ジムかん。(トレセン学園内ジムの管理人の話。   作:なっぞのひと

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今回はみじかめです。

4周年に2天井してSSR4枚でした


58.間違ってはいないけど言い方で事実の受け取り方は異なる

ファン感謝祭前日の早朝4時半、流はバキバキに固まった筋肉に軽く動きながら、血液を送り込んでいた。

 

「床で寝るもんじゃねえな。」

 

 流は鍵のかかった自身の部屋を見ながら呟いた。

 

 その理由は夜のランニングから消灯過ぎに戻って給湯室のチェックをしていると、マンハッタンカフェが居た。彼女が外泊申請までして、コーヒーの焙煎やエスプレッソの抽出練習をやろうとしていたからだ。ファン感謝祭で自分の喫茶店の分もあるが、明日の練習もあるし手伝える事があるなら手伝いたいと言うことだった。

 

 

正直俺一人で済むから帰れと言ったが、外泊申請をしているのでので帰らないとそこで流は、首相撲で両脇を差す要領でマンハッタンカフェを持ち上げた。

 

「へ・・・?」

 

 

 重心を捉えて持ち上げるなら見かけより重いウマ娘でも意外と軽い、そのまま管理人室こと流の部屋に入れてベッドに押し倒すように放り投げた。

 

完全にパニクってるマンハッタンカフェの横に手をついて流は一言だけ

 

「寝ろ。」

 

そのままベッドから起き上がりざまに

 

「後そこにシャワーあるから浴びとけ、ベッドに臭いがつく。着替えは俺のを好きに使え。」

 

部屋から出ようとしたところに後ろから枕を投げつけられ内側から鍵を閉められた。

 

 鍵は持っていたが開けるわけにはいかなかったのでジムの床でそのまま寝たというわけで、体そのものはバッキバキもいいところだった。

 

 一通りストレッチをして体をほぐし終えるといつも通り、ジムの設備点検を始めて30分ほどすると、ドゥラメンテとカワカミプリンセスが朝のジムの清掃に現れた。

 

 ファン感謝祭を優先して良いと伝えたが、やるべきは事きちんとやりたいと言うことなので、言葉に甘えさせてもらうことにした。

 

 掃除自体はすぐ終わったので、ウェイトを用いた筋持久力のトレーニングを教えることにした。

 

「フォームだけでなくお二人の最大筋力に合わせて簡単な重量の計算が入りますが大丈夫ですか?」

 

「「「はい、大丈夫です。」」

 

 

二人がOKを出したので、ウマ娘が扱えるハイクリーンでの最大重量の平均の半分ほどの重量のバーベルを用意した

 

「なぜ、比較的軽い重量のバーベルを?」

 

「この重量が筋持久力の強化に適しているからです、これでハイクリーンを30回を1セットを3回が基本になります。」

 

「この前のようにバーベルシャフトが曲がったりはしませんか?」

 

「今回のシャフトは新型ですからね、重さの限界を超えていませんし、大丈夫だと思います。」

 

フォームの展示で流は150キロのバーベルを全身のバネを使い肩口まで一気に引き上げ、一呼吸置くとバネを使って引き上げる前の体制に戻し、落とすように床に置いた。

 

「こんな感じで、全身のバネを使って引き上げて戻すを繰り返すことで、瞬発力と筋持久力の強化を行います。主に短距離からマイル選手向けのトレーニングです。」

 

「中距離や長距離の選手はやらなくても大丈夫なんですの?」

 

カワカミプリンセスの問いに

 

「長い距離の選手って一部の例外を除いて基本的にヒョロガリなんですよ、貴女方みたいに骨格が太くてずんぐりむっくりしているわけじゃないですからね、長距離が得意なカフェを見れば一目瞭然です。」

 

「妙にしっくり来る例えなのはわかるのですが、同時にすごく罵倒された気がしますわ。」

 

「だが、非常に真剣な顔で説明されているのだから、真面目に答えてくれているんだと思う。」

 

流としては真面目に答えたつもりだったが、何故か二人に微妙な顔をされているのが不可解だったが、そこは気にせず。

 

「さあ、やってみましょうか。」

 

 実際にハイクリーンをやらせてみると、一つ気がついた事がある、カワカミプリンセスはよく鍛えられているが、左右の筋力差が大きいのか、バーベルを挙上するときにわずかにズレが見て取れた、マシンが壊れてしまったのはそのズレにより、思わぬ負荷が加わったせいだろう。

 

「カワカミプリンセスさんは、もう少し軽いウェイトでやったほうが良さそうですね。」

 

「上げる分には、ぐらいでしてよ?」

 

「カワカミプリンセスさんは右と左の筋力差が大きいみたいで、右の筋力の方が左より圧倒的に強いんです、左右のバランスが悪いと怪我や斜行に繋がりかねませんので、今のうちにバランスを整えていく訓練をしていきましょう。」

 

「バランスを整えるのは、どうやったら良いんですの?」

 

「筋力が弱い方に合わせて鍛えていきバランスを整えるのがベターですね。」

 

なるほどと頷いたカワカミプリンセスは50キロ程軽くしてから、ガシャンガシャンと動作を始めた。

 

ドゥラメンテとカワカミプリンセスのおりなすバーベルの金属音は兎に角でかかった。

 

そのそのせいで起きてきたのか、マンハッタンカフェが管理人室のドアを開けて出てきた。

 

それも流のTシャツを着ている状態で。

 

 そんなマンハッタンカフェを見てカワカミプリンセスとドゥラメンテはバーベルを床に落としてそのまま固まっている、足に落とさなくてよかったと流は思った。

 

この状況に少し焦ったが、カフェの口からきちんと説明すれば二人はわかってくれるはずだと思い、流は

 

「カフェ説明頼む。」

 

マンハッタンカフェは流が少し焦っていることに気づき冗談めかして。

 

「流さんにベッドに押し倒されて・・・そのまま・・・朝まで。」

 

驚愕する二人に対してとっさに。

 

「俺は外の床で寝たけどな。」

 

(続)

 

 

 

 

 




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