ジムかん。(トレセン学園内ジムの管理人の話。   作:なっぞのひと

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色々あって時間がかかりました


67.ズレているやつはズレたままなのはしかたない。

「何で俺が正座させられてんだよ?」

 

カウンター前に引きずり出されて正座させられている流にマンハッタンカフェは呆れ気味に。

 

「なんですか、スティルさんに対してあの態度は。」

 

「それは俺の仕事じゃなくて大庭の仕事だろ。」

 

「叱られているときに…口答えですか?」

 

マンハッタンカフェは流の頭を押さえつけ押しつぶしながら、流の顔をのぞき込んだ。

 

「あら…まだ平気そう…脚にプレートを追加してもよさそうですね。」

 

「カフェ、流石にこれはやりすぎじゃないのか?」

 

眼の前で行われている流に対する拷問としか例えられない光景に、オグリキャップは恐る恐る抗議した

 

「いえ、これは暴力ではなく躾です。この人は…力こそ及びませんが、ウマ娘と同等の強さを持った獣です。だから…ちゃんと躾をして、獣から人にするために…物事についてちゃんと理解させないといけません。」

 

 

 オグリキャップは軽く引きながら、「そ、そうか」とだけ答えた。

 

 

そこから少し離れたところで流の部屋から勝手に持ち出した流のゲーミングノートパソコンを用いて、葛城とトウカイテイオー、スティルインラブ、アーモンドアイはスト6の対戦を続けていた。

 

「トーマ、止めなくて良いの?」

 

「カフェは怒り半分で後の半分はわからせを楽しんでんだろ、邪魔しちゃ悪い。」

 

「そういうものなの?」

 

「そういうもんだ。」

 

給湯室の冷蔵庫から、いつの間にか持ってきたのか熟したマンゴーを食べながら答えた。

 

「上手いなさすがタイ産マンゴー、テイオー達も喰うか?」

 

「良いの?でもそれ、ジムかんのマンゴーじゃないの?」

 

「練習相手の代金代わりに貰ったんだよ。」

 

葛城はマンゴーを半分に切ると、半分をサイコロのように切り分けて、楊枝といっしょにテイオーたちに、もう半分をそのままジェンティルドンナにスプーンと一緒に手渡した。

 

「ちょっと、ジェンティルだけ大きくない?」

 

文句を言うテイオーに対してラヴズオンリーユーとアーモンドアイは特に不服はなさそうだった。

 

「そりゃあ俺の担当だから当然だろ。」

 

その一言でトウカイテイオーは納得したようだった。

 

「トーマ、何気にジェンティルの事大好きだよね。」

 

「当たり前だよなぁ?じゃなきゃトレーナーしてないゾ。」

 

葛城はどこかの知将の大先輩のような口調であっけらかんと答えて、スト6をのキャラセレクトを再開した。

 

「トーマは相変わらずマリーザなんだね。」

 

「ジェンティルみたいで可愛いダルルォ?」

 

その直後強烈な殺気とともに地面を搔く音が聞こえた。

 

アーモンドアイ、ラヴズオンリーユー、トウカイテイオーは後ろを向く事を本能が忌避した。

 

前掻き、それはウマ娘が強烈な不快感を見せた時に現れる反応の一つ。

 

その音ともに放たれた強烈な殺気。

 

気の弱い者ならそれだけで気を失いかねない程の殺気がぶちまけられている中葛城は平然としている。

 

「ホラホラ、早くキャラ選べよ。」

 

そこでトウカイテイオーが選んだのはテリーだった。

 

「お、テリーか、いいところ選んだな」

 

対戦の結果は葛城の一方的な蹂躙だった。

 

「テイオー、なんで固まってんだよ?集中できてなかったら練習になんねえじゃん」

 

「後ろでジェンティルがあんな殺気立ってるのに動けるわけ無いじゃん。」

 

「殺気なんてもんはねえよ、お前が前掻き程度でビビってるだけだ。」

 

「それ以前にジェンティル怒らせたのはトーマじゃん!」

 

トウカイテイオーの言葉を聞いて、葛城は鼻で笑うと

 

「この程度で怒るほどジェンティルの器は小さくねえよ。」

 

「でもそんな事ばかり言ってたら、いつかジェンティルさんだって本当に怒って契約解除されるわ!」

 

アーモンドアイの言葉を聞いて葛城は少しだけ考える。

 

「そんなら即トレーナー辞めて、爺に頭下げて道場に戻るか、駄目なら別のジムに移って、プロになって蒼真さんや最強と言われてる天河と戦うことを目指すから別にいいよ。」

 

「アナタそれでいいの!?」

 

「別に、元々ジェンティルに文句言うためにトレーナーになっただけだから、ジェンティル以外に興味ねえし、契約切れたなら続ける意味もないからさっさと辞めて別の事するだけだ、何も問題ない」

 

 問いかけたアーモンドアイを含めた周りのウマ娘が言葉に詰まるがジェンティルドンナは皮肉たっぷりに。

 

「この人は、ドライなフリをして、確り当てつけてきますのよ、私がゲームの相手をあなたと遊ぶにはまだ力不足と断ったら、誰か見つけてきてジェンティルはもういいやとか。」

 

「断られたからすぐ替わり探しただけじゃねえか」

 

「ええ、すぐ探しに行きましたよね、なんの躊躇もなく。」

 

ジェンティルドンナは皮肉たっぷりに返した。

 

「それは、お前もお前でイタ飯悔いたいっていうからサ◯ゼ誘ってやったら、格式がないと駄目だって断ったじゃねえか。」

 

「あの時は、それならアケボノさんの実家のリストランテに行くとお伝えしてお金なら、私が出すので心配しなくていいと伝えたはずですが?」

 

「あ?チェーン店舐めんなよ、だから名家のお嬢として振る舞ってるわりに、成金趣味のガキにしか見えねえんだよ、大体、いつも言ってんだろ担当に奢られるぐらいなら、その場で腹掻っ捌いた方がマシだと。」

 

ジェンティルドンナはため息をつきながらほかの三人を見て。

 

「この人、私の頼み事は全然聞いてくれませんのよ、自分の意見は意地でも通そうとしますけど。」

 

「お前が贅沢なだけだろ、テイオーを見てみろよ!良いとこのお嬢なのに品位の欠片もねえ、この庶民感お前も見習え。」

 

「ちょっと、トーマ!どさくさ紛れにボクをディスらないでよ!」

 

「褒めてんだよ。」

 

ジェンティルドンナと葛城が言い争うなか、ラヴズオンリーユーだけは、ジェンティルドンナも葛城も怒っていないことに気が付いていた。

 

流石に葛城の愛用キャラがジェンティルみたいだろと言われていたときは、怒っていたが。

 

「結局、2人はどこで食べたんですか?」

 

「そん時はボノに作ってもらってカフェテリアで食べたよ、君のとこのリストランテ行くから親御さんに割引頼むって言ったら、カフェテリアで良ければあたしが作るって言ってくれてな、良いやつだよなボノ。」

 

 葛城はサラッと言ってるがマナーもモラルもないどころかぶん殴られてもおかしくない行動である。

 

「うわあ…よくジェンティルと契約できたよねトーマ」

 

「本当、困った人でしょう?」

 

 ジェンティルドンナが怒っていないのは、葛城が本当はヒシアケボノにどう頼んだかを彼女から聞いているからで、ジェンティルドンナも厚意を無下にはしたくはなかったので、受け入れている。

 

 葛城も完璧とは言えないがジェンティルドンナの望む事は全て叶えているし、人当たりも悪くないし、相部屋のブエナビスタのトレーナー契約の件で彼女のトレーナーが他のベテラントレーナーに目をつけられた時に、真っ先に助たりと良いところもある。

 

 基本的に葛城からジェンティルドンナに、何かを頼むことは殆どなく、唯一頼んできたのは彼の義妹にあたるヤエノムテキが選抜レースに出る迄面倒を見てやりたいという事位で他は一切無かった。

 

 

数年前葛城と契約するきっかけを思い出すとふつうではなかった。

 

 

______

 

 元々、ジェンティルドンナは強い、力を持ったウマ娘と言うだけではなく、その生家が富と権力を兼ね備えている故に、幼い頃から自らに媚びを売るものばかりで逆らう者も挑む者もなかった。

 

 中学に上がる少し前だっただろうか、その日もクラブで当然のようにレースに勝利したあと、参加したヤエノムテキから兄弟子と呼ばれていたまだ少年だった葛城が走りの事で此方に話しかけて来た。

 

アドバイスと称して自身に媚を売りに来たのだろうと思い、適当にあしらうような態度を取ったところ。

 

本気で切れられた。

 

媚びてくる相手ばかりで、相手から切れられる経験は皆無だったので内心で困惑していたが表に出すことはなく

 

「私に話を聞いて貰いたいのなら、貴方が私と並ぶ強者である事を証明なさいな、それまでトレセン学園でお待ちしていますわ。」

 

その言葉に葛城は

 

「その言葉、忘れんなよガキ。」

 

その言葉がジェンティルドンナの印象に残っていた。

 

 その後トレセン学園に入学したジェンティルドンナは高等部に上がり本格化が始まったのを受けて選抜レース終了後のスカウトタイムにその少年は青年となってジェンティルドンナの前に現れ、ベテラントレーナーがスカウトに入ろうとするところを押しのけて現れたのだ。

 

こういうときはベテランや一流のトレーナーが先に声を掛ける権利があるのだが、葛城はそれを無視して

 

「スカウトに来たわけじゃねえよ、こいつに話があるだけだ、時間は取らせねえから待ってくれよ先輩方。」

 

他のトレーナーたちが、騒ぎ立て一人の若手トレーナーが彼の肩を掴んだ瞬間、葛城は思い切り地面を踏み抜くとターフの硬い芝が思い切りえぐれていた。

 

「最初からスカウトする気は無いって言ってんだから、邪魔すんなっての。」

 

後退りしながらも文句を言うトレーナー達を無視して

 

「久しぶりだな、あの時の話の続きと行こうか。」

 

「続き?」

 

ジェンティルドンナが問うと葛城は露骨に不満そうな顔になった

 

「なんだ、話をしたけりゃ学園に来いっていうからトレーナー資格取ってきたって言うのによ。」

 

「それを本気に?」

 

 話をしたければそのための資格を取って、学園に来いといった気はするが本当に実行するとは思わなかったので、どういう顔をすれば良いのかわからなかった。

 

「んじゃ、先輩方をお待たせするわけには行かないから、本題に入んぞ、お前、力はあるが技術はないだろ?力がバラバラで纏めきれないから走ったあとが滅茶苦茶で力を百パー走力に変換できてねえって事だ。例えば…」

 

 葛城は武術で言う所の震脚の要領で、思い切りターフを踏み抜いた、その穴はジェンティルが走った後よりも深かった。

 

「ま、力を正確に纏める技量があれば、ウマ娘より非力な俺でもこんな事も出来るってわけだ。」

 

 ジェンティルドンナは目の前の男は強いと認識し、あえて挑発的に聞いてみた。

 

「その力の使い方、私に教えてくださるの?」

 

「やだねヒントは教えたんだから自分で考えろ。んじゃ話は終わりだ。先輩方、御迷惑をおかけしました。」

 

葛城は先輩たちにしっかりと頭を下げて、ジェンティルドンナに背を向けて去ろうとした所

 

「お待ちなさい。」

 

「あ、話は終わっただろ?」

 

「どこに行くつもり?」

 

「もう終わったからな、辞表出しに理事長室行くんだよ。」

 

なに当たり前の事を聞いてんだこいつ?という顔で葛城は答えた。

 

「あら残念。」

 

その言葉を聞いてか、ジェンティルドンナは何かを振り払うように一言だけ返した。

 

そのまま去ろうとする葛城に別の人物が声をかけた。

その人物は葛城がトレーナー訓練校にいた時に特別講師としていたベテラントレーナーだった。

 

「待ちな、お前確か葛城…だったな、お前ジェンティルをどう見てる?」

 

葛城はベテラントレーナーの問いを素直に答え。

 

「誰が教えても、身体能力でジュニア級までは無双できるでしょうし、俺の見立てだとクラシックもシニアでも行けるでしょ、ただ今のままだと、こいつの狙ってるティアラは無理ですね。」

 

「なら誰が穫る?」

 

「いつも、こいつに挑んではやられてる奴…確かろそうそう、ヴィルシーナ、彼女が3冠全部穫るとおもいます。」

 

ジェンティルドンナは引っかかるものがあったが表には出さないように務めた。

 

「なぜ頭打ちになると思った?」

 

「こいつの純粋な強さに魅せられて、力の使い方に気づけないやつが殆どで、その上こいつは隠しているつもりでも意外と頭に血が上りやすいタイプな上に元々圧がつよいから、真っ当に口出せる奴も居ないでしょ。」

 

ベテラントレーナーは少し考えてから。

 

「そうか、ならお前がジェンティルと契約しろ。諸々の事は俺がどうにかしてやる。」

 

「え?自分はスカウトに来たわけじゃないんですけど?それだったら、アンタが獲ったらいいんじゃ?」

 

「俺は今回は立会だけだ。お前、さっきの連中見てあいつらが、ジェンティルに真っ当に意見する度胸があると思うか?」

 

「そっすねえ、だから俺もその前に話に行ったんだし。」

 

「形はどうあれ、お前は彼女に真っ当に意見が出来ることを証明したわけだからな、それに今お前が辞めたら義理の妹のヤエノムテキに迷惑がかかるぞ。」

 

「あーミスった、ヤエノの事があったな・・・全部終わってから声かければよかったか、でもジェンティルの意志が一番大事でしょう。」

 

「この方の人間性はどうあれ、私の隣に立つにふさわしい技量があるなら私は問題ありませんわ。」

 

「そこは問題ねえだろ、葛城はURAのトレーナー訓練校は首席とは行かなかったが、桐生院に次ぐ成績で卒業してるぞ。」

 

「へえ・・・私からも質問を、貴方は私の走りに何を見ましたの?」

 

「上半身のフォームの力強さに対して、股関節の可動域が小さいせいでストライドが狭いせいで本来推進力に使われるはずの力が真下に逃げてる、改善するなら、練習前には動的ストレッチをレース前にはPNFストレッチ、練習後やレース後は必ず静的ストレッチをやっとけ、それだけで力は纏まるようになる。」

 

ジェンティルドンナの問に対して、葛城は夢や理想などの感傷的な答えではなく、ただ見たまま改善点を答えた。

 

「他のトレーナーさんは、口説き文句ばかりなのに貴方は改善点なのね。」

 

「指導者が理想論語ってどうすんだよ、勝たせることが大事だろうが、んで合格か?俺は」

 

「ええ、トレーナーとしては兎も角、人間としては及第点未満ですど。私はジェンティルドンナ、貴方の名前は?」

 

「葛城刀真。」

 

ジェンティルドンナは軽く微笑み。

 

「それではよろしくお願い致しますわ葛城トレーナー、まずは最初の目標を決めましょうか。」

 

「あーめんどくせえから、まずトリプルティアラ獲ってから考ればいい、んじゃ契約書類貰ってくるから、後で俺のトレーナー室に来てくれ、考え直してやめるのならその時に言ってくれ、じゃあ後でな。」

 

 

これがジェンティルドンナと葛城の契約の経緯だった。

 

人間的にめちゃくちゃではあるが、やるならちゃんとやると、自分の隣に立つに相応しい技能を身に着け自分に尽くしてくれるし、トレーナーとしては完璧なのだから幾度となく失敗だったのではないかと考えることもあるが、後悔はしていない。

 

周りに聞かれた時にジェンティルの為にトレーナーになったと公言しているのには思う所はある。

 

 

_______

 

 

 ジェンティルドンナが物思いにふけっていると、いつの間にかラヴズオンリーユーと葛城の対戦の準備が始まっていた。

 

ラヴズオンリーユーの遠距離攻撃を葛城が捌いて反撃そこに、反撃という一進一退の攻防を画面の中で繰り広げられていた。

 

結果は2対1での、ラヴズオンリーユーの勝利だった。

 

葛城はスッキリした顔で

 

「配信やコラボで何回か見ているが、やっぱ強えな、ありがとな。」

 

「こちらこそ、ありがとうございます。本当に紙一重というか、レバーレスとアケコンの入力速度の差が出ただけなので、ゲーセンだったら勝負はわからなかったと思います。」

 

「謙虚だな、後レバーやボタンの音でこちらの入力を先読みしてたろ?2ラウンド目に音の立て方を変えた時に反応が狂ったからな。」

 

「え、そこに気づいてたんですか、だからカウンターが取りづらくなったんですね、3ラウンド目は一か八かのインパクト返しが決まっていなかったら負けていたと思います。」

 

「そっか、今度オフラインでやるときは設定と基盤をいじってフェイクボタン仕込むのも悪くねえな。」

 

「いい手かもしれませんね、最近はオフの対戦会も持ち込みが多いのでボタンの音は重要になって来るでしょうし。」

 

「すぐさま実践したいところだが、俺も感謝祭の演し物の練習あっからここまでか、ラヴズありがとナス!」

 

演し物という言葉にジェンティルドンナが反応した。

 

「演し物?」

 

「ああ、言うなって言われてんだがジェンティルには言っても良いか、んじゃこっち来てくれ。」

 

葛城はジェンティルドンナと一緒に少し離れた場所についた。

 

「いやな、トレーナーたちの特別ライブでめにしゅき♡ラッシュっしゅ!を演る事になってな。」

 

「ふうん・・・男性陣で演るのかしら?」

 

「いや、明石とか、桐生院とか、俺除いて全員女だな、後俺センター。」

 

ジェンティルドンナの顔が険しくなり、葛城の手首を掴んだ。

 

「トレーナー、ちょっと此方へ。」

 

ジェンティルドンナは葛城の手首を掴んで引きずるようにして、いまだ正座をさせられている流の前に来た。

 

「管理人さん、今ダンススタジオは空いて居ます?」

 

「この時間はもちろん空いていますよ、この時間はめったに予約が入ることはありませんから。」

 

「そう・・・ではお借り致します。」

 

「どうぞどうぞ。」

 

ジェンティルドンナに引きずられていくように葛城はダンスルームへ消えていった。

 

 

流は二人を見送ったあと、マンハッタンカフェを見て

 

「カフェ、そろそろ解放してほしいんだけど、俺も今日の準備があるからカフェテリア行きたいし。」

 

マンハッタンカフェは流を一瞥すらせず。

 

「駄目です。」

 

「助けてくれ、シン先生、または大庭。」

 

「ナガレは昔からこうだからね、ここでしっかり反省する事を覚えると良いよ。」

 

「俺もシンさんと同意見かな。」

 

流は暫く放置されることが確定した。

 

 

「おや、お兄さん懲りずにまたやらかしたのかい?イベントのお仕事もあるのに」

 

いつの間にやら、ワンダーアキュートがトレーナーを連れて現れていた。

 

 やれやれという視点で流を見つめるワンダーアキュートとは違い正座させられている彼女のトレーナーは若干引いていた。

 

ワンダーアキュートはシンサックを見て驚いた。

 

「シンサックさんじゃないか、なんでトレセン学園にいるんだい?」

 

シンサックもワンダーアキュートを見て目を丸くして。

 

「アキュート!お父さんは元気かい?」

 

「もちろん、トレーナーとしてもプロモーターとしても絶好調じゃよ。」

 

「OK!4回戦や6回戦で選手が必要なときはジムにメールするように伝えてください!」

 

「そうだねえ、父ちゃんに伝えとくよ。」

 

「コップンカップ。よろしくお願いします。貴方のお父さんの教え子強いからね経験積めます、貴方のお父さんボクシングだけどワタシをKOした世界中で唯一の戦士ですからね。」

 

ワンダーアキュートはゆっくり頷いて

 

「その試合のあと父ちゃん日本タイトルだったんだけど、シンサックさんとの試合のダメージが抜けきれてなくて、判定負けで、そのまま引退しちゃったんだよね。」

 

 

流は横ですげえ話を聞いたなと思った。

 

「それは置いといて、カフェさん、お兄さんをそろそろ解放してあげないと、この後の仕事する気はあるみたいだから。」

 

「この人は・・・しっかり反省させないと。」

 

ワンダーアキュートは苦笑して。

 

「カフェさん、お兄さんの頭の中に反省という考えがあると思うかい?」

 

マンハッタンカフェは諦めた。




かけてよかった、次回はカフェテリアからです。
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