現代人のお気楽極楽転生ライフ(修正版)   作:Amber bird

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新章第12話

謀略教皇VS謀略教祖!趣味と趣味の闘い・第12話

 

 

 

 教皇から親書が来た……トリステイン王国として、当然呑めない要求だ。

 

 しかし……

 

 この国の為に何とかしないといけないと思い、ツアイツ・フォン・ハーナウとの会見を持った。

 何とか譲歩を……トリステイン王国の存続の為に。しかし、彼は私にブリミル教の教皇にならなかった事が原因と言う。

 まさか宗教談義を自分の三分の一にも満たない若造に挑まれるとは……

 

 ヤツも貴族、つまり魔法を使うメイジだ。

 

 故にハルケギニアの権力の側にい居て、その恩恵にどっぷりと浸かり最大国家の次期王にまでなろうとしているのだ……

 だが、だがヤツはブリミル教と言う自身の権力の根本を利用せず、新たな宗教でのし上がった。

 

 貧巨乳連合教祖……

 

 オッパイ、オッパイ言っている、ふざけた宗教と呼ぶのも躊躇うエロを主体とした物で。

 だが、ヤツの言う民衆の幸せ……完全にブリミル教の上を行っている。

 

 いや、歴代の教皇達でも成し得なかった理想的な世界だ……

 

 その波に乗った帝政ゲルマニアとアルビオン王国、そしてガリア王国は安定した国家となった。

 我がトリステイン王国は……アンリエッタ姫との仲違いにより、取り残されている。

 しかし、国内の有力貴族の殆どが取り込まれている。討伐しようとすれば、返り討ちに合いヴァリエール王朝の誕生だ!

 

 この落ち着いて紅茶を飲む若造が、6000年も停滞していたハルケギニアを打ち壊したのだ。

 

「仮に……仮に私が教皇となっても、ブリミル教は廃れるだろう。ツアイツ殿の興した宗教により……違うか?」

 

 私とて理解していた。ゲルマニア・ガリア・アルビオンを強固に纏めて上げたヤツに、空中分解寸前のトリステインが適う訳が無い事を……

 

「それは違います。僕の、僕達の……「変態と言う名の紳士達・漢の浪漫本ファンクラブ」は、あくまで趣味の集まりです。

ブリミル教とは共存出来る筈ですよ。対立する意味も無い。性癖など誰もが持つ、当たり前の感情。

そこに宗教感など有りませんから……だからこそ、6000年も信仰され続けたブリミル教徒達にも受け入れられた。違いますか?」

 

「アレだけの信仰を……貴方を教祖と崇める、膨大な信者達を!ただの趣味友達と言うか?アレは既に宗教ではないか!」

 

 確かに国境を超えて、沢山の友が出来た。でもね……

 

「マザリーニ枢機卿……何か勘違いをしていませんか?僕達の漢の浪漫本ファンクラブとは、会員制の趣味のグッズを買ってくれるお得意様達ですよ」

 

 だって商売ですよ。薄利多売だし、当初から会員の結束を高める為に色々したけどね。そこに国家や貴族間の上下は無いし、雇用関係や侍従関係も無い。

 

「なっ?そんな詭弁を」

 

「マザリーニ枢機卿が心配している僕と教皇との確執。それは趣味と趣味の戦いです。

ただ一つ違うのは、教皇はロマリアと言う国家とブリミル教を持って戦いを挑んで来た!

しかし、僕はガリアやゲルマニアと言った国家の力は使いません。あくまでも趣味を同じくする仲間達と挑みます」

 

 その仲間こそが、僕が最初から考えていた国境を超えた趣味友達だ。強制はしない、自らの意志で共に戦ってくれる仲間達さ!

 

「ふっふははははっ!国家を超えた友情だと?個人の友好関係で、宗教国家に挑むだと?」

 

「違います!

宗教国家の総力を上げて、個人に挑んだヴィットーリオと戦うんですよ。趣味の仲間達と。

分かりますか?僕は国家権力など使わない!

ガリア王国も帝政ゲルマニアもアルビオン王国も関係無い。僕の信じる仲間達だけで十分なんです!」

 

 アレ?マザリーニ枢機卿が、机に突っ伏して唸ってるけど?

 

「まさかオッパイで世界を動かすとは!そして国家対個人か……だが言わせて欲しい。

現教皇ヴィットーリオが、ブリミル教と思わないで頂きたい!私には全く理解不能な趣味の戦いなのだな」

 

「そうです!健全な異性交遊大好き、オッパイ大好きなエロくて愉快な漢達と。

不純な同性交遊を強要する、ショタ大好きなホモの教皇。貴方なら、どちらに付きますか?」

 

 アレ?何か目と目の間を揉みながら、肩を小刻みにゆすってるけど……チョット比喩がいけなかったかな?

 

「くっくっく……そうか、オッパイ大好きと公言するか!

私は聖職者として、異性に対して厳しい規律を持って生きてきた。故に、ツアイツ殿の熱意は理解不能だが……

現教皇がロマリアにとって、ブリミル教にとって良くない事は理解させられたよ。

で?率直に聞こうか!

ツアイツ殿、これがヴィットーリオからの親書だ。どうする?私はトリステイン王国を愛している。

返答次第では敵対するやもしれぬが……勿論、勝てない事を理解した上でだよ」

 

 手渡された親書を読む。

 

 なる程、マザリーニ枢機卿にとってトリステイン王国を存続させるには辛い内容だ。

 ルイズが虚無、か……原作ではサイトを召喚し、色々と動いたからロマリアにバレたんだ。ルイズが虚無の担い手だと……

 しかし今の段階ではバレてない筈だけど。僕は彼女が原作で虚無になる道筋を全て潰して来た。

 

 ハッタリか?ロマリアが教皇にとって、ルイズを押さえる意味は……僕への牽制?それに聖戦だって!

 

 まだ大隆起の話を持ち出さないだけマシか?

 

「厄介ですね。ルイズが虚無だって?証拠は?あの娘は、只でさえ魔法が苦手なんですよ。

それを伝説の虚無の担い手と言うのは……彼女に対して酷い仕打ちだ!

それとも体の良い人質のつもりかな?少なくても、烈風のカリン様は動きが鈍くなる。

僕が異端ですか。もう権力を私的利用し過ぎてますね。

僕はブリミル教の教義に違反していない。寄付も他より多く払っていますよ。

それに聖戦……

つまり教皇ヴィットーリオは、聖戦を自ら率いて挑むつもりですね。

勝てもしないエルフに……そして徴兵した我らを使い潰す考えかな。

これは、僕に対して喧嘩を売っているとしか思えない。そうですよね?」

 

 親書を畳んで返す。渋い顔で受け取るマザリーニ枢機卿。

 

「確かに、ツアイツ殿に対しての宣戦布告ですな。で、どうするのだ?」

 

「勿論、受けてたちますよ!僕らはホモを押し付けるヤツを許さない。これから会報を通じ、各国の友に伝えます!

オッパイ大好きな漢達よ!ロマリアの教皇が、ホモを強要してきた。僕らは自分の誇れる性癖の為に戦おう!

勿論、自由参加ですよ」

 

 そんな会報を発行すれば即開戦ですから、もう少し調べたり相談したりするけどね。

 

「ツアイツ殿。私もヴィットーリオと戦いましょう。最大限協力する。だから、トリステイン王国とブリミル教の今後にについて、一考して欲しい」

 

 良し!これでマトモな次期教皇ゲットだぜ!

 

「それについては、ヴァリエール公爵夫妻も交えた話し合いが必要ですね」

 

 アンリエッタ姫とマリアンヌ王妃については……僕の一存では、決められませんから。

 


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