今回は原作要素無しです。
オリ主の昔との違い等の情報も入ってるので楽しんでください。
ではどうぞ
菊岡から依頼を受けた僕は、即座にSNSで目的の人物を探した。流石に今は時間が惜しい、日向ぼっことか言ってられる事態ではなくなった。
《死銃》の
BoBはGGOの猛者が集う最強決定戦、活躍すれば立派なトッププレイヤーと名乗れるだろう。しかし、今から一からアバターを仕上げるのは不可能、和人はALOからコンバートすると言っていたが、僕のALOのアバターはまだ出来上がってない中途半端な状態だからクソ雑魚だ。
そこで思いついたのがSAOアカウントのコンバート、僕のSAOのアカウントは自慢だが全プレイヤー最強と断言する程強い。無睡無食で狩り続けた結果ヒースクリフを一度仕留めたアカウントだ、最強と言っていいだろう。
調べたらちゃんとコンバート出来るらしいので、不具合が無ければかなり安心出来る。
実はキリトとの決闘では二敗・他全勝している。これも自画自賛だが、最初と二刀流初見以外は全勝してることになる。反応速度では圧倒的にキリトの方が速いが、頭を使えば全然対処可能だ、詰将棋みたいに連撃を見舞う僕の戦闘スタイルを破った奴はキリトの二度だけ、茅場も不死属性が無ければ屠れた自信がある。
自慢は置いておいて、強いアカウントをコンバートしても次の問題にぶち当たる。
武器貧弱問題だ。GGOは銃の世界だ、一週間コツコツ頑張って用意した銃じゃあトッププレイヤーの持つそれに比べれば豆鉄砲みたいな物だ。
武器調達は最重要項目だ。故に、僕はSNSで武器商人なるプレイヤーを探している訳だ。
資金は心配していない。最近のゲームでは必ずと言っていいほどあるシステム《課金》を使ってゲーム内通貨を調達出来るからだ。お金はどうするかって?
「経費って良い言葉だよねー」
そんなもの菊岡に全額出してもらうしかないだろう。GGOの武器は高額だと聞くが、報酬の三百万(ちゃんと契約書に三百万とさせた)に比較すればはした金だ。菊岡も大人だ、気にしないだろう。
「……見っけ」
目的の人物にコンタクト成功、DMを送る。羽振りのいいカモなんだから断わりはしないだろう。精々、凄く足元見られるくらいだ。僕の金じゃないからなんぼでも来いってもんだ。
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菊岡が用意する安全とやらは準備の時間がかかるので、菊岡に連絡を入れてから自身の部屋でアミュスフィアを装着する。
「リンク・スタート」
起動した装置が僕の脳をスキャンし、電子の仮想世界へと意識を吸い込まれる。
GGOは銃の世界。設定としては、最終戦争後の荒れ果てた遠い未来の地球。未来の技術と復元された実銃を使い生体兵器、又同じ人間と戦うというもの。PKが推奨されており、民度はそこそこと言われている。
目が外光に慣れてきて、僕が世界を認識し始める。
朽ちたサイバーパンクのような建物が不規的に聳え立ち、硝煙と錆の臭いが空気を満たしている。一番目を引くのは中央のでかい塔のような建物、あれは〈総督府〉だろうか。
コンバートは能力だけの引き継ぎだ、SAOのコンバートは容姿はある程度受け継ぐと情報にあったが、どうなってるのやら。
近くのガラスで自身の姿を確認すると、
「わーお」
顔はSAOとほぼ同じものだが、赤茶色の長い髪は結びポニーテールにしている。長い髪はポニーテールにしても太腿までの長さをもっている。髪型が変わっただけだが、何故か一瞬女性だと錯覚してしまった。自分なのに……。
服装は初期装備のへそ出しノースリーブにホットパンツ。……露出多くない? 完全に女装している。
首元の鎖骨、健康的な腹筋、扇情的なくびれ、惜しみなくさらけ出した生脚と脇、艶がかった長い髪。これは……女性(♂)だろ。
兎も角、指定された場所に向かわなくては。何処かにマップか何か……
「……」
成程、新規のユーザーが少ない理由が分かった気がする。このゲーム、マップが無い。それに加えチュートリアルも無いのか、案内ウインドウも無い。有り得ねぇだろこのゲーム。
「……やっばぁ」
手探りと勘で行くしかない。大丈夫、勘には自信がある(?)。何とかなるだろう。
――一時間後
「……………………」
と思っていた時期が僕にもありましたとさ……。
…………ふっ、ふざっ、ふっざけんな!!!
目印は言われたが、該当する建物に全く近付けない。本当に参ってしまった。
「アナタ、大丈夫?」
「大丈夫じゃないです」
声の方を向くと、水色のショートヘアの少女が心配そうな目で僕を見ていた。
見たところかなりやり込んでるプレイヤー、せめて道すじだけでも知っておきたい。
「〇△□✕って所に行きたいんですけど……」
「あー、あそこね。今なら私暇だし連れてってあげるわ」
「本当ですか! ありがとうございます!」
ここで案内人の申し出は大変ありがたい。こういった厚意は積極的に受け取るべきだ。
「こっちよ」
マフラーを揺らしながら歩く彼女の後ろについて行く。この複雑な迷路を自身の庭かのように進んでいく背中に頼もしさを感じながら、僕は歩を進めた。
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「ここでいいかしら?」
「ありがとうございます!」
案内のお陰で目的の場所に着けた。彼女がいなかったらもう一時間かかったかもしれない。
「本当にありがとうございました」
「じゃ、私はこれで」
「あ……」
言い終わると、彼女はあっという間に行ってしまった。
クールな人だったな。歩く姿からも彼女がトッププレイヤーだと分かる。BoBでは強敵となるかもしれない。
「名前……聞きそびれたな……」
彼女もBoBに出るならまた会えるだろう。その時は……
「……楽しみだな」
BoBに出るのは仕事だが、予想以上に楽しめそうだ。
~~~~~
「鉄と火薬と砂」
合言葉を言うと壁が忍者屋敷のカラクリのように回転した。中に入ると、薄暗い地下室への階段が現れた。
階段を降りると、アンティークの電球の灯りの暖色が馴染む部屋に出る。
「待たせたかな?」
「…………」
部屋に居たやせ細った爺のアバターのプレイヤーに話しかける。爺は僕を一瞥すると、机の下からアタッシュケースを取り出した。
「注文の物だ。確認してくれ」
アタッシュケースを開ける。中に入っていたのは銀色のリボルバー。
S&W M500
.50口径、装填数は5発の大型リボルバー。.500S&W弾、.500S&Wスペシャル弾を使用する本銃は強力な威力を誇る。
僕は一度部品にバラして、組み立てる。やり方は事前に調べてある。
その横で、爺はもう一つのアタッシュケースを机に置いた。
確認を終えた僕はもう一つのアタッシュケースを開ける。中身は同じく銀色の自動式拳銃。
Desert Eagle .50 AE
装弾数は7発、S&Wと同じ.50口径と表示されているが、使用する.50AE弾の弾頭径は0.54インチとなっていて、拳銃用弾薬としては最大径となる。こちらも同様に威力の高さは最高峰だ。
どちらの銃も過剰と言える威力を誇るが、この選択は敢えてだ。GGO内の流行りの
「これも見といてくれ」
次に出されたのは木箱。蓋を開けると、少し大きめのナイフが入っている。
AITORのジャングル・キング
刃長約195mm、刃厚約5mmの軍用サバイバルナイフ。ジャングルキングの名前はあまり好きじゃないから以降はアイトールと呼ぶ。このナイフは超近接戦闘用だ。この世界のナイフは短い物が多く、SAOの物とは違い僕には扱いきれないと思ったから大型の物を選択した。
「これで最後だな」
最後は手足の装甲。肘下と膝下に覆うような形の物だ。覆うと言っても、脛当てや篭手みたいな物。これは、SAO時代の物に近い物を頼んだ。SAO時代と違うのは手の部分、SAOとは違い、手の平と指まで守られていない。
しかし、やっぱりこれが無いと落ち着かない。後は布コイルとジャケットかな。
本当は下にインナーを着た上に着けるものだが、一度着てみて感触を確かめる。
「いい感じだ」
「…………」
口下手な爺だこと、だがパーフェクトだ。
「お代ね」
「……まいど」
満足した僕は部屋を出て、ひとまずログアウトした。
~~~~~
現実に戻ってアミュスフィアを外す。
「……シャワー」
着替えを取って脱衣所にいく。シャツを脱ぐと、筋肉がパツパツに張っている自身の上体が鏡に映る。バッキバキだ。GGOのアバターは引き締まっていたが、現実の肉体はバキバキのバッキバキ、普通逆だと思うんだが。
「ムキムキになっちゃって」
この身体も
「違和感が仕事してないなー」
最初こそ戸惑ったが、やはり長時間の
シャワーの後は水を飲む。喉を通る液体に抵抗を感じながらも飲みきる。
飲食も最後の方はしていたとはいえ、長い期間断食していた影響はあった。喉も胃も食べ物という物体を受け付けなくなって、強烈な飢餓も相まって本当に、本っ当に大変だった。沢山の点滴に繋がれた僕はさながら死にかけの衰弱者だった。
「明日の学校の用意しなきゃ」
そんな僕も、今は普通の学生だ。
……大丈夫、僕の心臓は