クッソ手先が不器用なので、技巧に極振りしようと思います!   作:名無しの権左衛門

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技巧特化と作成スキル

 

 

ロータスは次に何をしようか考える。

ダンジョン攻略はやったし、スキルの回収も結構いいところまでやったように思える。

そこで一度町の中にあるいろんなお店を巡ってみようと思ったのだ。

やはり友人がこのゲームを開始するまで、暇ということもあるのだろう。

 

近くの教会へ死に戻りして、近くの店や家を物色する。

 

1層はファンタジー路線ではあるが、基本的なことをするためのものがそろっているので、味覚を味わったりVRでできることを次々に試せるようになっている。

 

彼は以前立ち寄ったアイテム屋やその近くにある巻物屋に向かう。

そこには汎用スキルというものがあって、比較的安価で購入できる。

特に戦闘では入手できないような釣り・裁縫・鍛冶・カバームーブ等、

DEXやVIT関連のものが多く見受けられる。

 

「うんうん。やはりこうでないとな」

いろんな素材をエアロに売り払って得た大金で、いろんなスキルを購入してさっそく試してみる。

スキルなので、必要なものがなければ使えないがすでに購入したときに、初期装備としてインベントリにはいっている。

これを装備ではなく、そのままつかみ取ればいい。

 

そうして素材の一つであるバグズボマーの信管を使って、【工作】する。

【工作】はボムや工業品を作れる。大体加工して武器にするものが多く、苦無といったAGI特化プレイヤーには垂涎ものの武器を作れたりする。

 

「あ【爆弾 中】かぁ。何が作れるかっていうレシピと成功確率が出てくれるのはありがたいなあ」

 

『スキル【神業職人】を入手しました』

 

「よし! もっと作ってみよう!」

 

【神業職人】効果:このスキルの所有者のDEXを二倍にする。

条件:STR・AGI・INT・VITのステータスを上げるために必要な

ポイントが通常の三倍になる。

 

取得したスキルはDEXに振るしかなくなるある意味最悪なものでしかないが、

ロータスにとってこれは渡りに船。

DEX以外を絶対選択しない彼は、DEXを磨くことを決意している。

むしろあればあるだけうれしい。

戦闘面のスキルも必要だが、基礎技術の開発も急務だろう。

 

そうして手持ちにあるありとあらゆるアイテムをつぎ込んで、【裁縫】【鍛冶】【冶金】【工作】【料理】【彫刻】【作曲】【錬金】【制作】を行う。

また短時間に大量のアイテムを作ったがために入手したものもある。

 

【大量生産】効果:DEXが高いほど、何かを作ったとき+1される。

条件:一度に300個のアイテムを使用し、すべて成功させ、

なおかつ超成功でレアアイテムを作る。

【経費削減】効果:DEXが高いほど、何かを作る時使用素材が半分になる。

条件:DEXが150以上、同種アイテム1000個作成。

また資金が10万G以下。

【レコーディング】効果:【作曲】した曲の音圧が高くなる。

条件:【作曲】を100回行う。

【名曲製造機】効果:手動または自動製作で、プレイヤーかAIに凡以上の評価に

なるよう別データで編集する。

条件:【作曲】した音楽をAIかプレイヤーに、名曲・神曲・良い曲

と認知される。なおDEX200以上必要。

【音楽抽出】効果:【作曲】で自作した音楽をVR機器本体にWAVでミックスマッチ

する。

条件:AIサポートなしですべてプレイヤーの手で、一つの音楽を作り

上げる。

 

 

「お、【絵具】【絵筆】【墨汁】【和紙】【和筆】【ギター】【ピアノ】【釣り竿】【集音マイク】を作れるようになったぞー。DEXでリストに作れるものが出てくるのはわかりやすくていいな!」

ロータスが新たに作れるようになったものは、すべて生産系スキルをある程度使えるようになったプレイヤーだけが制作可能になるもの。

だから通常の生産職は絶対に取得条件を満たすことはできない。

 

制作者側からの細やかなゲーム本筋への誘導だ。

このゲームはいろんなスキルを取得して、この世界を歩んでほしいという願いをね。

 

しばらく彼がいつもの小高い山に登って、敵を屠りつつ制作していると

メールにてイベント開催の告知が行われた。

一番最初のイベントは、バトルロワイヤルだ。

 

PVEの側面が強いゲームでPVPをするのは、簡単なデバッグ作業のためと聞いている。

しかしそんなことをする前に、ありとあらゆることをして未発見だったものを作り出している。

 

「【ピアノ】! からの【作曲】で、渚のアデリーヌをAIで作成!」

ピアノを山の上で弾いて、AI作成といいつつインターネットからダウンロードされただけのPDF楽譜で演奏する。

自動演奏は勝手に指がやってくれるが、音符しか反映されないのでのっぺり気味。

しかしそれを頑張って自分の力かつDEXの補佐もありでやると、プロ並みの演奏をすることができた。

 

「あ、そうだ。教会で神曲でも弾いてやろうかな!」

【ピアノ】をしまって、【爆弾 中】を【装填】した【初心者練習専用の矢】で【弾幕 小】

を発動し自身に降り注がせた。

彼は一瞬で散るが、残った300発の【弾幕 小】が小高い山を吹き飛ばす。

最初の町にいた初心者を含め、あの山には近づかないでおこうという意識が芽生え、さらに人が近づかなくなってしまったようだ。

 

小高い山は灰燼に帰したが、数秒で元に戻った。

 

「よーし、『神曲』だ!」

せっかくDEX最強がいるのに、誰も見ようとしないのは当然。

リポップを選択しているのではなくて、特別なソフトでやったがため少々仕様が違うだけだ。

その結果彼がものすごい数のスキルを得たのだが。

 

彼が神曲を弾き終わると、頭の上にちいさな光が集まる。

 

【???の光】:いろんな教会で音楽を弾くと出てくる。

 

「……イベントまでに全部集めてみようかな!」

なぞの光を頭の上に乗せたロータスは、このマップ各地にある教会を巡る旅に出る。

イベントまでリアル時間1週間。それまでに集められるだろうか。

 

「ついでにお布施もしていこうかなー」

教会なのに二礼二拍手一礼をやるロータス。そもそもこれ以外しらないようだ。

銀髪をなびかせて踵を返すと、【初心者練習専用の矢】を足裏にさし【爆弾 中】を【装填】。

その瞬間、大爆発が起きてそのまま空中を飛ぶ。

どこまでいけるか、限界高度まで達した後教会のある町へ墜落する。

そのままだとGAME OVERになってしまうが、【風の妖精】を使って着地を無効化できる。

 

「限界高度は結構高いね。ごつんとぶつかったけど、そらそうか」

 

『スキル【ステラの如く】を入手しました』

 

「え、なにそれ」

近くのベンチで休息していたロータスに遅れてポップが出てくる。

一体何なのかとみてみると、その内容は驚きのものだった。

 

【ステラの如く】効果:宇宙は無理だけど、そういう気持ちを持ち続けるのが

大事。全ステータス+10

条件:宇宙へ飛び出したいという気持ちとマッハ2で

高度上限にぶつかる。

 

『スキル【宇宙開発技術】を入手しました』

『スキル【どこでも工廠】を入手しました』

『スキル【代用品】を入手しました』

 

【宇宙開発技術】効果:【どこでも工廠】で、宇宙関連のものを作れる。DEX+50

条件:【ステラの如く】【神業職人】【大量生産】【経費削減】

【装填】を取得。

【どこでも工廠】効果:アイテムさえあれば、どこでも制作関連スキルを使える。

          【宇宙開発技術】を無条件で使える。

条件:【宇宙開発技術】を入手。

ユニークシリーズを持っている。

【代用品】効果:なければ作ればいい。作れなければ代用すればいい。

条件:【どこでも工廠】またはDEX5000以上

 

どこをどう見ても運営の悪ふざけだし、ありえないという感じで割と適当な説明文。

しかもDEX5000は通常プレイにおいて、レベル500位必要でこのころになると

あまりDEXが必要なくなるというものだ。

そもそもそこまでレベルキャップが開いていない。

 

「えぇ……。まあ、素材だけでもみてみようかな」

スキルを使ってリストを見てみると、【代用品】のおかげでなんとか入手できるものがかなりある。

しかし入手が難しいレアなものが、40個ほど要求されている。

これは労力に見合うのだろうか?

 

「どこで手に入るんだろう?」

ヘルプを見てみると、毒竜をHPドレインで倒すことで入手と書かれている。

本来は素材の説明だけで、場所はわからないもの。しかし【代用品】のおかげで、

そういう細やかなところもきちんとしている。

 

「……行ってみよう」

情報掲示板で毒竜の迷宮の情報を仕入れたら、そこは毒耐性がないと一瞬で死ぬらしく、さらにVITもないとだめらしい。

なるほど、これは一般攻略者には不可能だ。

 

「【風の妖精】様様だなぁ。たった半日でここに来られるなんて思ってもみなかったよ」

飛ぶだけではなくて、ありとあらゆるモンスターに【挑発】をかけてAGIに膨大な

バフをかけてきた。おかげで、どこぞのVIT極振り空中要塞バージョンよりも早い。

木の根っこに覆われた穴の中に入っていくと毒々しい沼や雰囲気が出現する。

本来ならこの時点で毒が大分悪さをするのだが、【初心者練習専用の矢】のおかげで【毒無効】になっている。

 

そういうこともあって、簡単に最奥部へ入ることができた。

 

「なんかおどろおどろしいなあ。やっぱり、風の妖精のほうが明るかったよ」

腰が引けるがとあるアイテムのため、ボス部屋へ挑む。

妙に重たい木製の扉を開けて中に入ると、開けたばかりの扉が閉まる。

それと同時に、表面が腐った三首の竜が出現する。

これこそあの毒竜ヒドラだ。

 

「HPドレインって吸うってことだよね。吸う……HP……体……そうか。

食うのか……」

ロータスは頭に矢を刺しながら、嫌々とその身を頬張る。

ヒドラのそれを口に含んだ瞬間。何とも言えぬ味がした。

 

「おっぷ、おぇ。リアルなら吐いてた。でも、素材のため!!!!!」

ヒドラをぎりぎりまで削った後、食いまくって倒した。

正規法ではないので、滅茶苦茶時間を食ったがそれでもやり遂げる。

 

『スキル【毒竜喰らい】を入手しました』

『スキル【毒竜】を入手しました』

 

【毒竜喰らい】効果:毒・麻痺を無効化する。条件:毒竜をHPドレインで倒す

【毒竜】効果:毒竜の力を扱える。MP消費で毒魔法を使える。

条件:毒無効を取得したうえで、毒竜をHPドレインで倒すこと

 

『レベルが14に上がりました』

 

「よし、ヒドラの心臓ゲット!!」

これをあと40回。チキンレースの始まりだ!

そうしていやな顔をしながら、【悪食】を取得しつつなんとか40個を集め終わる。

なおイベントまであと1時間。

なぜかって?

精神的に参ってしまったからさ!

 

「もう嫌だ……食いたくない……うっぷ、おえぇ、う、ぐ、おrrrrrrrrrr」

なおリアルに戻って吐いた模様。

 

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