クッソ手先が不器用なので、技巧に極振りしようと思います!   作:名無しの権左衛門

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技巧特化と初死亡

 

 

「ステータスは全部技巧だし、いいや。背中には弓。よし!」

全然よしじゃないが? 何故なら矢筒も矢もないが?

そもそも装備してないが?

 

「レッツゴー! って、皆なんでこっち見てるんだろ?」

第二次性徴が来ていない身長と大きな女性的肉体と甘ったるい声の独り言。更に

髪色を指定していないせいで銀に輝き、地面につくぐらいの長さで目元が隠れている頭髪をした少女なんて、一瞬で興味をひいてしまうだろう。

そんなことはつゆともしらず、バトルエリアへ直行するロータス。

 

「よーし、到着! かかって、ぐえっ―――」

 

GAME OVER

 

 

「ガメオベラ!?」

町にある教会で目を覚ますロータス。

明滅する視界に何が起こったかいまいち理解できず混乱の最中にあった。

それもそのはず、とある盾使いを狙ったフィールドボスのスキルの判定が空間に残留し、ロータスを消し飛ばしたのだ。

 

「ん?」

ブオンと重低音響く画面が出現。

そこには『輪廻転生』・『無謀』・『蛮勇』・『特攻』・『無駄死』・『神風』と書かれている。

それぞれに効果と獲得条件が書かれていて、割と初心者にありがちな物ばかりだった。

 

『輪廻転生―効果:レベル5になるまで経験値取得量が1.2倍になる。条件:新規登録ゲーム開始1時間以内でGAME OVER』

『無謀―効果:アイテム効果が二倍。ステータスINT・VITが+20

    条件:VITとINTが1未満・メニューを開かない・誰とも話さない・新規登録ゲーム開始1時間以内でGAME OVER。 全条件を満たす場合』

『蛮勇―効果:武器効果が二倍。ステータスATK・VITが+20

    条件:ATKとVITが1未満・メニューを開かない・誰とも話さない・新規登録ゲーム開始1時間以内でGAME OVER。 全条件を満たす場合』

『無駄死―効果:防具効果二倍。ステータスVIT・HPが+20

     条件:VITが1、HPが40未満・メニューを開かない・誰とも話さない・新規登録ゲーム開始1時間以内でGAME OVER。  全条件を満たす場合』

『特攻―効果:スキルのクールタイム半減。ステータスVIT・AGIが+20

    条件:VITとAGIが1未満・メニューを開かない・誰とも話さない・新規登録ゲーム開始1時間以内でGAME OVER。 全条件を満たす場合』

『神風―効果:アイテム・装備効果・全ステータス補正、各敵初撃含め三分間5倍

    条件:ATK・VIT・AGI・INTが1未満・メニューを開かない・誰とも話さない・ボス格初見撃破・スキル未使用。新規登録ゲーム開始1時間以内でGAME OVER。

    全条件を満たす場合』

 

「わーお」

あまりのことに呆然としてしまうが、ロータスに近づくNPCに気づいてそちらに意識を向ける。

 

「ほほほ、これで弓の練習をしなさい」

ロータスは”初心者練習専用の弓”と”初心者練習専用の矢”を入手した。

 

『初心者練習専用の弓:攻撃補正+1。命中に90%補正。(DEX10)』

『初心者練習専用の矢:本数∞。命中に絶大な補正。また1しかダメージを与えない。』

 

「すごっ。よし、これならさっきのスキルというよりアビリティかな? これらのおかげで、かなりあがりそう!」

実際にDEXが20、戦闘時に100になる。これだけDEXが上がれば、DEXに必要なクエストなどは簡単にクリアできてしまう。

しかし戦闘用スキルではないので、あまりゲーム内容を刺激するものではないかもしれない。

ロータスの使い方次第では、非常に厄介なものになるだろう。

 

「そこに的がある。あれで練習していきなさい」

教会にいるおじいさんのNPCは、攻撃練習の的を用意してくれていてこれでやっていくといいとのこと。

しかしロータスはすでにこれ以上の練習方法を見出している。

それは自分の放った矢を打ち落とすことだ。

そうすることで、命中力を上げられるだろうという考え。馬鹿じゃね?

 

「ありがとうございます。だがしかし、自己研鑽が容易だろうこのゲームじゃ的はご法度!じゃあ、さっそく……」

ロータスはすぐに出発して、道中の敵のウィークポイントを狙撃してクリティカルヒットを狙って昏倒させていった。

彼が目指すのは小高い山だ。

今ここにプレイヤーはだれもいない。

なぜならここは、いろんな領域に接続しているため爆発テントウムシやめちゃつよなムカデがポップする。

 

おかげでこの山は辺鄙なところになってしまっているんだ。

まあ最初の町から妙に離れていることもあるだろう。

 

「みよ。これが、お手玉さ!」

彼は矢を弦に番え、引いて真上に放つ。

そして手に装備した∞の初心者練習専用の矢をすぐに番えて、真上に放ちまくる。

ロータスの視界には、たくさんのレティクルがあって射撃用のものや敵の当たり判定を表示するものが重なり合って

なんかよくわからないことになっている。

 

「ほっほっほっ、これこれ。いいかんじ!」

だんだんやり方を覚えたと思ったら、さらに撃ちまくっていると違和感を覚える。

それは放った弓を打ち返して、さらに何度も打ち返しても矢が壊れない事。

最終的に地面につくことで、矢は消滅した。

まさかと思った。

 

「最低1ダメかと思えば、破壊不可能オブジェクト?」

そう。これはNPCに言われた通り、的あてをすることで的のどこに刺さったかを確認するための仕様。

おかげで、地面につくという矢の効果がなくなることで消えるのだ。

これにより何度も撃ち返しても、壊れることはない。

ロータスは撃った矢をできる限り撃って運んで、どこまでやれるか試してみることに。

 

 

『レベルが8に上がりました』

 

『スキル【狙撃 小】を入手しました』

『スキル【偏差射撃 小】を入手しました』

『スキル【致命の一撃 小】を入手しました』

『スキル【連射】を入手しました』

『スキル【速射 小】を入手しました』

『スキル【リロード】を入手しました』

『スキル【早打ち 小】を入手しました』

『スキル【曲射 小】を入手しました』

『スキル【サテライトアロー】を入手しました』

『スキル【大物食らい】を入手しました』

『スキル【引き絞り】を入手しました』

『スキル【暗殺者】を入手しました』

『スキル【相殺 小】を入手しました』

『スキル【装填 小】を入手しました』

『スキル【弾幕 小】を入手しました』

 

「え、何何何!?」

ロータスは矢で遊んでいるといきなり大量のウィンドウズポップに驚くことになる。

それもそのはず、彼のインベントリには”フォレストクインビーの指輪【レア】【VIT+6】自動回復:10分で最大HPの10%回復”

が入っていたからだ。

つまり経験値の大量入手がトリガーとなって、いろんな経験値や熟練度や条件が達成されたんだろう。

 

【狙撃 小】効果:DEXが高いほど飛距離と命中が上がる。

      条件:敵に見つからず一方的に撃破

【偏差射撃 小】効果:DEXが高いほど移動体を補足できる。

        条件:移動する敵を遠距離武器で撃破する

【致命の一撃 小】効果:クリティカル率を上げる。

         条件:急所攻撃を繰り返す。

【連射】効果:矢や魔法を二発同時に放てる。

    条件:2秒以内に敵に同系統の攻撃をあて、一撃で倒す。

【速射 小】効果:たまに魔法をクールタイムなしで放てる。

      条件:矢や魔法で1分以内に敵を30体倒す。

【リロード】効果:矢やアイテムのクールタイムを短縮する。

      条件:3分以内にアイテムや矢を100個消費する。

【早打ち 小】効果:威力が減衰するが、クールタイムも短縮される。

       条件:50発以上の攻撃と1秒以内の決着。

【曲射 小】効果:曲射補正がかかる。条件:曲射で敵を30体撃破

【サテライトアロー】効果:発動前に矢を多く消費することで、範囲・威力・手数など増加できる範囲攻撃。

     条件:飛行系ボスをダメージなし、武器種弓矢、100本以上の矢を上空から充て、致命の一撃を与える倒すこと。

【大物食らい】効果:HP、MP以外のステータスのうち四つ以上が戦闘相手よりも低い値の時にHP、MP以外のステータスが二倍になる。

  条件:ATK・AGI・DEX・VIT・INTのうち四つ以上が戦闘相手であるモンスターより、ステータスが半分以下のプレイヤーが、単独でボス格モンスターを撃破すること。

【引き絞り】効果:矢や溜め系魔法の溜めを最大にする。

      条件:最大溜めで敵を50体撃破する。

【暗殺者】効果:相手に未発見時、致命の一撃を確定で与える。

     条件:敵に未発見で致命の一撃かつ即撃破を1000回する

【相殺 小】効果:敵の攻撃に自分の攻撃をあてることで、威力を消す。

      条件:相手の攻撃を自分の攻撃で100回無効化する。

【装填 小】効果:矢などにアイテムを連結させ、

         アイテムの効果を矢などに与え   る。

      条件:敵モンスターの状態異常攻撃を利用して、

         自分の攻撃に相乗させて撃破する。

【弾幕 小】効果:矢や魔法の威力が低下するほど、分裂する。

      条件:1秒以内に20体の敵を30発以上の遠距離攻撃を与え撃破する。

 

 

「これは大変なことをやってしまった気がする……」

ロータスはだいぶやばいことをやっているのだ。

本来ならば、手間暇かけて習熟するのだが破壊不能オブジェクトを有効活用することで、やるはずだった苦行をものともせず獲得して見せた。

そもそも使用するアイテムで気づけるが、中級者向けのスキル構成。

初心の中の初心者がやるには、あまりにも技術が足りていない。

 

しかしそんな技術をステータスでカバーできるのが、このNEW WORLD ONLINEの特徴でもある。

 

「ま、まあいいや。今日のところは撤収しよう」

いろいろと怖くなった彼は、ログアウトをして現実世界へ戻っていった。

 

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