ジムかん。(トレセン学園内ジムの管理人の話。 作:なっぞのひと
「あ?誰だテメェは。」
流よりやや小柄で金髪のギラついた目のトレーナーは左手で流の襟首を掴んだ
「ちょっと!?トレっち。」
「良いんだよ、ヴィブロス。こういう突っかかってくるアホは追い払わなきゃなんねえ。」
その眼光は大抵の者は萎縮する威圧感のあるもので大抵のやつは目を背けるかその場から離れるが、ただ相手が悪かった。
「これは私に対して戦いを挑んでいるって事で良いですか?」
「さっさと離れるなら、手打ちにしてやるから失せろ。」
「そうですか、私は会話をしに来たのですがまあいい、決して手を離すなよ。」
流のコンパクトに振った右肘がトレーナーの顔面を打ち抜き、そのまま左腕に被せることで頭部を引き寄せて空いた側頭部にフルスイングの左肘打ちが叩き込まれた。
間髪入れずに両腕で首を抱え込み、腹部に何度も膝蹴りを叩き込み、相手の足から力が抜けたのを確認しそのまま捻るように床へ叩きつけた。
この間約8秒。
突然発生した異常事態に周りはすっかり動けなくなっていた、ウマ娘なら簡単に制圧できるかも知れないと思われるが、力は人よりあれど、突発的な暴力に対応できるような精神性を持ち合わせているわけではなく普通の女の子と感性はかわらない。
突発的に始まった男同士の喧嘩はウマ娘でもやっぱり怖いし、声も出しづらい。
「立てよ、大して効いてねえだろ?」
仰向けで腕で隠れていた為その眼はわからなかったが、口元が獰猛な笑みを見せていた。
「あっ、バレた?」
ヴィブロスのトレーナーは全身のバネで跳ね上がるように立ちあがった。
「んじゃ、仕切り直し♪」
ヴィブロスのトレーナーは無構で流はキックボクシングの構えで対峙していた。
全身のバネを生かした左前蹴りのフェイントからから放たれた大振りの右。
流が膝のバネを用いたダッキングで避け、反動を利用した左のストレートを返そうとした瞬間、流右のガードの上からフルスイングの鉄槌打ちが炸裂した。
流がぐらつくと同時にヴィブロスのトレーナーも右脚を抑えて腰が落ちかけた。
「ふむ、効かされたのは久々だ。」
「痛ってえ・・・思いっきりローくれやがって。」
ふたりともこの状況を楽しんでいるが、突如として殴り合いを始められるのはたまったものではない。
「トレーナーさんあの二人、止められねんですか?」
騒ぎに気づいて、駆けつけていた高槻はどう動こうか迷っていた。
「ちょっと難しいな、どっちかを止めたらそれを利用して、ぶん殴りに行くタイプだよあの二人、一対一は兎も角二人同時に抑えるとなると流石に無理だ。」
二人が動こうとした直前。
「やめて!私のために争わないで!」
声が聞こえたた直後、突如出現した警備部のボス鎌太刀に二人は股間を握られていた。
「やめないと私泣いちゃうんだから!」
流はこのまま動けば、金的を握り潰されると判断し構えを解いた。
対するヴィブロスのトレーナーも続行は無理だと戦闘モードを解いた。
「ああ・・・両手に華ならぬ・・・両手に玉・・・最高よね。」
状況を処理できなくなってるヴィブロスとマンハッタンカフェを見た鎌太刀は一言。
「あら、ヴィブロスちゃんにカフェじゃない?よかったらここ替わる?」
「「替わりません!!」」
二人の戦闘モードが解除されるのを確認し鎌太刀は二人の股間から手を離した。
「一体どうしたのよ?二人共私の愛人なんだから仲良くしなさいよ!」
「えっ・・・トレーナーさん、カマちゃんの愛人って事は・・・ごめんね・・・そういう趣味とは知らずに沢山アプローチして、それでもトレーナーさんは私のトレーナーだから。」
鎌太刀のブラックジョークを聞いて本気で落ち込むウィブロスを慰めるマンハッタンカフェ。
口調こそは優しく穏やかだが、鎌太刀に対して殺気立ってるのがわかる。
「ヴィブロスさん・・・大丈夫です・・・アレは鎌太刀さんの冗談です・・・多分」
「・・・本当に?」
「本当よ!アタシは、人の好きな男を獲ったりなんてしないわよ、不安にさせるような事を言って、ごめんなさいね。」
流石にブラックジョークを本気で受け止められるとは思っていなかった鎌太刀は、真面目な態度で返した。
「もう、カマちゃん冗談キツすぎ~本気にしちゃったよ。」
落ち込んでいたヴィブロスの顔が花が咲いたように笑顔になった。
「でもなっちゃんは別よ!アタシの妹の担当にと仲良くなってるなんて気に入らないわ!」
「・・・は?よく聞こえませんでしたが。」
マンハッタンカフェの側で、お友達とそれに関係する他の何かがうごめいているのが
「もう冗談よ~カフェ、お友達どころか他の危険な子達まで使ってと私を呪殺しようとしないの。それにしても、そこの二人はなんで殴り合いおっ始めたのよ?」
「私が話しかけたら、襟首を掴まれたのでつい。」
「知らないやつにいきなり突っかかって来られたから、ビビらせて追っ払おうと思ったら肘と膝叩き込まれてぶん投げられた、そんだけ。」
「「あ?」」
「ちょっとちょっと、ちゃんと会話しなさいよアンタたち。」
対立する二人を穏便に会話させようと試みる鎌太刀に対し
「知らない人と会話してはいけませんって言われなかったんすか?」
挑発に乗らず鎌太刀は穏やかに返す。
「アンタねえ、その眼の前の男はジムの管理人でフィジカルトレーナーもやってる学園職員よこれで知らない人じゃないわよね、自己紹介しなさい。」
舌打ちして
「龍波。で、管理人、オメーの名は?」
「蒼真。」
「んで、さっき声かけてきた理由ってなんだよ?」
「食事のとり方だよ、アレはまずい。」
「なんでだよ?体重ふやすんならあれが一番だろ。」
「アレはダメだ、体に負担がでかいし事故を起こしかねない。」
「?・・・詳しく聞かせろ。」
(続)
短いし、内容は滅茶苦茶だけど書いてて楽しかった。
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