自分たちはゴルドマリーの親が運営している温泉宿に到着していた。本当にここには思い出があった。この地域に滞在している時はこの宿を使っていることがほとんどだったので懐かしく感じている。
そんな宿にマロンちゃんにも喜んでくれるかなと思っていたけど少しばかり不満そうにしていたので何か嫌なことがあったと聞いてみると返事をしてくれた。
「宿に温泉は良いけどあの女がムカつく、なんで僕のお兄ちゃんと仲良くしているの。それが気に入らないの」
これは子供らしい意見と言えばそうだなと感じた、無理もないか実の親から捨てられてこうして甘える事ができるのは教会のシスターさんかもしくは自分しかいないから嫉妬をするのも当たり前か。
少しは考えないといけないかなと考えていた、でもそんなに深い関係ではないよと伝えるとマロンちゃんはそうかなとこちらを見てきた。
お兄ちゃんが気がついていないだけで向こうはかなりお兄ちゃんを狙っているよと言ってきた。自分はそんなまさかと言って笑った。
彼女には色々と助けられているからそんな事はない、むしろアイビーやロサードなどの方が心配だよ。アイビーなんて・・・もう確定犯だしロサードも虎視眈々と狙っているぐらいだし自分が純粋に信用できるのはゴルドマリーとマロンちゃんぐらいだけだよ。
とりあえず自分はマロンちゃんは良い子だから安心出来るよと言うと嬉しそうにして抱き着いてきた。本当にこんなに良い子なのに捨てる親の目はどうにかしていると感じている。
自分みたいな問題児を捨てるならともかくこんなに良い子を捨てるとは恐ろしいすぎるよ、でもそんな酷い親がいたからこうしてマロンちゃんと出会う事ができたかと思うと皮肉だなと改めて感じた。
暗い話はこれでお終いと自分に区切りをつけてからせっかく温泉がある宿に泊まるのだ、ゆっくりと温泉に入りに行きましょうかと考えて行動に移し始めた。
マロンちゃんは女の子だから女湯でとお願いしたけど言う事を聞いてくれなくて仕方がなく一緒に入ることになった。幸いなことに自分たち以外は誰もいなかったので自分が。ロリコン扱いされずに済まそうだと一安心した。
それにしてもやはり本場は違うなと感心してみていた。自分のところでも温泉はあるけどまだまだ見習う場所は多いなと感じて温泉に入り始めた。
マロンちゃんがすぐには入ろうとすると熱いと言って体を動かしていた。自分は温泉の入り方を教えてあげる事にした。
「マロンちゃん、まずはね身体をこのお湯に慣れさせないといけないからまずはここにある物でお湯をすくって身体にかける。そうすれば徐々に慣れてくるからやってみな」
まずは自分がお手本を見せないとと感じて見せてあげた。でも自分も実際は先程のマロンちゃん、同様なことをしたけどしかもアンバーも同じ事をして熱さのあまりに飛び上がったから大爆笑して今では良い思い出だ。またあんな事をしてくれないかなと願った。
それはともかく慣れさせないと危険なのでゆっくりとして慣れさせてから温泉に入り始めた。流石、元祖と言うだけに自分のところよりも良い感じをしていた。
それにマロンちゃんも喜んでいるみたいだし良かったと思って見ていた。アンバーとラピスは今頃何をしているのかなと考えていた。まあ、二人がいれば特に問題はないと思うけどね。
その頃、ブロディア王国では会議が開かれていた。それは勢いが増すイルシオン王国をどうするか、考えないといけないぐらいに勢いが激しくなり対策会議が開かれていた。
モルモン王が何か意見がないかと話すとブロディア王国の英雄と呼ばれているアンバーとラピスも参加していた。普通の王宮兵としては破格の待遇であったがそれぐらいに影響力が既に二人にはあったが当の本人たちは無いと勘違いしているのだが。
ただしアンバーは難しい話が続いているので眠いと思いながら聞いていた。ラピスは他の者たちにバレないようにアンバーを叩き起こしながら会議に参加していた。
そんな時に何か提案はあるかとモルモン王がラビスとアンバーに尋ねてきたのである。二人ともやばいと感じてどうしようと考えた時にブルートが前に考えていた事を思いだして申し訳ない思いをしながらラビスが提案を出した。
「私が考えている案はフィレネ王国、そしてソルム王国の三国同盟を提案を出したいと考えております。陛下も分かっているかもしれませんがイルシオンの隣国のソルム王国もイルシオンの勢いに押されて国境は日に日に後退しております。この案に乗ると考えられます」
モルモン王はそう聞くと確かにその通りだ、ソルム王国は喜んで力を貸すだろうと言ったがフィレネ王国は平和主義だから手を貸さないではないかと言うとここでアンバーが次の発言をした。
「陛下に発言します、フィレネ王国も平和主義ですが馬鹿ではありません。フィレネ王国は恐らく我らブロディアとソルム王国を盾にして国の危機を守ろうとしてきます。軍隊の援軍としては期待はできませんが支援物資そして向こうからの侵略は無くなり我々は全力でイルシオンと戦えます」
アンバーは自信満々で伝えるとモルモン王はなるほど確かに利益がある話で理にもなっている。悪い案ではないなとモルモン王は発言をした。
もちろんモルモン王はこれがブルートが考えた案など知る由はなかった。モルモン王はブルートのここ近年の活躍しておりそれが嫉妬していた。それ故にブルートが提案されても採用はされることはなかった。
もし採用すればまたしてもブルートの手柄になってしまうからしかし違う人からも同じ内容近い案が出ればそれを採用すれば良い。そうしてブルートが手柄など言わせないようにする為だった。
だがこのことは既に本人には勘付かれていた、自分の事を嫉妬しているとだから幼馴染通して案をお願いしたのである。ブルートは自分で国を滅ぼすような事にはなりたくないと考えた末にこうして案を出した。
この事に関してブルートはアンバーにラピスには教えていない。教えたらかなり厄介なことになるのは分かっていたから。あえて教えずにもし何か提案を出せと言われてたらこれでも言っておいておけば大丈夫とそう二人に言っていた。
モルモン王はこの作戦に決まりそれから間もなくアンバーとラピスはフィレネ王国の同盟任務を任せられたのである。
そうしてアンバーとラピスが思うことは唯一、どうするつもりだ、ブルート!と誰もいない平原で一緒に仲良く叫んでいた。流石、幼馴染だけにあって息はピッタリでこれからの事を話し合い始めていた。
「どうしよう、ラピス。同盟の任務なんてそんな重要な事やったことが無いだけどラピスは何か良い案はあるか」
「そんなの私が聞きたいぐらいよ、これって失敗したら相当な責任を負うよね」
「間違いねえ、失敗したら間違いなく俺たちの英雄伝説は幕を閉じる事になるな。なんでこんな時に限ってブルートは不在なんだよ」
二人で与えられた任務の大きさに混乱をしながらフィレネ王国に向っていた。まずはどうやって女王に会うのか、そして着いてからどの様に説得するのか色々と課題があった。
最近は全てがブルート、一人でやっていることが多くて二人には経験もしたこともなかったのである。ある意味今までのつけが回ってきたとも言えるが、そんなことを考えている時間は二人にはなかった。
失敗したらと思うと顔色から血の気が引いてしまうほどで今ほど幼馴染のブルートが居てほしいと願った事はないぐらいであった。
それで来てくれたら苦労はしないと諦めながらフィレネ王国に入り王城に目指して歩いていると大きな村がありそこで一休みするかとアンバーが言ってきたのでラピスも賛成して立ち寄ろうとして近づいてみると様子がおかしい事に気がついた二人はお互いの顔を見合ってまさかと言ってから更に近づいてみた。
するとそこには今まさに村に盗賊集団が襲っていたのである。村の様子から見て殆ど自衛団は殺られたかもしくは存在していないかの2つであるがこのまま放置したら確実に村は滅ぶと確信していた。
この時にアンバーが思いついた様にラピスに話しかけてきた。ラピスはこんな時に何を考えているのよと思いで聞いてみた。
「そうだ、ラピス!この村を救ってそのお礼に女王と会見をお願いしてみるのは可能性的に有りだろ」
「そうね、アンバーが考えた割にはまともな意見だわ・・・その意見に乗った。なら行くよ、アンバー!」
「おう、ならば俺達の実力を見せつけて新たな伝説を作ろうぜ」
二人は滅亡しようとしている村を救うためにこうして立ち向かうのだった。