ジムかん。(トレセン学園内ジムの管理人の話。   作:なっぞのひと

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今回も短くて勢いとテンションのままにやってます。



31.5(2)顔に塗ってはいけないものもある。

 数分間顔面をつねられて顔が赤くなったところに、治療の名目でヴィシュヌから渡されたハッカ油を沢山塗りたくられた流はメントールの刺激で目をあけづらい状態になっていた。

 

「あーくそ散々人の顔をこねくり回した挙げ句、顔全体にハッカ油まで塗りやがって、目と顔がやられたじゃねえか、しかも人の顔に鉄槌落とそうとしやがってよ、避けてなかったら流石に死んでたぞ。」

 

 「それは貴方が、変な所さわったり尻尾の付け根を掴んできたからでしょう」

 

拗ねたような口調で返された。

 

その後耳元で囁くように

 

「・・・えっち。」

 

何処かのウマ娘オタクなら即失神レベルのASMRの直撃だが流はちょっとムッとした顔で

 

「いや、組み転がしたのは悪かったけどさ流石にハッカ油顔に塗られたら逃げようとするだろ、こっちとしちゃ見えないからどちらにしろ壁を推してる感覚しかなかったし、必死だったから、えっちと耳元で当てつけられても困るよ。」

 

直後軽く背中を叩かれた。

 

「もう・・・憎まれ口を叩かなくても良いのに・・・私だってハッカ油はやりすぎたと思っているんですから。」

 

そう言われると流も弱いのと普段より距離も近い気がした。

 

そんなふたりの会話の横で

 

「トレーナーさん、管理人さんはカフェさんに何がしだんですか?」

 

「さっきカフェさんに顔を摘まれたときについ身体が反応して無意識に投げたと、きっちりやり返されてたけど。」

 

ユキノビジンは少し考えてから

 

「やっぱし管理人さんの事やっつけでもらっていいですが?」

 

「ユキっぺ、どうしたの急に。」

 

「無意識ぁ無えど思うあれは、カフェさんが押しに弱えのわがってで、適当に甘え言葉かげでカフェさんが動揺した時さ仕掛げだに決まってら、それにいっづもトレーナーさんにいっつも酷い事いったりしでる事は、わだすもちょっとだげ頭さ来てらんだ。正々堂々どやるんだら参加しても大丈夫です。」

 

「蒼真さんとやって良いのは有り難いけど、カフェさん蒼真さんの顔抓ったりするの楽しんでるように見えたし後腐れもなさそうだから、険悪ではないと思うよ。」

 

「もぢろん悪い人でゃーねぁーどわがってら、んだどもカフェさんに悪影響だべ、それにあのカフェさんが色っぽぐ耳打ぢしたども少しもなびかねぁーどころか真顔で返すなんて男としてどごがおがしいべ、あのどぼげは、わからせなきゃなんねえ。」

 

「アスリート気質でそういうのと無縁の生活だったろうし、ぶっ飛んでいるように見えて真面目だから多分、普通に悪口だと感じたんだろうな。」

 

ユキノビジンは少し考えて

 

「う~ん、それだど見でておもしぇぐねぇべ。」

 

高槻はどう返していいのか困った。

 

「うん、折角ユキっぺにOK貰ったし、蒼真さんの所行ってくるよ。」

 

高槻が流の所に行こうとしたら、後ろからスーツを掴まれた。

 

「トレーナーさん邪魔しちゃわがねだ。」

 

「タイミング的に今が良くね?」

 

「少しぐらい空気読んでくんせ、まだ説教しねどいげね」

 

高槻はそのまま奥へ引きずられていった。

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「なんでハッカ油なんか渡したんですか?ミスター」

 

「顔、つねルと顔が後で腫レます、予防ハ大じデス、後面白ソうでしたので。」

 

「カフェが本気で抓るわけないの貴方も理解しているはずですから、後者の面白そうが本音でしょう?」

 

「バレマしたか、仕方有りませン、ソウマの顔ガ、メントールでやられてイるのは私ノ責任、ダがワタシは謝らナイ。」

 

流は一瞬ムッとしたが疲れて動けない時に流し見していたニチアサのヒーロー番組でそんなセリフが合ったのを思い出していた

 

「そのセリフどこで覚えたんですか?、私は元ネタを分かっていますから、良いですけど知らない人なら切れますよ。」

 

「子供たちト一緒に特撮見た時に覚エましタ。」

 

「そう言えば既婚者でしたね、子供さんたちは元気にされてますか?」

 

「もちろん元気デスよ、ソウマジムのキッズクラスで毎日練習してマすよ、試合も出たいと言ってまシタ、タマニはジムに来て見てあげて下サイ。」

 

「元気なようで何より、今度荷物を取りに行くついでに、ミット持ちましょうかね。」

 

「アリガトございます、あと、そうまに頼みタイ事あります。」

 

「良いですよ、バリスタの仕事でしょう、そこにちょうどよい見習いバリスタもいますし。」

 

流はマンハッタンカフェの方を示した。

 

「見習いバリスタ?彼女はソウマの教え子ですか?」

 

「教え子ではありませんが、トレセン学園で随一のコーヒーの知識と技術を持った娘ですね。プロから見ればまだ経験不足ですが、ウマ娘として優れた嗅覚と味覚を持っていますから教えていけば、すぐに私を抜かすでしょうね。」

 

「ズいぶン、彼女のコトを評価してネ、ソウマ。」

 

「経験さえ積めればJBCCどころかWBCCも制覇できるレベルの才能はありますから、卒業後には私の実家に来てもらって両親に紹介したいぐらいです、それに見た目麗しいウマ娘で小柄でありながら艷やかな黒髪で可愛らしい顔立ちでビジュアルも良いし性格も面倒見が良く思慮深く、バリスタの適性も高い。進路関係で大手の飲料メーカーやコーヒーチェーンからのスカウト合戦もあるでしょうし、出来るだけ良い条件の企業に卒業後就職できるよう、学園にいる間はバリスタトレーナーとして暇を見て技術を伝えて経験を積ませてやろうかと。」

 

 

「ソウマ、長イ、早口、面倒くさイです、ホンネをいいなさい。」

 

流は少し考えてから。

 

「本音でなら一緒にいると落ち着くから、卒業後も一緒にコーヒースタンドでもやれたらなあとは思いますが、一番に考えなければならないのは、本人の将来の幸せですからねしっかり送り出しますよ。」

 

「ホんトにソレでいいノですか?ソウマ」

 

「そりゃあ他の連中に渡したくはありませんし、離れたら相当落ち込むと思いますが、結局私のわがままですからね。」

 

「あ・・・あの・・・」

 

ふと後ろからマンハッタンカフェの声が聞こえた。

 

「あ、そういえば近くに居たんだった、聞いてたんだよな?全部」

 

流は心なしか嬉しさと照れくささの混じった表情のマンハッタンカフェに心底めんどくさそうな顔を向ける。

 

「流さんは・・・もう少しご自分に素直にというか・・・ワガママを通しても良いと思います。」

 

「マジか、よっしゃカフェがうちに就職してくれるなら会社の業績が右肩上がり確定だぜ。」

 

「もう、そういうのじゃ・・・ないです。」

 

マンハッタンカフェはちょっとムッとしたが流の照れ隠しなのはすぐに解ったので、怒ることはなくヴィシュヌに声をかける

 

「ヴィシュヌさん、先程流さんにお仕事を頼むと言っていましたが・・・何をされるんですか?」

 

「ドリンクでチャイコーヒーやスパイスコーヒーやラテを作っテもラおうと思ってマす、ソウマ人間ハ駄目ですけド腕は良いですから。」

 

「私も・・・手伝っても良いでしょうか?」

 

「勿論でス、良いでスよね?ソウマ」

 

「それは勿論、道具は揃っていますよね?」

 

ヴィシュヌは頷いて

 

「エスプレッソマシンもグラインダーとか道具ハソウマに一番高イの売りつけラれましたかラ車に揃っテます。」

 

「了解、エプロン類は車から二人分お借りするとして、ジャージじゃアレなんで着替えてきます」

 

そのままジムの管理人室に戻っていき、数分後黒のワイシャツとチノパンに着替えて戻ってきた。

 

 

「おまたせ、んじゃ中に入ろうかapprendista barista(見習いバリスタ)

 

 

 流は車に入る前にマンハッタンカフェの手を取り、段差で転ばないようにエスコートしつつ中に入ると、筋骨隆々の屈強なネパール男たちがカレーやビリヤニを調理していた。

 

「えっと・・・この中でコーヒーを淹れるんですか?」

 

 

「ああ、奥にドリンクを作る為のスペースがあるからな」

 

 ネパール人たちの鋭い視線を受けて平然としている流を見ながら、自分があきらかに場違ではないかと不安になるマンハッタンカフェだった。

 

(続)

 




いつも感想や誤字報告をありがとうございます、すごくモチベーションになります拙い文章で恐縮ですが、これからもよろしくお願いします。

しかし文章力がなくて展開が遅い(反省

軽くだけど加筆修正しました。
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