ジムかん。(トレセン学園内ジムの管理人の話。   作:なっぞのひと

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今回は短めです。


34.副業をするために本業のお手伝いを募集するのは本末転倒な気がする

「ふむ・・・お二人で力比べをしていてどんどん荷重して、カワカミプリンセスさんが、一気に持ち上げたときにその勢いでシャフトが曲がってラックの上部に激突したと。」

 

 

 なるほど、マニュアル外の事をやった訳ではなく、純粋にシャフトがカワカミプリンセスの瞬発力に耐えられなかったと、上やメーカーに破損の報告は入れても二人が罰を受ける必要は無いと流は判断した。 

 

「一応通常使用の範囲内ではありますので、こちらとしては責めるようなことはありません。ただ、備品の破損事故ですので、理事長、施設管理部と生徒会とメーカーに報告はさせていただきますが。」

 

目の前の二人に緊張が走る。

 

「生徒会には、二人共お咎め無しにするようにお願いしておきますよ。」

 

何かしらの処罰があると考えていた二人はお咎めなしという流の言葉に驚いた。

 

「ちょっと待ってくださいまし!私達がブチ壊したのにお咎め無しだなんて、それでは私の気が収まりませんわ!」

 

「せめて壊してしまった物の片付けぐらいはさせてください。」

 

「それは専門の業者がやってくれますので、気にする必要ありませんよ。」

 

「なにかお手伝いさせてくださいまし!掃除でもなんでも致しますので!」

 

そういうのはいいからと思いつつも流は少し考えてから。

 

「私としては子供に責任を取らせる気はないので、特にやって頂きたい事はないんですが…」

 

「お兄さん、ちょっとええかい?」

 

 そこで流に声をかけたのはワンダーアキュートだった。

 

「二人とも、気持ちをスッキリさせたいんよ、それにここは学校だからねぇ、責任のとり方も勉強させてあげんといかんよ。」

 

「責任のとり方といっても、私としてはうまく責任から逃れる方法を学んで頂きたいのですが。」

 

「お兄さん、ここは学校だからね。」

 

ワンダーアキュートの圧に押されたのか、しばし考えると

 

「それじゃあ、一ヶ月朝と夕方のジムの清掃とついでに基本的なトレーニング方法やマシンの使い方を覚えてもらって、指導の補助に入ってもらいましょうか。」

 

二人共それで納得してくれたようだった。

 

「あら、お手伝いさんになってもらうのかい?」

 

「ええ、私の顔は怖いっていう娘達が多いので、同じ学生から教わった方がやりやすい娘も多いでしょうし、力の使い方や体の制御を理解するには基本を覚えてもらうのが一番良いですから。」

 

「なるほどねえ、たしかに教える側になってもらう方が覚えやすいもんねえ。」

 

「そういう事です。私も試合がありますし、少しここにいる時間を削らないといけないのでもともと募集をかける予定でしたので、ちょうど良かったんです。」

 

「試合というと管理人さんも何かスポーツされてますの?」

 

「キックボクシングですね。」

 

「キックボクシングといえばプリファイの第2シーズン「プリファイ☆'s【スターズ】の一時間スペシャルで横嶋篤士っていう実在する燻し銀のキックボクサーのジムでクロストレーニングとしてキックボクシングのトレーニングを受けるシーンが有りましたわ、サンドバッグに肘膝をブチ込んだり首相撲を用いて体幹を鍛える修行シーンはテンションブチ上がりでしたわ。」

 

「出ていたんですか!横嶋さんがプリファイに!?」

 

「戦いに負けてスランプになったプリンセスが、負け続けて表舞台から消えようとしていた伝説の燻し銀キックボクサー横嶋と出逢って立ち上がり、戦い続ける意志を教わる修行回で神回の一つですわ!」

 

 テンションを上げてプリファイを熱く語るカワカミプリンセスの話を聞きながら、アニメスタッフの中に滅茶苦茶な格闘技マニアが居ると流は確信した。

 

「王子様と一緒に戦うシーンで強烈なローキックと肘打ちで戦闘員をなぎ倒していくシーンは爽快でしたわ!敵幹部に叩き込んだプリンセスローリングエルボーの原形になった回転肘打ちは最高でしたわ!」

 

「スタッフのこだわりが中々に凄い、ファンどころか横嶋信者がいますね。」

 

 正直言って女児アニメのスペシャル番組に呼ぶゲストではないと流は思った。

 

 楽しそうに話すカワカミプリンセスの話を横で楽しそうに聞くドゥラメンテ。

 

「戦いが終わった後の小さなホールのメインイベントで横嶋さんとアマエリートのデビュー3戦目の怪物選手との試合のシーンはパンチやキック肘や膝を用いたガチンコのド突き合いで大声でプリンセスと王子様と一緒にテレビの前で横嶋コールしましたわ。」

 

小さなホールで、デビュー3戦目のアマチュアエリートと聞いて流は少し首を傾げてから。

 

 

「もしかしてその試合は、最後引き分けじゃなかったですか?」

 

 

「ええ、ノンストップのド突き合いでそれでもお互い倒れず、ゴングが鳴ったときは最後まで打ち合った二人に感動しましたわ!結果を知っているってことはもしかして・・・管理人さんもプリファイ観ていますの?」

 

「いえ、その試合で戦ったアマチュアエリート選手のモデルは多分私ですから。」

 

 

 

(続く)




滅茶苦茶マニアックなキックボクシングネタと女児アニメに混ぜると実際は混沌としそうです。

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