ジムかん。(トレセン学園内ジムの管理人の話。   作:なっぞのひと

58 / 76
短めですけどよろしくお願いします。


49.ちゃんと話さなきゃわからないが、こういうやつだと思わなかった(前)

「大丈夫だって話はちゃんと通じるからさ。」

 

「優しい人ですよ。」

 

 最近変わったという管理人の苗字が蒼間でまさかとは思ったが流と言う名前で格闘技経験者だと聞いた直後、先輩トレーナーである佐久間と同期の谷口の言葉を葛城は信じることが出来なかった。

 

 あの男は俺にとって最悪な程に相性が悪い、その一言でしか言い表せない位、蒼真が苦手だった。

 

 小学校から中学校に上がるまで全ての試合をKO勝ちか一本で終わらせてきた葛城が唯一KO勝ち出来ず中学最後の試合も適当に流されて引き分けに終わらされた。

 

 勝ちは勝ちと誇ればいいが、武の道に生きていた葛城にとって、相手を倒せないのは負けに等しい。

 

 お互い全力て打ち合った末でなら、武の道とは違うがスポーツとしての喜びもあっただろうが、蒼間は己が学んできた金剛八重垣流の技を呼吸一つ乱さず、全て捌き切ってみせた。

 

 判定上勝利はしているがすべての試合で何も出来ないという敗北以上の屈辱を味合わされた、試合後もお互い顔を合わせず会場を去っていたしろくな思い出がない。

 

 

 蒼真は中学卒業と同時にプロに行ってしまい、葛城は高校がプロ格闘技を許さなかったので、暫くアマで続けていだが、在学中にジェンティルドンナと出会ったことで、トレーナーの道を目指し高校卒業と同時に金剛八重垣流から出奔している。

 

 実際に顔を合わせる場所が格闘技以外でなおかつ、初めての会話が自分の担当がやった事に対しての謝罪というのがついていない。

 

 別に行かなくても、金剛八重垣流の鍛錬方があれば力の維持はなんとかなる、しかし、ジェンティルの力を最大限に引き出すのなら、集中的に負荷をかけられるマシントレーニングが必要になる。

 

 その説得のために同期と先輩を呼び出したのだから、引くに引けない。

 

 

ジムの前で息吹を行い気を落ち着かせる。

 

同期と先輩が苦笑する中、葛城は自動ドアを開けた。

 

「モー!ジムカン!レバーレスはズルいって此方はパッドじゃん。」

 

給湯室と言うかカフェエリアでマジギレしてるのはトウカイテイオーだった。

 

カウンターの上にゲーミングノートを置いて格ゲーそれも新作のスト6をやっていた。

 

「大会はコントローラー持ち込み自由ですから。」

 

「しかも上優先は公式ルールで禁止になったじゃん!」

 

「商店街ゲーセンの大会に公式ルールが適用される可能性は低いかと。」

 

 

「それなら商店街の大会でレバーレス持ってくる奴なんて一人もいないもん!」

 

 

「商店街のゲー厶センターはスト6のレベル高いですからねアケコン持ち込みは十分有りえるかと。」

 

「ゲーセンなら公式ルール適用確率かなり高いじゃん!」

 

「悪い方を常に想定しておくのが勝負の基本です。」

 

「レバーレス自体が入力早くてコッチが不利なのに上優先はズルいよ。」

 

「定められたルールってのは利用するものであって、穴があるなら、どんどん使わないといけません。」

 

「モー!アーイエバコーイウー!」

 

 

いきなりの言い争いというか、ゲームの入力機器でトウカイテイオーと低レベルな言い争いを続ける男に見覚えがあった。

 

 顔の傷のせいで一瞬わからなかったが、蒼真だ、本当に居た。

 

 最後に会ったのが中学というか、試合でしか面識がななかったのでこういう人間だったのかと思いつつも、蒼真に声を掛けるタイミングに困ってしまう。

 

「じゃあ何かハンデでもつけましょうか、私の腕だとレバーレスは、少し手元をチェックする必要があるのと、膝おきでの操作は安定しないから、そうだカフェ、ちょっと来てくれ。」

 

蒼真は自分が飲むためのの豆を選んでいたマンハッタンカフェに声を掛けると

 

「なんですか・・・?ゲームのことは私には・・・わかりませんよ。」

 

豆選びを邪魔されたのをムッとしたのかちょっと無愛想に返事をした。

 

「んなことはわかってる、ちょっと俺の膝の上に座れ。」

 

 

「・・・は?」

 

 

「何言ってるのジムかん」

 

 

「カフェを私の膝に座らせたら、手元も隠れますしレバーレスも不安定になるから、ちょうどいいハンデになるかと。」

 

「ならないよ!カフェじゃ手元隠れるわけないじゃん!」

 

「対面状態にすれば、尻尾で隠れるかと」

 

「それでも重りになるだけで無理だって」

 

直後、呆れ顔で蒼真の方を見ていたマンハッタンカフェがトウカイテイオーの方へ向き直り一言。

 

「テイオーさん・・・ちょっとこちらへ、流さんは・・・後でお話があります。」

 

トウカイテイオーはマンハッタンカフェに引きずられるように、重い扉の付いた調理室?の中へ消えていった。

 

やっと茶番が終わったということで、葛城は蒼真に声をかけた。

 

「すみません、担当のことでお話したい事があるのですが、今お時間大丈夫ですか?」

 

「はい、大丈夫ですよ。」

 

直後、蒼真は葛城を見て、一瞬驚いたように動きが止まったがすぐにもとに戻った。

 

「それで、どうかされましたか?」

 

「自分の担当・・・いや・・・ジェンティルの出禁の解除をお願いしたいのと彼女をより強くするために力を貸してほしい。」

 

 

 

(続)




いつも読んでいただきありがとうございます。

色々挑戦してみたいです。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。