ジムかん。(トレセン学園内ジムの管理人の話。   作:なっぞのひと

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突然ですが筆が乗って長いですが投稿です。

ノリと勢いで何も考えずに書いています

こちらのPCの入力バグで重複している箇所がありました、大変申し訳ありません。


54.発言には気をつけよう。

マンハッタンカフェが葛城達を呼びに行った所、葛城とトウカイテイオーは仲良く格ゲーで対戦していた。

 

「コンボの繋ぎが甘いぞテイオー、お前は強攻撃やDIを用いた一発逆転に頼りすぎだ、あとはパリイや投げの頻度が少ないから防御が甘い、俺のアドバイスだけじゃなく、リプレイを見直して何が足りてないかしっかり考えろ。」

 

「はい、師匠!もう一戦お願いします!」

 

 葛城のアドバイスに熱の入った返事をし再戦を申し込むトウカイテイオー、それに適当に答えつつも確り再戦を受ける葛城、仲が良いなとおもった。

 

 トウカイテイオーは出の早い弱攻撃を起点にしたコンボを中心に攻めていくが、カウンター技を食らって投げられてしまい、そこから攻められて結局2ラウンドとも取られてしまった。

 

「コンボの組み立て方は良かったが、相手キャラのアーマーの効果範囲や間合いを計算に入れてないから、カウンターもらうんだよ、テイオーは感覚で勝負するタイプだから、知識と経験と練習量が圧倒的に少ない、攻略サイトや動画見て徹底的に勉強してトレーニングモードで色々やり込んで、どんどん対戦していけ」

 

「はい、師匠」

 

対戦の切りの良いところで、マンハッタンカフェは葛城たちに声をかけた。

 

「皆様、準備が出きていますので・・・そろそろ。」

 

「あ、すまない、テイオーがいろいろ聞いてくるからついな、待たせちまったかい?」

 

「大丈夫ですよ、楽しまれていたので邪魔しちゃいけないと思いまして、ジェンティルさんとは・・・こういったことはされないのですか?」

 

「ああ、ジェンティルは、ゲームとかそんなに好きじゃないから、付き合ってくれないんだよ。ティータイムには付き合わせるくせに、SFTGFOP1とかやたら長くて面倒くさい名前のとか出してくんだよ、美味い茶葉があるとかで良いのに、ジェンティルの選んだ茶葉だから絶対美味いに決まってんだ、銘柄なんてこだわらなくていいのによ。」

 

 長く続く名家とは違い、新興の家は銘柄や能書きに固執するというか形から入る傾向がある、ジェンティルドンナの父は一代で成り上がったからこそ、無自覚だろうが、ジェンティルドンナもそれを受け継いでいる。名家の令嬢で育ちの良いテイオーはそこに気づいたが、口には出さなかった。

 

「それは、葛城トレーナーに自分の好きな・・・物をよく知って欲しいのだと思います。」

 

「勿論、即勉強して殆どの茶葉の銘柄もそれに合わせたやり方も全部覚えた、無論茶請けも作れる。」

 

「トーマ意外とやるんだね」

 

「あいつの隣に立つ者として相応しくあるために、努力するのは当然だろ。」

 

感心するトウカイテイオーに対して真面目に答える葛城。

 

「まあ不満はあるよ、あいつ俺の好きな飯屋連れてくって、焼き鳥屋とかモツ鍋屋とかラーメン屋とか、回転寿司とか、町中華とかに誘うと絶対断るんだよ、品格だの世間体だのって、其のくせ俺の事をドレスコードが必要な堅苦しい店のフレンチとか、回らない寿司とかばっかり連れてくんだぜ、ぜってえあの成金親父のせいだ。」

 

「葛城トレーナー・・・それは失礼じゃ。」

 

愚痴る葛城を諌めようとするマンハッタンカフェ。

 

「わかってるさ、あいつの父親がどんだけ家族の事を大切に思っているか、自分が倒れてもやっていけるように、帝王学や作法として知識や自立心を叩き込んでいる事ぐらいはな、あいつもそれをわかってるからそういうのを大事にしてんだよ、俺は育ちが良くねえし、ジェンティルが色々教えてくれるのは楽しいから良いんだけどな、蒼真さんが飯を用意してんだろ、行こうぜ」

 

 

マンハッタンカフェと葛城一行がジムの側のテーブルの方へ向かうと流とオグリキャップの会話が聞こえた。

 

 

「ブラックコーヒーには消化を助けたり、脂肪燃焼効果もあるのか勉強になるな」

 

「ええ、ただカフェは骨格もあるんですが、コーヒーを何回も飲むから体が平べったいんですよね、ただアスリートとして筋肉はありますから見た目より重いんですけどね。」

 

「要するにカフェはコーヒーを飲むことで体についている脂肪の殆どをエネルギーに変えているから長距離が強いのか、私も練習前はコーヒーを取ることにしよう、で・・・どれくらい飲めば良いんだ?1リットルぐらいか?」

 

「そんなにたくさん飲まなくてもカップ1、2杯で平気ですよ。」

 

 流とオグリキャップの会話を聞いて葛城は、この男は本当に命知らずだなと思った。

 

 

 葛城からみても、流は慇懃無礼を地で行くので、どういう育ち方をしたらこうなるのか気になった。

 

ーーーーーーー

 

 葛城は元々貧乏で生まれも育ちも良くなかったが、実父の知り合いである金剛八重垣流の当代の家、つまりヤエノムテキの実家に預けられ真綿ののように、金剛八重垣流のあらゆる技を吸収していく才を認められ内弟子として育てられた。

 

 ヤエノムテキとは実の兄妹のように仲が良く、中学生の頃に幼き彼女の烈火を捌き切るほどに成長していた。

 

彼女が荒れ狂う度に、その力を総て受け流し。

 

『大丈夫だよ、お前のそれは時が経てば落ち着くし、その烈火はいつかお前の役に立つ、だから焦るな。』

 

『兄ちゃん…いえ、兄弟子はどうやって炎を抑えているのですか?』

 

幼き妹弟子の問に葛城は迷いなく答えた。

 

『まずは脱出路を確認するだろ?」

 

『脱出路ですか?』

 

『おうよ、脱出路だ、出来るなら監視カメラの位置を確認しておくと良い』

 

『脱出と烈火を抑えるのに何の関係が・・・」

 

『俺の場合はイライラしてるときは、ゲーセンの格ゲーで無双して絡んで来たチンピラを金剛八重垣流の技で片っ端から殴って解消してるからな。』

 

 その答えになんかとんでもないものを見る目で己を見ていたヤエノムテキの顔を葛城は忘れられない。

 

その答えの後、こうなってはいけないと、ぶっ飛んだ兄弟子を反面教師としたのか、烈火を制御する修行に努めるようになった。

 

 その後、クラブレースでジェンティルドンナとヤエノムテキのレース後に、葛城がジェンティルドンナの走り方を見て、足首への負担を気遣い声をかけて、軽くあしらわれた直後に、直後地面を踏み抜き、さらに安全柵に鉄槌を叩きつけて曲げてから、『中央のトレーナーになりゃ良いんだろ?その言葉忘れんなよ、餓鬼』と去っていくのを見て、ヤエノムテキは烈火を封じる道を選んだ。

 

 葛城はその後金剛八重垣流主催の大会をすべて制覇しながら、執念と持ち前の吸収力で成績を上げトレーナー学校に進学し、中央のトレーナー試験に合格した。

 

 元々葛城をプロ格闘家として大手団体のリングに上げるつもりだった総裁と当代は、なれるかもわからない他のウマ娘のトレーナーなど当然反対し、意思を曲げない葛城に対し、こいつらに勝ったら認めると言われ、全員叩き潰し強引に認めさせそのまま家を出ていった。

 

 それからフリーのトレーナーとなった葛城は、本当に偶然だったのだが、選抜レースにジェンティルドンナがエントリーすることを知り、滑り込みでスカウトに参加し、力技で周りのベテラントレーナーを追い払った。

 

『あんときの続きだ、足首は無事か?』

 

 ジェンティルドンナは葛城から送られた分厚い資料と葛城をみて少しきょとんとした後に大笑いして、そのまま契約となった。

 

 

 他のトレーナーの派閥からかなり圧力や葛城に対する嫌がらせがあったが、葛城本人が強かった事とチームスピカの沖野、同じ頃に地方のトレーナーから中央に同期として転属してきた北原が何故か色々ノウハウを伝授してくれたりサポートしてくれたので、屈することもなく今に至る。

 

ーーーーーー

 

 葛城はいつの間にか流の背後に現れたマンハッタンカフェに引きずり回された上に放り投げられる流を見ながら、俺が言えたことじゃないが、知る限りあいつはキックのエリートでいいとこの坊っちゃんで育ちがいいはずなのに、なんで社会良識が欠けたぶっ飛び方が出来るんだよと思った。

 

 気を取り直して、席につくと流がホルモンや牛肉をチムチュムに入れ始めるのをみてオグリキャップが

 

「もう待ちきれないぞ!早くだしてくれ!」

 

と肉を心待ちにしていた。

 

葛城は肉よりすでに火の通った空芯菜やキノコ類を軽く食してみると、レモングラスの風味と豚骨なのにあっさりとしたスープが実に美味い、今度は肉と一緒につけダレにつけて食べるとこの辛さがたまらない。

 

「夜だったらビールが欲しくなってたね」

 

「ええ、少しあたたかい時期で合わないと思ったら、普通にいけますね。」

 

 会話を交わしているのは、谷口トレーナーと佐久間トレーナーだ、突拍子もなくジムの外で鍋食うぞと言われて平然と食べている図太さを感じる。

 

 

トウカイテイオーはオグリキャップと一緒の鍋を食べている

 

「ちょっとオグリ肉を取りすぎだって!」

 

「そうかすまない、肉を追加してもらおう。」

 

周囲の会話に耳を傾けていると。

 

「トレーナー・・・なぜこんな場所で鍋を食べていますの?」

 

「和解したからだよ、ジェンティルも食うか?」

 

 鍋に使われいるハーブをふんだんに使ったエスニックなスープの香りはフレンチやイタリアンなどの西洋料理に慣れたジェンティルドンナにとって、妙に新鮮な香りだった。

 

「そうしたいところですが、今管理人さんは何処にいらして?」

 

「オグリキャップとテイオーの鍋に肉入れてる、座って待っとけばいい。」

 

「そうさせていただきますわ。」

 

ジェンティルドンナは葛城の横に座り、流を待つことにした。

 

当の流はオグリキャップの鍋に肉を入れながら彼女と会話をしていた。

 

「実にいい肉だな、何処から仕入れてるんだ?」

 

「そうでしょう、親戚が学園の近くで焼肉屋をやっているので、そこと同じ精肉店さんから肉をいただいているんです。」

 

「なるほど・・・これだけいい肉を出す焼肉屋さんならぜひ行ってみたいんだが、なんてお店なんだ?」

 

「焼肉のそうまです。」

 

「焼肉のそうまって・・・君はあそこの社長の親戚だったのか、いつもレースの後はお世話になっている。」

 

オグリキャップは食器を置き、立ち上がると流に頭を下げた。

 

「いえこちらこそ、いつも来ていただいて感謝しています。」

 

流も返礼した直後葛城から。

 

「蒼真さん!ジェンティルが話があるって、後ジェンティルの分の箸とつけダレをお願いします。」

 

流は頷き、オグリキャップに軽く給湯室からつけダレと箸を取り葛城の前に来ると。

 

ジェンティルドンナが凄まじく機嫌が悪そうにスマホを触っており、そして葛城がめんどくさそうにしていた。

 

「やはり出禁にされたことが気に入りませんでしたか?」

 

流は困ったように声を掛ける。

 

「いや、そうじゃない俺が格ゲーは当面はテイオーとするからジェンティルはもういいやと言ったら、おもいっきり不機嫌になって、急に攻略サイトとか操作説明とか、格ゲー向けのコントローラーの通販見始めて口きかないんすよ、なんなんすかね。」

 

「それは、葛城トレーナーが悪いと思うぞ、ジェンティルを仲間外れにするのは良くないと私は思う。」

 

葛城に声をかけたのはオグリキャップだった。

 

「そりゃあジェンティルが一緒にやってくれるなら一番嬉しいけど、やりたくないのを無理にやれってのは俺としても不本意だしよ、テイオーが上手くなりたいっていうし、蒼真さんにリベンジ出来るようになるまでは面倒見てやりたい。」

 

「そういう理由みたいだぞ、ジェンティル。仲直りできないのか?」

 

オグリキャップは肉と野菜を食べながらも心配そうにジェンティルドンナに声をかけた。

 

「元々喧嘩とか仲違いするようなことはしていませんわ、私は、こういったゲームはやったことがありませんし、トレーナーがゲームで遊んでいる姿を見ているのが楽しいから、見ているだけで十分と常日頃からトレーナーに言ってますわよ、額面通りに受け取ってくれなかったのは、私の言葉足らずでしたわね。」

 

 葛城の言い方の方が相当に悪いのだが、トレーナーの恩人である北原トレーナーの担当で偉大な功績を持つ先駆者であるオグリキャップの手前もあり、誤解により自身の意志が伝わっていなかったのが原因としてジェンティルドンナの方があえて非を認めてみせた。

 

「ふむ、喧嘩じゃなくてジェンティルのヤキモチかそれなら大丈夫だな。」

 

場の空気が一気に固まり、ジェンティルドンナは顔を抑えている。

 

「はいはい、ジェンティルドンナさんも固まってないで、私に用があるんでしょう?」

 

沈黙を破ったのは流だった。

 

 

「ええ、そうでした、先日は、機材を破損させてしまったどころか、大変失礼な物言いをしてしまい大変申し訳ありませんでした。」

 

「その件でしたか、そのことについては過ぎたことですので、それに葛城トレーナーとの勝負に負けましたし、こちらの提示した条件も受け入れてくれましたから。」

 

ジェンティルドンナは葛城の方を向き治った

 

「どういうことですの?トレーナー」

 

 葛城を問い詰めると、流に出会い頭にジェンティルの出禁解除とフィジカルトレーニングのサポートを突きつけたこと、更に格ゲー勝負を持ちかけたことを聞きジェンティルドンナは葛城の頭を抑えつけながら

 

「本当に私のトレーナーが重ね重ね申し訳ありませんでした。谷口トレーナーと佐久間トレーナーもご迷惑をおかけしました。」

 

「随分しおらしく謝るんだなジェンティル。」

 

「ええ、この件は完全に私達に非がありますからね。」

 

谷口と佐久間は気にするなとだけ返し、流も

 

「葛城トレーナーには私の試合までの練習パートナー努めてもらいますし私としてもありがたいですから、それはいいとして、コチラをどうぞ。」

 

流はジェンティルに冷たいミルクティーの入ったタンブラーを手渡した。

 

ジェンティルドンナはミルクティーを受け取ると、一口飲むと口いっぱいにバニラの香りと練乳の甘さが広がっていった。

 

「あら、美味しいこれは何処の銘柄ですの?」

 

「これはタイの一般的な紅茶ですね、バニラの香りが強いのが特徴でただ、ストレートで飲むとあまり美味しくないので練乳とミルクをぶっこんでアイスミルクティーにすることが多いです。」

 

「なるほど、ジェンティルにこのミルクティーを淹れて出すときは、アイスティーしかなかったけどいいかな?と言えばいいか、蒼真さん作り方教えてもらっても良いっすか?」

 

ジェンティルドンナは汚物を見るような目で葛城を一瞥した後発言をスルーした。

 

「せっかくですので、ジェンティルドンナさんもチムチュムはいかがですか?」

 

ジェンティルドンナは少し迷った素振りを見せているとオグリキャップがまた声をかけた。

 

「みんなで食べると美味しいぞ。」

 

オグリキャップの一言にジェンティルドンナは軽くうなづいて

 

「では頂きますわ。」

 

「よし、俺がいれてやるよ。」

 

 嬉しそうに自分に具材をよそってくる担当トレーナーを見てジェンティルドンナは、こういう食事も悪くないと思うのだった。

 

 

ちなみにマンハッタンカフェの分は流が個人的に作って一緒に食べたという。




長くなりました。

いつも読んでいただきありがとうございます。
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