Shooting_Star_Rock_Man_Enter 作:舞波@現在進行形ゴールデン
妙な形状のサングラスをかけ、一般邸宅のテレビの前で思考に耽る男が1人。側から見れば怪しさ全開だが、その隣にはこの家の住人もいる。
尚、男が持つノートパソコンには50%と表示されている。
「ふむ。まだまだ除去には時間がかかりますか」
「直りませんか…?」
「Non。個人がデリートするには手に負えない程増殖されていましたが、それ故に時間がかかると言うだけです。心配は要りません」
「よ、良かったー…最近買ったばかりの最新機種がもう壊れたらどうしようかと思いました」
「仕方がありません。出回ったばかりの最新機種はウィルスに狙われやすいものです。暫くは警戒する必要があるかと」
「その度に頼むのもなぁ…どうにかなりませんか?」
「使用するか否かは自己責任でなら」
男が取り出したのは黒いUSBメモリだった。妙な存在感のそれもまた怪しさを醸し出しているが、男は説明する。
「あくまで個人作成の対ウィルスソフトなので、万が一メーカーの修理を受ける際サポートの対象外になる可能性が有りますが…それでも宜しければ。額としては今回の依頼と同額とさせていただきます」
「同額ですか…また何度も呼ぶかもしれないなら買っておこうかな」
「有難う御座います。使用方法は単純、機器に差し込むだけ。では本日は失礼します」
「ありがとうございました」
男は最後に胡散臭い笑みを浮かべて家から去った。
「ふう…」
本日分の業務が終わった所に一息つく。後どれだけ用意が出来るのか考えながら帰路を歩く。
所謂トラ転をしてから早一年。この世界が『流星のロックマン』の世界だと気付くまでは5分と掛からなかった。自分が目を覚ました部屋で真っ先に目に付くように置かれたアマケンに3つのサテライトのパンフレット。知っているならすぐ分かる、というやつだ。
どういう訳か自身の口座には一生暮らしていけるだろう金額が入金されており、生活環境は完璧だった。本人の認識以外は。
この時点でも至れり尽くせりなのだが、所謂転生特典がもう一つあった。
『特命戦隊ゴーバスターズ』に於ける屈指の有能、エンターの姿と能力だ。
これは詰まるところ流星世界の原作に干渉しろという事なのだろう。電脳が存在するこの世界エンターの能力はあまりにも有効すぎる。色々やれる事はやってみようと足掻いて今に至る。
そんな事を考えていると連絡が入る。同居人からだ。
『終わったか?』
「Oui、滞りなく終わりましたよ」
『ならさっさと帰って来い、食事が出来てる』
「…君もすっかり主婦ですねぇ、
ゼロ」
『アレコレお前が入れた結果だろう…もう切るぞ』
ぶつりと切られた通信に苦笑いを浮かべながら、この奇妙な日常を生きている。