでアルヴィーズの食堂に向かう。

 まだ眠い……これは、授業中に居眠りをしそうだ。

 授業といっても、アンリエッタ姫の若手貴族対談で無いも同然なのだが……一昨日、昨日で粗方の貴族の子弟とは話してたから。

 

「ねえ聞いた?アンリエッタ姫って、ウェールズ皇太子狙いなんだって」

 

「聞いた聞いた!例え話でも、天空の高貴なる殿方と地上の姫って話してたから……」

 

「随分と情熱的な恋文を書くらしいわ!」

 

 おいおいおいおい……もしかして、コレかよ?原作の恋文奪還話って……アンリエッタ姫から熱烈なアレを送るのかよ。

 

 はぁ……さっきまで、イザベラ姫と話していた為に王族のギャップに驚きも大きいぞ。

 原作では、両思いだったが今回は一方通行だ。しかし、見つかると同盟やらなんやらが、ご破算になる内容なんだよな……

 

 アレか?

 

 ラグドリアン湖の園遊会で、水浴び姿を見られた……ウェールズ皇太子に責任でも追求するのか?

 それとも、イタい女の様な一方的な内容で迫るのか?この大事な時期に、この手紙イベントは僕の計画に齟齬をきたすかな?

 

 手紙か……

 

 悩むな。早めにアンリエッタ姫を取り込んだ方が良さそうだ。全く、このアンリエッタ姫は、どうにも困ったチャンだな。

 惚れた女だったら、何とかしたいと保護欲を掻き立てるのかも知れないが……

 

 とっとと、ウェールズ皇太子に引き取って貰わないと大変だぞ。

 


▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。